ACU-T:3000 囲まれた温かい円筒:自然対流

このチュートリアルでは、空気で満たされた円筒内に置かれた別の温かい円筒のシミュレーションの設定、解析、および結果表示のための手順を説明します。このシミュレーションでは、内側の加熱された円筒が空気に囲まれ、その円筒のサーフェスと接触することによって空気の温度が上昇します。サーフェス付近の局部加熱が空気の浮力流れを誘発し、対流が発生します。このチュートリアルの目的は、自然対流シミュレーションに関するモデリングの概念を紹介することです。

CFDシミュレーションの基本的な手順については、ACU-T:2000 ミキシングエルボ内の乱流をご参照ください。このチュートリアルでは、AcuSolveの以下の追加機能を紹介します。
  • AcuConsoleでの新しいカスタム材料の作成と指定
  • 熱源としてのボリュームグループの指定
  • 自然対流を伴うケースなど、浮力流れでのブシネスク密度モデルの使用
  • 周期的境界条件の設定
このチュートリアルでは、次の手順を実行します。
  • 問題の解析
  • AcuConsoleの起動とシミュレーションデータベースの作成
  • 一般的な問題パラメータの設定
  • 解法パラメータの設定
  • AcuConsoleでの新しいカスタム材料モデルの作成と材料特性の割り当て
  • シミュレーション用の形状のインポート
  • ボリュームグループの作成とボリュームパラメータの適用
  • サーフェスグループの作成とサーフェスパラメータの適用
  • グローバルメッシングパラメータとローカルメッシングパラメータの設定
  • 周期境界条件の設定
  • メッシュ生成
  • 適切な境界条件の設定
  • AcuSolveの実行
  • AcuProbeによる解析のモニター
  • AcuFieldViewでの節点出力のポスト処理

前提条件

入門チュートリアルであるACU-T:2000 ミキシングエルボ内の乱流をすでに完了している必要があります。ここでは、AcuConsoleAcuSolve、およびAcuFieldViewをある程度使い慣れていることを前提としています。ライセンス供与済みバージョンのAcuSolveにアクセスできることも必要です。

このチュートリアルを実行する前に、AcuConsole_tutorial_inputs.zip<<Altair_installation_directory>\hwcfdsolvers\acusolve\win64\model_files\tutorials\AcuSolveから作業ディレクトリにコピーします。 twin_cylinder.x_t をAcuConsole_tutorial_inputs.zipから取り出します。

このチュートリアルでモデリングウィンドウに表示されるオブジェクトの色と、ユーザーの画面に表示されるオブジェクトの色は異なる場合があります。AcuConsoleのデフォルト配色は“ランダム”であり、作成されたグループに色がランダムに割り当てられます。また、このチュートリアルはWindows上で作成されました。このチュートリアルを異なるオペレーティングシステムで実行する場合は、画面に表示されるイメージとこのチュートリアルで表示されるイメージが多少異なる可能性があります。

問題の解析

CFDシミュレーションにおける重要なステップは、目前の工学的問題を調べ、AcuSolveに対して指定する必要のある重要なパラメータを決定することです。パラメータは、形状要素(入口、出口、壁など)に基づいて行うことができるとともに、流れの条件(流体プロパティ、速度、流れを乱流または層流のどちらでモデル化するのかなど)に基づいて行うことができます。

シミュレートするシステムには、直径がより大きい円筒リングで囲まれた、内部で加熱される円筒が含まれています。2つの円筒間の環状ボリュームは流体(空気)で満たされています。内側の円筒が熱源として機能し、この熱源の表面と接触している流体の温度が上昇します。この温かい流体は、冷たい流体よりも密度が低いため、浮力効果によって上側部分に移動し、一番上の冷たい流体を押しのけます。同時に、発熱サーフェスと接触していた流体が周囲の冷たい流体と入れ替わります。この冷たい流体の新しい膜は同じプロセスを経て最終的に定常対流に到達するか、内側の円筒が熱の発生を停止してシステム全体がゆっくり同じ温度に到達します。

シミュレートするシステムは、内側の円筒が温かい流体を通す管に似ており、この内側の管の熱を周囲の空気が奪う熱交換器に類似していると考えられます。同様に、空冷チャンバーで囲まれた高電流が流れる電線にも似ています。電流の抵抗によって電線の温度が上がると、電線表面の熱を奪うことによって電線の周囲の空気の温度が制御範囲内に抑えられます。

このチュートリアルで扱う問題の概略図を図 1に示します。内側の円筒は内部発熱を伴うソリッドボリュームで、外側の円筒は流体として空気が入っている流体ボリュームです。両方の円筒は無限に長いものとみなされ、システムは半対称性と周期性を使用してモデル化されます。円筒はz方向に無限なため、この方向に沿って周期性が適用されます。


図 1. 問題の概略図

理論の紹介

自然対流

対流は、物質の運動を通して熱エネルギーの移動が起きる熱伝達メカニズムです。対流の定義には物質の運動が含まれるため、対流には、通常流体状態が存在します。この種の熱伝達の多くは、温かいまたは冷たいサーフェスと流体の間で発生します。サーフェスと接触している流体の膜がサーフェスから熱を吸収したり、サーフェスに熱を伝達したりして、新しい膜に置換されます。この流体の運動は、ファンやポンプなどの外部ソースによって制御される場合もあれば、流体特性の内部変化が原因で発生する場合もあります。外部ソースが流体運動の原因ではない場合、作用している熱伝達メカニズムは自然対流と呼ばれます。自然対流における流体の運動の原動力は、熱伝達によって流体内で引き起こされる温度勾配による流体の密度変化です。

