Solver Arrays

ソルバー配列の作成とソルバー配列のデータ設定にはArraysツールを使用します。ソルバー配列のタイプには、X配列、Y配列、U配列、IC配列、Plant InputおよびPlant Outputが含まれます。

ソルバー配列の作成

  1. Projectブラウザから、ソルバー配列を追加したいシステムを選択します。
  2. Projectブラウザでシステムを右クリックし、コンテキストメニューからAdd > Control Entity > Solver Arrayの順に選択します。
    または
    Projectブラウザでソルバー微分方程式フォルダーを右クリックし、コンテキストメニューからAdd Solver Arrayを選択します。
    または
    ControlツールバーのSolver Arrayボタンを右クリックします。
    Add Solver Arrayダイアログが表示されます。
  3. ソルバー配列のラベルを指定します。
    このラベルはいつでも変更できます。
  4. ソルバー配列の変数名を指定します。
    デフォルトで、MotionView内のエンティティの変数名は特定の規則に従います。例えば、すべてのソルバー配列エンティティの変数名は“sa_”で始まります。これは、MotionViewでモデルを構築する場合に従う推奨規則であり、モデル編集やモデル操作において様々なメリットが得られます。
  5. OKをクリックしてウィンドウを閉じるか、Applyをクリックしてエンティティの作成を継続します。
    ソルバー配列エンティティをモデルに追加すると、パネル領域にその配列のパネルが自動的に表示されます。

ソルバー配列の編集

Sover Arrayパネルを使用して、アレイのタイプとアレイの任意の値を編集します。

ソルバー配列には次の6タイプがあります:
タイプ 説明
X Control_StateEqn(MotionSolveの場合)、GSE and LSE(ADAMSの場合)、およびTFSISOの要素をモデリングするシステムの状態変数配列として使用します。以下の註をご参照ください。
Y type Yソルバー配列は、LSE、GSEおよびTFSISOのシステムモデリング要素用出力配列を定義します。以下の註をご参照ください。
Plant Input 機構システムがコントローラから受けるシグナルを記述します。
Plant Output 機構システムがコントローラに送るシグナルを記述します。
U 変数のグループセット。通常は、Control_StateEqn(MotionSolveの場合)またはGSE(ADAMSの場合)の入力配列として使用します。
IC type ICソルバー配列は、データをユーザーサブルーチンに渡すための汎用配列として使用されます。Control_StateEqn(MotionSolveの場合)またはGSE(ADAMSの場合)の初期条件およびLSEステートメントの初期条件の設定にも使用します。
Note:
  • MotionSolveのControl_StateEqnまたはADAMSのGSEは、Control State Equationエンティティを使用してモデル化できるようになっています。
  • このエンティティは暗黙的にXおよびYソルバー配列を生成します。Control State Equationエントリを使用する場合は、これらの配列を別個に定義する必要はありません。

ソルバー配列のプロパティの定義

Propertiesタブで配列のタイプを選択できます。

  1. 現時点でSolver Arraysパネルが表示されていない場合は、Project Browserまたはmodeling windowで目的のソルバー配列をクリックして選択します。
    Solver Arraysパネルが自動的に表示されます。
  2. Array typeドロップダウンメニューから適切なオプションを選択します。
    XY、またはICを選択した場合は、それ以上情報を入力する必要はありません。UPlant Input、またはPlant Outputを選択した場合は、さらに使用できるオプションがあります。
  3. SolverVariableコレクターをダブルクリックして、配列に割り当てるソルバー変数をModel Treeから選択します。
  4. Appendテキストボックスに数値を入力して別の配列を追加し、Appendをクリックします。
    Appendをクリックすると、リストの末尾に新しい配列が追加されます。
    Tip:
    • 選択したエンティティの上に配列を直接追加するには、ソルバー変数の隣にあるチェックボックスを選択してInsertをクリックします。
    • 配列を削除するには、リストからその配列を選択してDeleteをクリックします。
  5. SolverVariableコレクターを使用して、追加した任意の配列を定義します。
  6. Plant InputタイプとPlant Outputタイプの配列では、用意されている追加のオプションを定義します。
    1. ドロップダウンメニューから、保持順序として01、または2を選択します。
      この保持順序は、ソルバー配列外部に伝搬する制御信号に適用する補間の順序を指定します。
    2. Use sampling timeオプションをアクティブにして、テキストボックスに値を入力します。
      互いに独立した複数のシステムを使用するシミュレーションでソルバー配列を使用する場合に、このパラメータをアクティブにすることができます。例えば、Simulinkによる連成シミュレーションでアクティブにします。このパラメータ値は、入力ポートのサンプリング時間を指定します。値を指定しない場合は、0.0を指定したと見なされて連続サンプリングになります。ゼロ以外の値を指定すると、離散サンプリングになります。負数を指定することはできません。
    3. Use offset timeオプションをアクティブにして、テキストボックスに値を入力します。
      互いに独立した複数のシステムを使用するシミュレーションでソルバー配列を使用する場合に、Use sampling timeと共にこのパラメータをアクティブにすることができます。例えば、Simulinkによる連成シミュレーションでアクティブにします。この値は、入力ポートごとにサンプリング時間のオフセットを指定します。サンプリング時間がゼロではない場合は、サンプリング時間よりも短い時間とする必要があります。サンプリング時間を0.0(連続サンプリング)に設定すると、オフセット時間もデフォルト値の0.0に設定されます。
    4. ユーザーサブルーチンを使用して配列を定義するには、User-defined propertiesオプションをチェックします。
      Tip: Plant InputタイプとPlant Outputタイプの配列では、Use linearizationオプションも使用できます。線形解析の際に、このオプションをアクティブにしてPlant Input配列とPlant Output配列を使用し、A、B、C、Dの各マトリックスを表現します。詳細については、<Param_Linear MotionSolveステートメントをご参照ください。

