MV-1028: 点-可変形サーフェス高次ペア拘束のモデル化

本チュートリアルでは、PTdSF(点-可変形サーフェス)ジョイントをモデル化する方法について学習します。

PTdSF(点-可変形サーフェス)ジョイントは、高次ペア拘束です。この拘束は、1つのボディ上の指定したポイントを、別のボディ上の指定した可変形サーフェスに沿って動くよう拘束します。ポイントは、剛体または弾性体に属していることが可能です。本チュートリアルで使用する可変形サーフェスは、剛的にサポートされているプレート上に定義されています。質量は、PTdSF拘束でサーフェスに沿って動くよう制約されています。

ポイントの作成

このステップでは、PTdSFモデルにポイントを作成します。

始める前に、mbd_modeling\interactiveフォルダーにあるmembrane.h3dおよびmembrane.femファイルを自身の<作業ディレクトリ>にコピーします。
ポイントの作成は、必要とされるボディとジョイントの配置の一助となります。ボディとジョイントの位置の重心にポイントを定義します。
  1. 新しいMotionViewセッションを開始します。
  2. 以下のいずれかの方法で、Add Point or PointPairダイアログを開きます:
    • Project Browserで、Modelを右クリックして Add Reference Entity > Pointを選択します。
    • Model-Referenceツールバーで、(Point)アイコンを右クリックします。
  3. LabelにBallCMと入力します。デフォルトの識別子を受諾します。
  4. OKをクリックします。
  5. Propertiesタブをクリックし、X、Y、Z座標値を0.0と指定します。
  6. Table 1に指定したポイントについて、手順2から5までを繰り返します。
    Table 1.
    Point X Y Z
    PointMembInterface39 -55.0 -55.0 0.0
    PointMembInterface40 55.0 -55.0 0.0
    PointMembInterface41 55.0 55.0 0.0
    PointMembInterface42 -55.0 55.0 0.0

ボディの作成

このステップでは、PTdSFモデルに膜とボールのボディを作成します。

ボールの定義には、予め指定された慣性プロパティが使用されます。
  1. 以下のいずれかの方法で、Add Body or BodyPairダイアログを開きます:
    • Project Browserから、Modelを右クリックし、Add Reference Entity > Bodyを選択します。
    • Model-Referenceツールバーで、(Body)アイコンを右クリックします。
  2. ダイアログで、LabelにMembraneと入力します。デフォルトの識別子を受諾します。
    Note: 本チュートリアルにおいてこれ以降、残りの変数についてはすべてデフォルトの名称を受諾します。
  3. Propertiesタブで、Flex Body (CMS)チェックボックスをクリックします。
  4. (Graphic fileブラウザ)アイコンをクリックし、<作業ディレクトリ>からmembrane.h3dを選択します。
  5. ステップ1を繰り返します。ダイアログで、LabelにBallと入力します。
  6. Propertiesタブで、Table 2に与えられている情報を指定します。
    Table 2.
    Mass Ixx Iyy Izz Ixy Iyz Izx
    1 4000.0 4000.0 4000.0 0.0 0.0 0.0
  7. CM Coordinatesタブをクリックし、Use center of mass coordinate systemボックスにチェックマークを入れます。
  8. をダブルクリックします。
  9. Select a Pointダイアログで、BallCMを選択し、OKをクリックします。軸のプロパティについては、デフォルトの設定を受諾します。
  10. Initial ConditionsタブでTranslational velocityの下のVxボックスとVyボックスにチェックマークを入れます。
  11. それぞれのテキスト欄に、値1を入力します。

マーカーと可変形サーフェスの作成

このステップでは、膜に必要なマーカーを定義します。

  1. generalツールバーでMacros > Create Deformable Surface from FEMをクリックします。


    Figure 1.
  2. パネル内で、をダブルクリックします。
  3. ダイアログでMembraneを選択し、OKをクリックします。
  4. をダブルクリックします。
  5. ダイアログでModelを選択し、OKをクリックします。
  6. 続いてFEMファイルを選択するために、(ファイルブラウザ)アイコンをクリックします。
  7. 作業ディレクトリからmembrane.femファイルを選択し、OKをクリックします。


    Figure 2.
  8. Generate Surfaceをクリックします。

ジョイントの作成

このステップでは、膜とグラウンドとの間の4つの固定ジョイントを定義します。

PTdSFジョイントは後に別のステップでアドバンストジョイントとして定義します。
  1. 以下のいずれかの方法で、Add Joint or JointPairダイアログを開きます:
    • Project Browserから、Modelを右クリックし、Add > Constraint > Jointを選択します。
    • Model-Constraintsツールバーで、(Joints)アイコンを右クリックします。
  2. ダイアログで、LabelにJoint 1と入力します。
  3. TypeにFixed Jointを選択し、OKをクリックします。
  4. Jointパネル内で、Connectivityタブを設定します。
    1. をダブルクリックします。
    2. ダイアログでMembraneを選択し、OKをクリックします。
    3. をダブルクリックします。
    4. ダイアログでGround Bodyを選択し、OKをクリックします。
    5. をダブルクリックします。
    6. ダイアログでPointMembInterface39を選択し、OKをクリックします。
  5. Table 3に指定したスペックを使用し、手順1から4までを繰り返します。
    Table 3.
    Label Joint Type Body 1 Body 2 Point
    Joint 2 Fixed Joint Membrane Ground Body PointMembInterface40
    Joint 3 Fixed Joint Membrane Ground Body PointMembInterface41
    Joint 4 Fixed Joint Membrane Ground Body PointMembInterface42