自然対流メカニズムは、前述の問題の説明と同様に機能します。サーフェスと接触している流体は、サーフェスから熱を吸収したり、サーフェスに熱を伝達したりして、周囲の流体よりも温かくなったり、冷たくなったりします。温度勾配によって引き起こされる密度差から生じる浮力によって、流体は上下に移動します。流体が移動してできた空隙を周囲の流体が満たし、同じプロセスが繰り返されます。これにより、温かい流体を対流セルの一番上に、冷たい流体を一番下に運ぶ対流が発生します。浮力効果は重力によって引き起こされるため、自然対流が起きるためには重力の存在が不可欠です。ただし、重力は流体運動の背後にある原動力ではないことに注意する必要があります。重力の存在は、温度勾配によって引き起こされる密度変化から生じる流体の移動を可能にするだけです。

自然対流の始まりは、レイリー数(Ra)と呼ばれる無次元数によって数学的に特定されます。レイリー数は次のように定義されます。

R a x =  gβ αν   ( T s T )  x 3

ここで:
  • x は代表長さ(m)
  • R a x はレイリー数 x
  • g は重力加速度(m/s2
  • T s はサーフェス温度(K)
  • T は静止温度(物体のサーフェスから遠く離れた流体の温度)(K)
  • ν は動粘性率(m2/s)
  • αは熱拡散率(m2/s)
  • βは熱膨張係数(絶対温度の理想気体の場合 1 / T )。

流体特性 ν 、α、およびβは膜温度、 T f 、以下のように定義されます:

T f = T s + T 2

レイリー数が流体の臨界値を下回っている場合、熱伝達は主に伝導の形態を取ります。この臨界値を上回っている場合、主な熱伝達メカニズムは対流になります。

ブシネスク密度モデル

ブシネスク密度モデルは、自然対流などの浮力流れに適用される近似法です。ブシネスク近似では、重力加速度 g 。この近似の基本は、温度変化が小さいために結果的に密度の変化も小さくなり、無視できるということです。ただし、 g で乗算した場合は、結果の項が無視できない力にまで増大します。ブシネスク近似は次のようになります。

ρ=  ρ 0  ( 1β ΔT )

ここで、
  • ρ は温度 T
  • ρ 0 は基準温度(における密度 T o (kg/m3)
  • Δ T は温度 T T o (K)

近似で説明したように、ブシネスク密度モデルは、密度変化が小さい場合にのみ適用されます。一般的な指針は、条件 ( β   Δ T 1 ) が真であることを確認することです。これにより、流体内部の想定温度差が大きくないケースにのみ使用するという制限が間接的にこのモデルに加えられます。

解析パラメータの定義

AcuConsoleの起動とシミュレーションデータベースの作成

このチュートリアルでは、まずデータベースの作成、形状に依存しない設定の入力、形状の読み込み、ボリュームグループとサーフェスグループの作成、グループパラメータの設定、グループへの形状コンポーネントの追加、およびグループへのメッシュコントロールと境界条件の割り当てを行います。次に、メッシュを生成して、AcuSolveを実行し、指定された時間ステップの数だけ解析します。最後に、AcuFieldViewを使用して結果の一部の特性を可視化します。

次の手順では、AcuConsoleを起動して、シミュレーション設定を保存するためのデータベースを作成します。

  1. Windows のスタートメニューからスタート > Altair <バージョン> > AcuConsoleをクリックして AcuConsoleを起動します。
  2. Fileメニューをクリックし、Newをクリックし、New data baseダイアログを開きます。
    注: ツールバーの をクリックしてNew data baseダイアログを開くこともできます。
  3. 作業ディレクトリとして使用する場所に移動します。
    このディレクトリには、そのシミュレーションに関するすべてのファイルが保存されます。AcuConsoleのデータベースファイル(.acs)はこのディレクトリに保存されます。メッシュと解が作成されたら、追加のファイルとディレクトリがこのディレクトリ内に作成されます。
  4. この場所に新しいディレクトリを作成します。名前をNatural_convectionに設定して、このディレクトリに移動します。
  5. データベースのファイル名としてNaturalConvectionと入力するか、好きな名前を入力します。
    注: AcuConsoleによって書き込まれたファイルを他のアプリケーションで読み取り可能にするためには、データベースのパスと名前にスペースが含まれないようにしてください。
  6. 保存をクリックしてデータベースを作成します。

一般的なシミュレーションパラメータの設定

次の手順では、シミュレーション全体に適用されるパラメータを設定します。単純にするため、Data Tree Manager内のBASフィルタを使用して、任意のシミュレーションに適用できる基本的な設定をフィルタできます。このフィルタにより、データツリー内の使用可能な項目の小さなサブセットのみを表示できるようになり、エントリの移動が容易になります。

  1. Data Tree ManagerBASをクリックして、Data Tree内の基本ビューに切り替えます。


    図 2.
  2. GlobalData Tree項目をダブルクリックして拡張表示します。
    ヒント: 項目名の横にある をクリックしてツリー項目を拡張表示することもできます。


    図 3.
  3. Problem DescriptionをダブルクリックしてProblem Description詳細パネルを開きます。
    ヒント: ツリー項目を右クリックしてコンテキストメニューからOpenをクリックすることでも、パネルを開くことができます。
  4. TitleとしてAcuSolve Tutorialと入力します。
  5. Sub titleとしてNatural Convectionと入力します。
  6. Analysis typeをSteady Stateに変更します。
  7. Temperature equationをAdvective Diffusiveに変更します。


    図 4.

