新機能
OptiStruct 2021の新機能を確認できます。
Altair OptiStruct 2021リリースノート
主な特長
- PARTスーパーエレメント
- ダイバージェンス
- 周波数領域粘弾性
- 周期対称
- 陽解析用の自動接触(ベータ機能)
- ジョブをサブミットするためのAltair Compute Console(ACC)GUI
新機能
- プリロード静解析での連続すべり(CONSLI)のサポート
- プリロード静解析で連続すべり(CONSLI)がサポートされます。
- MAT1、MAT9、およびMATHEでのMODULUS(LongまたはInstantaneous)オプションの追加
- MAT1、MAT9、およびMATHEで指定される係数は、Long termとInstantaneousのどちらかに基づくことができます。デフォルトはLong termで、このオプションはMAT1/MAT9/MATHEが粘弾性材料(MATVE)で使用されている場合にのみ関係します。周波数領域粘弾性(MATFVE)では、指定された弾性係数が常にLong-term係数と見なされるため、MODULUSオプションが無意味になります。v2021より前は、この係数が瞬間的と見なされていました。
- 複数の非線形サブケースが同じサブケースから連続する場合のRESTARTR
- リスタートモデル内の新しい各サブケースが、元のラン(リスタートランの前)ですでに解析済みの同じサブケースから連続するケースで、RESTARTRがサポートされるようになりました。これは、リスタートラン内のすべての新しいサブケースが相互に独立していることを意味します。典型的なユースケースとしては、リスタートラン内のすべての独立したサブケースが元のラン(リスタートの前)で解析済みのプリテンションサブケースから連続する場合があります。
- 鋳鉄の塑性
- 鋳鉄の塑性は、ねずみ鋳鉄のモデル化に使用されます。これにより、引っ張りと圧縮で降伏強度、流れ、および硬化が異なる弾塑性挙動が可能になります。
- 軸対称および平面ひずみ用の静的安定化
- 静的安定化が、軸対称および平面ひずみ要素に使用できるようになりました。静的安定化は、NLADAPTバルクデータエントリのSTABILIZによってアクティブにされます。
- 軸対称および平面ひずみ用の2次要素サポート
- 高次要素(2次)が軸対称および平面ひずみでサポートされるようになりました。
- シェル要素の両側(正または負)の接触結果
- 接触圧力などの接触関連結果やステータスなどがシェルの両側について提供されるようになりました。正側または負側は、シェルの法線方向に基づいて決定されます。
- 接着と滑りの接触ステータス出力
- h3dファイル内のClose接触ステータスに、新しいステータス出力として“Close-Stick”と“Close-Slip”が追加されました。
- 周波数領域粘弾性(MATFVE)
- 周波数領域粘弾性材料がMATFVEバルクデータエントリで利用できるようになりました。MATFVEで材料プロパティを指定する方法はいくつかあります。
- FORMULA
- TABLE
- PRONY
- PRELOAD
機能強化
- 粘着要素出力の改善
- モード別の結合エネルギーや単位面積当たりの結合エネルギーなどの追加の出力が提供されるようになりました。
- 自動接触(ベータ機能)
- 陽解法動解析用の自動接触が使用できるようになりました。自動接触をアクティブにするには、CONTACTバルクデータエントリのTYPEフィールドを“AUTO”にする必要があります。ACTIVA/DEACTIVA継続行を使用すると、その行で指定された特定のサーフェスのみを考慮する(ACTIVA)、または自動接触生成から除外する(DEACTIVA)ことができます。エッジ間接触はPSURFエントリを使用して考慮することができます。
- 2次テトラ要素(10節点CTETRA)の改善
- 改善された10節点CTETRAでは、1次テトラ(4節点CTETRA)と同じ時間ステップが可能になります。現在、この改善された10節点CTETRAは、デフォルトで陽解析に対してオンになります。標準2次テトラは、PSOLIDのEXPLICIT継続行のHGHOR=REGULARでアクティブにすることができます。
- ビームおよびバー要素に対するピンフラグのサポート
- ピンフラグ(DOFの解放)は、陽解析のCBEAMおよびCBAR要素でサポートされます。
- CBUSHの力出力
