ACU-T:2000 ミキシングエルボ内の乱流

このチュートリアルでは、ミキシングエルボにおける3次元乱流のシミュレーションの設定、解析、および結果表示にのための手順を説明します。ここでは、単純な問題を使用してAcuSolveツールセットを紹介することを目的としています。

前提条件

この解析を実行するには、ライセンス供与済みバージョンのAcuSolveにアクセスできる必要があります。 これは入門チュートリアルシーケンスで最初のチュートリアルであるため、AcuConsoleAcuSolve、またはAcuFieldViewの事前の経験は必要ありません。

このチュートリアルを実行する前に、AcuConsole_tutorial_inputs.zip<<Altair_installation_directory>\hwcfdsolvers\acusolve\win64\model_files\tutorials\AcuSolveから作業ディレクトリにコピーします。 mixingElbow.x_t をAcuConsole_tutorial_inputs.zipから取り出します。

このチュートリアルでモデリングウィンドウに表示されるオブジェクトの色と、ユーザーの画面に表示されるオブジェクトの色は異なる場合があります。AcuConsoleのデフォルト配色は“ランダム”であり、作成されたグループに色がランダムに割り当てられます。また、このチュートリアルはWindows上で作成されました。このチュートリアルを異なるオペレーティングシステムで実行する場合は、画面に表示されるイメージとこのチュートリアルで表示されるイメージが多少異なる可能性があります。

問題の解析

CFDシミュレーションにおける重要な最初のステップは、解析対象となる工学的な問題を調べ、AcuSolveに対して指定する必要のある設定を決定することです。設定は、形状コンポーネント(ボリューム、入口、出口、壁など)に基づいて行うことができるとともに、流れの条件(流体の物性、速度、流れを乱流または層流のどちらでモデル化するのかなど)に基づいて行うことができます。

このチュートリアルで扱う問題は、図 1に図示しています。これは、高速な流体を小さい入口から主管内の比較的低速な流体に注入することで管内で混合するという代表的な工業事例です。異なる速度の水が2つの入口を通って入る、90度のミキシングエルボで構成されます。形状は管のXY中央平面に関して対称です(図を参照)。この対称性により、対称面を使用して流れをモデル化することが可能になります。対称面を使用すると、正確な解を維持しつつ、計算時間が短縮できます。



図 1. ミキシングエルボの概略図

この問題の特性の詳細が、AcuSolveのケースの設定前に作成されたサンプルワークシートから抽出された以下のイメージに示されています。

大きい入口の直径は0.1mで、入口速度(v)は0.4m/sです。小さい入口の直径は0.025mで、入口速度は1.2m/sです。



図 2.

この問題で扱う流体は水であり、この水の特性は、密度(ρ)が1000kg/m3、分子粘性(μ)が1.0 x 10-3kg/m-sec、伝導率(k)が0.598W/m-K、比熱(cp)が4183J/kg-Kであり(ワークシートを参照)、これらの特性は温度によって変化しません。



図 3.

質量保存に基づいて、複合流速(Q)によって、小さい入口の下流に0.475m/sという速度が生じます。この値はレイノルズ数を決定するのに役立ち、さらにこのレイノルズ数を使用して、流れを乱流または層流のどちらとしてモデル化すればよいかを決定できます。



図 4.
モデル化された流れが乱流または層流のどちらになるのかを特定するには、レイノルズ数(Re)を計算する必要があります。レイノルズ数は次の式によって求められます。 Re = ρ V D μ MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaciOuaiaacw gacqGH9aqpdaWcaaqaaiabeg8aYjaadAfacaWGebaabaGaeqiVd0ga aaaa@3DE7@ ここで、ρは流体密度、Vは流体速度、Dは流れ領域の直径、μは流体の分子粘性です。レイノルズ数が4,000より大きい場合は、一般に流れを乱流としてモデル化することができます。

大きい入口のレイノルズ数が40,000、小さい入口のレイノルズ数が30,000、複合流のレイノルズ数が47,500であることは、流れ領域全体にわたって流れが乱流であることを示します。



図 5.

このシミュレーションは、定常状態の乱流をモデル化するように設定されます。



図 6.

シミュレーションの物理特性を捕捉するための適切な条件を設定することに加えて、優れた結果が得られるように十分に細分化されたメッシュを生成することが重要です。このチュートリアルでは、大きい入口の円周の周りに30個以上のメッシュ要素が得られるように、グローバルメッシュサイズが設定されます。この問題では、グローバルメッシュサイズは0.0106mです。このメッシュサイズは、モデルの処理時間が短くなるように選択されました。現実のシミュレーションでは、最初の解を得た後、メッシュに依存しない解(メッシュをさらに細分化しても変化しない解)に達するまで、メッシュ設定を変更します。



図 7.