解法パラメータの設定

次の手順では、解析の進行時にAcuSolveの挙動を制御するパラメータを設定します。

  1. Data TreeAuto Solution StrategyをダブルクリックしてAuto Solution Strategy詳細パネルを開きます。
  2. Analysis typeがSteady Stateに設定されていることを確認します。
  3. Max time stepsを100に設定します。
  4. Convergence toleranceを0.0001に変更します。
  5. Relaxation factorに0.25と入力します。
  6. FlowとTemperatureがOnに設定されていることを確認します。
  7. Temperature flowをOnに変更します。
    Temperature flowフラグをOnに変更すると、熱-流れ問題を完全連成モードで解くようにソルバーに指示されます。そうでない場合は、この問題がスタガード方式で解かれます。完全連成モードでは、流体方程式と温度方程式が同時に解かれるのに対して、スタガードアプローチでは、通常、流体方程式が一定温度を考慮して解かれてから、次のステップとして温度方程式が解かれます。


    図 5.

材料モデルパラメータの設定

AcuConsoleには、Air、Aluminum、Waterという、標準のパラメータが定義されている3つの事前定義済み材料が用意されています。次の手順では、事前定義されたAirモデルの材料特性が、この問題において目的のプロパティと一致することを確認し、必要に応じて変更します。これは自然対流問題であるため、空気の密度タイプはブシネスク近似を使用するように設定されます。その後で、新しいカスタム材料を作成し、関連する材料特性を割り当てます。
  1. Data TreeMaterial Modelをダブルクリックして拡張表示します。


    図 6.
  2. Data TreeAirをダブルクリックしてAir詳細パネルを開きます。

    空気の材料タイプはFluidです。AcuConsoleで作成されるすべての新しい材料に対して、Fluidがデフォルトの材料タイプとなります。

  3. Densityタブをクリックします。density typeをBoussinesqに変更します。


    図 7.
  4. Viscosityタブをクリックします。空気の粘性は1.781 x 10-5kg/m – secです。
  5. Specific Heatタブをクリックして、Specific heatの値が1005.0J/kg-Kになっていることを確認します。
  6. 同様に、Conductivityタブをチェックして、値が次のようになっていることを確認します。
    1. Conductivity:0.02521 W/m-K
    2. Turbulent Prandtl number:0.91
  7. データベースを保存して設定のバックアップを作成します。これは、次のいずれかの方法で実行できます。
    • Fileメニューをクリックして、Saveをクリックします。
    • ツールバーの をクリックします。
    • Ctrlキーを押しながらSを押します。
    注: AcuConsoleで加えられた変更は、直ちにデータベースファイル(.acs)に保存されます。保存操作を実行すると、データベースがバックアップファイルにコピーされます。今後の変更内容を利用することを希望しない場合は、このバックアップファイルを使用して、その保存済み状態からデータベースを再読み込みすることができます。
  8. Data TreeMaterial Modelを右クリックし、表示されたコンテキストメニューからNewを選択します。
    新しいエントリMaterial Model 1がData TreeのMaterial Model分岐の下に作成されます。
  9. Material Model 1を右クリックし、コンテキストメニューでRenameを選択します。
  10. 名前としてStainless Steelと入力し、Enterキーを押します。
  11. Data TreeStainless SteelをダブルクリックしてStainless Steel詳細パネルを開きます。
    Material typeがFluidとしてリストされます。AcuConsoleで作成されるすべての新しい材料に対して、これがデフォルトタイプになります。
  12. Stainless SteelのMaterial typeをSolidに変更します。
  13. 詳細パネルの各タブを移動しながら、Stainless Steelの材料特性を次のように設定します。
    1. Density:8000kg/m3
    2. Specific Heat:500.0J/kg-K
    3. Conductivity:16.2W/m-K

形状のインポートとモデルの定義

形状のインポート

このチュートリアルの次のパートでは、形状をインポートします。この手順を完了するには、 twin_cylinder.x_t の場所がわかっている必要があります。このファイルには、ParasolidASCII形式で形状に関する情報が含まれています。
  1. File > Importをクリックします。
  2. twin_cylinder.x_tを含むディレクトリを参照します。
  3. ファイル名のフィルタをParasolid File (*.x_t *.xmt *X_T …)に変更します。
  4. twin_cylinder.x_tを選択し、OpenをクリックしてImport Geometryダイアログを開きます。


    図 8.

    このチュートリアルでは、Import Geometryダイアログのデフォルト値を使用して形状を読み込みます。AcuConsoleを使用していた場合は、自身が変更した可能性のある設定を手動で変更して、図に示すデフォルト値と一致させてください。デフォルト設定を使用した場合は、CADモデルのボリュームはデフォルトのボリュームグループに追加されます。CADモデルのサーフェスはデフォルトのサーフェスグループに追加されます。このチュートリアルでは後ほどグループを操作して、新しいグループの作成、流れパラメータの設定、形状コンポーネントの追加、およびメッシングパラメータの設定を行います。

  5. OKをクリックして形状のインポートを完了します。
  6. 表示を回転してモデル全体を確認します。


    図 9.

