エンティティエディター

エンティティエディターを使用すると、簡単にモデル内のエンティティを表示、編集したり、ソルバー情報を適切に設定したりすることができます。

エンティティエディターには、モデルブラウザソルバーブラウザ、および参照ブラウザからアクセスできます。モデルブラウザでサポートされているビューモードは、Model、Include、Component、Property、およびMaterialです。参照ブラウザからエンティティエディターにアクセスしている場合は、編集不可の形式でしか、選択したエンティティに対応するデータを表示できません。

エンティティエディターは、ブラウザ内で1つまたは複数のエンティティを複製、編集、または選択するときや、新しいエンティティを作成するときに開きます。エンティティエディターを展開表示したり、折りたたんだりするには、右上隅にあるをクリックします。エンティティエディターの高さを調子するには、...を上下にドラッグします。

エンティティのパラメータはName列に表示され、各パラメータに関連付けられた値はValue列に表示されます。灰色のテキストで表示されるパラメータは編集できません。エンティティエディターでエンティティを編集すると、その変更内容が自動的にモデル全体に適用されます。


図 1.
一部のエンティティは割り当てられたメタデータを持ちます。これらの値は、選択されたパートの詳細を提供するのに使用されます。エンティティエディターのエンティティを選択する場合、そのエンティティにメタデータが割り当てられていればそれがエディターに表示されます。メタデータエンティティ値は、他のエンティティ値と同様に編集でき、変更はモデル全体に​​自動的に適用されます。


図 2.

複数のエンティティの編集

ブラウザ内で複数のエンティティを選択すると、エンティティエディターが開き、選択したエンティティに共通する対応データが表示されます。

行に###が含まれている場合は、これらのフィールドに含まれるデータが共通ではないということですが、修正することはできます。共通データと共通でないデータのいずれであっても、データを変更すると選択したすべてのエンティティにその変更内容がHyperMeshにより適用されます。

ブラウザ内で複数のエンティティを選択するには、Shiftを押しながらエンティティを選択します。
図 3では7つのコンポーネントが選択されており、エンティティエディターにはそれらに共通する対応データが表示されています。Color、Card Image、およびProp_Idは異なるため、###が表示されています。Mat_Idは、選択したすべてのコンポーネントで同一なため、材料名とそのIDが表示されています。


図 3.

HyperMesh固有データの編集

エンティティを作成すると、一意なID、name、およびcolorが割り当てられます。エンティティエディターを使用して、このデータを修正します。

エンティティを編集するためにエンティティエディターを開きます。
オプション 説明
Edit ID and name
  1. NameまたはIDをクリックし、編集可能フィールドにエンティティの新しい値を入力します。
  2. Enterを押します。
HyperMeshにより、エンティティエディターブラウザに変更内容が自動的に反映されます。


図 4.
Edit color
  1. Colorでカラーボックスの色アイコンをクリックします。
  2. カラーパレットから、そのエンティティを表す新しい色を選択します。
エンティティエディターブラウザ、およびグラフィックス領域で、そのエンティティの色が変わります。


図 5.

ソルバー固有データの編集(テンプレートデータ)

各エンティティはソルバー固有のデータを割り当てられ、ユーザーはエンティティエディターを使ってそれらを修正することができます。



図 6.

カードイメージの割り当て

エンティティエディターで、エンティティにカードイメージを割り当てることができます。エンティティに割り当て可能なカードイメージは、読み込んだユーザープロファイルと、ブラウザ内で選択したエンティティタイプに応じて異なります。

  1. Card Imageをクリックします。
  2. ドロップダウンリストから新規カードイメージを選択します。
    エンティティのカードイメージが変更され、エンティティエディターにソルバーに関するフィールドが追加表示されます。


    図 7.

データのインポートとエクスポート

インポート / エクスポート機能は、.csv ファイルを読み込み、1Dの配列データを使用するすべてのエンティティのテーブルを作成します。
1D配列データを入力として使用するフィールドを右クリックし、コンテキストメニューから以下のオプションの1つを選択します。
  • Import from file
  • Append from file
  • Export to file
選択に基づいて、エンティティエディターにデータがインポート、またはファイルにエクスポートされます。
制約事項:
  • インポート / エクスポート機能は、Abaqusの場合のような2D配列または1Dと2D配列の組み合わせには対応していません。


    図 8. ABAQUS_MATERIALのDensity情報
  • 特定のコントロールカードは、非構造化テーブルを使用します。このような場合、配列属性は新規カテゴリ / カラムとして表示され、データはインポート / エクスポートされません。


    図 9.

