AcuSolve入力デックのセットアップ

次のセクションでは、Engineering Solutions内のAcuSolve入力デックのセットアップについて説明します。

注: Engineering Solutions内のすべてのデータは無次元であるため、モデリングプロセス全体にわたって一貫した単位系を使用するのはユーザーの役割です。すべての単位はSI単位と想定されます。

既存のAcuSolveモデルのインポート

Standardツールバーのアイコンをクリックします。AcuSolveのソルバーデック(.inpファイル)をインポートする場合、そのソルバーデックで定義されているパラメータもモデルにインポートされます。
そのソルバーデックで定義されているパラメータがサポートされていない場合、そのパラメータは、ソルバーブラウザの各フォルダーカテゴリの下のUnsupported Entries内に収集されます。それらのエントリは手動で編集でき、変更された値がエクスポートされます。


図 1.
注: Unsupported Entriesカテゴリ内で、AcuSolveによって認識されないフィールドを定義した場合は、エラーが発生します。

CFDユーザープロファイルの読み込みとソルバーブラウザのオープン

  1. Standardツールバーのアイコンをクリックします。
  2. User Profilesダイアログで、Engineering Solutions > CFD > AcuSolveの順に選択します。
  3. View > ソルバーブラウザの順にクリックします。

Create CFD Components

  1. Mesh > Components > CFDの順にクリックし、Create CFD Componentsダイアログを開きます。
    コンポーネントの名前や色の変更、新しいコンポーネントのリストへの追加、またはコンポーネントの数量の変更が可能です。
  2. Organizeパネルを使用して、要素を適切なコンポーネントに移動できます。


    図 2.

ソルバーブラウザ内のモデルのセットアップ

ソルバーブラウザを使用して、AcuSolveでCFD解析を実行するためのケースをセットアップできます。

これは、簡易的な境界条件を使用して問題をセットアップするのに便利です。複雑な問題の場合は、モデルをエクスポートし、それをAcuConsole内でセットアップしてください。

ソルバーブラウザには、以下のメインフォルダーが含まれています:
表 1.
Global このフォルダーは、問題を定義し、その問題のソルバーパラメータを設定するのに使用します。このフォルダーに含まれているサブフォルダーは、Nodal Initial Condition、Problem Description、Radiation Parameters、およびSolver Settingsです。Problem Descriptionフォルダーには、解析タイプとソルバーモデルをセットアップするためのユーティリティが含まれています。Solver Settingsフォルダーでは、選択した解析タイプとソルバーモデルに関連するパラメータを設定します。Nodal Initial Conditionフォルダーでは、初期条件を定義できます。Radiation Parametersフォルダーでは、モデルの放射パラメータを定義できます。
出力 さまざまな出力(Derived Quantity Output、Nodal Output、Restart Output)の周波数を定義します。
ボリューム FluidおよびSolidカードイメージを有するコンポーネントは、このフォルダーにグループ分けされます。
サーフェス Inflow、Outflow、Wall、Slip、Symmetry、およびFar Fieldのカードイメージを有するコンポーネントは、このフォルダーにグループ分けされます。
Components With No Card Image カードイメージがないコンポーネントは、ソルバーデックと共にエクスポートされません。デフォルトでは、どのコンポーネントにもカードイメージはありません。コンポーネントに適したカードイメージを選択する必要があり、コンポーネントは適宜SurfacesまたはVolumesフォルダーに移動されます。
Nodal Boundary Condition サーフェス境界条件とは別に、節点上で境界条件を定義します。
Materials CFD解析用の材料モデルを定義 / 編集します。
Body Force ボリュームコンポーネントの重力と熱源を定義します。
Periodic Boundary Condition 変換定義と共に周期的境界または軸対称境界を定義します。
Reference Frame 参照フレームを定義します。
メッシュモーション メッシュモーションを定義します。
Emissivity Model 放射用の放射率モデルを定義します。
Multiplier Function サポートされているパラメータを増大させるための乗数関数を定義します。
パラメータ パラメータを使用して、ソルバーパラメータベースのスタディを実行できます。