Body Forceの設定

Body Forceコマンドは、体積力の項を支配型保存方程式に追加します。このチュートリアルでは、2種類の物体力を使用します。

1つ目の物体力は、流体の慣性によって流体にかかる重力です。問題の解析で説明されているように、重力はシミュレーションの重要な側面です。実際、AcuSolveでブシネスク近似を使用して解いた熱問題では、密度は一定のままですが、重力は、膨張率と温度から基準温度を引いたものの積によってスケーリングされます。この温度が異なる流体領域での重力の変化が対流を引き起こします。このチュートリアルでは、重力は、負のY軸(モデルの下方向)に沿った標準重力(g = 9.81m/s2)に等しいものとして定義されます。

このモデルで使用される2つ目の物体力は、単位体積あたりの熱エネルギー源項を指定する体積熱源です。これは、モデル内で熱を生成する内側の内筒をシミュレートするために使用されます。

  1. Data TreeBody Forceをダブルクリックして拡張表示します。
  2. Gravityをダブルクリックして、Gravity詳細パネルを開きます。

    重力の媒体は流体です。これは、ここで定義された重力は、材料タイプが流体の材料モデルにしか適用できないことを意味します。

  3. Open Arrayをクリックします。
  4. Array Editorダイアログで、以下を入力します。
    • X-component:0.0
    • Y-component:-9.81 m/s2
    • Z-component:0.0
  5. OKをクリックして、重力の定義を完了します。
    注: ここでの重力の定義は、モデル内のボリュームセットに割り当てられない限り、シミュレーションには影響しません。
  6. Data TreeBody Forceを右クリックし、表示されたコンテキストメニューでNewを選択することにより、新しい物体力を作成します。
    新しいエントリBody Force 1がBody Force分岐の下に作成されます。
  7. Body Force 1を右クリックして、コンテキストメニューでRenameを選択し、エンティティ名としてHeat Sourceと入力します。
  8. Heat Sourceをダブルクリックして詳細パネルで開きます。
  9. MediumをSolidに変更します。
  10. 1つ目のTypeオプションの横にあるドロップダウンセレクターをクリックして、Per unit volumeを選択します。
    これにより、熱源のタイプが体積熱源に設定されます。
  11. 2つ目のTypeオプションの横にあるドロップダウンセレクターをクリックして、Constantを選択します。
  12. Volumetric heat sourceの値を20000.0W/m3 に設定します。


    図 10.

ボリュームパラメータの適用

ボリュームグループは、ボリューム領域に関する情報を保存するためのコンテナです。この情報には、ボリュームに適用される解析およびメッシングパラメータや、それらの設定が適用される形状領域が含まれます。

形状がAcuConsoleにインポートされたときに、すべてのボリュームは“デフォルトの”ボリュームコンテナに配置されました。

次の手順では、モデル内のボリュームごとにボリュームグループを作成し、ボリュームをそれぞれのボリュームグループに割り当て、デフォルトボリュームグループコンテナの名前を変更し、ボリュームグループごとに材料とその他の特性を設定します。

  1. ModelData Tree項目を拡張表示します。
  2. 内側のソリッド円筒の新しいボリュームグループを作成します。
    1. Volumesを右クリックします。
    2. Newをクリックします。
  3. 新しいボリュームグループの名前をsolidに変更します。
  4. このグループに形状内のソリッドコンポーネントを追加します。
    1. Data TreeでVolumesの下のsolidを右クリックします。
    2. Add toをクリックします。
    3. Visualization Areaで形状の発熱要素部分をクリックします。次の図を参照して正しい部分を特定してください。


      図 11.
      形状の正しい部分を選択するために表示を操作する必要がある場合は、Add toダイアログの指示に従います。
    4. Doneをクリックして、選択したボリュームをsolidボリュームグループに追加します。
  5. solidボリューム要素セットを設定します。
    このボリュームの材料モデルがStainless Steelに設定されます。これは、このチュートリアルでこのソリッドボリューム専用にすでに作成したカスタム材料モデルです。また、ソリッドボリュームを熱源として設定します。
    1. ツリー内でsolidボリュームグループを拡張表示します。
    2. Element SetをダブルクリックしてElement Set詳細パネルを開きます。
    3. MediumをSolidに変更します。
    4. Material modelをStainless Steelに変更します。
    5. Body forceをHeat Sourceに変更します。
  6. Data Treeで、defaultを右クリックして、その名前をfluidに変更します。
  7. Fluidボリューム要素セットを設定します。
    1. ツリー内でfluidボリュームグループを拡張表示します。
    2. fluidの下でElement Setをダブルクリックして、それを詳細パネルで開きます。
    3. ボリュームMediumがFluidに設定されていることを確認します。そうでない場合は、Fluidに変更します。
    4. Material modelをAirに変更します。
    5. Body forceをGravityに変更します。

サーフェスグループの作成とサーフェスパラメータの適用

サーフェスグループは、サーフェスに関する情報を保存するためのコンテナです。この情報には、解析およびメッシングパラメータや、パラメータが適用される形状内の対応するサーフェスが含まれます。

次の手順では、サーフェスグループを定義して、問題のさまざまな特性に適切な設定を割り当て、これらのグループコンテナにサーフェスを追加します。

シミュレーションの設定プロセスでは、(特に、サーフェスが非常に多いモデルの場合)複雑になりがちな境界条件やメッシュパラメータなどを設定するため、別のパネルに移動する必要があります。これを簡単にして、エラーを減らし、時間を節約するために、AcuConsoleでは2つの新しいダイアログが追加されています。Volume ManagerSurface Managerは、一度にすべてのサーフェスまたはボリュームエンティティに関する情報を確認したり、指定するために使用します。ここでは、Surface Managerのいくつかの機能を利用します。

  1. Volumesを右クリックしてDisplay offを選択することにより、ボリュームの表示をオフにします。
  2. Data TreeSurfacesを右クリックして、Surface Managerを選択します。
  3. Surface Managerダイアログで、Newを6回クリックし、6つの新しいサーフェスグループを作成します。


    図 12.

