NLFEコイルばねの作成とテスト

コイルばね(コイルスプリング)は、エネルギーを蓄えて解放するメンバーです。コイルばねは、自動車のサスペンション、エンジンのバルブ、測定器具、ベッド用スプリングなどの幅広い用途で使用されています。NLFEコイルばねシステムは、スプリングを非線形有限要素ボディとして表現するために使用できるMotionViewシステム定義です。

コイルばねでは、モデル内に次のエンティティが存在している必要があります:
  • Body 1アタッチメント - コイルばねの一端が取り付けられるボディ。
  • Body 2アタッチメント - コイルばねのもう一端が取り付けられるボディ。
  • Point 1アタッチメント - コイルばねとBody 1アタッチメントを接続するために使用されるBody 1アタッチメント端にあるコイルばねの中心点。
  • Point 2アタッチメント - コイルばねとBody 2アタッチメントを接続するために使用されるBody 2アタッチメントにあるコイルばねの中心点。
  1. SubsystemsツールバーでNLFE Helical Spring Subsystemツールバーアイコン をクリックします。
    Add an NLFEHelicalSpring Subsystemダイアログが現れます。
  2. Systemコレクターをクリックして、スプリングをどのシステムに作成するかを決定します。
  3. スプリングの変数名とラベルを指定します。
    デフォルトで、MotionView内のエンティティの変数名は特定の規則に従います。例えば、すべてのNLFEコイルばねエンティティの変数名はnlfehs_で始まります。これは、MotionViewでモデルを構築する場合に従う推奨規則であり、モデル編集やモデル操作において様々なメリットが得られます。
  4. MaterialPropertyコレクターをダブルクリックして、スプリングを定義する材料を選択するか、デフォルトであるSteelをそのまま使用します。
  5. Body 1コレクターをクリックして、end 1で結合するボディをmodeling windowから選択するか、同じコレクターをダブルクリックしてModel Treeを開きます(ここから目的のボディを選択できます)。
  6. 同様にPoint 1コレクターを使用して、Body 1に対応するend 1での結合ポイントを選択します。
  7. Body 2Point 2コレクターを使用して、end 2での結合ボディとそれに対応するポイントを選択します。
  8. Wire diameterSpring diameterNum of active coilsNum of inactive coilsの値を入力します。
  9. OKをクリックします。
    作成されるコイルばねシステムには次のアーキテクチャがあります:
    エンティティ 詳細
    Body コイルばねの大変形エンティティが作成されます。
    データセット 編集可能な値が生成されるデータセット。コイルばねの作成後は、このデータセットからSpring diameterやWire diameterなどのパラメータを変更できます。
    Markers コイルばねの中心に下部マーカーと上部マーカーが作成されます。
    Points コイルばねのプロファイルを定義するポイントは、コイルばねの下部にあるマーカーを基準にした円筒座標系で定義されます。そのため、ポイントだけでなく、コイルばね全体の位置と向きがこのマーカーによって制御されます。
    テンプレート 作成されたコイルばねには、コイル間接触要素が含まれています。この接触は、LINE2要素と呼ばれるNLFEスプリングダンパーエンティティを使用してモデル化されます。これらの要素はMotionViewでサポートされないため、テンプレートの形態で追加されます。
Tip:
  • Show additional parametersをアクティブにして、作成するポイントの変数名とラベルを指定します。スプリングコイルのコイル単位で要素の密度を編集することもできます。
  • デフォルトの設定に戻すにはReset to Defaultsをクリックします。

コイルばねのテスト

テスト装置を使用してコイルばねを作動し、その特性をプロットできます。

コイルばね用テスト装置が、インストール環境の<altair_install>/utility/mbd/nlfeに用意されています。

  1. MotionViewで、テスト装置モデルのMDLファイルtestrig_helicalspring.mdlを読み込みます。
  2. このモデルには、2つのボディが2つの異なる端に配置されています。それぞれの終端に、Spring cap1 ptとSpring cap2 ptの各ポイントがあります。テストを必要とするスプリングの終端をこれらのポイントで表現できるように、これらのポイントを配置します。
  3. 以前のセクションで説明したように、Subsystemsツールを使用してNLFEコイルばねを構築します。
  4. Saveにより、モデルを別のファイル名で保存します。
  5. モデルには、時間単位につき10単位の正弦波励振を発生させるイベントが含まれています。Solveツールを使用してモデルを解決します。
  6. AnalysisメニューからReportsをクリックします。
  7. NLFE Coil spring test reportが入力として使用できるはずです。それを選択してOKをクリックします。
    ページがアニメーションウィンドウとプロットウィンドウを含むセッションに追加されます。プロットにコイルばねの剛性が表示されます。