たとえば、流入速度値がそれぞれ0.5m/s、0.75m/s、1m/sである一連のシミュレーションを実行する場合、流入速度のパラメータを目的の値で定義できます。HyperStudy Job Launcherを使用して、DOEスタディを実行できます。

いずれかのメインフォルダー内でこれらのエンティティのいずれかをクリックすると、ブラウザの下部にエンティティエディターが開かれ、そのエンティティのパラメータを入力できます。


図 3.

Define Component Type/Properties

  1. 既存のメッシュファイルをEngineering Solutionsに読み込みます。
    各種コンポーネントがブラウザに表示されます。
  2. コンポーネントをクリックして、エンティティエディターで編集します。
    要素は、特定タイプのコンポーネントにグループ化されます。デフォルトでは、すべてのコンポーネントにNoneというカードイメージがあり、”Components With No Card Image”フォルダーに表示されます。コンポーネントに適したカードイメージを選択する必要があり、コンポーネントは適宜SurfaceまたはVolumeフォルダーに移動されます。コンポーネントには、FLUID、SOLID、INFLOW、OUTFLOW、WALL、SLIP、SYMMETRY、Far Fieldの8タイプがあります。モデル内の各コンポーネントをこれらのいずれかのタイプに割り当てる必要があります。INFLOW、OUTFLOW、WALL、SYMMETRYについては、Simple Boundary Condition、Radiation Surface、Interface Surface、Surface Outputという4つのカテゴリがあります。各カテゴリをオンまたはオフにできます。


    図 4.

Define Nodal Boundary Condition

このフォルダーを使用して、Simple Boundary Conditionとは別に、節点上で境界条件を定義できます。

  1. Nodal_Boundary_Conditionを右クリックして、Createを選択します。


    図 5.
  2. 入力としてNodal componentまたはNodal BC file(.nbcファイル)を選択します。
    Nodal componentを選択した場合は、特定の節点境界条件が割り当てられる節点を持つコンポーネントを選択します。定義されたソースとターゲットはマップ可能にする必要があります。そうでない場合は、ソルバー実行でエラーが発生します。Nodal BC fileを選択し、以前の実行で使用されたファイルが既にある場合は、そのファイルのパスを指定します。
  3. Boundary condition variableを選択します。
  4. Active typeを選択します。
  5. Multiplier functionとReference frameを選択します(該当する場合)。

Create Material Model

材料エンティティを使用して、CFD解析用に材料モデルを定義 / 編集します。

ソルバーブラウザを開いたときにデフォルトで作成される材料は以下のとおりです:
  • アルミニウム
  • 空気
  1. 材料を右クリックして、Create > Material(Fluid)またはMaterial(Solid)の順に選択します。


    図 6.
  2. 材料プロパティを定義 / 編集します。
    Material (Fluid)を選択した場合は、Porosityを定義できます。
  3. 材料をボリュームコンポーネントに割り当てます。

Create Body Force

このフォルダーを使用して、ボリュームコンポーネントの重力と熱源を定義できます。

  1. Body_Forceを右クリックして、Createを選択します。


    図 7.
  2. プロパティを定義します。
  3. 新規作成した物体力をボリュームコンポーネントに割り当てます。

Create Periodic Boundary Condition

このフォルダーを使用して、周期的境界条件を定義できます。

  1. Periodic_Boundary_Conditionを右クリックして、Createを選択します。


    図 8.
  2. 入力としてPeriodic componentsまたはPeriodic BC fileを選択します。
    Periodic componentsを選択した場合は、Source componentsとTarget componentsを定義する必要があります。定義されたソースとターゲットはマップ可能にする必要があります。そうでない場合は、ソルバーでエラーが発生します。acuPbcユーティリティを使用して.pbcファイルを作成済みの場合や、以前の実行で使用されたこのファイルがある場合は、Periodic BC fileを選択します。
  3. Periodic BC typeとして、PeriodicまたはAxisymmetricを選択します。
    Axisymmetricを選択した場合は、2つの節点定義を使用して回転軸を定義します。

