/MAT/LAW104

ブロックフォーマットキーワード Voce硬化と線形硬化が混在する6次Drückerモデルを使用した弾塑性構成則。Johnson-Cookひずみ速度の依存性および自己加熱に起因する熱軟化の効果もモデル化できます。この構成則は、等方性のシェル要素およびソリッド要素に適用できます。

フォーマット

(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
/MAT/LAW104/mat_ID/unit_ID
mat_title
ρiρi                
E vv Ires      
σ0yldσ0yld H QV BV CDR
CJC ˙ε0˙ε0 Fcut    
μμ Tref Tini    
ηη Cp ˙εiso˙εiso ˙εad˙εad  

定義

フィールド 内容 SI単位の例
mat_ID 材料識別子

(整数、最大10桁)

 
unit_ID 単位の識別子(オプション)

(整数、最大10桁)

 
mat_title 材料のタイトル

(文字、最大100文字)

 
ρiρi 初期密度

(実数)

[kgm3][kgm3]
E ヤング率。

(実数)

[Pa][Pa]
vv ポアソン比。

(実数)

 
Ires 塑性の解法。
= 0
1に設定
= 1(デフォルト)
NICE(Next Increment Correct Error)陽解法。
= 2
Newton反復陰解法。
= 3
弾性の更新を伴うNICE陽解法。

(整数)

 
σ0yldσ0yld 初期降伏応力

(実数)

[Pa][Pa]
H 線形硬化モジュール。

(実数)

[Pa][Pa]
QV Voce硬化係数

(実数)

[Pa][Pa]
BV Voce硬化指数。

(実数)

 
CDR Drucker係数。

(実数)

 
CJC Johnson-Cookひずみ速度係数。

(実数)

 
˙ε0˙ε0 塑性ひずみ速度の非粘性極限。

(実数)

[1s][1s]
Fcut ひずみ速度フィルタリングのカットオフ周波数。

デフォルト = 1020(実数)

[1s][1s]
μμ 温度軟化曲線。

(実数)

[1K][1K]
Tref 参照温度。

(実数)

[K][K]
Tini 初期温度。

(実数)

[K][K]
ηη Taylor-Quinney係数。

(実数)

 
Cp 比熱

(実数)

[JkgK][JkgK]
˙εiso˙εiso 等温条件における塑性ひずみ。

(実数)

[1s][1s]
˙εad˙εad 断熱条件における塑性ひずみ。

(実数)

[1s][1s]

コメント

  1. この構成則では、次のように6次のDrücker相当応力定義を使用しています。 (1)
    σeq=k (J32CDR J23)16σeq=k (J32CDR J23)1/6

    J2J2 J3J3 は、それぞれ偏差応力テンソル k= (127CDR 4272)16k= (127CDR 4272)1/6 の第2不変量と第3不変量です。

    このパラメータはユーザー定義であり、複数の降伏曲面を定義できます(図 1)。この図にある凸性を考慮するには、このパラメータ値を-27/8 ≤ CDR ≤ 2.25の範囲で指定する必要があります。


    図 1. Drücker降伏曲面
  2. 降伏関数を次のように定義します。(2)
    ϕ= σ2eqσ2yld1=0
    および (3)
    σyld=(σ0yld+Hεp+QV(1eBV εp))(1 + CJC ln(˙εf˙ε0)) (1  ( Tref))
    ここで、
    σ0yld
    初期降伏応力
    H
    線形硬化。
    QV,BV
    Voce硬化パラメータ。
    CJC
    Johnson-Cookひずみ速度係数。
    ˙ε0
    非粘性極限塑性ひずみ速度。
    μ
    熱軟化曲線。
    塑性に対するこの流れ応力方程式の変化。


    図 2. 塑性に対する流れ応力の変化
  3. この材料に/HEAT/MATを使用していない場合、次の増分式を使用して温度が内部的に計算されます。(4)
    dT= ω(˙εp)η Cp
    ここで、
    dWp 
    塑性ひずみエネルギーの増分。
    η
    考慮を必要とするTaylor-Quinney係数 0η 1
    ω(˙εp)
    等温条件と断熱条件間の遷移を定義する係数(図 3)。
    (5)
    ω(˙εp)= (˙εp ˙εiso)2(3˙εad 2˙εp˙εiso)(˙εad ˙εiso)3


    図 3. 塑性ひずみ速度に対する温度重みの変化
  4. この塑性ひずみ速度には、ユーザーズガイドフィルタリングに従ってフィルタが適用されています。