    Simple BC Active列とSimple BC Type列が表示されていない場合は、Columnsをクリックして、リストからこの2つの列を選択し、Okをクリックします。



    図 13.
  4. デフォルトサーフェスを除くすべてのサーフェスの表示をオフにします。
  5. デフォルトのサーフェスの名前をinner_wallに変更します。
  6. 下の図に従って、Surface 1~6の名前を変更します。
  7. 図 14のように、Simple BC Active列とSimple BC Type列を設定します。


    図 14.
  8. 周期的サーフェスをそれぞれのサーフェスグループに割り当てます。
    前述したように、円筒はz方向に無限に広がっているとみなされます。そのため、周期性がこの方向に適用されます。
    1. Surface Managerのsolid_pos_z行で、Add toをクリックします。
    2. 図 15に示すように、対称面サーフェスを選択して、Doneをクリックします。
    3. 手順に従って、z方向に広がるすべてのサーフェスをそれぞれのサーフェスコレクターに割り当てます。


      図 15.
  9. 形状の外側の壁をouter_wallサーフェスグループに割り当てます。図 16を参考にして必要なサーフェスを選択します。


    図 16.
  10. symmetry_planeのサーフェスを割り当てます。


    図 17.

形状がAcuConsoleに読み込まれたときに、すべての形状サーフェスはデフォルトサーフェスグループコンテナに配置されました。このデフォルトサーフェスグループの名前はinner_wallsに変更されました。前の手順では、いくつかのサーフェスを自分で作成した他のさまざまなサーフェスグループに割り当てました。この時点で、inner_wallsサーフェスグループに残っているのは、内側の円筒と流体ボリューム間の接触境界を構成するサーフェスのみです。

  1. Surface Managerを閉じます。

サーフェスパラメータの割り当て

このシミュレーションのモデル化は、半対称性を使用して行われました。モデルは、システム(完全な円筒形状)の部分表現でしかありません。そのため、symmetry_planeとして選択したサーフェスをその影響をシミュレートするための対称境界条件を使用して設定する必要があります。

この変更は、最後の項でSurface Managerを使用して実行されました。したがって、以下の手順はオプションです。

  1. symmetry_planeを更新します。
    1. ツリー内でsymmetry_planeサーフェスを拡張表示します。
    2. symmetry_planeの下にあるSimple Boundary Conditionをダブルクリックして、Simple Boundary Condition詳細パネルを開きます。
    3. TypeがSymmetryに設定されていることを確認します。
  2. outer_wallを更新します。
    1. ツリー内でouter_wallサーフェスグループを拡張表示します。
    2. outer_wallの下にあるSimple Boundary Conditionをダブルクリックして、Simple Boundary Condition詳細パネルを開きます。
    3. TypeがWallに設定されていることを確認します。
    4. Wall velocity typeがMatch Mesh Velocityに設定されていることを確認します。
    5. Temperature BC typeをFluxからValueに変更します。
    6. Temperatureを25°Cに設定します。
      温度入力のデフォルト単位はKです。温度の単位は、入力欄の右側にあるunitボタンをクリックして表示されたメニューから℃を選択することにより変更できます。


      図 18.
  3. inner_wallを更新します。
    内側の壁は、内側の円筒ボリュームの境界サーフェスを形成し、その内部の流体ボリュームを取り囲んでいます。内側の円筒はソリッド媒体のため、その接触境界は壁になります。
    1. ツリー内でinner_wallサーフェスグループを拡張表示します。
    2. inner_wallの下にあるSimple Boundary Conditionをダブルクリックして、Simple Boundary Condition詳細パネルを開きます。
    3. TypeがWallに設定されていることを確認します。
    4. Wall velocity typeがMatch Mesh Velocityに設定されていることを確認します。
  4. 周期的サーフェスsolid_pos_z、solid_neg_z、fluid_pos_z、およびfluid_neg_zを更新します。
    物理的に、シミュレーション領域はz方向に無限に広がっているとみなされます。ただし、断面の小さい部分だけがモデル化され、解は一貫してz方向に沿っているとみなされます。つまり、これらの周期的サーフェスは物理境界ではありませんが、これらのサーフェスの解は周期的に等しくなります。これは、AcuConsoleで周期的境界条件により実現され、周期的境界条件によって制約される2つのサーフェス上の対応する節点のペアがリンクされます。

    周期性はメッシュ生成に進む前に定義することができます。このワークフローを使用すれば、メッシュの生成時に、AcuSolve用のメッシュ生成エンジンであるAcuMeshSimが定義された周期性制約を読み取り、指定されたサーフェスペア上の周期的メッシュを保証します。

    1. Model Data Tree項目を拡張表示して、Periodicsを右クリックします。
    2. コンテキストメニューからNewを選択し、新しいエンティティPeriodic 1を作成します。
    3. 上記手順を繰り返して、2つ目のエンティティPeriodic 2を作成します。
    4. 2つの新しいエンティティの名前をperiodicity_fluidperiodicity_solidに変更します。
    5. periodicity_fluidを右クリックし、コンテキストメニューからDefineを選択します。
    6. Periodic BCダイアログで、次の設定を行います。
      • ドロップダウン矢印を使用して、Side 1とSide 2のサーフェスとしてそれぞれfluid_neg_zfluid_pos_zを選択します。
      • TypeがTranslationalに設定されていることを確認します。
      • X、Y、およびZ-offsetをそれぞれ0.00.00.01に設定します。
      下の図を参考にして周期的BCを設定します。


      図 19.
    7. OKをクリックし、ダイアログを閉じます。
    8. 同じ図を参考にして、次の点のみ変更し、エンティティperiodicity_solidの周期的BCを同様に定義します。
      • Side 1とSide 2のドロップダウン矢印を使用して、それぞれ、solid_neg_zsolid_pos_zを選択します。

