変動性(確率統計)スタディ

きしみ・がたつきの問題において、パラメータのばらつきの影響を調査します。

パートの製造には、材料のトレランスや品質のばらつきが関連することがよくあります。さらにアセンブリプロセスでは、寸法や剛性結合のばらつきが加わり、各構築の最後には唯一無二の製品が生成されます。この2つの主なプロセスは、最終製品の品質およびパフォーマンスに寄与します。

きしみ・がたつきは、構築されるパートの品質に密接に関連する現象であることから、生産した製品集団の中で性能が製品ごとに異なる結果になる可能性があります。

製造の変動性スタディワークフローでは、製造問題のリスクおよび影響を分析するための変動性スタディをセットアップするステップを示します。以下に、製造の変動性スタディを図示します。
注: SnRDでは、動的または静的荷重ケースを含む、実行可能なソルバーモデルが必要です。HyperStudyは、ベースランの結果を連続実行結果と比較するという原則に基づいて動作するため、このようなソルバーモデルが必要となります。
以下に、このユースケースで取り上げられるワークフローを図示します:
図 1.
目的
  • きしみ・がたつきの問題を解析するためのFEモデルを準備する。
  • 以下についての変動性スタディをセットアップする。
    • 材料パラメータ
    • 剛性の割り当て
    • 板厚
    • Damping
  • 解析の実行と結果のポスト処理を行う。
開始ポイント

ニーズに応じてワークフローを選択し、手順については上記のセクションをご参照ください。

必要なファイル

このユースケースの実行に必要なファイル。

詳細なリスクおよび根本原因分析ユースケースからエクスポートしたソルバーデックを使用します。
動的荷重ケースソルバーデックをインポートしたら、変動性(確率統計)スタディのセットアップを進めることができます。

Step 5:変動性スタディのセットアップとエクスポート

さまざまなパラメータの変動性スタディセットアップを定義し、ソルバーデックをエクスポートします。

変動性スタディのセットアップ

以下に、変動性スタディをセットアップするステップを示します。

  1. セットアップグループから、 Variability Study を選択します。
    図 2.
    ガイドバーが表示されます。

材料パラメータスタディ - ヤング率

モデル内のすべての材料の変動性スタディをセットアップします。

  1. グラフィックス領域のウィンドウ選択を使用するか、ガイドバーのをクリックし、アドバンスト選択オプションを開きます。リストからすべての材料を選択します。
    これにより、モデル内の5つの材料が選択されます。マイクロダイアログが表示されます。
    図 3.
  2. リストからEを選択し、およびの値欄に20と入力します。
    これにより、スタディのパラメータのばらつきのパーセンテージが定義されます。をクリックしてマイクロダイアログを拡張します。希望のスタディ名を定義することも、デフォルトの名前のままにすることもできます。
    図 4.
  3. をクリックします。
    これにより、材料のヤング率(E)の変動性スタディが作成されます。

材料パラメータスタディ - 密度

  1. グラフィックス領域のウィンドウ選択を使用するか、ガイドバーのをクリックし、アドバンスト選択オプションを開きます。リストからすべての材料を選択します。
    これにより、モデル内の5つの材料が選択されます。マイクロダイアログが表示されます。
  2. リストからRHOを選択し、およびの値欄に20と入力します。
    これにより、スタディのパラメータのばらつきのパーセンテージが定義されます。
  3. をクリックします。
    これにより、材料密度(Rho)の変動性スタディが作成されます。

剛性の割り当てスタディ

  1. ガイドバーからAttachment Stiffnessを選択します。
  2. ガイドバーのをクリックしてアドバンスト選択オプションを開きます。
  3. Advanced Selectionウィンドウから次のプロパティを選択します。
    • ControlPanel_IPSub_Snaps
    • GloveBox_RubberBumper
    • ClusterBezel_IPSub_Clips
    • DriveSidePanel_IPSub_Snaps
  4. マイクロダイアログで、K1K2、およびK3の剛性を選択します。
  5. をクリックします。
    これにより、剛性の割り当ての変動性スタディが作成されます。

材料の板厚スタディ

  1. ガイドバーからThicknessを選択します。グラフィックス領域から次のコンポーネントを選択します。
    • IPSubstrate
    • Glove Compartment
    • Driver Side Panel
    • Lower Control Panel
  2. マイクロダイアログのデフォルト値をそのまま使用し、をクリックします。
    これにより、材料の板厚の変動性スタディが作成されます。

減衰スタディ

  1. ガイドバーからDampingを選択します。
  2. ガイドバーのをクリックしてアドバンスト選択オプションを開きます。
  3. Advanced Selectionウィンドウからすべての減衰カーブを選択します。
  4. をクリックします。
    これにより、材料の減衰の変動性スタディが作成されます。

