メッシュのコースニング

元のモデルの要素を結合してより大きな要素とし、要素数を減らしてメッシュを簡素化します。

既存のメッシュがシミュレーションの求めるものと比べてより細かく複雑な場合があります。これにより、特にユーザーの目的がNVH(騒音、振動、操作性)または同様な解析のリアルタイムアニメーションを見ることである場合、シミュレーションもしくは既存の要素に依存したユーティリティの実行時間が無駄に長くなることがあります。
注: Coarsen Meshユーティリティは、AbaqusNastran、およびOptiStructプロファイルでのみ利用できます。


図 1. メッシュコースニング前


図 2. メッシュコースニング後

このようにメッシュを粗くする際、粗いメッシュ内の個々の節点は元のメッシュ内の節点に正確に対応している点、すなわち、多くの節点が削除されていても、残された節点は元のモデルでも使用されていた節点を使用することが重要です。場所も属性も変更されません。また、デック内において特別な情報(コメントなど)を持つ節点またはポイントは保持されます。

ユーザーの解析に関係しないコンポーネントは除外するのが理想的です。上の例では、ホイールとサスペンションは考察の対象から除外されています。

  1. メニューバーから、Mesh > Create > Coarsen Meshをクリックします。
    Coarsen Meshダイアログが開きます。
  2. Select entitiesを使用:Componentsセレクターを使用して、簡素化するコンポーネントを選択します。
  3. Select hard pointsを使用:Nodesセレクターを使用して、保持されるべきハードポイント(穴や特徴線を定義しているもの)を選択します。
  4. Element size欄に、新しい要素サイズを入力します。
  5. コースニングされたメッシュが節点のターゲット数を超えないようにするため、Maximum Node Countチェックボックスを有効にします。
    これは、反復プロセスであり、指定したメッシュサイズを適切に調整します。
    ヒント: このオプションは、大きいモデルがあり、NVHモデルの出力のサイズをより適切に制御したい場合に役立ちます。最大節点数は、選択したすべてのコンポーネントに適用されます。特定のコンポーネントをより詳細に制御したい場合は、そのコンポーネントを個別に粗くします。
  6. Mesh typeで、メッシュタイプを選択します。
  7. 指定された値よりも角度が小さいフィーチャーを除外してメッシュ作成する一方で、指定された値より角度が大きいフィーチャーを保持することで、メッシュがフィーチャーラインに沿って作成され、要素がこのラインを超えないようにするには、Feature angleチェックボックスを有効にします。

    粗メッシュの作成プロセスは2つのステージを使用し、最初のステージがいくつかの要素でうまくいかなくなった場合、2つ目のステージが実行されます。フィーチャー角の設定は2番目のステージにのみ適用され、最初のステージには関係しません。

  8. 指定された値より小さい穴の上にメッシュを作成するが、指定された値以上の穴は保持するには、Minimum fill hole diameterチェックボックスを有効にします。
  9. 指定したターゲット入力サイズよりも下の、コースニングプロセスの間に切り離されることになる大部分のフィーチャーを削除するには、Delete small partsチェックボックスを有効にします。
    フィーチャー全体がこの限度内である必要があります。例えば、直径が3ユニットだが長さが25ユニットの自由ボルト穴は、この量が25未満の場合は残ります。
  10. 高度なオプションを定義します。
    オプション 説明
    Delete 1Ds before meshing 入力選択に含まれるすべての1D要素が操作対象となります。これらの1D要素がハードポイントに接続している、あるいは2D/3D構造への1Dパスの一部を構成している場合、これらの要素は削除されません。その他の入力選択に含まれる1D要素は削除されます。
    Retain input mesh コースニングされた要素を含む新しいコンポーネントを作成し、元のコンポーネントとその要素はそのまま残します。粗い要素は、元の入力メッシュと節点を共有します。
    Delete masses before meshing 入力選択に含まれるすべての0D要素が操作対象となります。これらの0D要素がハードポイントに接続している、あるいは2D/3D構造への1Dパスの一部を構成している場合、これらの要素は削除されません。その他の入力選択に含まれる1D要素は削除されます。
    Delete free 1Ds and masses after meshing コースニング操作自体には、対応する剛体リンク / RBE3 / 質量要素が構造に結合されていることを確実にすることが含まれています。このオプションでは、コースニングおよび再結合の完了後、すべてのレッグが自由である場合にのみ、剛体リンク / RBE3 / 質量要素が削除されます。
    Delete free rigidlink/RBE3 legs after meshing コースニングおよび再結合の完了後に自由レッグを削除します。上で述べたとおり、このツールの目的上、すべてのレッグが自由である場合、剛体リンク / RBE3要素は自由と見なされます。
    Convert existing 1D to PLOTELs 上記のすべてのルールが完了した後、入力選択内容の一部である残りの1D要素をPLOTELに変換します。これには、剛体 / RBE3要素のすべてのレッグが含まれます。これらの要素の各レッグは、別のPLOTEL、例えば、10レッグのRBE3は10個のPLOTEL、に変換される必要があります。
    Create PLOTELs along 2D edges すべての2D要素エッジに沿ってPLOTELが作成され、2Dメッシュが削除されます。

    Convert coarsened 2Ds to PLOTEL3/4が有効な場合、PLOTEL3/4も作成されます。

    Convert coarsened 2D to PLOTEL 3/4 すべての三角形要素および四角形要素をPLOTEL3またはPLOTEL4要素タイプのコンフィギュレーションに変換します。
    制約事項: OptiStructユーザープロファイル使用時のみ利用できます。
    Component size factor 変換するコンポーネントサイズ係数。
    Auto reduce factor 変換する自動削減係数。
  11. Meshをクリックします。
    選択されたコンポーネントがメッシングされます。

結果に満足がいかない場合、新しく作成された粗メッシュをRejectで破棄し、オプションを変更して再度実行することが可能です。