接触ブラウザ

接触ブラウザは、接触インターフェースと接触サーフェスを作成、レビュー、および編集するのに使用します。

メニューバーからView > Browsers > HyperMesh > Contactをクリックします。

接触インターフェースおよびサーフェスは、インポートによる作成、データを指定して個々に作成、またはAutoContactオプションを使用して自動的に作成することができます。ソルバー入力データのインポート、またはHyperMeshモデルのインポートにより、コンタクトが作成され接触ブラウザに表示されます。接触インターフェースとサーフェスは、ブラウザ内の対応するフォルダーに保存されます。

ブラウザのインターフェース

接触ブラウザは3つの表示領域で構成されます。最初の表示領域には接触の定義に必要なエンティティが表示され、2つ目の表示領域には接触情報、3つ目の表示領域にはエンティティエディターが表示されます。


図 1.

接触の作成

接触の手動作成

接触ブラウザでは、手動で接触を作成できます。

  1. 接触ブラウザの最初の表示領域で右クリックし、コンテキストメニューからCreateを選択して、接触定義に必要なエンティティをすべて(接触サーフェスなど)作成します。
  2. 接触ブラウザの2つ目の表示領域で右クリックし、コンテキストメニューからCreateを選択して、接触を作成します。
    エンティティエディターが開き新しい接触が表示されます。
    注: コンテキストメニュー内に表示されるエンティティは指定されているユーザープロファイルにより異なります。
  3. 接触ペアおよびタイド接触の作成時にメインおよびセカンダリエンティティを割り当てます。
  4. 追加のエンティティパラメータが定義され、それに応じたプロパティが定義されます。


    図 2. . OptiStructユーザープロファイル内の接触ブラウザエンティティエディター

接触の自動作成

自動接触作成は、モデルが有限要素または形状であるかどうかには関係なく機能します。自動接触作成を選択した場合、接触ボディが検出され接触ペアと接触セットが作成されます。

  1. 接触ブラウザ内で右クリックし、コンテキストメニューからAutoContactを選択します。
    Create AutoContactダイアログが表示されます。
    ヒント: モデル内のすべてのコンポーネントを選択するには、Componentsフォルダーを右クリックします。
  2. Pick application region欄で、接触インターフェースを作成するコンポーネントと接触サーフェスを選択します。
    注: 少なくとも2つのコンポーネントを選択する必要があります。
  3. 接触パラメータが定義され、それに応じたプロパティが定義されます。
    1. Contact tolerance typeを選択します。
      Vicinity toleranceが選択されている場合、近接トレランス値を入力する必要があります。
    2. Consolidate contact pairを有効にして隔離された複数のサーフェスを1つのサーフェスにまとめます。
    3. 接触ペアに結合するプロパティを作成して割り当てるか、既存のプロパティを選択します。
    4. Thickness TypeAdd OnまたはMultiplier)を指定します。
  4. Createをクリックします。
    AutoContactツールは、選択されたすべてのコンポーネントをvicinity toleranceに基づいて検索し、それらの間に新しい接触サーフェスおよび接触インターフェースを自動的に作成します。作成されたすべてのオブジェクトは、接触ブラウザ内の適切なフォルダー内に表示されます。


    図 3.

AutoContactのロジック

AutoContactのサーフェスの選択時に、以下のロジックが記述された順序で適用されます。

  1. 剛体として定義されたコンポーネントまたは要素セットのサーフェス、および剛体サーフェスとして定義されたサーフェスは、常にメインのサーフェスになります。
  2. コンポーネントのサーフェス、または粗いメッシュが設定された要素セットがメインのサーフェスになります。
  3. コンポーネントのサーフェス、または接合面と比較して剛性が低い要素がセカンダリのサーフェスになります。
  4. 大きいサーフェスはメインのサーフェスとして識別されます。

接触インターフェースとサーフェスの修正

接触ブラウザは、HyperMeshセッション内の接触インターフェースとサーフェスをすべてリストし、適切なフォルダーの下に配置します。これらの接触インターフェースとサーフェスをエンティティエディターを使用して修正できます。

  1. 接触ブラウザで、接触インターフェースまたはサーフェスをクリックします。
    エンティティエディターが開かれ、対応するデータのエンティティが表示されます。
    注: ブラウザ内で複数のエンティティを選択すると、エンティティエディターに選択したエンティティに共通する対応データが表示されます。行に###が含まれている場合は、これらのフィールドに含まれるデータが共通ではないということですが、修正することはできます。共通データと共通でないデータのいずれであっても、データを変更すると選択したすべてのエンティティにその変更内容がHyperMeshにより適用されます。複数エンティティを選択するには、Controlキーを押しながらエンティティを左クリックします。


