初期荷重、オフセット、スケールの定義

Preload/Offset/Scaleタブには、次の図のようにブッシュのフォース特性が表示されます。


Figure 1.
  1. Preload/Offset/Scaleタブを選択します。
    Note: Preloadのデフォルト値は0、Offsetのデフォルト値は0、Scaleのデフォルト値は1.0です。並進と回転の両方で、この同じ設定が保持されています。
  2. X方向、Y方向、Z方向の初期荷重フォースを指定した実数値をPreload Forceに入力します。正の初期荷重(Pk)は、2つのボディを引きつける方向に作用します。
  3. X方向、Y方向、Z方向の初期荷重トルクを指定した実数値をPreload Torqueに入力します。正の初期荷重トルクは、指定の軸(x軸、y軸、またはz軸)を中心として、Body 1には時計方向に作用し、Body 2には反時計方向に作用します。
  4. X方向、Y方向、Z方向の変位に対するオフセットを指定した実数値をOffsets Dispに入力します。Body 2に対するBody 1の実際の変位から、変位に対するオフセット(Qk)が減算されます。
  5. X方向、Y方向、Z方向の角度に対するオフセットを指定した実数値をOffsets Angleに入力します。実際の変位角度から、角度に対するオフセットが減算されます。
  6. X方向、Y方向、Z方向の変位に対するスケールを指定した正の実数値をScales Dispに入力します。入力の変位と速度の両方が、変位に対するスケール(Hk)でスケーリングされますが、変位のオフセットはスケーリングされません。デフォルト値は1です。
  7. X方向、Y方向、Z方向の角度に対するスケールを指定した正の実数値をScales Angleに入力します。入力の変位と速度の両方が、変位に対するスケール(Hk)でスケーリングされますが、変位のオフセットはスケーリングされません。デフォルト値は1です。
  8. X方向、Y方向、Z方向のフォースに対するスケールを指定した正の実数値をScales Forceに入力し、X方向、Y方向、Z方向のトルクを指定した正の実数値をTorqueに入力します。フォースの関数が、フォースに対するスケール(Vk)でスケーリングされますが、初期荷重はスケーリングされません。デフォルト値は1です。
次の図は、ブッシュに対する初期荷重とオフセットの効果を示しています。


Figure 2.
ブッシュに対するK番目の方向(x、y、z、ax、ay、azのいずれか)のフォースは次の関数で定義できます。(1)
F k = G k ( q k , q ˙ k , x k , t )
ここで、
F k
k番目の方向のフォース
G k ( d k , d ˙ k , x k , t )
k番目の方向のフォースの関数
d k
k番目の方向の変位入力
d ˙ k
k番目の方向の速度入力
x k
k番目の方向の内部状態(ヒステリシス)で構成した配列
t
時間

変位に対するオフセットQkと変位に対するスケールHkによって変位と速度が変更され、関数Gに対する新たな入力が次のように計算されます。

q k = H k d k Q k はスケーリングされたオフセット済み変位です。

q ˙ k = H k d k はスケーリングされた速度です。

したがって、変更された入力 q k および q ˙ k を使用して、次のようにフォースを計算できます。(2)
F k = G k ( q k , q ˙ k , x k , t )
最後に、フォースとトルクの初期荷重Pkとフォースとトルクに対するスケールVkによって出力が変更され、フォースの計算結果が次の式で得られます。(3)
F k = P k V k G k ( q k , q ˙ k , x k , t )