OS-E: 0135 接触とボルトのプリテンショニング

この例題では、接触とプリテンショニングされたボルトを含む非線形静的解析を取り上げます。



図 1. 3つのサブケースすべてからの荷重付与があるFEモデル

モデル概要

このモデルは、パワートレインにおける典型的なボルトプリテンショニングのシナリオ(負荷サイクル荷重が続き得る)を再現しています。

作動する荷重には3つのステップ(またはサブケース)が関与します。1つ目のサブケースでは、フランジに結合する両方のボルトに5.0E+3 Nのプリテンショニングが付与されます。2つ目のサブケースでは、フランジに付けられたリングに荷重を分配するためにRBE3の従属節点に1081.66 N(X方向に600 N、 Z方向に900 N)の力が付与されます。3つ目のサブケースでは、もう一方のRBE3の従属節点に8652.3 N(X方向に5850 N、 Z方向に-6375 N)の力が付与されます。
ケース1
非線形性解析
ボルトプリテンショニング
ケース2
非線形性解析
(CNTNLSUB)プリテンション(STATSUB(PRETENS))後の継続荷重としてのベアリング(LOAD)
ケース3
非線形性解析
(CNTNLSUB)プリテンション(STATSUB(PRETENS))後の継続荷重としてのベアリング(LOAD)
FEモデル
ボルトとリング
CHEXA
フランジ
CTETRA

サブケース2とサブケース3は共に、CNTNLSUBカードを使用したプリテンションサブケースから継続されます。

このモデルにおける非線形性は、各コンポーネント間の接触定義によってもたらされています。
接触タイプ1
摩擦接触
静摩擦係数 = 0.3
関与するコンポーネント
上部と底部: 上部とボルト
接触タイプ2
PCONT接触
静摩擦係数 = 0.3
クリアランス = -0.15
関与するコンポーネント
上部とリング: 底部とリング
接触タイプ3
フリーズ接触
関与するコンポーネント
底部とボルト
MAT1の線形材料プロパティは:
ボルトのスチール
ヤング率
2.08E5 MPa
ポアソン比
0.3
密度
7.8E-9 ton/mm3
フランジのアルミニウム
ヤング率
7.4E4 MPa
ポアソン比
0.33
密度
2.6E-9 ton/mm3
リングの青銅
ヤング率
1.22E5 MPa
ポアソン比
0.35
密度
8.8E-9 ton/mm3

結果

サブケース1のボルトの変位結果を図 2に示します。異なるサブケースのボルト合計力は、.pretファイルから抽出することができます。図 2では3つのサブケースすべてからの変位結果のスナップショットが示されています。

サブケース2とサブケース3の変位コンターは、それぞれで付与された力(大きさと方向)によって異なります。


図 2. 3つのサブケースすべてからの変位結果(N2SおよびS2S)
これは様々な接触を含むこの非線形静解析であり、接触の結果についての出力リクエストはCONTFカードをアクティブにすることで可能となります。図 3では接触力の結果が確認できます。


図 3. 3つのサブケースすべてからの接触力結果(S2S)

このモデルの2つ目のランは、すべて節点-サーフェス(N2S)接触で行われます。N2SですべてのCONTACTエントリのDISCRETフィールドを変更し、モデルを再実行してN2Sモデルの結果を生成することができます。N2Sの離散化は通常、より速い収束をもたらし、両方の.outファイルを読み出してシミュレーションの実行にかかった時間を知ることが可能です。この場合、S2Sの実行は、同じマシンでのN2Sの実行よりも1.6倍遅くなりました。しかしながら、S2Sの実行はほとんどの場合、より精確な結果を与えます。

図 4は、N2Sの実行からの3つのサブケースすべてからの接触力結果のスナップショットです。


図 4. 3つのサブケースすべてからの接触力結果(N2S)

モデルファイル

この例で使用されているモデルファイルには以下のものが含まれます:

<install_directory>/hwsolvers/demos/optistruct/examples/NLSTAT-Contact_N2S_S2S.fem