AcuSolveを使用すると、形状コンポーネント(ボリューム、モデルサーフェス、エッジなど)に依存しないユーザー定義領域内のメッシュ細分化が可能になります。圧力、速度、渦粘性などの勾配が急な領域でメッシュを細分化するのに便利です。



図 8.

解を計算した後、注目する結果は、対称面の定常状態速度コンター、対称面の速度ベクトル、および対称面の圧力コンターです。

解析パラメータの定義

AcuConsoleの起動

AcuConsoleは、シミュレーションの構築とAcuSolveでのそれらの実行に使用されるワークスペースです。

Windows のスタートメニューからスタート > Altair <バージョン> > AcuConsoleをクリックして AcuConsoleを起動します。

Linux上でAcuConsoleを開始するには、AcuSolveの環境が設定されているターミナルウィンドウでAcuConsoleと入力します。Linux上でAcuSolveを設定する方法については、HyperWorks Installation Guideをご参照ください。

メインのAcuConsoleウィンドウは、次の8つの主要コンポーネントで構成されています。

  • メニューバー
  • ツールバー
  • Data Tree
  • Data Tree Manager
  • View Manager ツールバー
  • モデリングウィンドウ
  • 詳細パネル
  • Informationウィンドウ

AcuConsoleを初めて開いたときは、Data Tree、詳細パネル、モデリングウィンドウInformationウィンドウは空の状態です。部分的に定義されたケースの次の図を使用して、ワークスペースの構成要素を紹介します。



図 9.

Data Tree内の項目は、GlobalとModelという2つのメイン領域に分かれています。Globalツリー項目には、AcuSolveのシミュレーションに適用される、モデル化される物理特性、解法、材料プロパティ、形状に依存しないメッシュコントロールなどの設定が含まれています。Data TreeのModel分岐には、境界条件、ボリューム領域に使用される材料、モデル形状の特定コンポーネントに適用されるメッシング属性など、モデル形状の特定部分に適用される設定が含まれています。

このチュートリアルでは、まずデータベースの作成、形状に依存しない設定の入力、形状の読み込み、グループの作成、グループ属性の設定、グループへの形状コンポーネントの追加、およびグループへのメッシュコントロールと境界条件の割り当てを行います。次にメッシュを生成してAcuSolveを実行し、定常状態解に収束させます。最後に、AcuFieldViewを使用して結果を可視化します。

シミュレーションデータベースの作成

次の手順では、AcuConsoleの設定を保存するためのデータベースを作成して、AcuSolve用のメッシュ情報と結果情報を保存する場所を設定します。
  1. Fileメニューをクリックし、Newをクリックし、New data baseダイアログを開きます。
    ヒント: ツールバーの をクリックしてNew data baseダイアログを開くこともできます。
  2. 作業ディレクトリとして使用する場所に移動します。
    このディレクトリには、そのシミュレーションに関するすべてのファイルが保存されます。AcuConsoleのデータベースファイル(.acs)はこのディレクトリに保存されます。メッシュと解が作成されたら、追加のファイルとディレクトリがこのディレクトリ内に作成されます。
  3. Mixing_Elbowという名前の新規フォルダを作成し、このフォルダを開きます。
  4. データベースのFile nameとしてMixing_Elbowと入力します。
    注: AcuConsoleによって書き込まれたファイルを他のアプリケーションで読み取り可能にするためには、データベースのパスと名前にスペースが含まれないようにしてください。
  5. 保存をクリックしてデータベースを作成します。

一般的なシミュレーションパラメータの設定

次の手順では、シミュレーション全体に適用されるパラメータを設定します。このタスクを簡略化するため、Data Tree ManagerでBASフィルタを使用します。BASフィルタでは、基本設定のみが表示されるよう、Data Tree内のオプションが限定されます。

このチュートリアルで定義する物理的モデルは、定常状態の乱流に相当します。タイトルやサブタイトルなど、AcuSolveケースについての一般的な情報もいくつか提供します。

