領域分け

領域分けは、メッシュが作成されたサーフェスのエッジ位置、要素間の角度が一定の値を超えている箇所、平らな領域から湾曲した領域に変化している箇所などについて、2次元ドメインをより小さな2次元ドメインに論理的に細分する方法です。

領域分けは、モデルをパラメトリックな変化がある場所で小さなセクションに分割するため、モーフィングのためのモデル準備をより早く、より簡単に行えます。

領域分けは2Dドメインには直接、3Dドメインには間接的に適用できます。3Dドメインはそのフェイス上に2Dドメインが作成されます。

2D、3Dドメイン作成時にDomains パネルの partition 2D domainsチェックボックスがアクティブな場合、領域分けが実行されます。モデルにサーフェスが含まれない場合、またはDomainsパネルのpartitioningサブパネルのuse geometryオプションがチェックされていない場合、領域分けによってすべての円弧、直線または平面セクションは異なるドメインに収められ、モデルを理想的に分割します。領域分けは完璧ではないため、要素が適切なドメインに置かれていない領域が存在します。領域分けの結果が気に入らない場合、Domainsパネルのpartitioningの下で、領域分けのためのパラメータを変更し、再実行(redo lastボタンを使用)するか、Domainsパネルのcreateとorganizeサブパネルを使用し、手動でドメインを変更します。


図 1. 領域分け. 左側のモデルでは、領域分けなしで2次元ドメインが作成されています。右側のモデルでは、領域分けが使用されています。角度と曲率が変化する境界に沿って、2次元ドメインが分割されている様子にご注目ください。partitioningオプションがオンかオフかに関わらず、エッジドメインに領域分けが実行されている点に注目してください。

領域分けには、element-basedとnode-basedの2つのアルゴリズムが用意されています。quad/mixedメッシュかtria/tetraメッシュかによってそれぞれ設定できます。通常、element-basedアルゴリズムはquad/mixedメッシュと2次メッシュに適しており、一方node-basedアルゴリズムはtria/tetra メッシュに適しています。

それぞれのアルゴリズム用にドメインをコントロールするいくつかのパラメータが用意されています。Domainsパネル、Partitioningサブパネルにあります。

use geometryが選択されている場合、節点がモデル内のサーフェスに関連付けられているすべての要素はサーフェスのエッジに沿って領域分けされます。その他の要素は領域分けのアルゴリズムのいずれかが使用されます。またadd to geometryが選択されると、領域分けのアルゴリズムがエッジまたはサーフェスに沿って切れ目を見つけられなかった場合、サーフェスの外側に作成された領域はサーフェスを使用して作成された領域に追加されます。このオプションはサーフェスデータが完全でなく、一部の節点がサーフェス外に移動されている場合に有効です。

領域分けはangle-basedまたはcurvature-basedで実行できます。どちらの場合も、domain angleが領域を区切るためのブレーク角をコントロールします。2つの要素の法線間の角度がこの値よりも大きい場合、新たにドメインが作成され、2つの要素間にドメインエッジが作成されます。curvature-basedを使用して領域分けを行う場合、curve toleranceが、平坦かどうかを判断するための角度を指定します。2つの要素の法線間の角度がこの値よりも小さい場合平坦であると判断され、そうでない場合は湾曲していると判断されます。平坦から湾曲への変化、湾曲方向の変化または曲率がcurvature toleranceの値より大きい場合、新しいドメインが作成され、2つの要素間にエッジドメインが作成されます。新しい領域が作成されるには、エッジ全体において角度または曲率のブレークが必要になります。

node basedオプションでは、domain angleとcurve toleranceがelement basedとほぼ同等の意味を持ちます。node basedオプションはelement basedよりも少ない領域を作成する傾向があります。ただし、それぞれのオプションのパフォーマンスはモデル内のフィーチャーに大きく依存します。例えば、node basedオプションは1次の三角形メッシュおよびテトラメッシュのほうが良い結果を出しますが、element basedオプションは四角形および三角形メッシュの混合メッシュのほうが良い結果を出します。