対称タイプ

HyperWorksでは、リフレクティブ対称と非リフレクティブの対称をサポートします。

リフレクティブ対称

リフレクティブ対称定義は、2つもしくはそれ以上のハンドルを対称性をもたせてリンクし、1つのハンドルを動かすと、対称ハンドルにもその動きが反映され対称性を持って移動されます。また、リフレクティブ対称定義は、radius、curvature、およびarc angleツールの使用時、またはmap to geom操作を行う場合に、ドメイン上で対称性を持ってモーフィングを行うことができます。モーフィング操作における対称性をオフにするには、symlinksチェックボックス、またはMorph Optionsパネルのsymmetryを非選択にします。

リフレクティブ対称は、unilateralまたはmultilateral、approximateまたはenforcedとして定義できます。
Unilateral symmetries
片方のサイドが他方を支配しますが、その逆はありません。例えば、対称の正のサイドにハンドルが作成されたり、ハンドルにモーフィングが適用された場合、もう一方のサイドまたは対称サイドに反映されますが、もう一方のサイドまたは対称サイドへのハンドル作成やハンドルへのモーフィング適用は反映されません。
multilateral symmetries
すべてのサイドが他のすべてのサイドを支配します。例えば、任意のサイド上へのハンドルの作成や、ハンドルへのモーフィング適用は、他のすべてのサイドに反映されます。
Approximate symmetries
他のハンドルと対称ではないハンドルを含むことができます。例えば、ある対称サイド上にのみハンドルが作成された場合、他のサイドにはそのハンドル作成は反映されません。このオプションは、非対称ではあるが対称に近いドメイン、または、完全な円ではない円弧をスイープするメッシュに適用される周期対称性に最も適しています。
Enforced symmetries
他のすべてのサイド上で対称ではないハンドルを含むことができません。例えば、対称サイド上でハンドルの作成や削除が行われた場合、対称性が保たれるよう、他のサイド上でも作成または削除が行われます。非リフレクティブ対称がこのenforcedオプションで作成された場合、その強制条件に見合うよう、追加のハンドルが作成される場合があります。
注: enforcedオプションで作成されたハンドルは、メッシュ上に配置されない場合があります。ただし、それらは常に最も近いドメインに割り当てられ、そのドメイン内の節点に影響を及ぼします。
リフレクティブの対称定義は、1-plane、2-plane、3-planeおよびcyclicalです。
One Plane
1つの鏡面が、選択された軸(デフォルト= x-軸)と垂直に、その原点位置に置かれます。
図 1は、左側のメッシュはモーフィング前、右のメッシュはモーフィング後のものです。1 plane対称定義のアイコンは、対称座標系の選択された軸に垂直な四角形です。この四角形が鏡面の働きをすると考えることができます。ハイライト表示されたハンドルを動かします。下部左側にあるハンドルのみが選択されると、上部左側のハンドルが対称位置へ自動的に移動します。このタイプの対称定義は、様々な対称モデルに幅広く役立てることができます。


図 1.
Two Plane
2つの鏡面が、選択された軸とそれに続く軸(すなわちxとy、yとz、zとx)(デフォルト= x-軸とy-軸)に垂直に、その原点位置に置かれます。
図 2は、左側のメッシュはモーフィング前、右のメッシュはモーフィング後のものです。2 plane対称定義のアイコンは、対称座標系の選択された軸と後続の軸(すなわちxとy、yとz、zとx)に垂直な2つの四角形です。これら3つの四角形が鏡面の働きをすると考えることができます。ハイライト表示されたハンドルを動かします。下部左側にあるハンドルのみが選択されると、他の3つの対称ハンドルが対称位置へ自動的に移動します。このタイプの対称定義は、2つの垂直な面について対称なオブジェクトに役立ちます。