時刻歴出力ポイントの作成

Time History Outputコマンドを使用すれば、領域内の任意の点の節点解を抽出することができます。

  1. ツリーでOutputをダブルクリックしてから、Time History Outputを右クリックし、Newを選択します。
    新しいエントリTime History Output 1がData TreeのTime History Output分岐の下に作成されます。
  2. Time History Output 1を右クリックしてRenameを選択し、エンティティ名としてMonitor pointsと入力します。
  3. Monitor pointsをダブルクリックして詳細パネルを開きます。詳細パネルで、
    1. TypeをCoordinatesに変更します。
    2. Open Arrayをクリックします。
    3. Array Editorで、Add Rowをクリックして新しい行を追加します。
    4. 次のように値を入力します。


      図 20.
  4. OKをクリックします。
  5. Time step frequencyを1に設定します。
    これにより、時間ステップごとに定義された時刻歴ポイントの結果が保存されます。
  6. データベースを保存します。

初期状態の設定

  1. Data TreeNodal Initial Conditionをダブルクリックして詳細パネルを開きます。
  2. Temperatureを80° Cに設定します。
    1. 温度入力のデフォルト単位はKです。温度の単位は、入力欄の右側にあるunitをクリックして表示されたメニューからを選択することにより変更できます。
    2. または、temperature欄に353.15Kと入力します。


    図 21.

メッシュコントロールの割り当て

グローバルメッシュパラメータの設定

問題全体に対して流体特性を設定したので、十分に細分化されたメッシュを生成する必要があります。

グローバルメッシュ属性は、特定の形状ボリューム、サーフェス、エッジ、およびポイントに参照されるのではなく、モデル全体に適用されるメッシングパラメータです。モデルの特定の形状コンポーネントのメッシュ生成コントロールを作成するには、ローカルメッシュ属性を使用します。

次の手順では、グローバルメッシュ属性を設定します。

  1. データツリーマネージャーMSHをクリックして、Data Tree内の設定をフィルタ処理して、メッシングに関するコントロールのみを表示します。
  2. GlobalData Tree項目をダブルクリックして拡張表示します。
  3. Global Mesh AttributesをダブルクリックしてGlobal Mesh Attributes詳細パネルを開きます。
  4. Mesh size typeをAbsoluteに変更します。
  5. Absolute mesh sizeに0.005mと入力します。


    図 22.

サーフェスメッシュパラメータの設定

サーフェスメッシュ属性は、モデル内の特定のサーフェスに適用されます。これは、1つまたは複数の特定のサーフェスのためのメッシュコントロールの作成に使用される、ローカルメッシングパラメータの一種です。

サーフェスメッシュ属性などのローカルメッシュ属性は必ずしも設定する必要ありません。あるコンポーネント用のローカルメッシュ属性が見つからなかった場合は、グローバル属性がそのコンポーネントのメッシュ生成コントロールとして使用されます。ローカルメッシュ属性が存在する場合は、グローバル設定より優先されます。

次の手順では、サーフェスメッシング属性を設定します。

  1. Solverブラウザに移動して01.Globalを拡張表示し、PROBLEM_DESCRIPTIONをクリックします。
  2. ModelData Tree項目を拡張表示します。
  3. Model分岐の下で、Surfacesを拡張表示します。Surfacesの下で、inner_wallサーフェスグループを拡張表示します。
  4. 必要に応じて、Surface Mesh Attributesの横にあるボックスをオンにしてこれをアクティブにします。これをダブルクリックして、Surface Mesh Attributes詳細パネルを開きます。
    この詳細パネルには、ローカルサーフェスメッシング制御に関係するオプションが入力されています。
  5. Mesh size typeがAbsoluteに設定されていることを確認します。
  6. Absolute mesh sizeに0.002mと入力します。
  7. Boundary layer flagをOnに切り替えます。
    境界層メッシングに関係するメッシュコントロールが表示されます。
  8. Boundary layer typeがFull Controlに設定されていることを確認します。
  9. ResolveをTotal Layer Heightに設定します。
    これにより、指定した他の設定に基づいて合計層高さが設定されます。
  10. 残りの設定を次のように設定します:
    オプション 説明
    First element height 0.0001
    Growth rate 1.2
    Number of layers 8
    Boundary layer elements type Tetrahedron


    図 23.

outer_wallサーフェスに対して上記手順を繰り返す代わりに、inner_wallサーフェスグループのメッシュ属性設定をouter_wallサーフェスグループに伝播させることもできます。

  1. inner_wallサーフェスの下で、Surface Mesh Attributesを右クリックして、Propagateを選択します。


    図 24.
  2. Propagateダイアログで、サーフェスouter_wallを選択し、Propagateをクリックします。


    図 25.

メッシュ押し出しの定義

このシミュレーションは、実際に両側がz方向に無限に広がるモデルの2D表現と等価です。AcuSolveでは、断面のフェイス全体で1つの要素を構成するだけで2Dモデルがシミュレートされます。つまり、これらのフェイスを同様の境界条件を使用して設定すると、フェイス全体の対応する節点で同じ結果が得られます。この問題では、これらのフェイスは負および正のzサーフェスです。この種のメッシュは、AcuSolveのメッシュ押し出しプロセスで実現されます。次の手順では、これらのサーフェス間のメッシュの押し出しプロセスを定義します。