  1. Data Tree ManagerBASをクリックして、Data Tree内の基本ビューに切り替えます。


    図 10.
  2. GlobalData Tree項目を拡張表示します。
  3. Problem DescriptionをダブルクリックしてProblem Description詳細パネルを開きます。
    ヒント: ツリー項目を右クリックしてコンテキストメニューからOpenをクリックすることでも、パネルを開くことができます。
  4. TitleとしてIntroductory Tutorialと入力します。
  5. Sub titleとしてMixing Elbow – Turbulentと入力します。
  6. デフォルトのAnalysis typeを選択します。
    注: デフォルトでは、AcuSolveケースは定常状態シミュレーションとして実行されます。
  7. Turbulence equationをSpalart Allmarasに設定します。
    1. Turbulence equationドロップダウンをクリックします。
    2. リストからSpalart Allmarasをクリックします。
      Spalart Allmaras乱流モデルはそのロバスト性と精度から、定常状態の流れのシミュレーションに非常に適しています。
      図 11.
      注: 詳細パネルのサイズを変更するには、パネルの右側フレームをドラッグします。


解法パラメータの設定

次の手順では、解析の進行時にAcuSolveの挙動を制御するパラメータを設定します。

  1. Auto Solution StrategyをダブルクリックしてAuto Solution Strategy詳細パネルを開きます。
  2. Relaxation factorに0.4と入力します。
    緩和係数は、解の収束を改善するために使用されます。通常は、0.2から0.4までの値であれば、求解のスムーズな進行の実現と、収束に達するために必要な計算時間の増加とのバランスをうまくとることができます。緩和係数が大きくなると、AcuSolveで定常状態解を得るまでにかかる時間ステップが多くなります。大きな緩和係数は、非常に複雑な用途で収束を達成するために必要な場合があります。


    図 12.

材料モデルパラメータの設定

AcuConsole には、空気、アルミニウム水という3つの事前に定義済みの材料が用意されています。

次の手順では、水の定義済み材料プロパティがこの問題において目的のプロパティと一致することを確認します。



図 13.
  1. Data TreeMaterial Modelをダブルクリックして拡張表示します。


    図 14.
  2. Data TreeWaterをダブルクリックしてWater詳細パネルを開きます。

    水のMaterial typeはFluidです。

  3. Densityタブをクリックします。水の密度が1000.0kg/m3であることを確認します。
  4. Specific Heatタブをクリックします。水の比熱が4183.0J/kg-Kであることを確認します。
  5. Viscosityタブをクリックします。水の粘性が0.001kg/m-secであることを確認します。
  6. Conductivityタブをクリックします。水の伝導率が0.598W/m-Kであることを確認します。


    図 15.
  7. データベースを保存して設定のバックアップを作成します。これは、次のいずれかの方法で実行できます。
    • Fileメニューをクリックして、Saveをクリックします。
    • ツールバーの をクリックします。
    • Ctrlキーを押しながらSを押します。
    注: AcuConsoleで加えられた変更は、直ちにデータベースファイル(.acs)に保存されます。保存操作を実行すると、データベースがバックアップファイルにコピーされます。今後の変更内容を利用することを希望しない場合は、このバックアップファイルを使用して、その保存済み状態からデータベースを再読み込みすることができます。

形状のインポートとモデルの定義

ミキシングエルボ形状のインポート

このチュートリアルの次のパートでは、形状をインポートします。この手順を完了するには、 mixingElbow.x_t の場所がわかっている必要があります。このファイルには、ParasolidASCII形式で形状に関する情報が含まれています。
  1. File > Importをクリックします。
  2. mixingElbow.x_tを含むディレクトリを参照します。
  3. File nameフィルタをParasolid File (*.x_t *.xmt *X_T...)に変更します。
    1. ファイル名欄の右側にあるドロップダウンボタンをクリックします。
    2. ドロップダウンリストParasolid File (*.x_t *.xmt *X_T...)をクリックします。
  4. mixingElbow.x_tを選択し、OpenをクリックしてImport Geometryダイアログを開きます。


    図 16.