    図 4.
  2. エンティティエディターで、必要な接触パラメータとプロパティを修正します。
    変更はモデル全体を通して自動的に適用されます。

Solver Specific Details

Abaqus

  • 接触ブラウザは、AbaqusのStandardおよびExplicitプロファイルのための以下の接触と制約をサポートします。
    • AutoContact
    • Contact pair
    • General contact
    • Contact Tie
    • Shell to Solid coupling
  • AutoContactオプションは、ユーザーがContact Typeをtouchまたはgap/tieのいずれかに設定するかによって、接触ペアおよびtie制約を生成します。
  • AutoContactを使用する際、節点ベースのサーフェスとしてセカンダリサーフェスを作成するよう指定することができます。
  • すべてのAbaqus接触ペア定義は、面相互作用を必要とします。
    • AutoContactは、接触面相互作用プロパティをデフォルトのソルバープロパティと共に生成します。
    • AutoContactにより認識される接触ペアに、既存の接触面相互作用が使用されるよう選ぶことができます。
  • AutoContactは、接触のペア / tieを、確認前のレビュー状態と共に生成できます。
  • 接触情報ペイン(ブラウザの中央領域)で、摩擦の追加、調整、およびその他のオプションのパラメータの指定をインタラクティブに行えます。
  • 接触のペア / tieを削除するには、Advanced deleteを使用します。そのサーフェスプロパティが別の接触ペア定義に使用されるよう指定されていない限り、対応するメインおよびセカンダリサーフェスとサーフェスプロパティが接触ペアに使用されます。

ANSYS

  • 接触サーフェスおよびペアの作成と管理は、接触ブラウザで行われます。
  • 手動の接触とAutoContactの両方を使用可能です。AutoContactオプションを使用すると、サーフェス - サーフェス接触を作成できます。
  • HyperMeshで接触ペアを作成する前に、HyperMeshでどのANSYS接触がサポートされているのかを確認することをお勧めします。
  • ANSYS接触領域は、形状を表す有限要素モデルの領域での通常の有限要素のようにモデリングされます。ANSYSの用語では、CONTACTサーフェスとTARGETサーフェスは接触領域にある要素のセットです。HyperMesh 14.0.130より前のバージョンでは、ANSYSインターフェースはANSYSと同じ原理でこれらをサポートしていたため、CONTACTとTARGETの両方の領域はHyperMesh内のモデル形状上の要素でした。
  • <var styleclass="Bullet"><%HYPERMESH%></var> 14.0.130以降では、接触とターゲットの両方の領域はCONTACT SURFACESとして認識されます。解析で相互に作用する接触とターゲットのサーフェスペアはGROUPSです。CONTACTとTARGETの両方の領域の接触サーフェスを作成する必要があります。これらはその後グループの下でペアとなり、正しく接触を定義します。接触を含むANSYSソルバーファイル(*.cdbファイル)はHyperMeshにインポートされ、接触要素から接触領域が特定され、その領域が接触サーフェスとして表示されます。接触ペアはグループによって確認できます。
  • エクスポートの際、<var styleclass="Bullet"><%HYPERMESH%></var>は接触領域から接触要素を作成し、それらを要素としてエクスポートします。ANSYSの入力ファイルにおいて、これらの要素は接触要素タイプにより記述されます。
  • 接触ブラウザでは現在、エッジ - エッジ、サーフェス - サーフェス、およびポイント - サーフェス接触を、パイロット節点および対称接触オプションと共にサポートしています。


    図 5. HyperMesh 14.0.120およびそれ以前のバージョン


    図 6. <var styleclass="Image Caption"><%HYPERMESH%></var> 14.0.130

Nastran

  • AutoContactオプションは、それらのデフォルト値を用いて新しい接触カードを作成します。
  • 既存のモデル(.bdf.datおよび.hm)を読み出す際、古い接触は新しい接触カードにマッピングされます。
  • BCTABLEカード内の接触パラメータは、新しい接触カード内の同等の接触プロパティ(BCONPRPおよびBCONPRG)にマッピングされます。
  • BCPROPに関連付けされているプロパティは、接触カード内の対応するコンポーネントまたは要素のいずれかに割り当てられます。
  • Select Optionsをクリックした際にExport-Solver DeckブラウザでアクセスできるExport old Contact Cardチェックボックスをオンにすることにより、古い接触カードをエクスポートすることが可能です。
  • Contactグループエンティティは、BCTABL1ソルバーカードにマッピングされます。
  • BCTABL1ソルバーカードには、接触ペア(BCONECT)カードのリストが含まれます。
  • AutoContactオプションは、それぞれのペアについてBCONECTカードを生成し、すべてのペアをBCTABL1カード内にまとめます。
  • BSURFおよびBCBODY1ソルバーカードは、グループエンティティからセットエンティティに再マッピングされます。
  • BSURFおよびBCBODY1は、1つのエンティティに結合されます。BCBODY1への入力は、エンティティエディターでBSURFカード内で定義されます。

