acm (shell gap contact + coating)

制約事項: Radiossでのみ使用できます。

このリアライゼーションは、シェルコンポーネント間にヘキサクラスターを作成します。接触は、シェルコンポーネントと適切なヘキサ節点との間に定義されます。また、シェルの熱の影響を受ける領域は超高強度鋼材料から作成されます。

シェルコンポーネントの任意の数の平行な組み合わせに使用できます。


図 1. 熱の影響を受ける領域

リアライゼーションは、prop_rad_acm_shellgapcoating.tclプロパティスクリプトを使用します。

ACMの編成と定義(Shell Gap ContactとCoating)

  1. リンクを結合する各/inter/TYPE2/接触が作成され、名称TYPE2_CONTACT_PID_<link ID>が与えられます。以下のセットが作成され、参照されます。
    • MAINPART_SET_PID_<link ID>: 上記接触によってメイン(マスター)として参照されるこのセットには、リンクエンティティがコンポーネントのように保存されます。
    • SECONDARYNODE_SET_PID_<link ID>: 上記接触によってセカンダリ(スレーブ)として参照されるこのセットには、メイン(マスター)エンティティ上に投影されたヘキサ節点が保存されます。
  2. 各リンクのヘキサクラスターの組み合わせは別々のコンポーネントに保存され、RAD_SOLID_SPOTWELD_PID_<link1 ID>_<link2 ID>という名前が与えられます。すべてのコンポーネントには以下の材料とプロパティが割り当てられます:
    • RAD_SOLID_SPOTWELD_DEFAULT_MAT。/MAT/LAW59/として定義される材料。
    • RAD_SOLID_SPOTWELD_DEFAULT_PROP。/PROP/CONNECTとして定義されるプロパティ。

      デフォルトの値は、インストールディレクトリのuhss_washersolid_matprop.radから読み込まれます。

  3. 熱の影響を受ける領域の要素(ワッシャー)は、超高強度鋼材料とは別の各リンクのコンポーネントに保存され、RAD_WASHER_PID_<link ID>という名前が与えられます。すべてのコンポーネントには以下の材料とプロパティが割り当てられます:
    • RAD_WASHER_MAT。/MAT/PLAS_JOHNS/として定義される材料。
    • RAD_WASHER_PROP。/PROP/SHELL/として定義されるプロパティ。

      材料とプロパティの値は、インストールディレクトリのuhss_washersolid_matprop.radから読み込まれます。

熱の影響をうける領域の材料定義

どの材料が超高強度材料として与えられるかを指定する必要があります。acm(shell gap contactとcoating)コネクターを定義する場合、Connector エンティティエディターを使用して個々のコネクターにUHSS Material Optionを選択することができます。

From current model
カレントモデルから既存の材料を選択します。
From search folder(デフォルト)
acm(shell gap contactとcoating)のリアライゼーションのための材料検索ファイル名はmaterialsnippets.txtです。HyperMeshは、このファイルを特定するため、以下の場所を順番で検索していきます。
  1. インストレーション:[hm_scripts_dir]/connectors/materialsnippets.txt
  2. ユーザーディレクトリ:[USER_HOME]/materialsnippets.txt
  3. HyperWorksコンフィグレーションパスフォルダ:[HW_CONFIG_PATH]/materialsnippets.txt
  4. 現在の作業ディレクトリ:[CURRENTWORKINGDIR]/materialsnippets.txtv


    図 2. From Search File
Connector エンティティエディターでは、UHSS Material File欄には、最後に検出されたファイルの名前が表示されます。
テキストファイルには、リアライゼーション時に熱の影響を受ける領域に割り当てる材料名からのスニペット情報が含まれています。
From connector metadata
UHSS Material Option “From search file”によってコネクターがリアライズされると、フォルダー名は関連性を保ったままコネクターのメタデータとして書き出され、materialsnippets.txtが正しいフォルダに保存されていれば、異なる作業環境で全く同じようにしてリアライゼーションを行うことを可能にします。


図 3. From Connector Metadata

ACMのリアライゼーションのオプション

オプション 動作
thickness 六角形の寸法と位置の指定に使用する板厚オプションを選択します。
shell gap
シェル要素に接触するように六角形のスポットを投影します。
位置は、板厚には依存しません。
equival.(T1+T2)/2
RBE3要素を周囲のシェル要素に投影してそれらの要素に接続し、そのRBE3要素を使用して六角形要素を作成します。
このリアライゼーションは、シェル要素の板厚を使い、シェル要素からのヘキサ要素のオフセットを計算します。モデルが3層結合の場合、 acm (equivalenced-(T1+T2)/2)リアライゼーションがヘキサ要素を結合します。


図 4.
detached (T1+T2)/2
RBE3要素を周囲のshellstr要素に投影してそれらの要素に接続し、そのRBE3要素を使用して六角形要素を作成します。
このリアライゼーションは、シェル要素の板厚を使い、シェル要素からのヘキサ要素のオフセットを計算します。モデルが3層結合の場合、 acm (detached-(T1+T2)/2)リアライゼーションはヘキサ要素とは結合しません。


図 5.
mid thickness
ヘキサスポットのサイズ(厚み)を、結合した2つのパート間のギャップとして計算します。ギャップが存在しない、あるいは貫通している場合、ヘキサスポットのサイズは常に1.0でモデル化されます。
const thickness
ヘキサスポットのサイズ(厚み)を指定します。
maintain gaps
ヘキサスポットサイズ(厚み)を、ギャップを保持するために指定した値の1/2に短縮したギャップ距離として計算します。
位置は、板厚には依存しません。
num hexas 1個、4個、8個、12個、16個、または32個のヘキサで構成するヘキサクラスターを作成します。それぞれのヘキサは事前に定義したパターンで配置します。


図 6.
注: ACMのすべてのリアライゼーションタイプで使用できます。
coats 厚み方向に必要なヘキサ要素の数を定義します。複数のソリッド層をサポートします。
orthogonal faces 全面的に直交形状のヘキサを強制的に作成します。


図 7. . 左端の2つのリアライゼーションは、直交フェイスのオプションを有効にして実行されています。
注: num hexasを1に設定した場合に、あらゆる種類のACM溶接で使用できます。