各グローバルドメインは、任意の数のハンドルと関連付けられます。グローバルハンドルは、そのハンドルが属しているグローバルドメイン内の節点にのみ影響を与えます。グローバルドメインとハンドルはモデル形状に大規模な変更を加える場合に最適です。
グローバルドメインアイコンは点線のキューブアイコンで表現され、グローバルドメインを構成する節点の中心位置に置かれます。
グローバルハンドルはモデル内で一番大きなハンドルです。別のハンドルに従属していないハンドルは赤で表示され、別のハンドルに従属しているハンドルは、黄色、シアンあるいは紫で表示されます。各色は、その従属レベルを表します。従属グローバルハンドルは、従属しているハンドルよりも小さく表示されます。モデル内のハンドルの基本サイズはVisualizationツールバー上のVisualizationオプションアイコン(
)を使ってアクセスするVisualization Controlsタブで設定できます。ここで指定されたサイズは独立グローバルハンドルの半径となります。ハンドルの表示色や従属ハンドルと独立ハンドル間のサイズ比率については、変更することはできません。しかし、ドメインの表示色は、Visualization Controlsタブで変更することができます。
Domainsパネルはグローバルドメインの作成、編集、内容の更新を行うのに使用します。
create handlesオプションがオンの状態でグローバルドメインが作成されると、複数のグローバルハンドルが作成されます。グローバルハンドルは、全体座標軸に沿ってモデルの周りに配置されたボックスの8つのコーナーに作成されます。これらのグローバルハンドルには、cornerに1から8までの数字がついた名前が与えられます。また、
HyperMorphは、グローバルドメインボックス内のモデルの節点密度の最も高い領域に少なくとも1つのグローバルハンドルを置きます。通常、グローバルドメインボックス内に30を越えるような数のグローバルハンドルを作成することはありません。これらの各ハンドルには、globalの後ろに数字がついた名前が与えられます。グローバルハンドルの自動生成は、自動車のフルモデル等のスペースフレームモデルにおいて効力を発揮します。希望する位置にハンドルが作成されない場合、Handlesパネルを使用し、いつでもハンドルの削除、移動、新規作成が可能です。
図 1. グローバルドメインとグローバルハンドル. モデルを囲むボックスのコーナーに8つのハンドルが置かれます。ハンドルを移動させることで、モデルを3つの軸に沿ってストレッチあるいは変形することができます。
図 2. 手動で作成された6つのグローバルハンドルを持つスペースフレーム. ハンドルが移動されると、ハンドル間に梁が渡ったままスペースフレームがモーフィングされます。
グローバルドメインに属するグローバルハンドルがどのようにメッシュに影響を与えるかは、Morph Optionsパネル、Globalサブパネルで決定します。
- Hierarchical
- グローバルハンドルがグローバルドメイン内部の節点位置にあるローカルハンドルに影響を与え、それがローカルドメイン内の節点に影響を与えます。
- Direct (デフォルト)
- グローバルハンドルが直接モデル内の各節点に影響を与えます。このとき、節点がローカルドメインになくても影響を受けます。
- Mixed
- グローバルハンドルがグローバルドメイン内のすべての節点に影響を与えます。このとき、節点がローカルドメイン内にあれば、hierarchicalオプションを、節点がローカルドメインにないときは、directオプションが使用されます。
グローバルハンドルが節点に与える影響について、両方法の間には微妙な違いがあります。主として異なるのは、hierarchical法では、ローカルエッジドメインによって定義されたモデルのパートの形状が保持される点です。真っ直ぐなエッジは真っ直ぐなまま、円形の穴は円形のままとなります。一方、directオプションは形状を曲げたり折ったりし、湾曲したエッジや楕円形の穴を生成する場合があります。操作の目的によって正しいモーフィングタイプを選択する必要があります。ローカル形状を保持したい場合は、hierarchicalまたはmixedオプションを選択してください。ローカル形状の変更が許容できる場合は、directオプションを選択してください。
図 3. Hierarchicalを使用したグローバルモーフィング. ハイライト(白)されたハンドルを右に移動させると、ローカルハンドルが移動し、メッシュが移動されます。真っ直ぐなエッジと円弧がどのように保持されているかに注目してください。
図 4. Directを使用したグローバルモーフィング. ハイライト(白)されたハンドルを右に移動させると、メッシュが直接変更されます。エッジや円弧の歪みを確認してください。
図 5. Directオプションとバイアシング係数を使用したグローバルモーフィング. ハイライト(白)されたハンドルのバイアシング係数を増やすことで、角度付きのモーフ形状が滑らかな曲線になります。
グローバルハンドルがhierarchicalオプションを使用したローカルハンドルまたはdirectオプションを使用した節点に与える影響は、spatialまたはgeometricオプションのいずれかを使用して計算されます。これらのオプションは共に、グローバルハンドルがそれを囲む空間内にある節点またはローカルハンドルにどのような影響を与えるかの決定を試みます。spatialオプション(デフォルト)は、モデル全体の空間的な構造に基づいてグローバルハンドルの動きの制御を行う最も高速で信頼性の高い手法です。geometricオプションは、大規模なモデルやグローバルハンドルが数多く存在するような場合の処理速度は落ちますが、より希望にかなった動きの制御を行うことができます。geometricオプションは、元々HyperMeshで使用されていた方法で、与えられた節点またはローカルハンドルとそれを囲むグローバルハンドル間の形状的な関係をベースに影響を求めます。使用する手法は、Morph Optionsパネルのglobalサブパネルで選択可能です。