FEモデルでは初期貫通は非常に一般的で、メッシングプロセスの間の離散化の結果として避けられません(
図 1)。

図 1. 離散化による初期貫通
Inacti
Inactiフラグの利用を通して特別な初期貫通を取り扱うことができます。貫通している節点をインターフェースから取り除くか、 貫通している節点に関連するメインセグメントを取り除くことができます。どちらの方法も非常に簡単に初期貫通を取り除くことができますが、貫通の数が多い場合は良くない結果を引き起こす可能性があります。
Inactiを3に設定すると、初期貫通を回避するために、Radioss Starterは貫通されている節点の座標値を自動的に修正します。これを行う場合には、この操作が初期状態で拘束されたスプリングを生み出す可能性もあるため、特別な注意が必要です。
Inactiを5に設定することにより、時間内での可変ギャップを得ることもできます。図
図 2は、以前の貫通を考慮してどのように有効なギャップが更新されるかを示しています。

図 2. 時間内での可変ギャップ
t=0で節点が初期貫通を起こしている場合、そのギャップは自動的に修正されます。次に、この“
初期修正ギャップ”は節点がメインセグメントから離れるように常に増加されます。このオプションは主としてエアバッグの展開に用いられ、節点が全て深く貫通している展開の開始時にも正常な時間ステップを得ることを可能にします。

図 3. Inacti=5を用いた時間ステップ
高周波数への影響を防ぐために、Inacti = 5の代わりにInacti = 6を使用することを推奨します。
Fpenmax
Fpenmax(初期貫通の最大率)は、大きな初期貫通に対応するために使用します。Inactiの値にかかわらず、
の場合、節点の剛性は非アクティブになります。
Igap3 + %mesh_size
Igap= 3と
%mesh_sizeを使用して、初期貫通を回避するためにメッシュのサイズを考慮に入れることができます。この場合、可変ギャップは下記のように計算されます:
(1)
ここで、
-
- 要素の短いエッジの長さ
-
- セカンダリ節点に結合された要素の短いエッジ長さ
Irem_gap
オプション
Irem_gapは、要素に近い(Curvilinear
)セカンダリ節点を非アクティブ化するために使用します。このオプションは、メッシュサイズが非常に小さい場合の自己接触に有用です。

図 4. -1: Irem_gap定義
注: 初期貫通を取り扱う際、HyperMeshやHyperCrashの貫通除去のようなプリプロセッシングツールを用いてFEモデル生成時に初期貫通を除去することを強く推奨します。