ACU-T:5001 送風機 - 過渡(スライディングメッシュ)

前提条件

このチュートリアルでは、スライディングメッシュアプローチを利用した遠心送風機の非定常シミュレーションの設定、解析、結果の表示方法を説明します。このチュートリアルを実行するには、を既に完了し、作業ディレクトリにその解が保存されている必要があります。ここではHyperWorks CFDおよびAcuSolveをある程度使い慣れていることを前提としています。この解析を実行するには、ライセンス供与済みバージョンのHyperWorks CFDAcuSolveにアクセスできる必要があります。

このチュートリアルを実行する前に、HyperWorksCFD_tutorial_inputs.zip<Altair_installation_directory>\hwcfdsolvers\acusolve\win64\model_files\tutorials\AcuSolveから作業ディレクトリにコピーします。 ACU-T5001_BlowerTransient.hm をHyperWorksCFD_tutorial_inputs.zipから取り出します。

HyperWorks CFD データベース(.hmファイル)はACU-T:5000 送風機 - 定常モデルを使用しているため、このチュートリアルではジオメトリのクリーンアップと入口境界条件、およびメッシュの設定を省略しています。

問題の説明

このモデルは、後曲羽根型ホイール付き遠心送風機、吹き込みダクトおよび吹き出しダクト付きハウジングで構成されています。

吹き込み面を通る流体は羽根型ホイールのハブに入り、羽根を通過する際に遠心力によって放射状に加速され、吹き出し面を通って送風機のハウジングを出ていきます。


図 1. 遠心送風機の概略図


図 2. ファンの羽根の概略図

HyperWorks CFDの起動とHyperMeshデータベースのオープン

  1. Windows のスタートメニューからスタート > Altair <バージョン> > HyperWorks CFDをクリックして HyperWorks CFDを起動します。
  2. HomeツールのFilesツールグループからOpen Modelツールをクリックします。


    図 3.
    Open Fileダイアログが開きます。
  3. モデルファイルの保存先ディレクトリを参照します。HyperMeshファイルのACU-T5001_BlowerTransient.hmを選択してOpenをクリックします。
  4. File > Save Asをクリックします。
  5. 名前をBlowerTransientとして新しいディレクトリを作成し、このディレクトリへ移動します。
    このディレクトリが作業ディレクトリになり、シミュレーションに関連するすべてのファイルがこの場所に保存されます。
  6. データベースのファイル名としてBlowerTransient_solvedと入力するか、別の名前を入力します。
  7. 保存をクリックしてデータベースを作成します。

流れのセットアップ

シミュレーションパラメーターとソルバーの設定

  1. FlowリボンからPhysicsツールをクリックします。


    図 4.
    Setupダイアログが開きます。
  2. Physics modelsの設定で
    1. Time marchingを Transientに設定します。
    2. Time step sizeを0.0005に設定し、Final timeを0.05に設定します。


    図 5.
  3. Solver controlsをクリックします。
  4. Minimum stagger iterationsおよびMaximum stagger iterationsを、それぞれ26に設定します。


    図 6.
  5. ダイアログを閉じてモデルを保存します。

流れ境界条件の定義

  1. FlowリボンのPressureツールグループからStagnation Pressureツールをクリックします。


    図 7.
  2. 入口のフェイスをクリックします。


    図 8.
  3. マイクロダイアログTurbulence タブをクリックします。
  4. Turbulence input typeをAutoに設定します。
  5. Turbulence flow typeをInternalに設定します。


    図 9.
  6. 入口の名前を変更します。
    1. モデリングウィンドウの左側の凡例から、Stagnation pressureをダブルクリックします。
    2. Inlet と入力してEnterキーを押します。
  7. ガイドバーをクリックすると、コマンドが実行されてツールが終了します。
  8. Outletツールをクリックします。


    図 10.
  9. 吹き出し口フェイスをクリックします。


    図 11.
  10. マイクロダイアログ、Static pressureとPressure loss factorの値が0であることを確認します。


    図 12.
  11. ガイドバーをクリックすると、コマンドが実行されてツールが終了します。

メッシュモーションの設定

メッシュモーションタイプの定義

  1. MotionリボンからSettingsツールをクリックします。


    図 13.
    Setupダイアログが開きます。
  2. Mesh motion typeをSpecifiedに変更します。
  3. Solver controls設定をクリックして、Mesh deformationチェックボックスがオフになっていることを確認します。