フィールドのオン / オフの切り替え

  • エンティティエディターでフィールドのオン / オフを切り替えます。
    オプション 説明
    フィールドをオフに切り替え そのフィールドに対応する値を削除するか、ドロップダウンリストからOFFを選択します。

    オフに切り替えたフィールドの上にカーソルを合わせると、Value列にそのデフォルト値が表示されます。

    フィールドをオンに切り替え 新しい値を入力するか、ドロップダウンリストから値を選択します。

    フィールドをオンに切り替えると、それに対応する値がValue列に必ず表示されるようになります。

    以下の例では、フィールドISOPは最初はオフになっており、そのデフォルト値がFULLだと仮定します。このフィールドをオンに切り替えるには、対応するValueフィールドをクリックし、ドロップダウンリストから値を選択します。このフィールドをオフに切り替えるには、ドロップダウンリストから<OFF>を選択します。


    図 10. オフになっているISOPフィールド


    図 11. オンになっているISOPフィールド
    以下の例では、フィールドGは最初はオフになっており、そのデフォルト値が80769.2だと仮定します。このフィールドをオンに切り替えるには、Valueフィールドをクリックし、Enterキーを押します。このフィールドをオフに切り替えるには、その値を削除し、Enterキーを押します。フィールドをオフに切り替えた場合、エンティティエディターにより以前に指定された値が保持されます。


    図 12. オフになっているNUフィールド


    図 13. オンになっているNUフィールド
    以下の例では、フィールドMID4は最初はオフになっていると仮定します。このフィールドをオンにしてからそれに材料を割り当てることができます。このフィールドをオンに切り替えるには、対応するValueフィールドをクリックし、ドロップダウンリストからMaterialsを選択します。その後、黄色のセレクターボタンをクリックし、フィールドに割り当てる材料を選択できます。フィールドをオフにする場合ドロップダウンリストから<OFF>を選択します。


    図 14. オフになっているMID4フィールド


    図 15. オンになっているMID4フィールド
  • Card Editor内でcard imageフィールドのオン / オフを切り替えるには、フィールドの見出しをクリックします。

    フィールドをオンに切り替えると、そのフィールド見出しの下に、値を入力または選択できるフィールドが追加表示されます。

    以下の例では、OptiStruct内の材料のためにカードイメージMAT1が表示されます。デフォルトでは、フィールドGはオフになっています。このフィールドをオンに切り替えるには、そのフィールド見出しをクリックします。フィールド見出しの下にデフォルト値が表示されます。


    図 16. フィールドGがオフになっているMAT1カードイメージ


    図 17. フィールドGがオンになっているMAT1カードイメージ
    テーブル内でのデータ定義時に、特定のフィールドのオンまたはオフを切り替えることができます。フィールドをオンにするには、特定のフィールドの見出しを右クリックし、Statusを選択します。下のイメージでは、荷重コレクターTSTEPのNOフィールドはオンになっています。


    図 18.

エンティティの割り当て

エンティティエディターで、特定のエンティティを別のエンティティまたはエンティティグループに割り当てることができます。

たとえば、プロパティをコンポーネントに割り当てることができます。エンティティにエンティティが割り当てられている場合は、割り当てられているエンティティの名前およびIDがValueフィールドに表示されます。エンティティにエンティティが割り当てられていない場合は、Valueフィールドに<Unspecified>と表示されます。

以下の図では、エンティティエディターが開かれ、コンポーネントbottom_bracketが表示されています。そのコンポーネントには材料aluminumが割り当てられており、プロパティはまだ割り当てられていません。


図 19.

エンティティエディターでは、SelectダイアログまたはEntity Selectorを使用してエンティティを割り当てることができます。

  • 方法1:Selectダイアログの使用によるエンティティの割り当て
    1. エンティティの対応するValueフィールドをクリックします。
    2. 黄色のセレクターをクリックします。


      図 20.
    3. エンティティを以下の方法で選択します:
      1. Selectダイアログでエンティティを選択します。
        ヒント: Selectダイアログでは、検索フィールドにそれらの名前、ID、またはカードイメージを入力することで、エンティティを検索できます。をクリックするかEnterを押すと、指定した検索文字列と一致するエンティティのみがダイアログに表示されます。


        図 21.
      2. グラフィックス領域でエンティティを選択します。HyperMeshによりSelectダイアログ内でエンティティが自動的に選択されます。


        図 22.
    4. OKをクリックします。
  • 方法2:Entity Selectorの使用によるエンティティの割り当て
    1. エンティティの対応するValueフィールドをクリックします。
    2. をクリックします。
    3. パネル領域で黄色のセレクターをクリックします。


