シミュレーションパラメータの設定

シミュレーションの実行前に、シミュレーション時間、ゼロクロッシング、およびソルバーに関するパラメータを定義できます。

シミュレーション時間の設定

シミュレーション要件に応じて各種の時間パラメーターを定義します。

  1. リボン上で、シミュレートツールグループにカーソルを合わせて、シミュレーションパラメーターツールをクリックします。
  2. シミュレーションパラメーターダイアログが表示されたら、シミュレーション時間(Simulation Time)タブを選択します。シミュレーションでの必要に応じ、次のようにオプションを定義します。
    パラメーター 操作
    初期時間 シミュレーションを開始するための値を入力します。
    最終時間 シミュレーションを終了するための値を入力します。
    TipColonSymbol ダイアグラムにEndブロックを追加することによって最終時間を定義することもできます。Endブロックにはパラメーター化されたシミュレーション時間が含まれます。
    リアルタイムスケーリング シミュレーション時間をスケーリングする値を入力し、シミュレーション時間に遅延を挿入します。例えば、0(ゼロ)を入力すると、実際の時間は無視されて、シミュレーションはできる限り迅速に実行されます。1を入力すると、シミュレーション時間の1単位は1秒になり、10を入力すると1単位は10秒になります。
    時間に関するトレランス イベントの時間間隔で許容可能なエラーを定義する値を入力します。時間に関するトレランスの値により、シミュレーターはイベントの時間間隔における微小な時間差を無視できます。

時間に関するトレランス

時間量を比較するためのパラメーター。

時間に関するトレランスは、2つの時間量を比較するための高度な設定です。このパラメーターの用途の例として、以下の状態の検知があります:

  • シミュレーター時間とイベントとの時間差がトレランスしきい値を下回っている状態。
  • 相互にきわめて近接している2つの時間イベント。例えば、いくつかの時間イベントどうしの時間差が時間トレランスを下回っている場合、これらの時間イベントは同時に発生していると見なされます。
  • ゼロクロッシングの右側と左側の時間差がトレランスしきい値を下回っている状態。この場合は、本ソフトウェアの反復処理が停止します。

トレランスのオプション

時間に関するトレランスは、現在のシミュレーション時間とマシンのイプシロンの関数として動的に計算される値です。この値がきわめて小さいか、きわめて大きい場合は、シミュレーションの問題が発生する可能性があります。この値の変更は、モデルと要求されたエラートレランスに依存します。一般的に、緩いエラートレランスを選択した場合は、ゼロクロッシングサーフェスを正確に検知する必要はありません。この値をautoに設定するとシミュレーションを正常に実行できない場合は、まず1e-14などの小さい値を入力し、必要に応じて値を徐々に大きくしてゆきます。

ゼロクロッシングの設定

この高度なパラメーターは、不連続性の取り扱いまたはイベントの生成を目的として定義します。

  1. リボン上で、シミュレートツールグループにカーソルを合わせて、シミュレーションパラメーターツールをクリックします。
  2. 表示されるシミュレーションパラメーターダイアログでゼロクロッシングタブを選択して、シミュレーションに必要なオプションを定義します。

    ゼロクロッシング検知メカニズムには、モデルのシミュレーションの際にチャタリングやゼロクロッシングの反復を回避するためのしきい値があります。検知されたゼロクロッシングは、横断したサーフェスの絶対値がゼロクロッシングしきい値より大きくなるまでゼロと見なされます。ゼロクロッシングしきい値は、ユーザーが定義できるほか、ゼロクロッシングサーフェスの偏導関数を使用してシミュレーターで動的に計算することもできます。時間に関するトレランスオプションを使用すると、ゼロクロッシングの左側と右側の差異がこのしきい値を下回ったときにゼロクロッシング検知が停止します。時間に関するトレランスのオプションをautoに設定すると、グローバル時間によるしきい値が適用されます。

    ゼロクロッシングパラメータの詳細については、Extended DefinitionsにあるAltair Activate Hybrid Simulator and Interface with Numerical Solversの章をご参照ください。

デバッグファイルの作成

モデルのデバッグに使用できる.dhdfファイルに、モデルの信号データなどのシミュレーション結果をキャプチャーします。

  1. モデルを読み込んだ後、リボン上のシミュレートアイコンにカーソルを合わせて、シミュレーションパラメータをクリックします。
  2. シミュレーションパラメータダイアログで、デバッグタブを選択します。
  3. デバッグファイルの作成オプションを選択します。
  4. ファイル位置で、デバッグファイルを保存するためのオプションを選択します。
    • モデルファイルと同じディレクトリ:このオプションを選択すると、モデル名を基にしたファイル名が自動的に割り当てられます。
    • ファイル名とディレクトリを入力:このオプションを選択した場合は、該当の欄にファイル名とパスを入力します。
  5. シミュレーションの完了後にデバッグファイルビューアーを自動的に起動して.dhdfファイルを開くには、デバッグファイルを表示を選択します。
    NoteColonSymbol または、リボンでツール#menucascade-separatorデバッグファイルビューアーの順に選択し、開いたビューアーから目的のファイルに移動します。
  6. OKを選択します。