要素品質の計算方法
メッシュ内の要素の品質は色々な方法で計られ、使用される方法は、要素タイプのみならず、使用される個々のソルバーにも依存します。
可能であれば、最も一般的または標準的な手法が使用されますが、真に標準化された要素品質チェックのセットは存在しません。指定したHyperMeshが特定のチェックを全くサポートしていない場合、HyperMeshはそのチェックに独自の方法を使用します。
HyperMesh
HyperMeshのチェックは可能な限り、著名ソルバーとの互換性を保持するよう努めています。
2Dおよび3D要素チェック
- Aspect Ratio
- 縦横比、すなわち、要素の最も長いエッジと最も短い辺のエッジ、もしくは、最も長いエッジとコーナー節点から向かい合うエッジへの最短距離(正規化された最小の高さ)の比を言います。HyperMeshは、Length (min)チェックと同じ方法を使用します。
- Chordal Deviation
- 要素エッジの中心と関連付けられているサーフェスとの最も離れている距離です。
- Interior Angles
- 内部角度の最大および最小値は、三角形要素と四角形要素についてそれぞれ別々に評価されます。
- Jacobian
- 要素の理想的または“完全”な形状(例えば三角形であれば正三角形)からの逸脱の度合いを示します。
- Length (min)
- 要素の最小長は、以下の1つの方法のうちのいずれかで計算されます。
- 要素の最も短いエッジ。この方法は、四面体以外の3D要素に使用されます。
- コーナー節点から向かい合うエッジ(四面体要素の場合はフェイス)への最短距離(正規化された最小の高さ)。
注: この設定はAspect Ratioチェックの計算時に影響します。 - Minimum Length / Size
- これは、以下の方法で計算されます。
- Shortest edge
- 各要素に使用されている最小エッジの長さが使用されます。
- Minimal normalized height
- これは、より正確ですが、より複雑な高さです。
- Minimal height
- これは、”minimal normalized height”と同じですが、スケーリングファクターは含みません。
- Skew
- 三角形要素のスキュー角度は、各節点から向かい合う辺の中点へのベクトルおよび要素の各節点における隣接した2つの中辺間のベクトルの間の最小角度を求めることによって計算されます。
求められた最小角度から90度引いたものが、要素のスキュー角度としてレポートされます。注: 四角形要素のスキューは、HyperMesh-Alt の品質チェックの1つです。
- Taper
- 四角形要素のテーパ比はまず、各コーナーグリッドポイントに形成される三角形の面積を求めることによって定義されます。 次に、これらの面積は、四角形の面積の半分と比較されます。
- Warpage
- ねじれ、即ち、ある要素(ソリッド要素の場合は要素面)が元の平面から逸脱している量。3つのポイントが平面を定義するため、このチェックは四角形要素にのみ適用されます。四角形要素は対角線に沿って2つの三角形に分割され、三角形の法線間の角度が計測されます。
3D要素のみのチェック
- Minimum Length / Size
- 最小要素サイズの計算には2つの方法が使用されます。
- Shortest edge
- 各要素に使用されている最小エッジの長さが使用されます。
- Minimal normalized height
- これは、より正確ですが、より複雑な高さです。
- Tetra Collapse
- 四面体要素の高さは、4つの節点それぞれから要素の向かい側の面への距離をその面の面積の平方根で割ることによって求めます。 求められた4つの値のうち最小のもの(節点毎に1つ)を1.24で割って正規化します。四面体がつぶれるにつれて値は0.0に近づき、完璧な四面体の場合は値が1.0です。四面体以外の要素には、HyperMeshがそれらを品質の悪い四面体要素と間違えないよう、値1が与えられます。
- Vol. Aspect Ratio (ウェッジ要素)
- 四面体要素の評価は、最も長いエッジの長さを求め、それを最も短い高さ(節点から向かい合うフェイスへの距離)で割ることによって行われます。六面体要素など、その他の3D要素は、最長エッジと最短エッジの比に基づいて評価されます。
- Volume Skew