      図 23.
    4. エンティティを以下の方法で選択します:
      1. パネル領域でエンティティを選択し、returnをクリックします。


        図 24.
      2. グラフィックス領域でエンティティを選択します。HyperMeshにより選択内容が白のアウトラインで示されます。


        図 25.
    5. proceedをクリックします。

未解決エンティティの処理

未解決のエンティティIDのインポートおよびエクスポートは限定的にサポートされています。他のエンティティに参照される未解決のエンティティIDがある場合は、エンティティエディターで、未解決のエンティティのValueフィールドに“Unresolved Entity”と表示されます。
下のイメージでは、荷重コレクターFatigueは、未解決エンティティであるid=9を持つ荷重コレクターを参照します。


図 26.
  1. 未解決エンティティを右クリックし、コンテキストメニューClear unresolved entityを選択します。
  2. エンティティのValueフィールドをクリックします。
  3. 黄色のセレクターをクリックします。
  4. Selectダイアログで新規エンティティを選択します。
  5. OKをクリックします。

キーボードショートカット

キー 内容
Tab エンティティエディター内で、現在いる行から次の行への移動します。
Shift + Tab エンティティエディター内で、現在いる行から前の行への移動します。
Spacebar 選択された行のValue欄をアクティブにします。
エンティティエディター内、ドロップダウンメニューのオプションリスト内、または右クリックコンテキストメニュー内を上下に移動します。
Enter Value欄のパラメーターの変更を確定、または右クリックコンテキストメニューのオプションを選択します。
Esc Value欄のパラメーターの変更を破棄、または右クリックコンテキストメニューを閉じます。

割り当てられたエンティティの作成と編集

新しいエンティティを作成、編集して、エンティティエディター内の既存のエンティティまたはグループ内のエンティティに割り当てます。

新しいエンティティの作成と割り当て

新しいエンティティを作成し、既存エンティティまたはエンティティグループに割り当てるには:

パラメータ割り当てフィールドを右クリックし、コンテキストメニューから以下のオプションの1つを選択します:
  • Create - 埋め込まれたエンティティエディターを使用して新しいエンティティを定義します。
  • Create/Edit - スタンドアロンエンティティエディターを使用して新規エンティティを定義します。
エンティティエディターによって新しいエンティティが作成され、それが割り当てられます。


図 27.

割り当てられているエンティティの編集

エンティティまたはエンティティグループに割り当てられているエンティティを編集するには、次のいずれかの操作を行います:

  • エンティティ割り当てフィールドの横にあるをクリックします。エンティティエディターで、エンティティデータを修正します。変更後、をクリックして折りたたみます。
  • 割り当てフィールドを右クリックし、コンテキストメニューからEditを選択します。スタンドアロンエンティティエディターを使用して、エンティティデータを修正します。変更が完了したら、Closeをクリックします。

セットの作成とメイン / セカンダリエンティティへの割り当て

エンティティエディター内でContactエンティティを作成する場合、要素、節点またはセグメントを使用してセットを作成し、メインおよびセカンダリエンティティに割り当てることができます。
制約事項: AbaqusANSYSおよびOptiStructユーザープロファイル使用時のみ利用できます。
  1. SSIDまたはMSID欄を右クリック、し、コンテキストメニューからCreate Set using ElementsCreate Set using Nodes、またはCreate Set using Segmentsを選択します。
    注: 使用可能なオプションは、選択されたソルバーのキーワードによって異なります。


    図 28.
  2. 対応するパネルで、要素、節点、またはセグメントを選択し、 proceed/addをクリックします。
  3. returnをクリックし、パネルを終了します。

パラメータの作成と編集

LS-DYNAOptiStruct、およびRadiossユーザープロファイルでは、エンティティエディター特定のエンティティは、エンティティエディターのパラメータで定義できます。

新しいパラメータの作成と割り当て

  1. パラメータ割り当てフィールドを右クリックし、コンテキストメニューからCreate and Assign Parameterを選択します。
  2. Create Parameterダイアログで、Parameter typeおよびExpression valueを変更することで新しいパラメータを定義します。
    Card ImageおよびParameter typeがexpressionに設定されている場合は、Expression valueフィールドがアクティブになります。
    注: エンティティエディターで現在サポートされているパラメータタイプは、Double、Integer、Double Expression、およびInteger Expressionです。
  3. Expression valueフィールドに、有効な式を入力します。
  4. パラメータの定義が終了したら、Closeをクリックします。
    エンティティエディターによってパラメータが作成され、選択したエンティティに割り当てられます。
    注: これらのパラメータは、設計調査と最適化のためにHyperStudyで使用できます。


    図 29.

