アダプティブラップメッシュコントロール

アダプティブラップメッシング用の、モデル、局所、近接、および亀裂検出のためのメッシュコントロール。

オプションでラッピング結果の自動サーフェスリメッシングを行うことにより、サーフェスメッシュの良好な品質が保証されます。

モデルとローカル

モデルコントロールおよびローカルメッシュコントロールでは、ラップタイプ、ラップ選択、およびラップ設定を定義します。ローカルメッシュコントロールで定義されたラップ設定は、モデルコントロールで定義されたラップ設定よりも優先されます。

注: メッシングジョブを実行するには、少なくとも1つのモデルメッシュコントロールを定義する必要があります。”Adaptive Wrapper”用に作成されたすべてのメッシュコントロールは、サーフェスおよび領域選択のみが必要です。コンポーネントとサーフェス選択を持つメッシュコントロールには、互換性はありません。

Wrap Selection

表 1. パラメータ
パラメータ 内容
Wrap Type 選択されたエンティティの外面またはキャビティをラップするかを指定します。
Wrap Selection どのボリュームをラップするかを指定します。
All
モデル内のすべてのボリュームをラップします。
Wrap Enclosed
指定した節点による閉じた空間をラップし、残りのボリュームは無視します。
Wrap Nth Largest
ラップされるボリュームを”wrap size index”で指定された値を基にボリュームサイズによって選択します。最も大きなボリュームをラップする場合は、wrap size index欄に1を、2番目に大きなボリュームをラップするには、2を指定します。
Exclude Enclosed
指定した節点による閉じた空間を無視し、残りのボリュームをラップします。

Wrap Mesh

表 2. パラメータ
パラメータ 内容
Average Element Size 平均要素サイズを制御する、モデル内の2D要素サイズです。
Minimum Element Size フィーチャーをどのように微調整するかを制御するために使用される最小要素サイズ。

フィーチャーを正確に維持するよう、適切に最小要素サイズを定義します。

Feature Edges モデル内のどのフィーチャーを微調整するかを指定します。
All
指定されたフィーチャー角度に基づいてフィーチャーを抽出します。開いているか閉じているループフィーチャーが考慮され、抽出対象となります。
Connected
指定されたフィーチャー角度に基づいてフィーチャーを抽出します。閉じているループフィーチャーのみが考慮され、抽出対象となります。
User Defined
微調整するフィーチャーを手動で選択します。大きいモデルがあり、すべてを調整したくない場合は、このオプションが役立ちます。
Hole Patch Tolerance 補修する穴を決定します。

1つまたは複数のコンポーネント内の閉じたループの自由エッジが考慮されます。

Gap Patch Tolerance 補修するギャップを決定します。

2つのコンポーネント / 要素グループ間にギャップがあり、それがギャップを埋めるための許容値以内である場合、それらの間のギャップは埋められます。特定のコンポーネント / 要素グループでのギャップ補修の機能を、それらに近接度制御を定義することで無効にします。

Baffle Thickness モデル内のバッフルに割り当てる板厚を定義します。バッフルは、閉じていない、板厚がゼロであるシェルフェイスを表します。バッフル板厚パラメータにより、ラッピング中に、定義された板厚でバッフルを膨らまします。
Organize as Input Components

入力コンポーネントに基づいて編成されるよう、ラップ要素を分割します。

重複する名前を付けることはできないため、ラップされたコンポーネントは、元のコンポーネント名の後に_Wrapが付いた名前となります。このオプションが有効になっている場合は、Adaptive Wrapperというコンポーネントが作成され、ラップされたすべての要素がそれに含まれます。

Remesh after Wrapping 定義された成長率およびスパン角度で、ラップされたコンポーネント全体をリメッシュします。リメッシングに使用される要素サイズは自動的に検出されます。

このパラメータが、パラメータ”organize wrap elements by base comps”とともに有効になっている場合、ラップされたコンポーネントは、リメッシュされ、元のコンポーネント名の後に_Wrap_Remeshが付いた名前が付けられます。

ラップされリメッシュされたコンポーネントには、個別のアセンブリが作成されます。

Refinement

表 3. パラメータ
パラメータ 内容
Element Average Size モデル内の平均要素サイズに基づいて調整します。
Curvature Based 調整するフィーチャーを決定する、最大逸脱度を指定できます。このパラメータが無効になっている場合、フィーチャーは、ラッパーパラメータで定義されている場合でも微調整されません。
Global Proximity Refinement グローバルレベルで近接度微調整が可能です。定義されたトレランス値以内の、近接度微調整のためのすべての入力要素が考慮されます。このパラメータが無効になっている場合は、グローバルレベルでの近接度微調整は行われません。
Intersection Line 入力要素の交差ラインで、ラップメッシュを調整します。
Rough patch smoothing メッシュラッパーにより作成された平坦でない / ジグザグのパッチをスムージングします。このオプションは、平坦でないパッチに対してのみ実行され、可能な限りフィーチャーを残します。


図 1. ”Rough patch smoothing”オフ


図 2. Rough patch smoothingがオン

Proximity

メッシュコントロールでは、近接性に基づいて要素の微調整を定義します。近接性メッシュコントロールを使用して、選択したコンポーネント間の接触、およびそれらの間の調整ギャップを回避します。

全体およびローカル近接性メッシュコントロールを定義できます。全体近接性メッシュコントロールはAdaptive Wrap > Model > Refinementセクションからのみ作成可能なのに対し、局所近接性メッシュコントロールはAdaptive Wrap > Proximityセクションからのみ作成可能です。
表 4. パラメータ
パラメータ 内容
Group Selection
近接性の定義方法を決定します。
Within Group
指定された”Proximity Tolerance”よりコンポーネント間のギャップまたは近接性が大きい限り、選択したすべてのコンポーネントに対する近接性微調整を考慮します。
Across Group
指定された”Proximity Tolerance”よりコンポーネント間のギャップまたは近接性が大きい限り、Group 1とGroup 2におけるすべてのコンポーネントに対する近接性微調整のみを考慮します。1つのグループ内のコンポーネントの近接性は考慮されません。
注: ”Adaptive Wrapper”用に作成されたすべてのメッシュコントロールは、サーフェスおよび領域選択のみが必要です。
Proximity Tolerance この値より高いすべての近接性を解決します。
Self Proximity ”Proximity Tolerance”より高い、1つのコンポーネント内にある要素の近接性を調整します。”Group Selection”が”Within Group”に設定されている場合のみ利用できます。

亀裂の検出

亀裂検出メッシュコントロールは、結果としてもたらされるラップされたサーフェスメッシュによってラッピングプロセスの開始前に目的の空洞が作成されるかどうかをチェックします。例えば、外部の空気力学 / アンダーフード解析の場合、亀裂検出メッシュコントロールは、キャビン、エンジン、および燃料タンクが正しく密封され、メッシュがそこで作成されないようになっていることを確認するために役立ちます。

亀裂検出メッシュコントロールを定義したら、”Adaptive Wrap”フォルダーを右クリックし、Run Leak Detectionを選択します。定義したモデルサイズおよびパラメータによっては、亀裂検出に数分かかる可能性があります。
表 5. パラメータ
パラメータ 内容
Enclosed Node ラッパーで囲まれるよう、シェル内の節点を定義します。この節点は、使用可能なボリュームによって囲まれる必要があります。
Destination Nodes Destination nodesでは、囲まれた節点と行き先の節点との間の亀裂検出経路を見つけることができます。亀裂検出経路を示すために1D要素が生成されます。亀裂検出経路が見つからない場合は、1D要素は生成されません。