PTdSFジョイントの作成

このステップでは、アドバンストジョイントとしてPTdSF(点-可変形サーフェス)ジョイントを定義します。

  1. 以下のいずれかの方法で、Add AdvJointダイアログを開きます:
    • Project Browserから、Modelを右クリックし、Add > Constraint > Jointを選択します。
    • Model-Constraintツールバーで、(Advanced Joint)アイコンを右クリックします。
  2. ダイアログで、LabelにAdvancedJoint 0と入力します。デフォルトの識別子を受諾します。
  3. TypeドロップダウンメニューからPointToDeformableSurface Jointを選択します。
  4. OKをクリックします。
  5. パネル内で、Connectivityタブを設定します。
    1. をダブルクリックし、Ballを選択します。
    2. OKをクリックします。
    3. BallCMを選択し、OKをクリックします。
    4. DeformableSurface 1を選択し、OKをクリックします。

グラフィックスの作成

このステップでは、ボールにグラフィックを作成します。

  1. 以下のいずれかの方法で、Add Graphics or GraphicPairダイアログを開きます:
    • Project Browserから、Modelを右クリックし、Add > Reference Entity > Graphicsを選択します。
    • Model-Referenceツールバーで、(Graphics)アイコンを右クリックします。
  2. ダイアログで、LabelにBallと入力します。
  3. TypeドロップダウンメニューからSphereを選択します。続いて、OKをクリックします。
  4. Connectivityタブで、をダブルクリックします。
  5. ダイアログでBallを選択し、OKをクリックします。
  6. をダブルクリックします。
  7. ダイアログでBallCMを選択し、OKをクリックします。
  8. Propertiesタブで、Radiusの下に1.0と入力します。
  9. Visualizationタブで、グラフィックの色を選択します。

節点の検索

このステップでは、Bodies Panelに戻り、膜上の節点を探します。

  1. Project Browserで、Membraneボディをクリックします。
  2. Referenceツールバーで、(Bodies)アイコンをクリックします。
  3. パネル内で、Nodesボタンをクリックします。
  4. Nodesダイアログで、Only search interface nodesボックスからチェックマークを外します。
  5. Find Allボタンをクリックします。
  6. ダイアログを閉じます。
    モデルは、Figure 3で示すとおりになるはずです。


    Figure 3.

モデルの実行

このステップでは、PTdSFジョイントの制約を伴うモデルを実行します。

Important: この種の拘束は、接触のポイントがカーブについて指定されたデータ範囲内に留まるとは限りません。端点における追加のフォースは、この要件を満たすようユーザーによって定義される必要があります。接触ポイントがこのサーフェスについて指定されたデータ範囲に収まっていない場合、(これを満足するよう追加のフォースが定義されない限り)ソルバーはエラーを発します。そのような場合は、ボールの初期速度を変更するか、もしくはサーフェスについて指定されたデータ範囲を大きくする、もしくは、より短いタイムインターバルでシミュレーションを実行する必要があります。
  1. ツールバーで、(Run)をクリックします。
  2. Runパネルで、Figure 4にリストされている値を指定します。


    Figure 4.
  3. Save and run current modelラジオボタンをクリックします。
  4. (ブラウザアイコン)をクリックし、ファイル名をresult.xmlと指定します。
  5. 保存をクリックします。
  6. Simulation Settingsボタンをクリックします。
  7. ダイアログ内で、Transientタブをクリックします。
  8. Maximum step sizeを0.001に指定します(ソリューションはデフォルトのステップサイズである0.01では収束しないため)。


    Figure 5.
  9. Closeをクリックします。
  10. (Check Model)ボタンをクリックし、モデルのエラーを確認します。
  11. ソルバーを起動するために、Runボタンをクリックします。

結果の表示

このステップでは、アニメーションを確認し、ボールの重心のZ位置をプロットします。

  1. ソルバーがジョブを完了すると、Animateボタンがアクティブになります。Animateをクリックします。
    (Start/Pause Animation)ボタンをクリックし、アニメーションを見ます。

    膜とボールの変位のプロファイルにも注目する必要があります。そのためには、ボールの重心のZ位置をプロットします。

  2. (Add Page)アイコンをクリックします。
  3. アプリケーション選択ドロップダウンメニューを使って、クライアントをMotionViewからHyperGraph 2D に切り替えます。
  4. Curvesツールバーから(Build Plotsl)アイコンをクリックします。
  5. (ブラウザアイコン)をクリックし、result.abfファイルを読み込みます。
  6. PlotパネルをFigure 6に示すとおり設定します。


    Figure 6.
  7. Applyをクリックします。
    Z変位のプロファイルは、Figure 7に示すようになっているはずです。


    Figure 7.