タイヤサブルーチン引数

次のタイヤサブルーチン引数を使用することができます:
引数   タイプ 説明
NDEV 入力 整数 NDEVは、エラーメッセージの論理出力装置を指定する必要があります。NDEV装置に書き込む代わりに、USRMESとERRMESを使用できます。
ISWTCH 入力 整数 ISWTCHは、タイヤプロパティファイル内の変数であるUSE_MODEのコピーです。USE_MODEは、タイヤのさまざまな動作モードの中から選択するためのユーザー制御変数です。

ユーザーがJOBFLG = 11以外の種類のタイヤモデルを使用している場合は、User Tire Interfaceがタイヤサブルーチンへの入力としてISWTCHを送信し、ここでISWTCHの値に基づいてJOBFLG固有のアルゴリズムが選択されます。

例:
USE_MODE
0: Evaluation of Fz only
1: Evaluation of all forces
10: Steady state behavior
20: Include relaxation behavior
100: Smooth road contact
200: Road contact for 3D roads
USE_MODE = 121の場合は、JOBFLG = 11におけるISWTCHの値が121であることを意味し、この値により以下が指定されます:
  • スムーズな路面接触
  • 緩和挙動を含む
  • すべてのフォースの評価

同様に、ISWTCHを定義して、対応する評価方法を表す数字の追加をこのパラメータで表現できるようにすることができます。

JOBFLG 入力 整数 User Tire Interfaceは、異なるJOBFLGを用いたシミュレーション中に数回User Tireモデルをコールします。JOBFLG変数は、TYREの実行モデル(初期化、タイヤプロパティファイルの読み出し、初期条件)を決定します。User Tire Interfaceは、一部の変数がJOBFLG値に従って更新されることを要求します。JOBFLGは以下の順でコールされます:

JOBFLG = 1、初期化モード

このモードはタイヤの初期化用で、タイヤごとに1回ずつ呼び出されます。この呼び出し後、User Tire Interfaceは、タイヤモデルがタイヤプロパティ、路面プロパティ、状態変数、および出力変数を格納する配列の最大サイズを返すことを期待します。

出力:

NTYPAR、NDEQVR、NVARS、NWORK、NIWORK、NROPAR

JOBFLG = 2、タイヤおよび路面プロパティファイルの読み取り

このモードでは、タイヤモデルが、タイヤおよび路面のプロパティファイルを読み取って、そのパラメータをTYPARR、ROPAR、およびWRKARR配列に保存します。

入力:

NCHTDS, CHTDST, NCHRDS, CHRDST, ISWTCH, IDTYRE

出力:

TYPARR, ROPAR, WRKARR

JOBFLG = 11、実際の配列サイズ

ISWTCHまたはタイヤプロパティファイル内のパラメータによって、微分方程式の数が違い、それにより状態の数も変わるため、User Tire Interfaceを状態および作業の配列のサイズについて更新する必要があります。

入力:

ISWTCH

出力:

NTYPAR, NDEQVR, NVARS, NWORK, NIWORK

JOBFLG = 6、初期条件

この呼び出しでは、ホイール中心のキネマティック入力(位置、速度、方向)に基づいて、状態変数の初期条件を計算することができます。

入力:

ISWTCH, TIME, DIS, TRAMAT, ANGTWC, VEL, OMEGA, OMEGAR, DEQVAR, TYPARR, ROPAR

出力:

DEQINI

JOBFLG = 0、通常呼び出し

この呼び出しでは、タイヤモデルがタイヤにかかるフォースとモーメントを計算します。

入力:

ISWTCH, TIME, DIS, TRAMAT, ANGTWC, VEL, OMEGA, OMEGAR, DEQVAR, TYPARR, ROPAR Outputs: FORCE, TORQUE, DEQDER, VARINF, WRKARR, and IWRKAR

JOBFLG = 99、最終呼び出し

これは、タイヤモデルに対する最終呼び出しであり、タイヤモデルに割り当てメモリなどを解放するよう通知するために使用されます。

IDTYRE 入力 整数 タイヤIDを指定します。
TIME 入力 実数 現在のシミュレーション時間。
DIS 入力 実数配列 (3) 路面固定座標系で表現される路面固定座標系を基準にしたホイール中心におけるホイールキャリアのx、y、z座標を指定します。路面固定座標系と路面参照マーカー座標系は同じものです。
TRAMAT 入力 実数配列 (3.3) ホイールキャリア座標系から路面固定座標系にデータを変換するための変換マトリックスを指定します。