    このチュートリアルでは、Import Geometryダイアログのデフォルト値を使用して形状を読み込みます。AcuConsoleを使用していた場合は、自身が変更した可能性のある設定を手動で変更して、図に示すデフォルト値と一致させてください。デフォルト設定を使用した場合は、CADモデルのボリュームはデフォルトのボリュームグループに追加されます。CADモデルのサーフェスはデフォルトのサーフェスグループに追加されます。このチュートリアルでは後ほどグループを操作して、新しいグループの作成、流れパラメータの設定、形状コンポーネントの追加、およびメッシングパラメータの設定を行います。

  5. OKをクリックして形状のインポートを完了します。


    図 17. 形状がインポートされたミキシングエルボケース

    この時点で、モデリングウィンドウ図 17と同様の内容が示されます。

    このチュートリアルでモデリングウィンドウに表示されるオブジェクトの色と、ユーザーの画面に表示されるオブジェクトの色は異なる場合があります。AcuConsoleのデフォルト配色は“ランダム”であり、作成されたグループに色がランダムに割り当てられます。また、このチュートリアルはWindows上で作成されました。このチュートリアルを異なるオペレーティングシステムで実行する場合は、画面に表示されるイメージとこのチュートリアルで表示されるイメージが多少異なる可能性があります。

モデリングウィンドウにおけるビューの操作

次の手順では、モデリングウィンドウでのマウスアクションに慣れるため、ミキシングエルボビューの基本的な操作をいくつか行います。回転、パン、およびズームに使用するマウスボタンを以下の表に示します。

アクション マウスボタン
回転
移動(パン) 中央
ズーム
  1. ビューを回転させます。
    1. モデリングウィンドウ内で左クリックします。
    2. カーソルを右にドラッグし、表示を確認します。
      モデルが右に回転します。
    3. モデルを左に回転させるには、カーソルを左にドラッグします。
    4. モデルを上または下に回転させるには、カーソルを上または下にドラッグします。
      注: ビューを操作する際は、管の半分のみが表示されます。この形状は中央平面に関して対称であるため、形状の半分のみをモデル化すればよく、その結果として計算時間が短縮されます。
    5. View Managerツールバーの をクリックして、初期ビューに戻します。


      図 18.
  2. ビューをパンします。
    1. モデリングウィンドウ内でミドルクリックします。
    2. モデルを右に移動するには、カーソルを右にドラッグします。
    3. モデルを左に移動するには、カーソルを左にドラッグします。
    4. View Managerツールバーの をクリックして、初期ビューに戻します。
  3. ビューをズームインおよびズームアウトします。
    1. モデリングウィンドウ内で右クリックします。
    2. ビューからズームアウトするには、カーソルを上にドラッグします。
    3. ビューにズームインするには、カーソルを下にドラッグします。
    4. View Managerツールバーの をクリックして、初期ビューに戻します。
      注: View Managerツールバーの をクリックして、モデルをウィンドウ全体に表示することもできます。

ボリュームパラメータの適用

ボリュームグループは、ボリューム領域に関する情報を保存するためのコンテナです。この情報には、ボリュームに適用される解析およびメッシングパラメータや、それらの設定が適用される形状領域が含まれます。

形状がAcuConsoleにインポートされたときに、すべてのボリュームは“デフォルトの”ボリュームコンテナに配置されました。

次の手順では、デフォルトボリュームグループの名前を変更し、表示を切り替え、そのボリュームの材料を水として割り当てます。

  1. をクリックすることでModelツリー項目を拡張表示します。
  2. Volumesツリー項目を拡張表示します。
  3. ボリューム名の横にある をクリックして、デフォルトボリュームコンテナの表示のオン / オフを切り替えます。
    注: Surfacesが表示されている場合は、サーフェスとボリュームが重なっている可能性があるため、表示を切り替えても何も変わらないことがあります。
  4. デフォルトボリュームグループの名前を変更します。
    1. Volumesの下にあるdefaultを右クリックして、コンテキストメニューのRenameをクリックします。


      図 19.
    2. Mixing Elbowと入力し、Enterを押します。
      注: Data Tree内の項目の名前を変更した場合、Enterキーを押すまでは変更内容は保存されません。Enterキーを押さずに入力フォーカスをその項目から移動すると、変更内容は失われます。
  5. シミュレーションで流体に使用される材料モデルを設定します。
    1. Mixing Elbowツリー項目を拡張表示します。
      注: デフォルトでは、Data Tree内の項目を指定すると、対応する形状要素がモデリングウィンドウ内でハイライト表示されます。
    2. Element SetをダブルクリックしてElement Set詳細パネルを開きます。
    3. Material modelドロップダウン矢印をクリックします。
    4. Waterをクリックします。


      図 20.
    次の一連の手順では、 をクリックすることで、Elbow Volumeの表示をオフ()にすると便利です。

サーフェスグループの作成とサーフェス境界条件の適用

サーフェスグループは、サーフェスに関する情報を保存するためのコンテナです。これらの情報には、そのコンテナに関連付けられた形状サーフェスのリストや、境界条件、サーフェス出力、メッシュサイジング情報などの属性が含まれます。

