陰解法の機能と互換性
陽解法の全ての機能が陰解法解析で可能なわけではなく、実際に利用可能な機能についてこのセクションで示します。
要素定式化
Radioss陰解法では、要素の定式化は2つの主な計算で用いられます:
- 変位を求める剛性マトリックス:
この計算のために可能な要素定式化を以下の表に示します。
- ひずみ、応力と内力: 陰解法と陽解法の解析は同じコードを共有し、この計算には全ての定式化が利用可能です。
/BRICK /TETRA4 /TETRA10 /BRIC20 厚肉シェル /BRICK、/PENTA6
Isolid=24 Isolid=14(推奨)
Itetra4=0 Itetra10=0 Isolid=16 Isolid=14、15 /SHELL /SH3N /SPRING /BEAM /TRUSS Ishell=24 (QEPH) Ishell=12(QBAT)
Ish3n=1 Ish3n=2(デフォルト)
/PROP/TYPE4、/PROP/TYPE8、/PROP/TYPE12、/PROP/TYPE13 /PROP/TYPE3 (BEAM) /PROP/TYPE2 (TRUSS)
モニター体積TYPE3、直交異方性シェル(TYPE9、10、11および17)も利用できます。
バージョン11からは、直交異方性ソリッド(TYPE6)も利用できます。ただし、特に非線形解析においては上の表の要素を利用することを強く推奨します。
材料の適合性
Radiossは、ほとんどの材料則に対して、剛性マトリックス(または非線形解析でのヤコビアンマトリックス)の生成に材料定数の弾性部分のみを用います。
超弾性材料則(42、62、69、 82)に対しては、発散を避けるため、特別な取り扱いがなされています。弾性マトリックスの使用(初期応力法と呼ばれます)は結果として収束が遅くなります(一貫した接線剛性マトリックスは開発中です)。この場合、非線形解法である修正ニュートン法と準ニュートン(BFGS)法の2つが推奨されます。粘性型の材料則が準-静的解析に用いられる場合、シミュレーションに対して長い継続時間が推奨されます(この場合、時間の物理的意味が無くなります)。このようにして、どのRadioss材料則に対しても非適合は無くなりますが、非線形性の高い材料に対しては収束性の問題は残るかもしれません。
運動条件
いくつかの運動条件がサポートされています。
- 境界条件: /BCS
- 強制変位/IMPDISP(速度/IMPVEL、および加速度/IMPACC)
- 剛体/RBODY
- インターフェースTYPE2 /INTER/TYPE2(破断またはペナルティ法は利用不可)
- 剛壁/RWALL(パフォーマンスの観点から推奨できません。可能であれば接触インターフェースを使用してください。)
- アダプティブメッシュリンク/ADMESH
- 補間拘束要素/RBE3
- 剛体要素/RBE2
接触インターフェース
接触インターフェース 5、7、10 と1 のみが利用可能で、Radioss陰解法でサポートされてます。
接触インターフェースはペナルティ法 (架空のスプリングを伴う) を通して取り扱われ、接触剛性は独立な剛性マトリックスに保存されます。この2番目の剛性マトリックスに関する情報は(/IMPL/PRINT/NONLIN/nが定義された場合)接触が検知されたときに一度出力されます。
荷重
集中荷重 /CLOAD、圧力 /PLOAD、および重力荷重 /GRAVが利用可能です。荷重定義は陽解法の場合と同じです。
熱解析
Radiossでは、全ての熱オプションは現時点で陰解法解析では利用できません。
陰解法解析タイプ
- /IMPL/CHECKでのモデルチェック
- 静的または準-静的線形
- 座屈モード解析
- 静的又は準-静的非線形
- 動的非線形
- モード解析