ANGTWC 入力 実数 ホイールキャリアを基準にしたリムの回転角(タイヤの不均一性の配置/トリガーに使用される)を指定します。
VEL 入力 実数配列 (3) Cフレーム(TYDEX形式で定義される)で表現される路面固定座標系を基準にしたホイール中心におけるホイールキャリアの並進速度を指定します。
OMEGA 入力 実数配列 (3) ホイールキャリア(Cフレーム)軸システムで表現される路面固定座標系を基準にしたホイールキャリアの角速度を指定します。
OMEGAR 入力 実数 ホイールキャリアを基準にしたリムの回転速度を指定します。
NDEQVR 入力 整数 DEQVAR配列の次元を指定します。タイヤモデルに必要な状態の数です。
DEQVAR 入力 実数配列 (NDEQVR) DEQVARには、DEQDERの積分値が含まれます。初期値はDEQINIによって与えられます。
NTYPAR 入力 整数 TYPARR配列の次元を指定します。NTYPARが0に等しい場合は、TYPARRに使用可能な値が含まれていません。
TYPARR 入力 実数配列 (NTYPAR) 現在のタイヤモデルのパラメータが含まれています。TYPARRが使用できない場合は、NTYPARを0にする必要があり、そうすれば、CHTDSTで指定されたデータファイルからタイヤパラメータを読み取ることができます。
NCHTDS 入力 整数 CHTDST配列の次元を指定します。NCHTDSが0の場合は、CHTDSTにファイル名が含まれず、この場合、タイヤプロパティファイルを使用してタイヤサブルーチン名とライブラリ名がUser Tire Interfaceに通知されると、シミュレーションが中断されます。
CHTDST 入力 文字配列

(NCHTDS)

タイヤパラメータが保存されるタイヤプロパティファイル名が含まれています。
ROAD 入力 関数ポインター 路面の法線およびタイヤが路面と接触するポイントを計算するため、タイヤサブルーチンから呼び出される路面サブルーチンが含まれています。
IDROAD 入力 整数 使用する路面モデルを指定します。現在、このパラメータはUser Tire Interfaceでサポートされていません。
NROPAR 入力 整数 ROPARの配列サイズを指定します。NROPARが0の場合は、CHRDSTで指定されたファイルから路面プロパティが読み取られます。
ROPAR 入力 実数配列

(NROPAR)

路面パラメータが含まれています。ROPARが使用できない場合は、NROPARを0に設定する必要があります。
NCHRDS 入力 整数 CHRDST配列の次元を指定します。NCHRDSが0の場合は、CHRDSTにファイル名が含まれていません。MotionSolveの路面関数を使用する場合は、CHRDSTに路面プロパティファイルの名前が記述されている必要があります。そのようになっていないと、シミュレーションが打ち切られます。路面プロパティファイルには、使用する路面関数の名前が記述されているからです。
CHRDST 入力 文字配列

(NCHRDS)

路面プロパティを含むファイルの名前が含まれます。MotionSolveの路面関数を使用している場合は、路面関数の名前とライブラリ名“mbdtire”が記述されている必要があります。
FORCE 出力 実数配列 (3) ホイールの中心にあるリムに対し、タイヤによって適用されるフォースが含まれます。ホイールキャリア軸システム(Cフレーム)で表現されます。
TORQUE 出力 実数配列 (3) リムに対し、タイヤによって適用されるトルクが含まれます。ホイールキャリア軸システム(Cフレーム)で表現されます。
DEQINI 出力 実数配列

(NDEQVR)

DEQVARの初期条件。JOBFLG = 6の場合、タイヤモデルはDEQVARの初期条件を返す必要があります。他のJOBFLGでは、DEQINIの値は無視されます。
DEQDER 出力 実数配列

(NDEQVR)

DEQVARの導関数が記述されています。この導関数はMotionSolveで積分します。JOBFLG =0およびJOBFLG = 6の場合、タイヤサブルーチンはDEQDER配列でDEQVARの導関数を返す必要があります。
TYRMOD 出力 文字配列 (256) タイヤモデルの名前、タイプ、リリースに関する情報が含まれます。
NVARS 出力 整数 VARINF配列の次元を指定します。
VARINF 出力 実数配列

(NVARS)

