PCD [ポイントクラウドデータ]

三角形で構成するサーフェス要素で表現したデータが使用されている路面は、3Dシェル路面サーフェス、三角形化された路面サーフェス、またはテッセレート処理された路面サーフェスと呼ぶことができます。このような路面タイプをMotionSolveで示すためにキーワードPCDを使用します。PCDは、ポイントクラウドデータ(Point Cloud Data)の略語です。


Figure 1. 3Dシェル

路面データ形式

路面サーフェスデータは、2つのテーブルであるNODESとELEMENTSで指定します。

NODESテーブルは4つの列で構成されています。1列目は節点番号と節点数です。この場合の節点は頂点です。2列目、3列目、4列目は、三角形要素の頂点のx、y、z座標です。
[NODES]
{node   x_value    y_value   z_value}
1   0.   -2500.    0.
2   0.   -2500.    0.
3   25500.   -2500.    0.
4   25500.   -2500.    0.
ELEMENTSテーブルは4つの列で構成されています。1列目、2列目、3列目は、三角形要素を構成する頂点の節点IDです。4列目は、該当要素の摩擦係数です。現在のところ、この情報はソフトウェアでは使用されません。

[ELEMENTS]
{node_1  node_2  node_3 mu}
1   3   2   1
2   4   2   1
3   4   3   1
4   5   6   1

路面ファイル

上記の路面データおよびMotionSolveでの必要性に応じて追加した情報を収めたrdfファイルを用意する必要があります。これらのデータとして以下があります:
  1. UNITSブロック
  2. 以下を記述したMODELブロック:
    1. Methodとして’3D’

      および

    2. ROAD_Typeとして’PCD’
  3. 三角形に関する情報を記述したROADブロックは路面サーフェスです:
    1. NUMBER_OF_NODES

      および

    2. NUMBER_OF_ELEMENTS
  4. 以下を記述したオプションのPARAMETERSブロック:
    1. OFFSET_ X: 原点のx座標
    2. OFFSET_ Y: 原点のy座標
    3. OFFSET_ Z: 原点のz座標
    4. HT_INTERPOLATION: 接触パッチにおける高さを求めるために使用する補間手法。使用可能な手法は次のとおりです:
      1. BARYCENTRIC: 三角形でのCPの位置に基づいて重み付けしたCPの高さの平均値。
      2. LINEAR: 三角形の各頂点における高さの平均値。
    5. BEYOND_BB_Z: 路面の境界ボックス外部で使用する高さ。
    6. ROTATION_ANGLE_XY_PLANEを使用して、路面参照マーカー上で路面を回転できます。


Figure 2. rdfファイル

タイヤが路面の最大境界ボックス内部にはあるものの、路面パッチの外にある場合は、それより前に認識されていた高さが使用されます。

ベストプラクティス

三角形化された路面を最大限に活用するには、以下を実行することをお勧めします:
  1. 最初の時点で、起伏のあるサーフェスや傾斜しているサーフェスに車両を配置すると、MotionSolveでタイヤの静的均衡を確保することが困難になります。このような問題が発生している場合は、平坦なサーフェスに車両を配置することをお勧めします。
  2. 平坦なサーフェス上では、できる限り大きい要素を使用します。
  3. 小さい要素は、形状の曲率を捕捉する目的でのみ使用するようにします。


    Figure 3. 平坦なサーフェスに使用する大きい要素と、曲率を捕捉するための小さい要素
  4. x/y座標が同じ位置に複数の節点が存在する場合、正確に垂直な要素をその座標位置に配置しないようにします。代わりに、最下部の節点と最上部の節点の位置に、0.001mのようなわずかな差異を設定するようにします。


    Figure 4. 上記のような正確に垂直な要素を設定しない