Test

Test Propertiesセクションでオプションを定義するには、Testコンポーネントが必要です。

スプリングの力対変形曲線と剛性を判断するために、スプリングにストローク動作を適用するテストを任意の件数で追加できます。スプリングを車両に取り付けた状態を想定してシャックル(スリッパーエンド)を使用したテスト、またはシャックルを使用しないテスト(SAE J510)を実施できます。テストを記述した入力を以下に示します。



Figure 1. Leaf Builderでのテスト要素

Inputs

Test Type
テストタイプとして“Spring and Shackle”と“Spring only (SAE J510)”の2種類があります。
Spring and Shackle
Test TypeのSpring and Shackleでは、車両に取り付けた状態を想定してスプリングにストローク動作を適用します。


Figure 2.
このテストには次の3つの段階があります:
  1. オフセットの適用: アクチュエータタイプに応じて力または変位をオフセットさせます。
  2. ジャウンスでのストローク: time = 0からtime = End Time/2までの間で、指定のジャウンス変位またはジャウンス力(アクチュエータタイプで決まります)に達するまでスプリングに上方へのストローク動作を適用し、つづいてオフセット変位またはオフセット力の値に達するまで下方へのストローク動作を適用します。
  3. リバウンドでのストローク:time = End Time/2からtime = End Timeまでの間で、指定のリバウンド変位またはリバウンド力に達するまでスプリングに下方へのストローク動作を適用し、つづいてオフセット変位またはオフセット力に達するまで上方へのストローク動作を適用します。
Spring Only (SAE J510)
テストタイプ“Spring Only”では、SAE J510のガイドラインに従い、シャックルを使用せずにスプリングにストローク動作を適用して、スプリングの力対変位の特性曲線を生成します。このテストでは、スプリングアイがフラットプレートに接触した状態にして、スプリングの底面に荷重ブロックを通じて変位を入力します。実際のテストでは、スプリングを上下反転して配置し、プレートの位置まで押し下げます。Leaf Spring Builderでは、重力が+Z方向に作用するので、実質的にスプリングを上下反転した状態になります。スプリングアイの中心またはスリッパーエンドのスプリング先端を面内ジョイントで拘束します。
このテストには次の4つの段階があります:
  1. スプリングを自由位置で変形していない状態に置きます。
  2. time = 0からtime = End Time/3までの間で、スプリングに自由位置から制限位置までの変形を適用します。
  3. time = EndTime/3からtime = End Time*2/3までの間で、スプリングに制限位置から設計位置までの変形を適用します。
  4. time = End Time*2/3からtime = End Timeまでの間で、スプリングに設計位置から金属間接触位置までの変形を適用します。


Figure 3.

Spring and Shackle - Force/Motion Inputs

Actuator
ForceまたはMotionを選択することで、スプリングに入力をどのように適用するかを指定します。
Offset Force/Displacement
テスト開始時点のオフセット力またはオフセット変位を入力します。このオフセットは、スプリングを構築した時点での初期荷重またはスプリング位置を基準とします。
Jounce Force/Displacement
ジャウンスの変位初期の力を基準とした力または変位の増分を入力します。アクチュエータが力に基づいている場合は、オフセット力とジャウンス力の合計が、スプリングに適用する最大の力になります。同様に、アクチュエータがモーションに基づいている場合は、オフセット変位とジャウンス変位の合計が、スプリングに適用する最大変位になります。
Rebound Force/Displacement
リバウンドのオフセット力またはオフセット変位を基準とした力または変位の減分を入力します(入力する値は正数です)。アクチュエータが力に基づいている場合は、オフセット力とリバウンド力との差が、スプリングに適用する最小の力になります。たとえば、初期力が1000Nでリバウンド力が1000Nの場合、テストで最小の力は0(自由位置)です。アクチュエータがモーションに基づいている場合は、オフセット変位とリバウンド変位との差が、スプリングの最小変位になります。

Spring-only(SAE J510)- Motion Inputs

Spring Only (SAE J510)によるテストではモーション入力のみを使用できます。
Curb
スプリングの初期位置から制限位置までのスプリング変位の増分を入力します。
Design
制限位置から設計位置までのスプリング変位の増分を入力します。
Metal-Metal
設計位置から金属間接触位置までのスプリング変位の増分を入力します。