変動性スタディを確認するには

  1. Review Variationsを選択します。
    図 5.
    すべての変動性とその関連パラメータを含むテーブルが表示されます。確認後、Closeをクリックします。
    図 6.

Export Solver Deck

  1. 解析グループから、エクスポート: OptiStructを選択します。
    図 7.
    Model Exportウィンドウが表示されます。
    図 8.
  2. Export Variability Studyボックスにチェックを入れます。
    変動性スタディのプロパティが表示されます。
    図 9.
  3. デフォルトオプションを受け入れ、Exportをクリックします。
    フォルダー選択ウィンドウが表示されます。
    注: ダイアログの任意のプロパティを変更できます。
  4. ブラウズして、必要なフォルダーを選択します。
    これにより、OptiStructソルバーデックファイルがXMLおよびTPLファイルと共に選択したフォルダーにエクスポートされます。Closeをクリックし、モデルエクスポートオプションを閉じます。
エクスポートしたTPLテンプレートファイルを使用して、HyperStudyで解析を行います。

Step 6:HyperStudyデータベースの生成

SnRDは変動性スタディのパラメータを次のファイルにエクスポートします。これらのファイルはHyperStudyで結果データベースを生成するのに必要となります。
  • TPL
  • XML

テンプレート(TPL)ファイルは、HyperStudyで読み取り可能な必須パラメータで作成されます。

確率統計スタディの実行

以下に、結果データベースおよび概要ファイルを生成するステップを示します。これらのファイルは後でSnRDのポスト処理で使用されます。

  1. HyperStudy2021を起動します。
  2. 開くをクリックします。
    ファイルブラウザオプションが表示されます。ブラウズしてチュートリアルXMLファイルを選択します。
  3. XMLファイルが読み込まれると、HyperStudyにセッションツリーが表示され、プロセスがSto 1ノードから開始されます。
    図 10.
    注: 緑色のチェックボックスは、それぞれのデータが利用可能であることを意味します。黄色、赤色、または空のボックスは、入力が必要であることを意味します。
  4. Next をクリックして、Sto 1 > Definition > Test Modelsタスクに進みます。
    注: Define ModelsおよびDefine Input Variablesタスクは事前に定義されているためスキップできます。
    図 11.
  5. Test列のAllをクリックします。
  6. Next をクリックして、Define Output Responsesに進み、Evaluateをクリックします。
  7. Next をクリックして、Specificationsに進み、Apply をクリックします。
    図 12.
  8. Next をクリックして、Evaluateに進みます。Evaluate をクリックして、確率的変動の評価を実行します。
    図 13.
    注: 評価タスクが完了するまでにはかなりの時間がかかります。プロセスの実行中に、HSTを終了しないでください。
    図 14.

    評価が完了すると、残りのタスク、つまりPost-processingReportが緑色に変わります。

  9. Next を2回クリックしてPost-processingをスキップし、Reportタスクに移動します。
  10. Create Report をクリックします。
    これにより、.dataファイルが生成されます。これは、後でSnRD Postで使用される結果データベースです。

    チュートリアルの作業モデルフォルダーに移動すると、これらのファイルを確認できます。それぞれのファイルはエクスポートフォルダーに作成されます。

    ヒント: Altair HyperStudyの詳細については、こちらをご参照ください。

Step 7:確率統計のポスト処理

注: 作成したsummary.dataファイル(これは、HyperStudyでCreate Reportステップを実行した後にrpt/sto_1に作成されたものです)をapproaches/sto_1 にコピーします。
  1. SnRD > SnRD-Postの順に選択します。
    SnRDポスト Processingツールが起動されます。
    図 15.
  2. ファイルブラウズオプションを使用して、Model FileにOptiStructソルバーファイルを選択します。これはステップ4でエクスポートされたファイルです。
    注: 事前に出力された、E-ライン定義を含むCSVファイルが、自動的に読み込まれます。
  3. モデルとCSVファイルをPost Processingタブに読み込んでから、DoE/Stochasticsタブに切り替えます。
  4. HyperStudy Results Databaseラジオボタンをクリックします。
  5. HyperStudy Results Databaseに対してをクリックします。ファイルブラウザウィンドウが表示されます。
  6. ブラウズし、ソルバーデックのエクスポートステップで生成されたXMLファイルを選択します。
  7. Calculate をクリックします。
    これにより、バックグラウンドでCompose 2021が開始され、確率統計スタディの実行の評価が行われます。
    注: 実行数が多いため、かなりの時間がかかります。プロセスを終了しないでください。
  8. 計算が完了すると、確認メッセージが表示されます。
    図 16.

    OKをクリックしてメッセージを閉じます。

    注: 2度目に結果の処理を実行するには、計算が利用できる間に、作成したSnRデータベースXMLを使用します。
  9. Selectionリストから次のオプションを選択します。
    1. E-linesからAll
    2. Line IDからAll
    3. ResultsからSnR Index
  10. Show RunsからAllラジオボタンを選択します。
  11. Vary Variable byからValueラジオボタンを選択します。
  12. Show VariablesからAllチェックボタンをクリックします。
  13. Apply Filtersをクリックします。
    これにより、Run Selectionテーブルのすべての実行がフィルタリングされます。
    図 17.

選択の実行および表示

  1. Display Resultsをクリックします。
    これにより、フィルタリングされたすべての実行の結果がプロットされます。
  2. また、Run Selectionテーブルから必要な実行を選択することもできます。
  3. Display Selectionをクリックします。これにより、選択した実行の結果がプロットされます。
    図 18.