剛体

マルチボディシステムでは、剛体とは、変形があまり重要ではないか無視できることから、大きさと形状が固定されたソリッドボディ / パートの理論上の表現です。言い換えれば、このような剛体では、それに作用する外力に関係なく、その2点間の距離が変化しません。剛体は、6の自由度(DOF)を持つため、マルチボディシステムに剛体を追加するたびにシステムに6のDOFが追加されます。

  1. 現時点でBodiesパネルが表示されていない場合は、Project Browserまたはmodeling windowで目的のボディをクリックして選択します。
    Bodiesパネルが自動的に表示されます。
  2. Propertiesタブを選択して、該当する欄に値を入力することによって、ボディの質量プロパティと慣性プロパティを指定します。
    Note: 選択したボディがペアエンティティの場合は、まず、パネルでLeftタブとRightタブを区別してから、プロパティを編集します。
    Tip:
    • 剛体定義を弾性体または可変形ボディに変換するには、Flex Body (CMS)にチェックマークを入れます。
    • ボディプロパティを対称にするには、Symmetric propertiesにチェックマークを入れます。このオプションをアクティブにすると、ペアエンティティのどちら側(左または右)の値を使用するかを尋ねるメッセージがMotionViewに表示されます。片側を選択すると、その側の値が“マスター”となり、他の側の値はグレイアウトされ、マスター側の値に準じます。
    • ボディに関連付けられたグラフィックから質量プロパティと慣性プロパティを取得するには、Get Properties from associated Graphicsにチェックマークを入れます。このオプションをアクティブにすると、Mass properties欄、Inertia properties欄、CM Coordinatesタブ、およびInertia Coordsysタブが非アクティブになります。
  3. CM Coordinatesタブをクリックします。
  4. Use center of mass coordinate systemチェックボックスをクリックして、ボディの質量中心の原点とするポイントを選択します。
    Note: 質量中心座標系を指定しなかった場合は、MotionViewによって、モデルのグローバルフレームが質量中心座標と一致していると見なされます。
  5. Pointコレクターをクリックして、該当する質量中心点をmodeling windowで選択するか、PointをダブルクリックしてModel Treeを開きます(ここから目的のポイントを選択できます)。
  6. 方向オプションを使用して座標系の方向を指定します。
  7. 質量中心と同じ手順に従い、Inertia CoordsysタブとBody Coordsysタブを使用して、それぞれ慣性座標系とボディ座標系を指定します。
    Note: 慣性座標系は、ボディの慣性プロパティの指定先を基準とした参照フレームです。一意の慣性座標系を指定しなかった場合は、指定した慣性モーメントの値は、質量中心マーカーを中心として定義されていると見なされます。一意のボディ座標系を指定しなかった場合は、そのボディがグローバル参照フレームにあると見なされます。この扱いは、シングルボディタイプとペアボディタイプの両方で有効です。
  8. 初期条件を定義します。
    1. パネルでInitial Conditionsタブをクリックします。
    2. 必要なチェックボックスをアクティブにして、並進速度と回転速度の値を入力します。
    3. VMとWMとして使用するマーカーを選択します。
      ボディの並進初期条件は、一意のVM(線形速度参照マーカー)が存在しない場合、グローバル参照フレームを基準とするものと見なされます。回転初期条件は、一意のWM(角速度参照マーカー)が存在しない場合、質量中心マーカーを中心として適用されます。
Note:
  • 慣性値は、慣性座標系について指定されます。
  • MotionViewでは、各欄に入力したプロパティの物理的な正確さはチェックされません。たとえば、I1 + I2 >= I3であることがチェックされません(I1、I2、およびI3はボディの主慣性モーメント)。
  • 対称性を指定すると、両方のペアの値が同じになります。慣性座標系の方向を考慮することにより、データの正確さを検証してください。
  • Get Properties from associated Graphic(s)オプションをアクティブにした場合:
    • 各プロパティの値(質量、慣性、およびCM原点)は、両端が閉じた円筒、ボックス、球、およびCADGraphicから取得されます。現時点で、ファイルグラフィックス(H3D)はサポートされていません。
    • CMマーカーの方向は、Global Frameに揃えられています。Inertia座標系は非アクティブ化されます。すなわち、表示されている慣性プロパティはCMマーカーについてのものです。