陰解法ソルバー

並列バージョンとの陰解法ソルバーの適合性の表

  オプション Radioss SMP Radioss MPP SPMD
陰解法 /IMPL/SOLVER PCG
/IMPL/SOLVER/3 BCS MUMPS
/IMPL/SOLVER/5 BCS+PCG MUMPS+PCG
座屈モード /IMPL/BUCKL/1

ここで、Isolv=1

SuperLU MUMPS
固有モード /EIG (Starter) SuperLU MUMPS
頭字語:
PCG:
Iterative Preconditioned Conjugate Gradient(反復的な前処理付き共役勾配法)
BCS:
Boeing Solver(Boeingソルバー)
MUMPS:
Massively Parallel Multi-Frontal Solver(超並列マルチフロント法ソルバー)

線形ソルバー:

直接、反復と混合法

線形ソルバーは線形、非線形の両方に用いられ、実際に行う計算事象に対して適切なソルバーを選択することは非常に重要です。

PCG(前処理付共役勾配法)反復ソルバーは、Radioss陰解法(初期バージョンからサポート)で利用可能です。直接法ソルバーが利用可能です。因子化された近似逆行列による前処理法を用いたPCGがデフォルトのソルバーです。

適切なソルバーの選択は適用するモデルに依存します。一般的に、反復ソルバーは均一の剛性を持つ条件の良いモデル(ソリッド要素モデルなど)に適しています。一方、剛性が不均一な条件の悪いモデルについては計算負荷が高くなります。これに対して、直接ソルバーはより高精度な解を得られ、マトリックスの質にもあまり敏感ではありませんが、より多くのメモリ量を必要とします。アウトオブコアメモリが用いられた場合、直接法のパフォーマンスは大きく下がる可能性があります。

ある特定の解析対象に対してどのソルバーを用いるべきかはっきりしない場合は、メモリーが問題ない場合には直接法を最初に試すことが推奨されます。フルビークル解析の様な大規模シミュレーションでは、メモリ量が問題となる可能性があるため、高品質の前処理(これは/IMPL/PREPAT/n、例えば n=2)を用いたPCGソルバーを代わりに用いることも可能かもしれません。

非線形解析において、実際の解析を起動する前に単純な線形解析を実行し、同じモデルに2つの方法を試して比較することは価値のあることです。

混合ソルバーは接触剛性の自由度数が全自由度よりもはるかに少ない接触のシミュレーションに対して良いパフォーマンスを示すかも知れません。

非線形ソルバー

修正Newtonと準-Newton法

この点に関しても、ソルバーの選択は解析のタイプに依存します。一般的に、高い非線形を持つ解析には準-Newton法がより適していますが、より多くのメモリを必要とし、反復当たりの計算コストも高くなります。