- 四面体要素のみに適用され、その他の要素にはすべて値ゼロが割り当てられます。この体積スキューは、1から形状係数を引いたものとして定義されるため、スキュー0は完全、1は最悪の値となります。
HyperMesh-Alt
HyperMeshには、四角形要素とソリッドの四角形フェイスにのみ適用される特定の要素タイプに関し、アスペクト比、スキュー、テーバー、反りのための計算の異なる方法を有します。
- Aspect Ratio
- ratio1 = V1/H1
- Skew
- まずHyperMeshは、下図の破線のような四角形の各エッジの中点を結ぶラインを引きます。次に、上記のラインのいずれかに垂直な3つ目のライン(下図の緑ライン)を引き、最初に引いたもう一方のライン(四角形が完全な長方形でない限り垂直ではない)と3つ目のラインの間の角度を求めます。
- Taper
- まず、四角形の節点が、下記で求められる正規直交ベクトルU-Vによって定義される面に投影されます:
- Z = X × Y
- V = Z × X
- U = X
- Warpage
- ソリッドの四角形または長方形フェイスにのみ適用されます。 Warpage = 100 * h / max { Li }。ここで、hは対角線間の最小距離です。
OptiStruct
ほとんどのパートで、OptiStructはHyperMeshと同じチェックを使用します。ただし、OptiStructは縦横比の計算に独自の計算法を用い、3D要素チェックはサポートしません。
- Aspect Ratio
- 最も短い辺と最も長い辺の比です。
- Chordal Deviation
- 要素におけるChordal deviationは、要素エッジの中心と関連するサーフェス間の最も離れている距離を計算します。2次要素の場合、計算にコーナー節点を使用するため、計算1次要素と同じ値を返します。
- Interior Angles
- 内部角度の最大および最小値は、三角形要素と四角形要素についてそれぞれ別々に評価されます。
- Jacobian
- 要素の理想的または“完全”な形状(例えば三角形であれば正三角形)からの逸脱の度合いを示します。ヤコビアン値は0.0から1.0の範囲の値で、1.0は完全な形状の要素を表わします。ヤコビアン比の決定子は、全体座標スペースにフィットさせるために必要なパラメトリックスペースの局所ストレッチングに関係しています。
- Length (min)
- 要素の最小長は、以下の2つの方法のうちのいずれかで計算されます:
- 要素の最も短いエッジ。この方法は、四面体以外の3D要素に使用されます。
- コーナー節点から向かい合うエッジ(四面体要素の場合はフェイス)への最短距離(正規化された最小の高さ)。
- Skew
- 三角形要素のスキュー角度は、各節点から向かい合う辺の中点へのベクトルおよび要素の各節点における隣接した2つの中辺間のベクトルの間の最小角度を求めることによって計算されます。 求められた最小角度から90度引いたものが、スキュー角度としてレポートされます。
- Warpage
- ねじれ、即ち、ある要素(ソリッド要素の場合は要素面)が元の平面から逸脱している量。3つのポイントが平面を定義するため、このチェックは四角形要素にのみ適用されます。四角形要素は対角線に沿って2つの三角形に分割され、三角形の法線間の角度が計測されます。
Abaqus
Abaqusの基準に従った2Dおよび3D要素の品質計算が行われます。
2Dおよび3D要素チェック
これらのチェックは、両方のタイプの要素に適用されますが、3D要素に用いられる際は通常、要素の各フェイスに適用されます。最悪の値をもつフェイスが、3D要素の全体の品質値としてレポートされます。
- Aspect Ratio
- 要素の最も長い辺と短い辺の比率。
- Interior Angles
- 内部角度の最大および最小値は、三角形要素と四角形要素についてそれぞれ別々に評価されます。
- Jacobian
- 要素の理想的または“完全”な形状(例えば三角形であれば正三角形)からの逸脱の度合いを示します。ヤコビアン値は0.0から1.0の範囲の値で、1.0は完全な形状の要素を表わします。ヤコビアン比の決定子は、全体座標スペースにフィットさせるために必要なパラメトリックスペースの局所ストレッチングに関係しています。
- Length (min)
- 要素の最小長は、以下の2つの方法のうちのいずれかで計算されます:
