中立面への板厚の割り当て

ソリッドパートの中立面となるシェル要素に板厚を割り当てます。

パートの中立面を表す形状サーフェスは、midsurface機能を使用して抽出された場合、その定義が保存された板厚情報を持ちます。板厚データは、パート全体に対して1つの値または変数関数で持つことができます。

Midsurface Thickness Mapスクリプトは、プロパティ経由で、サーフェスからの板厚データを関連する節点 / 要素にマップします。このスクリプトで、板厚データのコンターを確認することもできます。

  1. メニューバーからMesh > Assign > Midsurface Thicknessをクリックします。
    Midsurface Thickness Mapブラウザが開きます。
  2. 板厚を割り当てるエンティティを選択します。
    • nodeカードに直接板厚を割り当て、選択した要素に対し1つのプロパティを与えるには、Nodes, properties on elementsを選択します。節点は、選択されたすべての2次元要素から検出されます。
    • nodeカードに直接板厚を割り当て、選択したコンポーネントに対し1つのプロパティを与えるには、Nodes, properties on componentsを選択します。節点は、選択されたコンポーネント内のすべての2次元要素から検出されます。
    • elementカードに直接板厚とZのオフセット値(サポートされる場合)を割り当てる場合、Elementsを選択します。各ソルバーインターフェースに応じ、ソルバー用のelementカード上で値が更新されます。
    • ユーザーが指定した共通の幅の板厚範囲内にある要素をグループ化し、各プロパティ内のこれらの要素に対して同じ範囲内にある板厚をプロパティカードイメージに割り当てる場合、Properties or elementsを選択します。多くのソルバーでは、Zオフセットはelementカード上に定義するため、この値はZオフセットをサポートするソルバーに関しては常にelementカードに書き出されます。このモードを実行するには、ベースプロパティの名前をt0として定義してください。t0プロパティ定義は、Organization Methodセクションで指定されるオプションを基に作成されるすべてのプロパティに使用されます。このオプションは、一般的に以下の手順で実行されます:
      1. “t[thickness value]”という名前のプロパティが、ベースプロパティt0とOrganization Methodで指定された値を基に与えられた適切な板厚を複製することで作成されます。
      2. 対応するプロパティがOrganization Methodの値を基に、指定された範囲内の板厚値を持つ要素に割り当てられます。
    • ユーザーが指定した共通のコンポーネントの板厚範囲内にある要素をグループ化し、property/sectionカードイメージに板厚を割り当て、そのプロパティ / セクションを各コンポーネントに割り当てる場合、Properties/Sections on componentsを選択します。多くのソルバーでは、Zオフセットはelementカード上に定義するため、この値はZオフセットをサポートするソルバーに関しては常にelementカードに書き出されます。このモードを実行するには、t0という名前のコンポーネントにベースプロパティ / セクションを割り当てる必要があります。t0コンポーネントのプロパティ / セクションは、Organization Methodで指定されるオプションを基に新たに作成されるすべてのプロパティ / セクションのベースラインとして使用されます。このオプションは、一般的に以下の手順で実行されます:
      1. “t[thickness value]”という名前のコンポーネントとプロパティが、ベースプロパティt0とOrganization Methodで指定された値を基に与えられた適切な板厚を複製することで作成されます。
      2. プロパティ / セクションが対応するコンポーネントに割り当てられます。
      3. 要素へのプロパティ割り当てが削除されます。
      4. Organization Methodの値を基に、指定された範囲内の板厚値を持つ要素が新しいコンポーネントに割り当てられます。
    • 新たなコンポーネントを作成して選択した要素をOrganization Methodに基づいてソートするには、Organize onlyを選択します。
  3. サポートされるソルバー用に、Zオフセットの値をelementカードに割り当てるには、Use Z-offset valuesチェックボックスを選択します。
    HyperMeshは、中立面を持つパートの板厚が変化する場合にZオフセットを使用し、中立面データの一部として保存します。これは、実際のパートサーフェスと中立面の間に法線の正方向にどれだけのオフセットがあるかをソルバー用に定義します。


    図 1.
  4. Thickness calculation methodで計算方法を選択します。
    • 要素の各節点における板厚を検出して各要素のために異なる板厚値を計算するには、Nodal valuesを選択します。1つの場所にある節点が異なる板厚値を持つことは可能です(隣接するサーフェスが異なる板厚を持つ場合の共有サーフェスエッジ)。1つの要素の節点を使用して計算された板厚の値は、要素が割り当てられているサーフェスに依存します。
    • 要素の各節点における板厚の平均によって各要素の板厚値を計算するには、Averageを選択します。
    • 要素の中心位置における板厚によって各要素の板厚値を計算するには、Centroidを選択します。
    • 要素の各節点位置における板厚の最大値によって各要素の板厚値を計算するには、Maxを選択します。
    • 要素の各節点位置における板厚の最小値によって各要素の板厚値を計算するには、MInを選択します。
  5. Organization methodでは、板厚の値を基にプロパティを作成するのに使用する板厚の値幅を指定するための分類方法を選択します。

    Assign thickness toオプションを基に、一定の板厚の範囲用にプロパティとコンポーネントが作成されます。範囲内の特定の板厚値を持つ要素に、そのプロパティが割り当てられるか、そのコンポーネント内に分類されます。

    • Gaugeファイル内で板厚の値幅を指定するには、Gauge fileを選択します。
    • 板厚のトレランスを指定するには、Range Intervalを選択します。
      板厚の範囲は、板厚トレランスを使用し、以下の式によって自動的に作成されます。作成された各コンポーネントに割り当てられる板厚は、n*toleranceです。
      • 下限 = (tolerance / 2) + (tolerance* i )
      • 上限 = (tolerance / 2) + (tolerance* (i + 1))
      • 割り当て値 = tolerance*(i+1)
      • ここで、i = 0……nで、nはモデル内の最大板厚をユーザー指定のトレランス値で割り、丸めることで整数値にします。
  6. 適用をクリックします。
指定したオプションに基づき、サーフェス定義から選択した要素に板厚を割り当てます。

Contourをクリックし、指定したオプションに基づき、選択した要素 / 節点上に板厚のコンタープロットを作成します。このオプションは、節点または要素に板厚を割り当てることはなく、レビュー / 表示機能のみです。Midsurface Thickness Mapマッピング操作を適用する前にこのユーティリティによる結果を可視化し、検証するのに非常に便利です。

Assign thickness toオプションの下でProperties on elements、Properties on components、Organize onlyのいずれかを選択した場合、HyperMeshは、コンター処理時のOrganization method設定と、その分類に基づいてコンター値を使用します。これによって、コンターが適用される結果と一致します。

Assign thickness toオプションにElementsまたはProperties on componentsを選択し、Thickness calculation methodにNodal valuesを選択した場合、値は、実際に適用される節点の値と完全に一致します。複数サーフェスに共有されるエッジ上の節点には複数の板厚が適用されます。この状況下においては、HyperMeshでは、コンターには1つの値しか提供できないため、常に1番最初の値が選択され、与えられたすべての値に完全に一致することはありません。