パネル複合材の特殊化

パネル複合材の構造プロパティ

パネルの共通データ名に加えて、Panel_composite設定にはもう1つのデータ名であるプロパティがあります。プロパティは、ソルバー複合材プロパティを指している必要があります。プロパティは、この属性を使用しているパネル内の要素間でばらつくことはありません。Auto DDP時にAbsorb FEオプションを使用し、パネルの中心要素が参照として使用されます。そのプロパティのコピーが、構造プロパティ(PCOMPおよびPCOMPG)によって参照されます。

FEプロパティを参照しないユーザー独自の構造プロパティを作成できます。メソッドでプロパティまたは材料の情報が必要な場合、このツールは次の操作を実行します:
  • 構造プロパティを照会して、ここからプロパティ / 材料を取得します。
  • 構造プロパティにプロパティが割り当てられていない場合、照会は要素レベルで行われます。

設計ポイントのパネル設定を使用している場合でも、要素ベースで評価するメソッドをサポートできます。プロパティと材料は、要素ベースであっても、設計ポイント全体で共通であってもかまいません(構造プロパティにプロパティが割り当てられている場合)。

初期プライ破壊メソッド

Panel_composite設定には、一連の複合積層材の初期プライ破壊基準が付随しています。これらの破壊基準はすべて、First_Ply_Failureという単一の評価メソッド内にまとめられています。このメソッドは内部でESACOMPエンジンを呼び出します。

Panel_composite設定は、要素ごとに破壊基準を評価します。特定の設計ポイントに割り当てられた構造プロパティが、ユーザー定義のプロパティ(PCOMPまたはPCOMPG)を参照している場合、このメソッドで必要なすべての属性は、このプロパティから照会されます。そうでない場合は、要素ごとのプロパティが直接参照されます(PCOMPPCOMPGPCOMPPプロパティと、MAT1MAT8カードがサポートされています)。使用されている参照積層材プロパティに基づいて、すべての複合材応力はシェル要素の力とモーメントから再計算されます。結果ファイルには、シェル要素の合成力と合成モーメントが含まれている必要があります。

Math

シェル要素の合成力と合成モーメント(F/M/Q)は、結果ファイルから読み取られ、モデルに基づいて材料方向座標系に変換されます。合成力と合成モーメントは、積層材の形状的中央面に変換されます。プライベースのモデルの場合は、局所領域積層材が自動的に作成されます。ひずみと応力は、古典的積層理論を使用して各層の3つの回復面で分解されます。単一または複数の荷重ケースを伴う選択された設計基準と材料の組み合わせについて、初期プライ破壊ベースの解析が実行されます。


図 1.

等方性材料の+ Max stressではXt、Xc、Sが必要であり、面外せん断が考慮されます。

HMメタデータ値
  • R= Transverse_Shear_Allowable_S13
  • Q= Transverse_Shear_Allowable_S23
  • *E3

太字の設計基準では、面外せん断応力が自動的に考慮されます。

RとQ(MAT8)が定義されている場合、従来の面内基準でも面外せん断が考慮されます。

用語

余裕係数は、破壊が始まるまでの余裕度を表す指標です。有効荷重に余裕係数を掛けると、設計マージンが得られます。1より大きい余裕係数値は正の設計マージンを表し、1より小さい余裕係数値は負の設計マージンを表します。余裕係数の値は常にゼロより大きくなります。安全係数という用語は、余裕係数 / 逆余裕係数 / 破壊インデックスと共に使用されます。線形基準(最大ひずみ、最大応力、最大繊維応力)では、これは破壊関数f(安全マージン = 余裕係数 - 1)の値と等しくなります。

破壊理論のアクティベート

First_Ply_Failureメソッドが設計ポイントセットに追加されたら、ブラウザからこれを編集できます。まず、結果レベル(Element|Layer|Recovery plane)を選択してから、評価するマージンのタイプを選択できます。

使用できる破壊理論は、エンティティエディター内でカテゴリ別にグループ分けされています。破壊評価用に使用する材料を指定することで、目的のメソッドをアクティベートします。すべての破壊理論では、参照される材料エンティティ内で許容値が直接設定される必要があります。これらの許容値がソルバーカード(MAT1/MAT8属性)として直接使用可能になる必要が生じるたびに、これらの許容値は材料カードから照会されます。ソルバーデックから得られない追加の許容値は、HyperMesh内で参照される材料エンティティに添付されたメタデータとして自動的に作成されます。メタデータは、各材料のエンティティエディターで編集できます。メタデータがすでに存在している場合、これは上書きされません。メタデータは、モデルと共にHyperMeshのバイナリファイルに格納されます。