- CBUSH力出力が、陽解析のh3dファイルで使用できるようになりました。
- MAT2とMAT8のサポート
- MAT2とMAT8の材料プロパティが、陽解析でサポートされるようになりました。
- 複合材のサポート
- PCOMP(G)、PCOMPP/STACKが、陽解法動解析でサポートされるようになりました。
- 静的空力弾性ダイバージェンス解析
- ダイバージェンスは、航空機の揚力面のたわみが付加揚力につながり、さらに、同じ方向のたわみにつながった場合に発生します。ダイバージェンス解析は、直接複素固有値解析を使用して発散動圧を特定します。最低固有値は、臨界発散動圧と相関関係があります。
- 空力弾性ダイバージェンス解析の入力
- ダイバージェンス解析は、複素固有値解析から得られる固有値である発散動圧を特定します。解析は、対応するDIVERGバルクデータエントリを指しているDIVERGサブケースエントリによってアクティブにされます。DIVERGバルクデータエントリには、抽出する固有値の数とそれらの固有値が抽出されるマッハ数に関する情報が格納されます。複素固有値の抽出をアクティブにするには、EIGCバルクデータエントリを参照するCMETHODケース制御エントリを指定する必要があります。
- 非線形定常および非線形非定常解析に対するDDMのサポート
- 非線形定常および非線形非定常の伝熱解析の並列化に対して、領域分割法(DDM)がサポートされます。
- 非線形定常解析のデフォルトとしてのMUMPS
- MUMPSが、非線形定常伝熱解析のデフォルトソルバーになりました。
- 非線形非定常伝熱解析のユーザー定義材料
- MATUSHTバルクデータエントリとLOADLIB I/Oオプションエントリを組み合わせて使用すれば、ユーザー定義の外部関数を介した熱材料の定義が可能になります。外部関数は、FortranまたはCで作成することができます。MATUSHTは、現在、非線形非定常伝熱解析でのみサポートされています。
- 表面損傷
- 疲労は表面現象であるため、構造体の表面でのみ損傷を評価するのが一般的です。損傷は、ソリッド要素を使用してモデル化された構造体の表面で評価されます。構造体の表面損傷を評価するための2つのオプションが用意されています(膜応力または節点応力を使用した表面損傷)。表面損傷計算は、多軸疲労解析の実行時に自動的にオンになります。
- 膜応力を使用した表面損傷
- FATPARMで設定することにより、OptiStructは、表面損傷を評価するため、自動的に構造体の表面に膜要素を作成します。
- 節点応力を使用した表面損傷
- FATPARMで設定することにより、OptiStructは節点応力を使用して構造体の表面の損傷を計算します。
- 入力
- SURFSTSフィールドは、FATPARMバルクデータエントリのサブキーワードSTRESSの後で、表面応力としてMBRN(膜応力)またはGP(節点応力)に設定できます。膜応力は、節点応力が選択されていなければ、デフォルトで多軸疲労解析で計算されます。
- 出力
- 追加出力要求は必要ありません。要素セットの損傷 / 寿命 / FOS出力が自動的に表面損傷を出力します。膜応力が選択されている場合は、膜応力によって引き起こされる最悪の損傷が元のソリッド要素に割り当てられます。節点応力が選択されている場合は、表面節点の損傷が出力されます。
- 応力勾配効果
- 応力勾配効果は、FKMガイドライン法と臨界距離法のどちらかにより考慮することができます。これは、シェル要素とソリッド要素の両方でサポートされます。ソリッド要素の場合、応力勾配効果は静解析の結果を使用した疲労解析の節点応力でのみ使用できます。ソリッド要素の場合は、応力勾配効果がアクティブになっていれば、FATPARMのSURFSTSフィールドが自動的にGPに設定されます。
- ENを使用した非線形解析
- 微小変位非線形静解析の結果を使用して、SN疲労とEN疲労の両方の疲労特性を評価することができます。そのためには、PARAM,NLFAT,YESをオンにする必要があります。
- 複合材シェルの最大応力基準、STRS
- 新しい複合材破壊タイプの最大応力が複合材シェルで使用できるようになりました。これは、MATFバルクデータエントリでCRITERIAフィールドをSTRSに設定することによってアクティブにされます。
- Tsai-Wu破壊基準での直接連成入力のサポート
- TSAI3DおよびTSAI用。
- PCOMPLSの横せん断応力