  1. ModelData Tree項目を拡張表示します。
  2. Mesh Extrusionsを右クリックして、コンテキストメニューからNewを選択し、新しいエンティティMesh Extrusion 1を作成します。
  3. 上記手順を繰り返して、2つ目のエンティティのMesh Extrusion 2を作成します。
  4. 2つのエンティティの名前をextrusion_fluidextrusion_solidに変更します。
  5. extrusion_fluidを右クリックして、コンテキストメニューからDefineを選択します。
  6. Mesh Extrusionダイアログで、次の設定を行います。
    1. Geometry typeがsurfaceに設定されていることを確認します。
    2. ドロップダウン矢印を使用して、Side 1とSide 2のサーフェスとしてそれぞれfluid_neg_z fluid_pos_zを選択します。
    3. Extrusion typeがNumber of layersに設定されていることを確認します。
    4. Number of layersを1に設定します。
    5. Extrusion optionsをAll tetsに設定します。
    下の図を参考にしてextrusion_fluidのメッシュ押し出しを設定します。


    図 26.
  7. OKをクリックし、ダイアログを閉じます。
  8. 同じ図を参考にして、次の点のみ変更し、エンティティextrusion_solidのメッシュ押し出しを同様に定義します。
    1. ドロップダウン矢印を使用して、Side 1とSide 2のサーフェスとしてそれぞれsolid_neg_zsolid_pos_zを選択します。

メッシュの生成

次の手順では、問題の解を計算する際に使用されるメッシュを生成します。

  1. ツールバーの をクリックしてLaunch AcuMeshSimダイアログを開きます。
    このケースでは、デフォルトの設定を使用します。


    図 27.
  2. Okをクリックしてメッシングを開始します。

    メッシング時に、AcuTailウィンドウが開きます。メッシングの進行状況はこのウィンドウで報告されます。メッシングプロセスのサマリーで、メッシュが生成されたことが示されます。



    図 28.
    注: 節点と要素の実際の数およびメモリ使用量は、マシンによって少し異なる場合があります。
  3. モデリングウィンドウにメッシュを表示します。サーフェスの表示をオンにして、display typeをsolid and wireに設定します。
  4. さまざまなメッシュ領域を解析するには、モデル内で回転やズームを行います。

基準圧力の割り当て

このケースには、領域内の圧力レベルを設定する境界条件を定義する入口または出口のサーフェスがありません。解をよりロバストにするには、節点境界条件を使用して圧力基準点を設定します。次の手順は、CFD領域内の基準圧力を設定する方法を示します。

  1. Data Tree ManagerBASをクリックして、Data Tree内の基本ビューに切り替えます。
  2. ModelData Tree項目を拡張表示します。
  3. Nodesを右クリックし、Newを選択してNode 1という新しいエンティティを作成します。
  4. 名前をNode 1からFixed Pressure Nodeに変更します。
  5. Fixed Pressure Nodeを右クリックして、Defineを選択します。
  6. Node Define Dialog Boxで、Selection TypeをPressure Pointに、Volumesをfluidに設定します。


    図 29.
  7. OKをクリックします。
  8. Fixed Pressure Nodeを拡張表示してPressureを有効にします。
    これで、この単一の節点がシミュレーションの圧力基準点として機能します。Typeのデフォルト値であるZeroを使用すると、このセット内の節点が圧力 = 0.0に設定されます。


    図 30.
  9. 基準圧力節点の位置を調べて、この節点が領域内にあることを確認します。
    1. Fixed Pressure Nodeを右クリックして、Display onを選択します。
    2. Surfacesを右クリックして、Display typeをoutlineに設定します。
    3. Periodicsを右クリックして、Display offを選択します。
    次の図に示すように、固定圧力節点が1つの点として表示されるはずです。


    図 31.

解の計算と結果の確認

AcuSolveの実行

次の手順では、AcuSolveを起動してこのケースの解を計算します。

  1. ツールバーでをクリックしてLaunch AcuSolveダイアログを開きます。
  2. Okをクリックして解析プロセスを開始します。

    計算中、AcuTailウィンドウが開きます。解析の進行状況はこのウィンドウで報告されます。解析プロセスのサマリーで、実行が完了したことが示されます。

    このサマリーで提供される情報は、AcuSolveで使用されるプロセッサの数に基づいています。このチュートリアル内で示されている数と異なる数のプロセッサを使用した場合は、示されているサマリーと実行時のサマリーが少し異なる場合があります。



    図 32.
  3. AcuTailウィンドウを閉じ、データベースを保存して設定のバックアップを作成します。

AcuProbeでのポスト処理

AcuProbeを使用して、解析時間におけるさまざまな変数をモニターできます。

注: この解析は、AcuSolve
4つのプロセッサーで実行します。
  1. ツールバーの アイコンをクリックして、AcuProbeを開きます。
  2. 左側のData Treeで、Residual Ratioを拡張表示します。Final を右クリックし、Plot Allを選択します。
    これにより、3つの変数(圧力、温度、および速度)のレジデュアルがプロット領域にプロットされます。
    注: プロットを正しく表示するために、ツールバーで をクリックする必要がある場合があります。


    図 33.
  3. Residual Ratioの下でFinalを右クリックして、Plot Noneを選択します。
  4. Time History > Monitor Pointsを拡張表示します。
  5. node 1node 2を拡張表示します。
  6. 1節点ずつ、temperature を右クリックしてPlotを選択します。
    注: プロットを正しく表示するために、ツールバーで をクリックする必要がある場合があります。


    図 34.

    node 1はモデルの下半分に、node 2は上半分に配置されます。上のプロット内の温度分布は、安定状態で、円筒環帯の上半分が暖かい空気で占められ、下半分が冷たい空気で占められていることを示しています。