図 2.
Three Plane
3つの鏡面が、すべての軸と垂直に、その原点位置に置かれます。
図 3は、左側のメッシュはモーフィング前、右のメッシュはモーフィング後のものです。3 plane対称定義のアイコンは、3つの対称座標系の軸すべてに垂直な3つの四角形です。これら3つの四角形が鏡面の働きをすると考えることができます。ハイライト表示されたハンドルを動かします。下部左側にあるハンドルのみが選択されると、他の7つの対称ハンドルが対称位置へ自動的に移動します。このタイプの対称定義は、3つの垂直な面について対称なオブジェクトに役立ちます。


図 3.
Cyclical
2つの鏡面が、選択された軸(デフォルト= z-軸)に沿って置かれます。このときの鏡面は原点を通り、2つの面が成す角度が360の約数として指定された角度になるように作成されます。選択された軸周りにウェッジ(くさび形)が一定の頻度で反映される結果となります。
図 4 周期頻度が8(ウェッジ毎に45度)であるcyclical対称定義の例を示します。左側のメッシュはモーフィング前、右のメッシュはモーフィング後のものです。cyclical対称定義のアイコンは、対称座標系の選択された軸に垂直で、ラインの原点に結合された一連の球です。球の数は、対称ウェッジの数と等しくなっています。各周期ウェッジは、指定した角度(この場合45度)だけ選択された軸周りに回転されると、他のウェッジと同じになります。ハイライト表示されたハンドルを動かします。1つのハンドルのみが選択されると、他の7つの対称ハンドルが対称位置へ自動的に移動します。このタイプの対称定義は、中央のポイント周りに一定の間隔で繰り返されるオブジェクトに役立ちます。


図 4.

非リフレクティブの対称

非リフレクティブの対称定義は、linear、circular、planar、radial 2D、cylindrical、radial + linear、radial 3Dおよびsphericalです。これらは、ハンドルの移動が節点およびリンクした対称ハンドルの動きに影響し、1つを動かすことによってその他にも影響を及ぼします。リフレクティブおよび非リフレクティブ対称の対称ハンドルにハンドルの摂動が適用されるべきかどうかは、symlinksチェックボックスを選択するかどうか、またはMorph Optionsパネルで対称定義をアクティブまたは非アクティブにすることで制御できます。ただし、非リフレクティブ対称の節点に影響を与える固有のハンドルは、対称定義を非アクティブにすることによってのみオフにすることができます。

一般的に、非リフレクティブ対称を有するドメインのハンドルは、その対称タイプのシェイプであるかのように動作します。例えば、linear(線形)シンメトリーを有するドメインでは、ハンドルをx-軸方向の直線上にあるかのようにドメイン上でハンドルを動かすことができます。また、circular(円周)シンメトリーを有するドメインでは、ハンドルをz-軸を中心に描かれる円であるかのようにドメイン上でハンドルを動かすことができます。ドメインのエッジは、ハンドルと節点との関係を計算するの影響を与えます。非リフレクティブ対称は、対称タイプと似た形状で規則的なメッシュを有するドメインについて、最もよく機能します。例えば、円形対称性は、同心円状のメッシュを持つ丸いドメインに最適です。
Linear
ハンドルは、ハンドル位置を通り、選択された軸(デフォルト= x-軸)に平行なライン上に配置されます。
図 5は、左側のメッシュはモーフィング前、右のメッシュはモーフィング後のものです。‎linear対称定義のアイコンは、選択された軸に沿って伸びている2つの平行線です。ハイライト表示されたハンドルを動かします。ハンドルの移動はメッシュ上で、指定された方向に平行に作用します。このタイプの対称定義は、少数のハンドルのみを動かすことによって切断面全体の形状を変更したいような場合に大いに役立ちます。


図 5.
Circular
ハンドルは、ハンドル位置を通り、選択された軸(デフォルト= z-軸)周りの円に配置されます。
図 6は、左側のメッシュはモーフィング前、右のメッシュはモーフィング後のものです。circular対称定義のアイコンは、選択された軸に垂直な対称座標系の原点に位置する円です。ハイライト表示されたハンドルを動かします。ハンドルの移動はメッシュ上で選択された軸を中心とした円状に作用します。このタイプの対称定義は、円形のパートを、円形を保ちながら形状操作したい場合に大いに役立ちます。