回転メッシュモーションの定義

  1. ハウジングソリッドを非表示にします。
    1. エンティティセレクターSolidsに設定します。
    2. 遠心ハウジングを選択します。
    3. 右クリックしてHideを選択し、キーボードのHキーを押します。


    図 14.
  2. Rotationツールをクリックします。


    図 15.
  3. モデリングウィンドウでソリッドを選択します。
  4. ガイドバーAxisをクリックします。
  5. 回転軸を定義します。
    1. Surf Centerスナップポイントを使用して、遠心送風機の中央に軸を配置します。


      図 16.
    2. マイクロダイアログZをクリックして、軸をグローバルZ軸に沿わせます。
    3. をクリックして回転方向を変更します。
    4. テキストフィールドに157.09という値を入力します。


    図 17.
  6. ガイドバーをクリックすると、コマンドが実行されてツールが終了します。
  7. モデリングウィンドウで右クリックしてShow Allを選択するか、キーボードのAキーを押して、モデル全体ビューに戻ります。

節点出力頻度の設定

  1. SolutionリボンからFieldツールをクリックします。


    図 18.
    Field Outputダイアログが開きます。
  2. Write initial conditionsチェックボックスを有効にします。
  3. Write results at time step intervalチェックボックスを有効にします。
  4. Time step intervalを1に設定します。


    図 19.

AcuSolveの実行

  1. SolutionリボンからRunツールをクリックします。


    図 20.
  2. Parallel processingオプションをIntel MPIに設定します。
  3. オプション: プロセッサーの数を、利用環境に合わせ、4または8に設定します。
  4. Automatically define pressure referenceオプションを無効にします。
  5. 他のオプションはデフォルト設定のままとして、Runをクリックして解析プロセスを開始します。


    図 21.
    ヒント: AcuSolve の実行中に、Run StatusダイアログでAcuSolveジョブを右クリックし、View Log Fileを選択して、解析のプロセスをモニターします。

サーフェス出力のプロット

  1. Run Statusダイアログで、実行するAcuSolveを右クリックし、Plot time historyを選択します。
    プロットユーティリティは、時間ステップごとの解析の進行に伴う方程式の残差を示しています。


    図 22.
  2. をクリックして、新しいプロットを追加します。
  3. Y-Axis見出しで、Run Dataの横の矢印をクリックしてSurface Outputを選択します。


    図 23.
  4. areaの横の矢印をクリックしてmomentを選択します。
  5. Selectorにはz_momentを選択します。
  6. サーフェス出力にはbladesを選択します。


    図 24.
  7. Createをクリックします。


    図 25.

HW-CFD Postによる結果のポスト処理

この手順では、スライス平面上の圧力をプロットします。
  1. Postリボンに移動します。
  2. メニューバーで、File > Open > Resultsの順にクリックします。
  3. 作業ディレクトリでAcuSolveログファイルを選択し、ポスト処理の結果を読み込みます。
    ソリッドとすべてのサーフェスがPostブラウザに読み込まれます。
  4. Slice Planesツールをクリックします。


    図 26.
  5. モデリングウィンドウで、x-y平面を選択します。
  6. マイクロダイアログで、をクリックして、法線方向に沿って-0.07の距離だけ平面を移動します。


    図 27.
  7. Escを押して、Moveツールのコンテキストを終了します。
  8. スライス平面のマイクロダイアログで、をクリックしてスライス平面を作成します。
  9. 表示プロパティマイクロダイアログで、Legendラジオボタンを切り替え、範囲を-12043に設定します。
  10. をクリックして、Colormap NameをRainbow Uniformに設定します。


    図 28.
  11. ガイドバーをクリックすると、コマンドが実行されてツールが終了します。
  12. Postブラウザで、すべてのパートと流れ境界を非表示にします。
  13. Animationツールバーで再生ボタンをクリックします。


    図 29.
  14. File > Export > Resultsに移動して、圧力コンターのアニメーションを保存します。

要約

このチュートリアルでは、遠心送風機でのスライディングメッシュによる過渡シミュレーションを設定して解析するための基本的なワークフローを体験しました。まず、メッシュをインポートし、ケースが設定された後、AcuSolveを使用して解を生成しました。次に、Plot Utilityを使用して送風機の運動量を計算し、HW-CFDポストを使用して切断面上の圧力のコンタープロットを作成しました。