- 要素の最も短いエッジ。この方法は、四面体以外の3D要素に使用されます。
- コーナー節点から向かい合うエッジ(四面体要素の場合はフェイス)への最短距離(正規化された最小の高さ)。
- Skew (tria only)
- shape factor(形状係数)によって定義されます。Abaqusは、要素の面積を理想的な形をした要素の面積で割ることにより、三角形要素の形状係数を決定します。理想的な形状の要素は、等しい外接円半径(三角形の3つの頂点を通過する円の半径)を有する正三角形として定義されます。
3D要素のみのチェック
- Volume Skew
- 四面体要素のみに適用され、その他の要素にはすべて値ゼロが割り当てられます。
ANSYS
ANSYSの基準に従った2Dおよび3D要素の品質計算が行われます。
2Dおよび3D要素チェック
これらのチェックは、両方のタイプの要素に適用されますが、3D要素に用いられる際は通常、要素の各フェイスに適用されます。最悪の値をもつフェイスが、3D要素の全体の品質値としてレポートされます。
- Aspect Ratio (tria)
- 三角形要素については、1つの節点から向かい合うエッジの中点にラインが描かれます。次に、残りの1つの辺の中点同士を結ぶラインが描かれます。これらのラインは互いに、もしくは要素エッジのいずれかに必ずしも垂直ではありませんが、4つのポイント(中点3つと頂点)を与えます。
- Aspect Ratio (quad)
- 要素が平坦ではない場合、要素のコーナー法線の平均に基づいたプレーンに投影されます。後続の計算はすべて、元の(湾曲した)要素ではなく、この投影された要素をベースとします。
- Interior Angles
- 内部角度の最大および最小値は、三角形要素と四角形要素についてそれぞれ別々に評価されます。
- Jacobian
- 要素の理想的または“完全”な形状(例えば三角形であれば正三角形)からの逸脱の度合いを示します。ヤコビアン値は0.0から1.0の範囲の値で、1.0は完全な形状の要素を表わします。ヤコビアン比の決定子は、全体座標スペースにフィットさせるために必要なパラメトリックスペースの局所ストレッチングに関係しています。
- Length (min)
- 要素の最小長は、以下の2つの方法のうちのいずれかで計算されます:
- 要素の最も短いエッジ。この方法は、四面体以外の3D要素に使用されます。
- コーナー節点から向かい合うエッジ(四面体要素の場合はフェイス)への最短距離(正規化された最小の高さ)。
- Angle Deviation (Skew)
- 四角形要素にのみ適用され、各コーナー節点における隣接する辺の間の角度(すなわち各コーナーにおける内角)に依存します。それぞれの角度は、ベースである90度と比較され、90度から最も離れた値のものが、角度偏差としてレポートされます。三角形要素には、値0が割り当てられます。
- Warping Factor
- 四角形要素、および3D六面体、五面体、ピラミッドの四角形フェイスに適用されます。
3D要素のみのチェック
ANSYSはHyperMesh内で三角形要素チェックをまったく使用しませんが、HyperMeshがソルバーとして設定されると、ANSYSが独自のチェックを使用します。3Dチェックの詳細は、HyperMeshを参照してください。
I-deas
I-deasの基準に従った2Dおよび3D要素の品質計算が行われます。
ここにリストされていない要素チェックは、このソルバーのチェックの標準セットには含まれていないため、HyperMeshのチェック手法を使用します。
2Dおよび3D要素チェック
- Stretch (Aspect Ratio)
- ストレッチは、要素が三角形要素または四角形要素のどちらであるかによって異なる方法で評価されます:
- 三角形要素の場合、要素に内接する円の半径を、最も長いエッジの長さで割り、12の平方根を掛けます。
- 四角形要素の場合、最も短いエッジの長さを最も長い対角線で割り、その値に2の平方根を掛けます。
注: ストレッチの逆数は、HyperMeshでは画面上にaspectとして表示されます。 - Chordal Deviation
- 要素エッジの中心と関連付けられているサーフェスとの最も離れている距離です。2次要素の場合、計算にコーナー節点を使用するため、1次要素と同じ値を返します。
- Jacobian
