Radiossインターフェース

Radiossインターフェースの概要。

HyperWorksは、分析用のRadiossデータデックを準備できるように完備したプリ処理環境を提供します。

HyperWorksでは、既存のRadiossデックを読み取ってモデルを作成できます。また、Radiossカードを表示して、デックでの表示を考慮して編集できます。さらに、分析を目的としてデックを書き込むことができます。

HyperWorksRadiossデックを作成するには、すべてのプリ処理機能にアクセスするうえで適切なテンプレートを設定したRadiossユーザープロファイルを読み込む必要があります。

インポートとエクスポート

  • HyperWorksでは、Radiossのバージョン2021まで、インポートとエクスポートでRadiossソルバーをサポートしています。
  • Solver オプションタブImport Optionsダイアログにソルバー固有のインポートオプションが用意されています。
  • HyperWorksでは、Radiossのダミーモデルをサポートしています。
  • HyperWorksでは、ソルバーデックのほとんどのIDが保持されます。一意のIDプールを実現する専用のHyperWorksエンティティでサポートされていないキーワードがある場合は、IDの競合が検出されると、HyperWorksによってキーワードの番号が割り当て直されます。その新しいIDは、インポートプロセスで配置されます。
  • Radiossインターフェースは、入力デックにサポート対象外のフィールドやデータ行が存在すると警告を発行するスマートで信頼性の高いFE入力リーダーをサポートしています。
  • HyperWorksは、未定義のエンティティをサポートしています。これらは、キーワードで参照されている(*PARTの材料IDなど)が、デックでは定義されていないエンティティIDです。その場合は、そのIDを保持するために、HyperWorksによってデフォルトのカードが作成されます(その後で、たとえばタイプelasticの材料が作成されます)。このキーワードに対してはDefinedチェックボックスがオフになっています。したがって、このキーワードは自動的にはエクスポートされません。

重複ID

  • インスタンスによっては、複数のRadiossキーワードが1つのHyperWorksエンティティにマップされています。Radiossインターフェースでは、要素を除き、デフォルトでは同じHyperWorksエンティティに重複するIDを設定できません。Radiossでは、1つのHyperWorksエンティティにマップしたカードどうしで重複したIDを使用できます。HyperWorksでは、Preferences > Meshing Optionsの順に選択してallow duplicate IDsオプションPreferencesダイアログでMeshingタブを選択してAllow duplicate IDsをアクティブにすることで、Radiossと同等のIDの柔軟性が得られます。
  • Radiossのユーザープロファイルでは、要素、プロパティ、エンティティセット、センサーの各HyperWorksエンティティで重複IDを使用できます。

剛体ボディの管理

10,000個未満のセカンダリ節点で作成したRBODYは、メイン節点とセカンダリ節点がスパイダー状に接続された状態で表示されます。10,000個を超えるセカンダリ節点を使用したRBODYは、メイン節点といずれかのセカンダリ節点が接続された単一のリンクとして表示されます。いずれの場合も他のオプションは同様です。

質量計算

各要素の質量は、密度と体積の乗算で求められます。密度は、要素のコンポーネントに関連付けた材料から取得されます。現時点で、RBODY、RBE3、RBE2の質量計算はサポートされていません。

要素の時間ステップの計算

時間ステップの計算。

シェル(2D)要素の臨界時間ステップ

臨界時間ステップ:


図 1.
ここで、Lは特性長さ、cは次の式による音速です。


図 2.

ここで、Eはヤング率、ρは材料密度です。

ソリッド(3D)要素の臨界時間ステップ

臨界時間ステップ:
図 3.


ここで、Lは特性長さ、cは次の式による音速です。


図 4.
さらに次の式が成り立ちます。


図 5.

ここで、Eはヤング率、ρは材料密度、νはポアソン比、Kは体積弾性率、Gはせん断弾性率です。

ビーム(1D)要素の臨界時間ステップ

臨界時間ステップ:


図 6.
ここで、Lは特性長さ、cは次の式による音速です。
図 7.


ここで、Eはヤング率、ρは材料密度です。


図 8.

スプリング / 離散要素の臨界時間ステップ



図 9.
Mを質量、Kを線形剛性、Cを減衰係数とします。
注: 時間ステップ計算、要素ライブラリ、特性長さ、要素の定式化、およびアワグラスコントロールパラメータの詳細については、ソルバーのマニュアルと理論のマニュアルをご参照ください。HyperMeshの要素基準設定に、2D要素と3D要素の最小長さを計算する方法が用意されています。