図 6.
平面
ハンドルは、ハンドル位置を通り、選択された軸(デフォルト= x-軸)に垂直なプレーン上に配置されます。
図 7は、左側のメッシュはモーフィング前、右のメッシュはモーフィング後のものです。planar対称定義のアイコンは、対称座標系の選択された軸に垂直な影付きの四角形です。ハイライト表示されたハンドルを動かします。ハンドルの移動はメッシュ上で垂直な面状に作用します。このタイプの対称定義は、縦方向の一定の断面形状を、その輪郭を変えずに操作したい場合に大いに役立ちます。


図 7.
Radial 2D
ハンドルは、ハンドル位置を通り、選択された軸(デフォルト= z-軸)を始点とし、垂直に延長される放射線上に配置されます。
図 8は、左側のメッシュはモーフィング前、右のメッシュはモーフィング後のものです。radial 2D対称定義のアイコンは、選択された軸に垂直で、その頂点が対称座標系の原点に位置する平らな円錐形です。ハイライト表示されたハンドルを動かします。ハンドルはメッシュ上で、選択された軸から放射状に延びる方向に沿って作用します。このタイプの対称定義は、放射状の輪郭を保ちながらパートの形状を変更したい場合に大いに役立ちます。


図 8.
円筒
ハンドルは、ハンドル位置を通り、選択された軸(デフォルト= z-軸)周りの円筒に配置されます。
図 9は、左側のメッシュはモーフィング前、右のメッシュはモーフィング後のものです。cylindrical対称定義のアイコンは、対称座標系の選択された軸に平行で原点を中心とした円筒です。ハイライト表示されたハンドルを動かします。ハンドルの移動はメッシュ上で、円筒形状に作用します。このタイプの対称定義は、circularおよびlinear対称定義と同様、ソリッドメッシュに円形の変更を加えたい場合に大いに役立ちます。


図 9.
Radial + Linear
ハンドルは、ハンドル位置を通り、選択された軸(デフォルト= z-軸)を始点としたプレーンに配置されます。
図 10は、左側のメッシュはモーフィング前、右のメッシュはモーフィング後のものです。radial+linear対称定義のアイコンは、選択された軸に垂直で対称座標系の原点に頂点が位置する3Dウェッジです。ハイライト表示されたハンドルを動かします。ハンドルはメッシュ上で、選択された軸から延び、その軸に平行な面に沿って作用します。このタイプの対称定義は、radialおよびlinear対称定義と同様、ソリッドメッシュに放射状の変更を加えたい場合に大いに役立ちます。


図 10.
Radial 3D
ハンドルは、ハンドル位置を通り、原点を始点とする放射線上に配置されます。
図 11 radial 3D対称定義の一例を示します。モデルは、ソリッド要素で構成されている中空の球です。左側のメッシュはモーフィング前、右のメッシュはモーフィング後のものです。radial 3D対称定義のアイコンは、頂点が対称座標系の原点に位置する円すい形です。ハイライト表示されたハンドルを動かします。ハンドルはメッシュ上で、原点から延びる放射状に作用します。このタイプの対称定義は、球形のオブジェクトに放射状の変更を加えたい場合に大いに役立ちます。


図 11.
Spherical
ハンドルは、ハンドル位置を通り、原点を中心とする球上に配置されます。
図 12は、左側のメッシュはモーフィング前、右のメッシュはモーフィング後のものです。モデルは、ソリッド要素で構成されている中空の球です。spherical対称定義のアイコンは球中心が対称座標系の原点に位置する球です。ハイライト表示されたハンドルを動かします。ハンドルはメッシュ上で、原点が中心の球状に作用します。このタイプの対称定義は、球形の輪郭を保ちながら球形オブジェクトの形状を変更したい場合に大いに役立ちます。


図 12.