- 要素の理想的または“完全”な形状(例えば三角形であれば正三角形)からの逸脱の度合いを示します。ヤコビアン値は0.0から1.0の範囲の値で、1.0は完全な形状の要素を表わします。ヤコビアン比の決定子は、全体座標スペースにフィットさせるために必要なパラメトリックスペースの局所ストレッチングに関係しています。
- Length (min)
- 要素の最小長は、以下の2つの方法のうちのいずれかで計算されます:
- 要素の最も短いエッジ。この方法は、四面体以外の3D要素に使用されます。
- コーナー節点から向かい合うエッジ(四面体要素の場合はフェイス)への最短距離(正規化された最小の高さ)。
- Skew
- 要素の内角の90度(四角形の場合)または60度(三角形の場合)からの逸脱の度合いを測ります。
- Taper
- 四角形要素のテーパ比はまず、各コーナーグリッドポイントに形成される三角形の面積を求めることによって定義されます。
- Warpage
- ねじれ、即ち、ある要素や要素面(ソリッド要素の場合)が元の平面から逸脱している量。3つのポイントが平面を定義するため、このチェックは四角形要素にのみ適用されます。四角形要素は対角線に沿って2つの三角形に分割され、三角形の法線間の角度が計測されます。
3D要素のみのチェック
- Stretch (volume aspect ratio)
- ストレッチは、要素が四面体、五面体、六面体、またはピラミッドのいずれかによって異なる方法で評価されます。
- Tetras
- 要素に内接する球の半径を、最も長いエッジの長さで割り、その値に24の平方根を掛けます。
- Wedges
- 各フェイスがその2Dストレッチについて評価され、最も悪い値がレポートされます。すなわち、vol ARとしてレポートされた値は常に、aspectとしてレポートされた値と同じになります。
- Bricks
- 最も短いエッジの長さを最も長い対角線で割り、その値に3の平方根を掛けます。
- Pyramids
- チェックは定義されていないため、HyperMeshが、標準のチェック(各フェイスが2Dオブジェクトとして評価され、最も悪い値がレポートされる)を行います。
Medina
Medinaの基準に従った2Dおよび3D要素の品質計算が行われます。
ここにリストされていない要素チェックは、このソルバーのチェックの標準セットには含まれていないため、HyperMeshのチェック手法を使用します。
2Dおよび3D要素チェック
- Aspect Ratio (Edge Ratio)
- Edge Ratio(エッジ比)は、要素の最も短いエッジと最も長いエッジの比として計算されます。HyperMeshでは一貫性を保つために、この結果の逆数をとり(最短エッジに対する最長エッジの比にし)、その結果をaspect ratio(要素の縦横比)としてレポートします。
- Interior Angles
- 内部角度の最大および最小値は、三角形要素と四角形要素についてそれぞれ別々に評価されます。
- Jacobian
- 要素の理想的または“完全”な形状(例えば三角形であれば正三角形)からの逸脱の度合いを示します。ヤコビアン値は0.0から1.0の範囲の値で、1.0は完全な形状の要素を表わします。ヤコビアン比の決定子は、全体座標スペースにフィットさせるために必要なパラメトリックスペースの局所ストレッチングに関係しています。
- Length (min)
- 要素の最小長は、以下の2つの方法のうちのいずれかで計算されます:
- 要素の最も短いエッジ。この方法は、四面体以外の3D要素に使用されます。
- コーナー節点から向かい合うエッジ(四面体要素の場合はフェイス)への最短距離(正規化された最小の高さ)。
- Maximum Angle
- 要素の隣接するエッジ間の最大角度がレポートされます。
- Minimum Angle
- 要素の隣接するエッジ間の最少角度がレポートされます。
- Skew
- 要素の内角の90度(四角形の場合)または60度(三角形の場合)からの逸脱の度合いを測ります。これらの逸脱の絶対値が合計され、レポートされます。
- Taper
- 四角形要素は2つの三角形に分割されます。
2つの三角形のうち小さいほうの面積を、四角形の総面積と比較します。図 33において、 .注: 他のテーパチェックとの一貫性を向上させるために、HyperMeshは、0.5からこの値を引いた値を表示します。したがって、0の場合、テーパはなしとなります。ただし、完璧に他のテーパチェックと一致するわけではありません。これは、ここではテーパは0(テーパなし)から0.5(フルテーパ)であるのに対し、HyperMesh自体のテーパチェックは1.0をフルテーパとしてレポートするためです。