  7. メニューでsurfsコレクターをクリックし、allを選択します。
  8. 変数の時系列データをテキストファイルとしてエクスポートして、さらにポスト処理することもできます。
    1. エクスポートする変数を右クリックして、Exportをクリックします。
    2. File nameを入力して、Save as typeに.txtを選択します。
    3. Saveをクリックします。

AcuFieldViewでの結果の表示

本チュートリアルは、AcuFieldViewのインターフェースと基本的な操作に慣れていることが前提となっています。本チュートリアルは、一般に次の基本事項の理解に役立ちます:
  • Fileメニューでデータリーダーを検索し、データ入力のための目的のリーダーパネルを開く方法。
  • ツールバーまたはメインメニューのVisualizationパネルから表示パネルを検索し、AcuFieldViewでサーフェスを作成および変更する方法。
  • マウスアクションを使用してモデリングウィンドウでデータを動かし、データの移動、回転、およびズームを行う方法。
このチュートリアルでは、定常状態解析データの操作方法を示します。

AcuFieldViewの起動

  1. AcuConsoleツールバーで をクリックしてLaunch AcuFieldViewダイアログを開きます。
  2. OkをクリックしてAcuFieldViewを起動します。
    温度コンターがメッシュを含むすべての境界サーフェス上に表示されていることが確認できます。


    図 35.

AcuFieldViewにおけるモデルビューの操作

  1. Boundary Surfaceダイアログを閉じます。
  2. Viewer Optionsをクリックします。


    図 36.
  3. Perspectiveチェックボックスのチェックをはずし、パースペクティブビューをオフにします。
  4. Axis Markersボタンをクリックして、軸マーカーを無効にします。


    図 37.
  5. Viewer Optionsダイアログを閉じます。
  6. ツールバーでColormap Specificationアイコン をクリックします。
  7. Scalar Colormap SpecificationダイアログでBackgroundクリックして、表示されたカラーパレットから白を選択します。


    図 38.
  8. 両方のダイアログを閉じます。
  9. ツールバーでToggle Outlineアイコン をクリックして、輪郭表示をオフにします。
    AcuFieldView画面は次のようになります。


    図 39.

メッシュ付きの外側サーフェスの温度を示す境界サーフェスの作成

  1. 下の図に示すように、対称面と周期的サーフェスが見えるよう、形状の方向を設定します。
  2. をクリックしてBoundary Surfaceダイアログを開きます。
  3. LegendタブShow Legendチェックボックスを有効にします。
  4. カラーパレットで、ラベルの色を黒に変更します。
  5. 必要に応じてラベルの数を変更し、より多くのラベルを表示できるようにします。
  6. Annotation titleの色を黒に変更します。
    注: Shiftキーを押しながら左クリックして凡例を移動したり、Shiftキーを押しながら右クリックして凡例のサイズを変更することができます。


    図 40.

中央座標サーフェス上に温度を示すサーフェスの調整

  1. Boundary SurfaceダイアログボックスのSurfaceタブでVisibilityをクリックし、これをオフにします。
  2. Createをクリックして、新しい境界サーフェスセットを作成します。
  3. Visibilityをクリックしてこれをオンにします。
  4. Display TypeをOutlinesに設定します。
  5. Boundary Typesの下で、Select Allをクリックし、Okをクリックします。
  6. をクリックしてCoordinate Surfaceダイアログを開きます。
  7. Createをクリックして、新しい座標サーフェスを作成します。
  8. 面をZに設定します。
    作成される座標サーフェスは、モデル内の2つの周期的サーフェスの間の中央平面です。
  9. ColoringをScalarに変更します。
  10. Display TypeをSmoothに設定します。
  11. Scalar Functionリストで、表示するスカラー関数としてTemperatureを選択します。
  12. Colormapタブで、Scalar Coloringをlocalに変更します。
  13. Legendタブで、Show Legendチェックボックスをオンにして、座標平面上に温度値を表示します。
  14. Defined Viewsで、表示方向を+Zとして選択します。


    図 41.

中央座標サーフェス上に速度ベクトルを示すサーフェスの調整

  1. Coordinate SurfaceダイアログボックスのSurfaceタブで、Createをクリックして新しい座標サーフェスセットを作成します。
  2. Display TypeをVectorsに設定します。
  3. ColoringをScalarに変更します。
  4. Scalar Functionリストで、表示するスカラー関数としてVelocity Magnitudeを選択します。
  5. Vectorsの横で、Optionsをクリックします。
  6. Head Scalingをアクティブにして、1に設定します。
  7. Length Scaleを4に設定します。
  8. Skipオプションをアクティブにして、その値を50%に設定します。


    図 42.

要約

このAcuSolveチュートリアル、では、自然対流問題を正しく設定し、解析しました。この問題では、空気で満たされた円筒ボリュームの中心に配置された別の温かい円筒をシミュレートしました。空気は、自然対流を伴う流れなど、浮力流れに使用されるブシネスク密度近似モデルを使用されてモデル化されます。温かい内側の円筒のサーフェス周辺の空気の層が温められると、環状ボリューム内に対流が発生します。

チュートリアルは、AcuConsoleでデータベースを作成し、形状をインポートしてメッシュ処理し、基本的なシミュレーションパラメータを設定することから始めました。温かい内側の円筒は、熱源としても機能するソリッドボリュームによって表されました。ケースが設定されると、AcuSolveを使用して解が生成されました。

結果は、モデルの断面上の温度プロファイルと速度ベクトルプロファイルを生成したAcuFieldViewで、ポスト処理されました。

このチュートリアルで紹介した新機能は、AcuConsoleでの新しいカスタム材料の作成と指定、ブシネスク密度モデルを使用した熱源としてのボリュームグループの指定、および周期的境界条件の設定です。