次の手順では、サーフェスグループを定義して、問題内の各グループに適切な属性を割り当てて、これらのグループにサーフェスを追加します。

大きい入口の流入境界条件の設定

次の手順では、大きい入口のサーフェスグループを定義して、入口速度を設定し、形状内の主入口をこのサーフェスグループに追加します。



図 21.
  1. 新しいサーフェスグループを作成します。
    1. Data TreeSurfacesを右クリックします。
    2. Newをクリックします。
  2. サーフェスの名前をLarge Inletに変更します。
    1. Surfacesの下にあるSurface 1を右クリックして、コンテキストメニューのRenameをクリックします。
    2. Large Inletと入力し、Enterを押します。
  3. ツリー内でLarge Inletサーフェスを拡張表示します。
  4. Large Inletの下にあるSimple Boundary Conditionをダブルクリックして、Simple Boundary Condition詳細パネルを開きます。
  5. TypeをInflowに変更します。
  6. Inflow typeをAverage Velocityに変更します。
    AcuSolveはこのタイプの境界条件を使用して、指定された平均速度を使用して十分に発達した流れを近似します。
  7. Average velocityを0.4m/secに設定します。


    図 22.
  8. Large Inletグループに形状サーフェスを追加します。
    1. Data TreeLarge Inletを右クリックして、Add toをクリックします。
      Add toダイアログをモデリングウィンドウとともに使用して、ボリューム、サーフェス、エッジなどのモデルグループと関連付ける形状項目を選択します。Add to機能を使用する際は、Ctrlキーを押しながらマウスを使用することでズーム、パン、および回転の操作を実行します。
    2. 必要に応じて、Add toダイアログを横にドラッグしてモデリングウィンドウを表示します。
    3. 形状の左側付近でCtrlキーを押しながら左クリックして、カーソルを右にドラッグすることで、モデルを回転して大きい入口を表示します。
    4. 大きい入口のフェイスをクリックします。


      図 23.

      この時点で、入口がハイライト表示されます。

    5. Doneをクリックして、この形状サーフェスをLarge Inletサーフェスグループに追加します。
      注: マウスの中央ボタンを使用して、形状コンポーネントをグループに追加することもできます。

小さい入口の流入境界条件の設定

次の手順では、小さい入口のサーフェスグループを定義して、適切な属性を割り当て、形状内の小さい入口をこのサーフェスグループに追加します。



図 24.
  1. 新しいサーフェスグループを作成します。
  2. サーフェスの名前をSmall Inletに変更します。
  3. ツリー内でSmall Inletサーフェスを拡張表示します。
  4. Small Inletの下にあるSimple Boundary Conditionをダブルクリックして、Simple Boundary Condition詳細パネルを開きます。
  5. TypeをInflowに変更します。
  6. Inflow typeをAverage Velocityに変更します。
  7. Average velocityを1.2m/secに設定します。


    図 25.
  8. Small Inletグループに形状サーフェスを追加します。
    1. Data Treeで、Small Inletを右クリックして、Add toをクリックします。
    2. 形状の下部付近でCtrlキーを押しながら左クリックしてカーソルをウィンドウの上部に向かって動かすことで、モデルを回転して小さい入口を表示します。
      注: 表示を拡大または縮小するには、Ctrlキーを押しながら右クリックしてカーソルを上または下にドラッグします。 をクリックし、初期ビューに戻すこともできます。
    3. 小さい入口のフェイスを左クリックします。


      図 26.

      この時点で、小さい入口がハイライト表示されます。

    4. Doneをクリックして、この形状サーフェスをSmall Inletグループに追加します。

大きい管の壁境界条件の設定

次の手順では、管壁のサーフェスグループを定義して、適切な属性を割り当て、形状内のエルボ管壁をこのサーフェスグループに追加します。

  1. 新しいサーフェスグループを作成します。
  2. サーフェスの名前をLarge Pipeに変更します。
  3. ツリー内でLarge Pipeサーフェスを拡張表示します。
  4. Large Pipeの下にあるSimple Boundary Conditionをダブルクリックして、Simple Boundary Condition詳細パネルを開きます。
    デフォルトの壁設定が管壁用に使用されます。


    図 27.
  5. このグループに形状サーフェスを追加します。
    1. Large Pipeを右クリックして、Add toをクリックします。
    2. 大きい入口付近の管、エルボ付近の管、および出口付近の管をクリックして、主管壁を構成している3つのサーフェスを選択します。


      図 28.

