ユーザー定義タイヤのタスク

ユーザー定義タイヤモデルはTYDEX標準に準拠しているため、受け取られる入力と想定される出力はその標準によって決定されます。

ユーザー定義タイヤで実行する必要のある内容は次のように要約できます。
  • モデルの計算に必要なタイヤプロパティ(もしあれば)にアクセスするためにタイヤプロパティファイルを読み取ります。これは、TYDEX標準に記載されている初期呼び出し中に1回だけ行うことをお勧めします。
  • 適宜TYDEXインターフェースを通して渡されるROAD関数を呼び出して、関連する路面高さ情報を収集します。
  • タイヤ力およびモーメントを計算し、MotionSolveに出力します。これらのフォースはホイールキャリア軸システム(TYDEX C)内に存在する必要があります。これらの計算に役立つ可能性のある一部のユーティリティサブルーチンはMotionSolveから入手できます。
  • TYDEX標準に記載されているVARINF配列に関連する結果を読み込みます。
  • ユーザー定義路面モデル内のコードのエラー、および路面呼び出しまたはMotionSolve APIに対する呼び出しに起因するエラーを処理します。

User Tire Interfaceのコール

User Tire Interfaceは、異なるJOBFLGを用いたシミュレーション中に数回User Tireモデルをコールします。JOBFLG変数は、TYREの実行モデル(初期化、タイヤプロパティファイルの読み出し、初期条件)を決定します。User Tire Interfaceは、一部の変数がJOBFLG値に従って更新されることを要求します。JOBFLGは以下の順でコールされます:

JOBFLG

1: 初期化モード

2: タイヤおよび路面プロパティファイルの読み出し

11: 実際の配列のサイズ

6: 初期条件

0: ノーマルコール

99: ファイナルコール

JOBFLG変数の詳細については、タイヤサブルーチン引数のトピックをご参照ください。

路面プロパティファイルの読み出し

タイヤモデルに必要なパラメータとデータはタイヤプロパティファイルから解析することができます。以前のセクションで説明したように、路面プロパティファイルに、プロパティファイル形式と関数名を伴う‘MODEL’ブロックが含まれている必要があります。タイヤプロパティファイルのその他の部分は、読み取るデータに応じて任意の形式にすることができます。ファイルのその他の部分がTeimOrbit形式の場合は、解析を支援するユーティリティが提供されます。これらのユーティリティは呼び出し可能なAPIであり、詳細についてはTeimOrbitファイルの読み出しのセクションをご参照ください。

路面関数のコール

路面関数は、TYDEXタイヤインターフェースを介して受け取られます。路面で状況が正しく初期化されるよう、路面関数は、各タイヤサブルーチンコール中に少なくとも一度はコールされなければなりません。路面モデルは関数ポインター(C)またはEXTERNAL(FORTRAN)として渡されるため、選択された路面プロパティファイルに基づき、異なる路面が同じタイヤと使用されることがあり得ます。

タイヤのフォースとモーメントの計算

ユーザー定義のタイヤ関数は、入力をTYDEXフォーマットとして受け取りました。ユーザーモデルは、接地点、スリップ角、スリップ率といったホイールの運動学的な状況を計算するためにこれらを使用する必要があります。路面関数は、路面の高さについての情報を受け取るためにコールされます。Altairでは、この計算を支援するために一連のユーティリティを用意しています。その詳細についてはタイヤのキネマティクス、フォースおよびモーメントを計算するためのユーティリティのトピックをご参照ください。タイヤの3つのフォースおよび3つのモーメントはすべて、TYDEX基準(TYDEX C)により定義されたホイールキャリア軸システムで計算されなければなりません。フォースの単位はニュートン、モーメントの単位はニュートン-メートルです。

VARINF配列内の結果の読み込み

VARINF配列は、タイヤサブルーチンが終了する前に生成する必要があります。これにより、タイヤ力以外のタイヤ情報を結果ファイルで使用できるようになります。この情報には、タイヤのキネマティクス情報やその他のタイヤパラメータが含まれます。