Create Reference Frame

このフォルダーを使用して、参照フレームを定義できます。

  1. Reference_Frameを右クリックして、Createを選択します。


    図 9.
  2. Rotation center、Angular velocityを定義し、力を設定します。
  3. 参照フレームをボリュームコンポーネントやサーフェスコンポーネントに割り当てます。

Create Mesh Motion

このフォルダーを使用して、メッシュモーションを定義できます。

  1. Mesh_Motionを右クリックして、Createを選択します。


    図 10.
  2. メッシュの平行移動、回転、または平行移動パラメータを定義します。
  3. 参照フレームをボリュームコンポーネントやサーフェスコンポーネントに割り当てます。

Create Emissivity Model

このフォルダーを使用して、放射用の放射率モデルを定義できます。

  1. Emissivity_Modelを右クリックして、Createを選択します。


    図 11.
  2. 放射率を定義します。
  3. これをサーフェスに割り当てるには、目的のサーフェスで放射をアクティブにします。
  4. モデルに放射率を割り当てます。


    図 12.

Create Multiplier Function

  1. Multiplier_Functionを右クリックして、Createを選択します。


    図 13.
  2. Multiplier Function Typeを、Constant、Piecewise Linear、Cubic Spline、またはPiecewise Log Linearとして定義します。


    図 14.
  3. Piecewise Linear、Cubic Spline、またはPiecewise Log Linearを選択した場合は、右クリックしてCurves > Createの順に選択し、カーブ定義用の新しいプロットを作成します。


    図 15.
  4. 右クリックしてCurves > Plot Curvesの順に選択します。
    Curve Editorが開きます。


    図 16.
  5. プロット値を編集し、Updateをクリックしてプロットを表示し、Curve Editorを閉じます。


    図 17.
  6. Curve fit variableとEvaluation Typeを定義します。
  7. サポートされているフィールド(参照フレーム、メッシュモーション、放射率モデル、または材料プロパティ(粘度と伝導率))のいずれかに乗数関数を割り当てます。


    図 18.

Create Parameter

このフォルダーを使用して、ソルバーパラメータベースのスタディ用のパラメータを定義できます。

  1. Parameterを右クリックして、Createを選択します。


    図 19.
  2. Parameter modeとParameter typeを定義します。使用可能なパラメータモードは、DiscreteとContinuousの2つです。Discreteは、入力値リストを参照します。最初に定義が必要なカウントの数を定義してから、テーブルをクリックして値を定義する必要があります。


    図 20.


    図 21.
    Continuousは、レベルのLower bound、Upper bound、およびNoで定義される増分値を参照します。


    図 22.
  3. 右クリックしてSolver > variable input > Select Parameterの順に選択し、定義されたパラメータをソルバー変数入力に割り当てます。


    図 23.
    注: ソルバー変数でdouble値が受け付けられる場合、選択範囲に対してdouble型のパラメータのみがフィルタで除外されます。


    図 24.
  4. HyperStudy Job Launcherを開き、パラメトリック値を使用して順次実行を行います。

ソルバー実行の起動

  1. CFDツールバーでアイコンをクリックして、Solver Job Launcherを起動します。表示されるダイアログで、Problem nameを定義し、ソルバー入力ファイルが含まれているProblem directoryを指定します。
  2. Launchをクリックしてソルバー実行を開始します。


    図 25.

    デフォルトでは、Auto run AcuProbeとAuto run AcuTailがアクティブになっているため、.logファイルを監視するためのAcuTailと、現在の実行の残差を監視するためのAcuProbeが呼び出されます。どちらのユーティリティも、ソルバー実行の.logファイルにアクセスします。



    図 26.


    図 27.