NLFEスタビライザーの作成とテスト

アンチロールバーとも呼ばれるスタビライザーは、自動車サスペンションでロール剛性を高めるために使用されるメンバーです。コーナリング中や起伏のある路面を走行中、車両のボディに発生するロールの低減にスタビライザーが効果的です。

NLFEスタビライザーシステムは、MotionViewのシステム定義であり、スタビライザーをドロップリンクやアタッチメントジョイントなどのアクセサリを使用して組み立てられた非線形有限要素ボディとして表現できます。スタビライザーでは、モデル内に次のエンティティが存在している必要があります:
  • スタビライザーを取り付ける車体。
  • スタビライザーの端のドロップリンクを取り付けるコントロールアームやナックルなどのサスペンションコンポーネント。
  • 必要に応じて、前述したサスペンションコンポーネントとのドロップリンクアタッチメントのポイントのペア。
  1. SubsystemsツールバーでNLFE Stabar Subsystemツールバーアイコン をクリックします。
    Add an NLFEStabar Subsystemダイアログが表示されます。
  2. Systemコレクターをクリックして、スタビライザーをどのシステムに作成するかを決定します。
  3. スタビライザーの変数名とラベルを指定します。
    デフォルトで、MotionView内のエンティティの変数名は特定の規則に従います。例えば、すべてのNLFEスタビライザーエンティティの変数名はnlfesb_で始まります。これは、MotionViewでモデルを構築する場合に従う推奨規則であり、モデル編集やモデル操作において様々なメリットが得られます。
  4. MaterialPropertyコレクターをダブルクリックして、スタビライザーを定義する材料を選択するか、デフォルトであるSteelをそのまま使用します。
  5. Body 1コレクターをクリックして、スタビライザーを取り付ける車両のボディをmodeling windowで選択するか、同じコレクターをダブルクリックしてModel Treeを表示します(ここから目的のボディを選択できます)。
  6. 同様にドロップリンクのそれぞれの側で結合するポイントとボディを選択します。
    Note: モデル内で使用可能な場合は、Point 1およびPoint 2を選択します。これらがモデルに存在しない場合は、Use global point coordinatesチェックボックスをアクティブにして、アタッチメントのポイントを作成する位置の座標を入力します。
  7. スタビライザーチューブの外径と内径の値を入力します。
  8. Profile Pointsタブをクリックしてスタビライザーのプロファイルを定義します。
  9. 座標の表にプロファイルの各ポイントの値を手動で入力するか、.csvファイルを使用して値をインポートします。
    Tip: 表に記述するポイントの数を変更するには、Total number of pointsテキストボックスにその値を入力します。
  10. Markerコレクターをクリックして、プロファイルのポイントを定義する参照マーカーを選択します。
    デフォルトはグローバルフレームです。
  11. 右側の列内のチェックボックスを使用して、定義したプロファイルポイントの中から、スタビライザーを取り付けボディ(フレーム)に結合する位置として2つのポイントを選択します。
  12. OKをクリックします。
    作成されるスタビライザーシステムには次のアーキテクチャがあります:
    エンティティ 詳細
    Body スタビライザーのNLFEボディエンティティはプロファイルポイントを使用して作成されます。
    DataSet 編集可能な値が生成されるデータセット。スタビライザーの作成後は、このデータセットから外径や内径を変更できます。
    ポイント スタビライザープロファイルを定義するポイントが作成されます。
    グラフィックス グラフィックスはジョイントを可視化するために作成されます。
    ジョイント スタビライザー、フレーム、ドロップリンク、サスペンションコンポーネントの結合を定義するために、コンプライアントジョイントが作成されます。
    Outputs 出力リクエストは、スタビライザーとドロップリンクの荷重を測定するために作成されます。
Tip:
  • Show additional parametersをアクティブにして、作成するポイントの変数名とラベルを指定します。
  • Reset to Defaultsをクリックすれば、いつでもデフォルト設定に戻すことができます。

スタビライザーのテスト

テスト装置を使用してスタビライザーを作動し、その特性をプロットできます。

インストール環境の<installation_directory>\utility\mv_hv_hg\mbd\nlfeにスタビライザー用のテスト装置が用意されています。

  1. MotionViewで、テスト装置モデルのMDLファイルtestrig_stabar.mdlを読み込みます。
  2. 前述の説明に従って、NLFEスタビライザーを構築します。
  3. Solveツールを使用してモデルを解決します。
  4. AnalysisメニューからReportsをクリックします。
  5. スタビライザーのテストレポートがエントリとして用意されています。それを選択してOKをクリックします。
    アニメーションとプロットを含む1組のページが読み込まれます。このレポートの2ページ目に、.スタビライザーの端で測定されたロール角が、スタビライザーモーメントに対する変化としてプロットされています。このプロットの傾きがスタビライザーのロール剛性を示しています。
  6. この傾きを表示するには、2番目のウィンドウを選択し、Coordinate Infoボタンをクリックします。
  7. カーブ上の任意のポイントをクリックすると、そこでの傾きがパネル領域に表示されます。
    この値がスタビライザーのロール剛性を表します。