要素バイアシング

オートメッシングプロセスでは、節点の間隔が不均等になるよう配置をバイアシングすることができます。

間隔のより小さいものをエッジの始点またはエッジの終点近くに、間隔のより大きいものをエッジの両端の近くもしくはエッジの中央の近くに配置することが可能です。

オートメッシャーでは、要素サイズを小から大に移行する際、要素品質を向上させる目的でバイアシングを使用することが望ましい場合があります。DragおよびSolid Offsetパネルの使用時に、ソリッドの表面近くの複数の要素の層をまとめる際バイアシングを活用することができます。Linear Solidsでは、一端のメッシュがもう一端のメッシュより数倍大きくなるようスケーリングすることができます。要素バイアシングでは、始点から終点までの縦横比の変化を緩やかにすることが可能です。

線形バイアシング

線形バイアシングでは、実ラインの区間[0(始点),1(終点)]でバイアシング強度は直線の正の傾きに対応します。この区間は、要素密度によって指定された数のサブ区間に均等に分けられ、元の区間の中点におけるラインの高さにイメージ区間の長さが比例するよう、エッジに沿ってマッピングされます。それぞれのイメージ区間は要素の辺に対応します。

nを要素密度とし、とします。

節点配置の関数x(s) はx(0) = 0およびx(1) =1で[0,1]の範囲で値を取ります。mが直線の傾きとすると、bはそのy切片となり以下のようになります:

x(0) = 0およびx(1) = 1を用いると、、したがって

ここで、mは、バイアシング強度の絶対値です。バイアシング強度が負の場合、節点は1 - x(s)によって置かれます。したがって、正のバイアス強度は、区間の始点に小さい要素を置きます。

適した値が範囲[0,20]にあるよう、b を使って関数の挙動をスケーリングすることが可能です。使用される値は、b = 1.5です。

指数バイアシング

指数バイアシングでは、インターバルの大きさが幾何学的に増大し、連続する各インターバルが1 つ前よりも係数倍大きくなって、エッジ方向に進みます。その係数は、バイアシング強度の絶対値の1/10を1.0に加えたものです。この式は、強度ゼロがバイアシングなしを表わすよう選択され、適した値は [0,20]の範囲に納まります。負のバイアシング強度は単にエッジを逆転させ、より小さい要素が始点ではなく終点に置かれます。

nを要素密度とし、とします。

節点配置の関数x(s) はx(0) = 0およびx(1) =1で[0,1]の範囲で値を取ります。

を幾何学的成長係数とすると、

関数 が必要になり:

となり:

これは、正しいインターバルの長さを与え、

x(s)はそれらを[0,1]の範囲でスケーリングします。すなわち、

ベルカーブバイアシング

ベルカーブバイアシングでは、節点はエッジの中点から対称のパターンでエッジに沿って配置されます。バイアシング密度が正である場合、より短い間隔がエッジの始点と終点に、負の場合はエッジの中央に置かれます。

nを要素密度とし、とします。

ここでが必要となり、更に

x(0) = 0、x(1) = 1で[0,1]の範囲で値をとり、上記のような挙動を示します。使用した場合:

正のバイアス強度にrを使用した場合、 x(s) は以下になります:

ここで、erf()は統計的誤差関数