- PARAM,COMPSHSTを使用した横せん断応力の再配分がPCOMPLSでもサポートされるようになりました。
- DVCLRE1/2を使用した節点板厚設計変数
- シェル要素上で節点板厚が定義されている場合、DVCREL1/2を使用して、その要素の平均節点板厚を設計変数として定義できます。要素内で節点板厚が均一でない場合は、最適化中に節点板厚の比率が保持されます。DVCRLE1/2のアイテムコードは“T”です。
- DRESP2/DRESP3の引数としての荷重周波数
- DRESP1応答に関連付けられた荷重周波数が、DFREQ1、DFREQ1L、DFREQ1V、およびDFREQ1LVを介してDRESP2/DRESP3に渡されます。
- GRIDCON(GRIDベースのフリー形状)の節点ID入力
- 節点IDの直接入力が、GRIDベースのフリー形状最適化(DSHAPE Bulk DataのTYPE = VERTEXM)用のGRIDCON継続行で可能になります。
- LevelSetの強化
- LevelSetトポロジー最適化が強化され、ロバスト性が向上しました。LevelSetトポロジー最適化は、DTPLバルクデータエントリのLEVELSET継続行でアクティブにすることができます。
- 最小部材寸法制御と型抜き方向制約がサポートされます。
- 最大部材寸法制御は、現在、LevelSetトポロジー最適化ではサポートされません。設定された場合は無視され、.outファイルにメッセージが書き込まれます。
- パターングルーピング、パターン反復、および押し出し制約は、LevelSet最適化ではサポートされません。設定された場合、実行でエラーが発生します。
- PARAM,TOPDISC,YESは、LevelSetトポロジー最適化ではサポートされません。設定された場合は、このパラメータが無視され、.outファイルにメッセージが書き込まれます。
- マルチモデル最適化(MMO)とフェイルセーフ最適化(FSO)は、Levelsetトポロジーではサポートされず、設定された場合は実行でエラーが発生します。
- 型抜き方向制御がサポートされます。SINGLEおよび / またはSPLIT制約タイプのみがサポートされます。LevelSetトポロジーが指定された場合は、モデル内のすべてのDTPLエントリで型抜き方向制約を定義するか定義しないかのどちらかにする必要があります。モデル内の一部のDTPLエントリで型抜き方向が定義されている場合は、実行でエラーが発生します。
- PARTスーパーエレメント
- PARTスーパーエレメントでは、その独自の分割バルクエントリによる各PARTの定義が可能になります。PARTは、スーパーエレメントだけでなく、FEデータによっても定義できます。各PARTは、自己完結型で、そのPART固有の節点、要素、プロパティ、材料、および荷重で構成されます。サポートされているPARTスーパーエレメントのフォーマットは、op4とpunchです。
- 各PARTには、節点、要素、プロパティなどの独自のIDを割り当てることができます。
- PARTは、スーパーエレメント(op4、punch)またはFEデータ(グリッド、要素、プロパティ、材料)で構成できます。
- PARTは、残りのパートに移動して結合できます。
- PARTは、繰り返すことができます(REPEAT)。
- SEBULK
- スーパーエレメントのタイプ(TYPEフィールド)とスーパーエレメント境界検索オプションの定義。
- SECONCT
- PARTの結合に使用されるGRID/SPOINTの定義。
- SELOC
- スーパーエレメント内の同一線上にない3つのポイントとスーパーエレメントに属していない対応する3つのポイントをリストすることにより、スーパーエレメントの再配置を定義します。
- BEGIN SUPER
- PARTの定義(スーパーエレメントまたはFEデータ)。
- ASSIGN,INPUTT4
- PARTスーパーエレメントを使用した解析用の.op4の割り当て。
- 周期対称
- 周期対称は、線形静解析とノーマルモード解析に使用できます。
- ケース制御セクションエントリのスキップ
- SKIPON、SKIPOFFは、ケースコントロールセクションで定義されたエントリをスキップするために使用されます。SKIPONは、行のスキップをオンにします。SKIPOFFは、行のスキップをオフにします。SKIPONは定義されているが、SKIPOFFが存在しない場合は、SKIPONの後ろからBEING BULKまでのすべてのエントリがスキップされます。
