品質基準の計算
品質基準値は、ユーザー定義の重み係数を有した12のチェック項目の品質基準を決定します。各品質基準には、5段階の評価レベルがあります。
- 要素Q.I.
- (合格のペナルティーの重み平均) + (不合格のペナルティーの重み合計)
- 基準Q.I.
- (合格要素のペナルティーの重み平均) + (不合格要素のペナルティーの重み合計)
- compound Q.I
- (合格の基準Q.I.の重み平均) + (不合格の基準Q.I.の重み合計)
これらはすべて、複合Q.I.(comp. QI)値が高いほど品質が悪いことを示します。

- Ideal(理想値)
- 要素が達成し得る絶対的な最良 / 理想値。例えば、理想の要素は、aspect ratio(縦横比)が1.0、warpage(要素のねじれ)が0.0、jacobian(ヤコビアン)が1.0などとなっています。一部のチェック項目については、理想値は存在しない場合があり、例えば、minimum element size(最小要素サイズ)の理想値は平均要素サイズに依存します。また、すべて三角形要素からなるメッシュを要するシミュレーションについては、"% of trias"(三角形要素の全体に対する割合)は該当しません。すなわち、理想的な"% of trias"は解析タイプによって異なり、ユーザーが設定する必要があります。このレベルに合格しない要素は、デフォルトの色で描かれ、ハイライト表示されません。idealの要素にはペナルティ値は割り当てられません。
- Good(良好)
- このレベルは、idealと比べるとやや劣ってはいるが、それが要求される解析には良好とみなされるレベルです。チェック項目がこのgoodレベルまたはそれ以上である要素はすべて良好とみなされ、ペナルティ値は割り当てられません。ユーザーは、すべてのgoodレベルのしきい値を設定します。このレベルに合格しないgoodとwarnの間の要素は、デフォルトの色で描かれ、ハイライト表示されません。goodとwarnの間の要素には、0から0.79までのペナルティ値が割り当てられます。
- Warn(警告)
- これは、goodとfailの間のレベルです。このレベルは、品質基準に不合格ではないがそれに近い要素に注目するために使用されます。HyperMeshは、これらの値をgoodとfailの間の80%に設定しています。このレベルに合格しない、つまりwarnとfailの間の要素は、デフォルトでは青緑色で描かれ、0.8から0.99までのペナルティー値が割り当てられます。
- Fail(不合格)
- 要素が解析に受け入れられない、すなわち不合格とみなされる要素を示します。解析を実行する前に、これらの要素は修正することをお奨めします。Failレベルを指定することが可能です。failと判定されたすべての要素には、1.0以上のペナルティ値を与えられます。ペナルティ値は、不十分さの度合いに応じて計算されます。不合格となったfailとworstの間の要素は、デフォルトでは黄色で描かれ、1.0から10.0までのペナルティ値が割り当てられます。したがって、すべてのチェック項目を合格した要素には、1.0未満のペナルティ値を与えられていることになります。
- Worst(最悪値)
- 品質基準から大幅に劣っていて至急対処する必要のある要素で、ハイライト表示されます。worstレベルは、goodとfailの値を基準に、HyperMeshによって設定されます。不合格でしかもworstレベルである要素は赤色で描かれ、10.0ちょうどのペナルティ値が割り当てられます。