ソルバー配列の値の定義

Propertiesタブで配列タイプとしてICを選択した場合にのみ、Valuesタブを使用できます。

Valuesタブのドロップダウンメニューから、ソルバー配列タイプ用のデータソースとしてFileMath、またはValuesを選択します。
Fileを選択した場合は以下の手順に従います。
  1. ファイルブラウザをクリックして、配列のデータファイルを選択します。
  2. 配列ごとに、Type、Request、およびComponentの各オプションを定義します。
    選択したファイルによっては、オプションが既に入力されている場合もあります。
  3. サブレンジで最初のデータポイントのインデックス番号を指定する値をStart Index欄に入力します。
    デフォルトは1です。
  4. サブレンジで最初のデータポイントのインデックス番号を指定する値を、Start Index欄に入力します。
    ファイル内にデータポイントがいくつあるか不明の場合、ファイル内の最後のデータ値を設定するのに"last"という語を使用することができます。
  5. サブレンジを読み取る間隔を指定するポイント数をIncrement欄に入力します。
    例えば、ファイル内の各データポイントを読むならば、Increment値は1、1つおきのデータポイントを読む場合は2となります。デフォルトは1です。
Mathを選択した場合は、配列を数学的に定義する数式またはTemplex式を入力します。
Valuesを選択した場合は、IC配列ごとにデータ値を入力します。
Note: パネルの上部右側角にあるチェックボックスをアクティブにすると、データポイントの値を一覧に挿入、カット、コピー、ペーストすることができます。
Tip: をクリックしてData Valuesダイアログを表示し、すべてのデータポイントを確認します。

ソルバー配列に関するユーザー定義プロパティの使用

必要に応じ、User-Definedタブを使用してソルバー配列を定義します。これにより、ユーザーサブルーチンを使用してソルバー配列のプロパティを指定できます。

Note: このオプションは、Plant InputタイプとPlant Outputタイプの配列でのみ使用できます。
  1. PropertiesタブでUser-defined propertiesチェックボックスをクリックします。
  2. 新たに追加されたUser-Definedタブをクリックします。
  3. ユーザーサブルーチンを定義します。
    1. ユーザーサブルーチンに渡されるパラメータを含むUSERソルバー関数を用いた式を与えます。
    2. または、Use local file and function nameチェックボックスをアクティブにして、ソルバーからアクセスできるサブルーチンコードを収めたローカルファイルを指定します。
      このオプションを指定していない場合、MotionSolveでは、そのユーザーサブルーチン読み込みルールに従ってサブルーチンが検索されます。
    3. ドロップダウンメニューから関数タイプを選択します。
    4. サブルーチンについてのローカルファイルを選択します。
      指定するファイルのタイプは、選択した関数タイプによって異なります。例えば、DLL/SOを選択した場合は、.dll拡張子(Windowsの場合)または.so拡張子(Linuxの場合)を持つファイルを指定できます。
    5. エンティティを定義するサブルーチンで関数名を指定するか、MotionViewで指定されたデフォルト名をそのまま使用します。