Couplers

Couplerエンティティは、2つまたは3つのジョイントの自由度の間の代数的関係を定義します。

この拘束要素を使用すると、理想化された平歯車、ラックギアとピニオンギア、およびディファレンシャルギアを、一連のジョイント内の複数の変位を関連付けるシンプルな拘束としてモデル化できます。カプラーは、並進ジョイント、回転ジョイント、および円筒ジョイント間の関係のみの指定に使用できます。

Couplerジョイントを定義するために必要なトポロジ情報を以下の図に示します:


Figure 1.

カプラーの作成

  1. Projectブラウザで、カプラーの追加先とするシステムを選択します。
  2. Projectブラウザでシステムを右クリックして、コンテキストメニューからAdd > Constraint > Couplerの順に選択します。
    または
    Projectブラウザでカプラーフォルダを右クリックして、コンテキストメニューからAdd Couplerを選択します。
    または
    ConstraintツールバーのCouplerボタンを右クリックします。
    Add Coupler or CouplerPairダイアログが表示されます。
  3. ラベルと変数名を指定します。
    デフォルトで、MotionView内のエンティティの変数名は特定の規則に従います。例えば、すべてのカプラーエンティティの変数名は"c_"で始まります。これは、MotionViewでモデルを構築する場合に従う推奨規則であり、モデル編集やモデル操作において様々なメリットが得られます。
  4. シングルカプラーを作成するか、カプラーペアを作成するかを選択します。
    MotionViewで作成するほとんどのエンティティと同様に、カプラーエンティティはシングルエンティティまたはペアエンティティにすることができます。ペアのエンティティは、対称の特性を持つモデルを作成する場合に役立ちます。
  5. OKをクリックしてウィンドウを閉じるか、Applyをクリックしてエンティティの作成を継続します。
    カプラーエンティティをモデルに追加すると、パネル領域にそのカプラーのパネルが自動的に表示されます。

カプラーの編集

  1. 現時点でCouplersパネルが表示されていない場合は、目的のカプラーをProject Browserまたはmodeling windowでクリックして選択します。
    Couplersパネルが自動的に表示されます。
  2. 拘束するジョイントの数を選択します。
    Note: 選択したカプラーがペアエンティティの場合は、まず、パネルでLeftタブとRightタブを区別してから、プロパティを編集します。ペアカプラーを定義する場合は、ジョイントにペアエンティティを使用します。
    Tip: カプラープロパティを対称にするにはSymmetric propertiesオプションにチェックマークを入れます。このオプションにチェックマークを入れると、ペアエンティティのどちら側(左または右)の値を使用するかを尋ねるメッセージがMotionViewに表示されます。片側を選択すると、その側の値が“マスター”となり、他の側の値はグレイアウトされ、マスター側の値に準じます。
  3. Joint 1コレクターをクリックして、目的のジョイントをmodeling windowで選択するか、同じコレクターをダブルクリックしてModel Treeを開きます(ここから目的のジョイントを選択できます)。
  4. 同様に、Joint 2コレクターをクリックして、カプラーの2番目のジョイントを選択します。
  5. 拘束するジョイントの数を3に設定した場合は、Joint 3コレクターで同じ手順を繰り返します。
    Note: いずれかのジョイントが円筒形の場合は、パネルで選択したジョイントごとに、その右側にあるドロップダウンメニューを使用して、制御する変位のタイプ(並進または回転)を選択します。
  6. Propertiesタブをクリックします。
  7. 2つのジョイントを持つカプラーの場合は、Joint 1の変位とJoint 2の変位との比率を、該当するボックスに入力します。3つのジョイントを持つカプラーの場合は、Joint 1の変位とJoint 2の変位との比率、およびJoint 2の変位とJoint 3の変位との比率を入力します。

カプラーに対するユーザー定義プロパティの使用

必要に応じて、User-Definedタブを使用してカプラーを定義します。これにより、ユーザーサブルーチンを使用してカプラーのプロパティを指定できます。

  1. ConnectivityタブでUser-defined propertiesチェックボックスをクリックします。
    Propertiesタブが除去されます。
  2. 新たに追加されたUser-Definedタブをクリックします。
  3. ユーザーサブルーチンを定義します。
    1. ユーザーサブルーチンに渡されるパラメータを含むUSERソルバー関数を用いた式を与えます。
    2. または、Use local file and function nameチェックボックスをアクティブにして、ソルバーからアクセスできるサブルーチンコードを収めたローカルファイルを指定します。
      このオプションを指定していない場合、MotionSolveでは、そのユーザーサブルーチン読み込みルールに従ってサブルーチンが検索されます。
    3. ドロップダウンメニューから関数タイプを選択します。
    4. サブルーチンについてのローカルファイルを選択します。
      指定するファイルのタイプは、選択した関数タイプによって異なります。例えば、DLL/SOを選択した場合は、.dll拡張子(Windowsの場合)または.so拡張子(Linuxの場合)を持つファイルを指定できます。
    5. エンティティを定義するサブルーチンで関数名を指定するか、MotionViewで指定されたデフォルト名をそのまま使用します。