計算流体力学(CFD)

CFD(計算流体力学)コードを使用すると、定常流(抗力と揚力)、および加熱や解凍のような速度の遅い過渡流を予測できます。

空力音響は、振動構造物と相互に作用する乱流によって生成されることが多い騒音を取り扱う工学分野です。この分野は、静止している媒体における反射、回折、吸収等の音響圧力波の伝播が対象となる純粋な音響分野とは異なります。

空力音響問題は、以下の3つのカテゴリーに分類できます。
  • 外部の風騒音が構造を通して内部に伝達: 自動車産業では、ピラー、サイドミラーやウィンドシールドのワイパーノイズがこのカテゴリーの典型的な問題です。
  • 内部の流体騒音が構造を通して外部に伝達: この問題のクラスの例題として、エギゾースト、HVAC、インテークノイズなどがあります。
  • 回転機械騒音: 軸周りと遠心分離ファンは騒音の出る部品で、検討対象となる多くの空気-音響問題をもたらします。
直接的な空力音響数値解析を実行するために必要な要素は以下のとおりで、1つの数値コードに実装されています。
  • 圧縮性Navier Stokes: 圧力波を伝播できるため、考えられるすべての空洞モードを含む流れと騒音を1回の解析で考慮できます。
  • 流体構造連成: 乱流、構造体の1つの側面、および構造体の反対側の騒音放射に関する問題を処理できます。
  • 過渡乱流モデリング: RANS(Reynolds Averaged Navier Stokes)では、流れが定常状態と乱流変動の組み合わせであることが前提になりますが、過渡乱流モデリングはRANSとは異なります。空力音響騒音は、小規模な乱流変動に直接的に関係しており、時間に大きく依存します。
  • 指定インピーダンスでの音響境界: 適切な空力音響解析を行う上で重要なポイントです。境界はさまざまなタスクを実行できる必要があります。例えば、流入口に強制速度で自由フィールドインピーダンスを与える、ダクトの流出口で特定のインピーダンスを指定して長波長を内部に閉じ込めたままにするためにする等です。また、振動構造体に対する外気のインピーダンス効果も処理できなければなりません。さらに、多くの部品のコーティングに使用されている吸収物質(カーペットと発泡体)をモデリングする場合にも使用できる必要があります。
  • 大波解析乱流モデリング: 乱流構造によって誘発される騒音を適切に考慮します。残念ながら、任意の時点で同時にアクティブな乱流構造のサイズは、問題全体から極小のコルモゴルフスケールまで多岐に渡ります。

これらの要素は、流れ(当然のことながら乱流モデルの使用は除く)、流体構造の連成、または振動に関する特定の前提なしに空力音響解析を実行するために必要です。