タイヤモデルの内部変数に関する情報が含まれます。これらは、スリップ角や縦方向のスリップなどの値です。
以下の一覧をご参照ください。
  1. FX_CP_W
    TYDEX -W軸座標系の接触パッチに対するフォース、X成分
    単位:N
NO 変数 詳細 単位
1 FX_CP_W TYDEX -W軸座標系の接触パッチに対するフォース、X成分 N
2 FY_CP_W TYDEX -W軸座標系の接触パッチに対するフォース、Y成分 N
3 FZ_CP_W TYDEX -W軸座標系の接触パッチに対するフォース、Z成分 N
4 MX_CP_W TYDEX -W軸座標系の接触パッチに対するトルク、X成分 Nm
5 MY_CP_W TYDEX -W軸座標系の接触パッチに対するトルク、Y成分 Nm
6 MZ_CP_W TYDEX -W軸座標系の接触パッチに対するトルク、Z成分 Nm
7 LAT_SLIP 横方向のスリップ ラジアン
8 LONG_SLIP 縦方向のスリップ -
9 CAMBER キャンバー ラジアン
10      
11      
12      
13      
14      
15      
16      
17      
18      
19      
20      
21      
22      
23      
24      
25      
26 FX_W_SAE SAE軸座標系のホイール中心に対するタイヤ力、X成分 N
27 FY_W_SAE SAE軸座標系のホイール中心に対するタイヤ力、Y成分 N
28 FZ_W_SAE SAE軸座標系のホイール中心に対するタイヤ力、Z成分 N
29 MX_W_SAE SAE軸座標系のホイール中心に対するタイヤのモーメント、X成分 Nm
30 MY_W_SAE SAE軸座標系のホイール中心に対するタイヤのモーメント、Y成分 Nm
31 MZ_W_SAE SAE軸座標系のホイール中心に対するタイヤのモーメント、Z成分 Nm
32 FX_HUB_C TYDEX -C軸座標系のハブに対するタイヤ力、X成分 N
33 FY_HUB_C TYDEX -C軸座標系のハブに対するタイヤ力、Y成分 N
34 FZ_HUB_C TYDEX -C軸座標系のハブに対するタイヤ力、Z成分 N
35 MX_HUB_C TYDEX -C軸座標系のハブに対するタイヤのモーメント、X成分 Nm
36 MY_HUB_C TYDEX -C軸座標系のハブに対するタイヤのモーメント、Y成分 Nm
37 MZ_HUB_C TYDEX -C軸座標系のハブに対するタイヤのモーメント、Z成分 Nm
38 FX_CP_ISO ISO軸座標系の接触パッチに対するフォース、X成分 N
39 FY_CP_ISO ISO軸座標系の接触パッチに対するフォース、Y成分 N
40 FZ_CP_ISO ISO軸座標系の接触パッチに対するフォース、Z成分 N
41 MX_CP_ISO ISO軸座標系の接触パッチに対するトルク、X成分 Nm
42 MY_CP_ISO ISO軸座標系の接触パッチに対するトルク、Y成分 Nm
43 MZ_CP_ISO ISO軸座標系の接触パッチに対するトルク、Z成分 Nm
44 EFF_PEN タイヤのたわみ m
45 VEL_CP_VRT タイヤ貫通/閉鎖速度 m/s
46 VEL_CP_LON 接触パッチにおける縦方向のスリップ速度 m/s
47 VEL_CP_LAT 接触パッチにおける横方向のスリップ速度 m/s
48 WC_LON ホイール中心における縦方向の速度 m/s
49 ROL_RAD 実効転がり半径 m
50 OMEGAR タイヤ回転速度  
51      
52      
53      
54      
55 MUX_TYR 縦方向の摩擦係数  
56 MUY_TYR 横方向の摩擦係数  
57 IPT ニューマチックトレール m
58 MZR 残留トルク Nm
59 FX_ARM FXのモーメントアーム m
60 ISGKPO 縦方向の緩和長 m
61 ISGKLO 横方向の緩和長 m
62 MZYR ジャイロモーメント Nm
63      
64      
65      
66 CP_X 接触パッチ位置 - x座標 m
67 CP_Y 接触パッチ位置 - y座標 m
68 CP_Z 接触パッチ位置 - z座標 m
69      
70      
71      
72      
73      
74      
75 DIS_TRA 移動距離 m
76 EFF_PLA_HEI_PTR 面の実効高さ m
77 EFF_PLA_ANG_PTR 面の実効角度 ラジアン
78 EFF_PLA_CUR_PTR 面の実効曲率 1/m
79 EFF_PLA_BAN_PTR 面の実効バンク角 ラジアン
NWORK 出力 整数 実数作業配列(WRKARR)の次元を指定します。
WRKARR 出力 実数配列

(NWORK)

タイヤモデルで内部的に使用されます。通常は、最後の作業配列の内容が含まれます。
NIWORK 出力 整数 実数作業配列(IWRKAR)の次元を指定します。
IWRKAR 出力 整数配列

(NIWORK)

WRKARRと同じですが、整数用です。
IERR 出力 整数 エラーのタイプを指定する整数値が含まれます。
0
エラーなし
1
警告
2
エラー - 実際の結果を使用しない
3
致命的エラー - 呼び出し側のプログラムを停止する必要があります。