初期位置からの合計スプリング変位は、Curb、Design、およびMetal-Metalの各値の合計です。

Simulation Settings

Print Interval
出力ステップ間の時間を入力します。終了時間をPrint Intervalの値で除算すると出力ステップ数が得られます。
Step Size
ソリューションのステップ間の時間を入力します。Print Intervalより長いStep Sizeを指定しないようにします。
Simulation Type
Quasi-staticまたはTransientを選択します。Quasi-staticシミュレーションでは、慣性力と減衰力が除外されます。Transientシミュレーションでは、減衰力と慣性力が考慮されます。Quasi-staticの選択をお勧めします。解を求めるときに問題が発生した場合はTransientに切り替えます。Transientシミュレーションを使用する場合は、End Timeを長くしてスプリングの変形が変化する速度を遅くし、慣性力と減衰力を小さくすることを検討します。
End Time
シミュレーションの終了時間を入力します。シミュレーションはtime=0に始まるので、End Timeはシミュレーションの持続期間にもなります。
Build Leaf
リーフスプリングを構築してからテストを実行するには、Build Leafボックスをオンにします。Leaf Builderに読み込んだリーフスプリングを、Run Test Rigボタンをクリックしたときに構築する必要があるかどうかを定義するスプリングタグがある場合、このスプリングタグを変更しているのであれば、このボックスをオンにする必要があります。
Run Test Rig
シミュレートしたリーフスプリングをテストするにはRunボタンをクリックします

リーフプロパティファイル(*lpf)のテストブロック

リーフプロパティファイルの[TEST_BLOCK]には、セッションで定義したすべてのテストに関する情報が記述されます。[TEST_BLOCK]には、定義したテストごとに1つのサブブロックがあります。たとえば、以下のサブブロック(TEST_1)では、Leaf Spring Builderにテストを表示したときのテスト名が“TEST_1”であることがわかります。
$----------------------------TEST_RIG
[TEST_RIG]
(TEST_1)
BUILDLEAF = 'FALSE'
CURB = 0.0
DESIGN = 0.0
DIRECTORY = 'C:\USERS\DESKTOP'
ENDTIME = 10.0
FORCEJOUNCE = 0.0
FORCEOFFSET = 0.0
FORCEREBOUND = 0.0
METALTOMETAL = 0.0
MOTIONJOUNCE = 0.0
MOTIONOFFSET = 0.0
MOTIONREBOUND = 0.0
OPTION = 'MOTION'
OUTPUTFILELABEL = 'TEST_'
PRINTINTERVAL = 0.01
RUNNO = 1.0
SIMULATIONTYPE = 'QUASI-STATIC'
STEPSIZE = 0.001
TESTTYPE = 'SPRING AND SHACKLE'
Table 1. テストのサブブロックのパラメータ
属性 タイプ 有効値 テストタイプ 説明
TESTTYPE 文字列 ‘TRUE’、

‘FALSE’

- 実行するテストのタイプ(スプリングとシャックルを使用したテストであるか、スプリングのみを使用したテストであるか)。上記をご参照ください。
CURB 実数 > 0.0 Spring only (SAE J510) 自由位置から制限位置までのアクスルでスプリングに発生する変位の増分。Spring only (SAE J510)テストタイプの場合に有効。
DESIGN 実数 > 0.0 Spring only (SAE J510) 制限位置から設計位置までのスプリング変位の増分。
METALTOMETAL 実数 > 0.0 Spring only (SAE J510) 設計位置から金属間接触位置までのスプリング変位の増分。
OPTION   ‘MOTION’、‘FORCE’ Spring and Shackle モーションまたは力を固定することにより、スプリングに入力を適用します。
FORCEOFFSET 実数 > 0.0 Spring and Shackle 入力位置からの力の増分。
FORCEJOUNCE 実数 > 0.0 Spring and Shackle 力のオフセット位置からジャウンス位置までの力の増分。
FORCEREBOUND 実数 > 0.0 Spring and Shackle 力のオフセット位置からリバウンド位置までの力の減分。
MOTIONOFFSET 実数 > 0.0 Spring and Shackle 入力位置からのスプリング変位の増分。
MOTIONJOUNCE 実数 > 0.0 Spring and Shackle オフセット位置からジャウンス位置までのスプリング変位の増分。
MOTIONREBOUND 実数 > 0.0 Spring and Shackle オフセット位置からリバウンド位置までのスプリング変位の減分。
BUILDLEAF 文字列 ‘TRUE’、‘FALSE’ All ‘True’の場合は、テストを実行する前にスプリングが構築されます。
ENDTIME 実数 > 0.0 All シミュレートしたテストの持続期間。
PRINTINTERVAL 実数 > STEPSIZE All 出力ステップサイズ(End Time/Print Interval = 出力ファイルの解析ステップ数)。
STEPSIZE 実数 < PRINTINTERVAL All 解析ステップサイズ。
DIRECTORY 文字列 書き込み特権があるディレクトリ。 All テストの入力ファイルと出力ファイルの書き込み先ディレクトリ。
OUPUTFILELABEL 文字列 特殊文字と空白は使用不可。 All テストの入力ファイルと出力ファイルのルート名。
RUNNO 整数 整数値 >=0 All テストの実行回数。