- Warpage
- 節点を3つ以上有する要素は三角形要素に分割されます。2つの三角形の法線間の最大角度が要素ねじれとしてレポートされます。
3D要素のみのチェック
Medinaは3次元固有のチェックは使用しません。代わりにHyperMeshが独自のチェックを使用します。
Moldflow
Moldflowの基準に従った2Dおよび3D要素の品質計算が行われます。
ここにリストされていない要素チェックは、このソルバーのチェックの標準セットには含まれていないため、HyperMeshのチェック手法を使用します。
2Dおよび3D要素チェック
- Aspect Ratio
- 三角形要素にのみ適用され、四角形要素には
3D要素のみのチェック
- Vol. Aspect Ratio (ウェッジ要素)
- 各節点の垂直な高さhを求め、最も長いエッジの長さLを最も短い高さhで割り、1.5の平方根を掛けます。この式により、正四面体の体積縦横比は1.5となります。値1.0が割り当てられる四面体は存在しません。
Nastran
Nastranの基準に従った2Dおよび3D要素の品質計算が行われます。
ここにリストされていない要素チェックは、このソルバーのチェックの標準セットには含まれていないため、HyperMeshのチェック手法を使用します。
2Dおよび3D要素チェック
- Aspect Ratio
- 要素の最も長い辺と短い辺の比率。
- Interior Angles
- 内部角度の最大および最小値は、三角形要素と四角形要素についてそれぞれ別々に評価されます。
- Jacobian
- 要素の理想的または“完全”な形状(例えば三角形であれば正三角形)からの逸脱の度合いを示します。ヤコビアン値は0.0から1.0の範囲の値で、1.0は完全な形状の要素を表わします。ヤコビアン比の決定子は、全体座標スペースにフィットさせるために必要なパラメトリックスペースの局所ストレッチングに関係しています。
- Skew
- HyperMeshは、要素の向かい合う辺の中点間にラインを引き、それらのラインの間の角度を測ります。理想値から最も逸脱している角度がスキューの決定に使用されます。
- Taper
- HyperMeshは四角形要素のテーパを、各節点を三角形のコーナーとして扱う(例えば、四角形要素の対角線を三角形要素の3つ目の辺として使用する)ことによって求めます。これら4つの"仮想"三角形の面積を四角形要素の総面積と比較し、比率を求めます。これらの比のうち最も大きいものが、許容値と比較されます。つの"仮想"三角形の面積を四角形要素の総面積と比較し、比率を求めます。これらの比のうち最も大きいものが、許容値と比較されます。完全な四角形(正方形)のテーパ値は1.0で、この比が大きいほど、テーパが大きいことになります。
- Warpage
- HyperMeshはまず、四角形要素の4つのポイントの平均をベースとしてプレーンを構築します。すなわち、ひずみのある四角形要素のコーナーポイントは、構築されたプレーンと互い違いにHユニット上下しています。この値は、次の式で、要素の対角線の長さと共に使用されます:ここで、WCはねじれ係数、Hは構築されたプレーンから節点への"高さ"または距離、D1とD2は対角線の長さを表します。この式により、完璧な四角形要素のWCはゼロとなります。
3D要素のみのチェック
- Vol. Aspect Ratio (ウェッジ要素)
- HyperMeshは四面体要素を、最も長いエッジの長さを求め、それを最も短い高さ(節点から向かい合うフェイスへの距離)で割ることによって評価します。六面体要素など、その他の3D要素は、最長エッジと最短エッジの比に基づいて評価されます。
- Warpage
- HyperMeshは、ソリッド要素のフェイスを四角形フェイスを対各線に沿って三角形に分割し、三角形の法線間の角度のコサインを計測して面のねじれを検証します。同じ面上にフェイスのすべての節点が乗っている場合、この値は1になります。
Patran
Patranの基準に従った2Dおよび3D要素の品質計算が行われます。
ここにリストされていない要素チェックは、このソルバーのチェックの標準セットには含まれていないため、HyperMeshのチェック手法を使用します。
2Dおよび3D要素チェック