- モニターポイント出力 - MONPNTi
- MONPNT1、MONPNT2、およびMONPNT3は、静解析と空力弾性でサポートされます。
- MONPNT1
- ユーザー定義座標系内のあるポイント(x,y,z)における総合荷重モニターポイントを定義します。関連節点上のこのポイントに関する総合荷重が計算され、出力されます。
- MONPNT2
- 要素出力モニター。応力、ひずみ、および力がサポートされます。CBAR、CBEAM、CELAS1、CONROD、CBUSH、CWELD、CQUAD4、CSHEAR、CHEXA、およびCTAXIの各要素がサポートされます。
- MONPNT3
- ユーザー定義セクションのユーザー定義ポイントに関する節点力の合計。
- AUTOSPC SPCOFF/SPCOFF1からの自由度のスキップ
- SPCOFF/SPCOFF1は、AUTOSPCからスキップされる自由度を定義します。
- CSHEAR力出力
- CSHEAR要素力出力が使用できるようになりました。
- 周波数応答とランダム応答
- 複素変位とSPCFORCE、PFPANELの結果が、周波数応答でサポートされます。PSD/RMS Disp/Velo/Accel/SPCFとRCROSSの結果が、ランダム応答でサポートされます。
- ジョブをサブミットするためのAltair Compute Console(ACC)GUI
- このリリースでは、Altair Compute Console(ACC)という新しいユーティリティが含まれています。このユーティリティは、一連のAltairソルバー(OptiStruct、Radioss、MotionSolve、AcuSolve、HyperXtrudeなど)用の個別のメニューエントリに取って代わります。これは、ローカルホスト上のソルバーを起動したり、単純なジョブをリモートLinuxサーバー / クラスターまたはPBSシステムにサブミットするための最も簡単な方法です。ここには、入力ファイルの選択、実行オプションの定義、キューを使用した複数ソルバーランのサブミット、遅延のスケジュール、解析の進捗の監視、ジョブの強制終了 / 一時停止を行うためのインタラクティブなGUIが組み込まれており、OptiStructとMotionSolveを使用したAcuSolveの流体-構造相互作用(FSI)解析シーケンスを実行するための簡単な方法を提供します。
解決された問題点
- 熱対流の適用パワー計算が修正されました。
- .pchや.mpcfなどのテキストファイル出力で、LGDISPを使用したMPC力出力が誤っていた問題が修正されました。
- 温度荷重が存在する場合に、一部の非線形解析のリスタートジョブがプログラミングエラーで失敗しなくなりました。
- 連続体シェル(PCOMPLS)の層間せん断応力が正しくなりました。
- GROUP MMOジョブにおいてDSIZE内のGROPUオプションが、プログラミングエラーで失敗しなくなりました。
- 入力ファイルにJOINTGが存在する場合のノーマルモード解析の応力結果が正しくなりました。
- 連続すべり(CONSLI)の場合に、滑り距離がゼロとして出力されなくなりました。
- トポロジー最適化で.densファイルが作成されなくなりました(ユーザーの要求がなくても)。
- DDMランで、.pretファイル内のプリテンション力出力が修正されました。
- モーダル複素固有値解析を使用した非同期ローターダイナミクスモデルにおいて、ローター速度が複数存在し、必要な複素固有値の数(EIGCカード内のND0)が空白のままでも、プログラミングエラーが発生しません。
- 複数のMATMDSバルクデータエントリが存在し、動解析(ノーマルモード解析など)が実行される場合、最初のMATMDSの密度のみが使用される問題が修正されました。
- レジデュアルランでop4 DMIGが使用された場合の読み取り問題が発生しなくなりました。
- 非線形過渡計算に時間がかかる問題が改善されました。
- CNTNLSUBがサブケースIDを指している場合のSPCF出力が正しくなりました。
- 線形解析と微小変位非線形解析の点―面間(N2S)TIE/FREEZEの精度が向上しました。
- オーバーハング制約または押し出し制約を伴うアドバンストリスタート計算が、このようなユースケースを正しく処理するように強化されました。
- モードトラッキングを伴うアドバンストリスタート計算が実行された場合、プログラミングエラーが発生する可能性がありましたが、これが修正されました。