パラメータの編集

  1. パラメータ割り当てフィールドを右クリックし、コンテキストメニューからEdit Parameterを選択します。
  2. Edit Parameterダイアログで、パラメータのデータを修正します。
  3. 変更が完了したら、Closeをクリックします。


    図 30.

エンティティのパラメータ化とパラメータ化解除

ソルバーエンティティの場合は、エンティティエディター数値のソルバーテンプレートデータのほとんどをパラメータ化できます。

エンティティのパラメータ化

  1. ソルバーデータフィールドを右クリックし、コンテキストメニューからを選択します。
  2. Select Parameterダイアログで、有効なタイプのリストからパラメータを選択します。
  3. OKをクリックします。


    図 31. パラメータparam1が設定されているパラメータRhoをパラメータ化

エンティティのパラメータ化解除

ソルバーデータフィールドがパラメータ化されている場合は、そのパラメータ化を解除したり、それに別のパラメータを割り当てることができます。
フィールドを右クリックし、コンテキストメニューからUnparameterizeを選択します。


図 32. パラメータparam1が設定されているパラメータRhoをパラメータ化解除

エンティティのフィルタリング

エンティティエディターで表示が可能でないエンティティをフィルタリングします。

エンティティを右クリックし、コンテキストメニューFilter Entitiesオプションを切り替えます。
オフの場合は、モデル内で利用可能なすべてのエンティティが、SelectダイアログまたはEntity Selectionパネルに表示されます。
以下の図では、エンティティエディターがアクティブになっており、タイプ*PARTのコンポーネントbumperが表示されています。この例では、Filterがアクティブになっていると仮定します。Selectダイアログを使用してこのコンポーネントにプロパティを割り当てる場合は、モデルに合計9つのプロパティが含まれていても、利用可能なのは7つとなります。除外されている2つのプロパティは、LS-DYNAの*PARTには割り当てられません。また、ステータスバーに、この場合はIdPoolフィルターが使用されており、そのフィルター基準によるフィルタリング結果は9つのプロパティのうち7つであることを示すメッセージがステータスバーによって表示されます。


図 33.
フィルターを非アクティブにすると、Selectダイアログにモデル内のすべてのプロパティが表示されます。


図 34.

エンティティタイプ変更時の警告

エンティティエディターで情報が変更されたときに警告を表示します。

エンティティエディターで行った変更は、自動的に適用されます。変更内容によっては、元に戻すことができません。
  1. 変更の実行前に確認するようにするには、右クリックで表示されるコンテキストメニューWarn upon entity type changeオプションをアクティブにします。
    このオプションをアクティブにすると、エンティティエディター内で変更を実行するたびにConfirmationダイアログが表示されます。
  2. 続行するには、YesまたはNoをクリックします。
    デフォルトでは、Warn upon entity type changeオプションはアクティブになっています。変更のたびにこのメッセージが表示されないようにするには、このオプションを非アクティブにします。

セットエンティティのIDリストの表示

セットエンティティは、特定のエンティティのためにエンティティIDのリストを定義および保存するために使用されます。

セットは、特定のエンティティのためのエンティティを含む節点、要素、コンポーネント、アセンブリ、プロパティ、材料、エリプソイド、マルチボディープレーン、マルチボディジョイントおよびマルチボディ用に作成することができます。エンティティエディターで、セットエンティティのIDリストを表示できます。エンティティIDは、範囲を使用してコンパクト化され、IDプールを使用して分離されます。解決されていないIDがある場合は、Unresolved IDsの下にそれらが別個にリストされます。

  1. Entity IDsフィールドを右クリック、またはをクリックし、コンテキストメニューからを選択します。
  2. ID Listダイアログで、全エンティティIDのリストを確認します。
  3. 終了したら、Closeをクリックします。


    図 35.

Xrefエンティティの表示

参照ブラウザを開いて、エンティティエディターで選択したエンティティとモデル内の他のエンティティおよびパラメータとの関係を階層ツリー構造で表示するには、フィールドを右クリックしてコンテキストメニューからXref entitiesを選択します。
以下の図では、参照ブラウザに、コンポーネントbumperのPropertyエンティティに関連するエンティティが表示されています。参照ブラウザからエンティティを選択すると、エンティティエディターが開き、選択したエンティティに対応するデータが編集不可の形式で表示されます。


図 36.