OptiStruct

  • 接触タイプTouchが接触ペアを作成し、接触タイプGap/TieがTie接触を作成します。
  • マスターIDとスレーブIDのタイプは、ソルバーのデフォルトのマスターID要素セットとスレーブID節点セットのとおりです。
  • Auto contactでは、マスターとスレーブのエンティティタイプでエンティティタイプを割り当てます。
  • マスターエンティティタイプには、要素のセットまたはSURFという相互排他的なオプションがあります。同様に、スレーブエンティティタイプには、節点のセット、要素のセット、およびSURFがあります。これらのエンティティのいずれか1つを選択できます。
  • Contact propertyオプションは、接触タイプTouchでのみ利用できます。
  • Touch接触にプロパティタイプ(SLIDE、STICK、FREEZE)、Static Friction Coefficient、または既存プロパティ(PCONT)を割り当てることができます。

Permas

接触ブラウザは、Permasインターフェース用に以下の定義をサポートします:
  • CONTACT_SURFACE_SURFACE
  • CONTACT_SURFACE_SURFNODE
  • CONTACT_SURFACE_NODE
  • CONTACT_NODE_NODE
AutoContactの使用:
  • AutoContactオプションは、AutoContact Windowでセットするセカンダリとメインをベースにした接触タイプを作成します。
  • AutoContactを使用する際、節点ベースのサーフェスとしてセカンダリサーフェスを作成するよう指定することができます。
  • Permasでの接触ペアの定義には、摩擦が定義されている必要があります。これは、デフォルトでNOに設定されていますが、変更可能です。
  • AutoContactは、接触のペアを、確認前のレビュー状態と共に生成できます。
  • 接触情報ペイン(ブラウザの中央領域)で、摩擦の追加、調整、およびその他のオプションのパラメータの指定をインタラクティブに行えます。
  • 関連するメインおよびセカンダリサーフェスと共に接触ペアを削除する場合、Advanced Deleteを使用します。

Samcef

  • 選択したパート間の接触を自動的に検出します。
  • 異なるタイプの接触を作成します(.MCT/.STI)。
  • すでに作成されている接触を変更します(メイン / セカンダリグループで要素 / 節点を追加 / 削除、接触のタイプを変更(MCTからSTIまたはSTIからMCT))。
  • モデル内の接触をレビューします。

コンテキストメニュー

接触ブラウザ コンテキストメニューで利用できるオプションは以下の通り:
Review
2つの異なる色でセカンダリサーフェスとメインサーフェスがそれぞれハイライトされ、モデルのそれ以外は半透明の灰色で表示されます。


図 7.
Show
接触のメインサーフェスとセカンダリサーフェスがそれぞれ割り当てられている色で表示されます。モデルのそれ以外は変更されません。
Hide
接触面の表示をオフにします。モデルのそれ以外は変更されません。
Isolate Only
選択された接触をグラフィックス領域内にフィットさせ、セカンダリボディとメインボディを2つの異なる色で表示します。モデルのそれ以外の部分は非表示となります。
Swap Master-Slave
マスターおよびスレーブとして識別される接触サーフェスを切り替えます。Swap Master-Slaveを選択すると、サーフェスはブラウザ内のマスターの位置からスレーブの位置への移ります。
複数エンティティを選択するには、Controlキーを押しながらエンティティを左クリックします。
Swap Cp-Tie
作成するインターフェースのタイプを変更します。接触ペアには接触面が必要ですが、Tieには必要ありません。したがって、CPからTIEにタイプを変更した場合はすでに定義した接触面設定は失われます。TIEからCPに戻しても、失われたデータは戻りません。
Reverse Normals
選択した要素またはサーフェスの法線を反転します。
Display Normals
選択された要素またはサーフェスの法線がベクトルまたは色分けで表示されます。
Display Base Element Normals
サーフェスの親要素の法線を表示します。
Normals Off
法線が表示されている場合、それを非表示にします。