- Aspect Ratio (triangle)
- 三角形の辺の長さをその辺から向かい側の節点までの高さで割り、3の平方根の2分の1を掛けます。完全な正三角形では、この式の値は1となります。この計算を、三角形の3つの辺についてそれぞれ実行し、得られた値のうち最も大きいものが縦横比としてレポートされます。
- Aspect Ratio (quads)
- 要素が平坦ではない場合、要素のコーナー法線の平均に基づいたプレーンに投影されます。後続の計算はすべて、元の(湾曲した)要素ではなく、この投影された要素をベースとします。
- Interior Angles
- 内部角度の最大および最小値は、三角形要素と四角形要素についてそれぞれ別々に評価されます。
- Jacobian
- 要素の理想的または“完全”な形状(例えば三角形であれば正三角形)からの逸脱の度合いを示します。ヤコビアン値は0.0から1.0の範囲の値で、1.0は完全な形状の要素を表わします。ヤコビアン比の決定子は、全体座標スペースにフィットさせるために必要なパラメトリックスペースの局所ストレッチングに関係しています。
- Length (min)
- 要素の最小長は、以下の2つの方法のうちのいずれかで計算されます:
- 要素の最も短いエッジ。この方法は、四面体以外の3D要素に使用されます。
- コーナー節点から向かい合うエッジ(四面体要素の場合はフェイス)への最短距離(正規化された最小の高さ)。
- Skew (triangle)
- Patranは三角形のスキューを、三角形の節点のうちの1つから向かい合う辺の中点へライン、および残りの2つの辺の中点を結ぶラインを描きます。
- Skew (Quad)
- スキューのチェックはまず、4つの要素エッジを二等分することから始まります。これにより、4つのコーナーのベクトル平均位置に原点が作成されます。ここで、x-軸は原点からエッジ2の二等分線に延びています。次に、原点からエッジ3の中点へ延びるベクトルとx-軸の乗積を求め、z-軸を定義します。x-、およびz-軸が定義されると、その乗積からy-軸が定義されます。 最後に、エッジ1とエッジ3を二等分するラインとy-軸の間の角度αを90度から引き、要素のスキュー角とします。
- Taper
- Patranはテーパをまず、コーナー節点を平均して要素の中心を求め、このセンターとコーナー節点の間にラインを引いて要素を4つの三角形に分割します。
- Warpage
- ねじれのチェックでは、要素のエッジを二等分し、要素コーナーのベクトル平均位置のポイントを作成します。このポイントは、プレーンのベース節点となり、プレーンのx-軸はベース節点から要素のエッジ2の二等分線に延びています。プレーンの法線(z-軸)は、原点からエッジ3の二等分線へ延びるベクトルとx-軸の乗積の方向です。したがって、四角形要素の各コーナーは、プレーンから同じ距離hとなります。次にPatranは、各半エッジの長さを求め、最も短い半エッジ長(L)に対するhの比のアークサインを計算します。
3D要素のみのチェック
- Vol. Aspect Ratio (四面体要素)
- Patranは四面体要素の縦横比を、頂角の高さと向かい合うフェイスの面積の2分の1との比を計算することによって求めます。この計算を各頂点について繰り返し、最も大きい比を求めます。 次にPatranは、求められた最も大きい値を0.805927(正四面体に対応する比)で掛けます。その結果値が、要素の縦横比としてレポートされます。値1が、完全な正四面体を示します。
- Vol. Aspect Ratio (ピラミッド)
- 要素エッジの最長と最短の比。
- Vol. Aspect Ratio (ウェッジ要素)
- このチェックではまず、要素の三角形フェイスを平均し、三角形の中立面を作成します。次に、中立面の縦横比を求めます(三角形要素の場合)。続いて、ウェッジ要素の平均の高さ(h1)を中立面の最も長いエッジ長(h2)と比較します。 ウェッジの高さh1がエッジ長h2を上回る場合、そのウェッジの縦横比は、中立面の縦横比にh2を掛け、その値を三角形のフェイス間の平均距離(h3)で割ったものと等しくなります。
- Vol. Aspect Ratio (六面体要素)
- 六面体要素の各フェイスはねじれた四角形として扱われ、そのセンタ-ポイントが求められます。体積縦横比は単に、向かい合う2つのフェイスのセンターポイント間の最大距離hと最小距離との比です。