      この時点で、管壁がハイライト表示されます。

    3. Doneをクリックして、これらの形状サーフェスをLarge Pipeグループに追加します。

小さい管の壁境界条件の設定

次の手順では、側管壁のサーフェスグループを定義して、適切な属性を割り当て、形状内の側管壁をこのサーフェスグループに追加します。

  1. 新しいサーフェスグループを作成します。
  2. サーフェスの名前をSmall Pipeに変更します。
  3. ツリー内でSmall Pipeサーフェスを拡張表示します。
  4. Small Pipeの下にあるSimple Boundary Conditionをダブルクリックして、Simple Boundary Condition詳細パネルを開きます。
    大きい管の場合と同様に、境界条件のデフォルトのTypeはWallです。デフォルトがこのグループに適しているため、他の変更は不要です。
  5. このグループに形状サーフェスを追加します。
    1. Small Pipeを右クリックして、Add toをクリックします。
    2. 脇の入口付近の管をクリックします。


      図 29.

      この時点で、側管壁がハイライト表示されます。

    3. Doneをクリックして、この形状サーフェスをSmall Pipeサーフェスコンテナに関連付けます。

出口の流出境界条件の設定

次の手順では、出口のサーフェスグループを定義して、適切な属性を割り当て、形状内の出口をこのサーフェスグループに追加します。

  1. 新しいサーフェスグループを作成します。
  2. サーフェスの名前をOutletに変更します。
  3. ツリー内でOutletサーフェスを拡張表示します。
  4. Outletの下にあるSimple Boundary Conditionをダブルクリックして、Simple Boundary Condition詳細パネルを開きます。
  5. TypeをOutflowに変更します。
  6. Outletサーフェスコンテナに形状サーフェスを追加します。
    1. Data Treeで、Outletを右クリックして、Add toをクリックします。
    2. 形状の上部付近でCtrlキーを押しながら左クリックしてカーソルをウィンドウの下部に向かって動かすことで、モデルを回転して出口を表示します。
    3. 出口面をクリックします。


      図 30.

      この時点で、出口がハイライト表示されます。

    4. Doneをクリックして、この形状サーフェスをOutletグループのサーフェス設定に関連付けます。

対称面の対称境界条件の設定

この形状はXY中央平面に関して対称であるため、形状の半分を使用してモデル化できます。このことを利用するには、中央平面を対称面として特定する必要があります。対称境界条件によって、平面の片面からの流れ場は反対側からの流れ場のミラーイメージとなるなどの制約条件が適用されます。

次の手順では、デフォルトサーフェスの名前を変更して、適切な設定を適用します。

形状がAcuConsoleに読み込まれたときに、すべての形状サーフェスはデフォルトサーフェスグループに配置されました。前の手順では、自分で作成したグループに配置される形状サーフェスを選択しました。この時点で、デフォルトのサーフェスグループに残っているのは対称面のみです。新しいコンテナを作成し、形状内の対称サーフェスをこのコンテナに追加してから、デフォルトのサーフェスコンテナを削除する代わりに、既存のコンテナの名前を変更します。

  1. デフォルトのサーフェスの名前をSymmetryに変更します。
  2. ツリー内でSymmetryサーフェスを拡張表示します。
  3. Symmetryの下にあるSimple Boundary Conditionをダブルクリックして、Simple Boundary Condition詳細パネルを開きます。
  4. TypeをSymmetryに変更します。


    図 31.

メッシュコントロールの割り当て

グローバルメッシュパラメータの設定

シミュレーションの定義が完了したので、メッシャーによって作成されるメッシュのサイズを定義するためのパラメータを追加する必要があります。

AcuConsole は、グローバル、ゾーンおよび形状という3つのレベルのメッシングコントロールをサポートしています。
  • グローバルメッシュコントロールは、モデル全体に適用され、モデルのどの形状コンポーネントにも関連付けられません。
  • ゾーンメッシュコントロールは、モデルの定義済み領域に適用されますが、どの特定の形状コンポーネントにも関連付けられません。
  • 形状メッシュコントロールは、特定の形状コンポーネントに適用されます。これらのコントロールは、ボリュームグループ、サーフェスグループ、またはエッジグループに適用できます。

次の手順では、グローバルメッシングパラメータを設定します。その後の手順では、ゾーンとサーフェスのメッシングパラメータを作成します。



図 32.
  1. データツリーマネージャーMSHをクリックして、Data Tree内の設定をフィルタ処理して、メッシングに関するコントロールのみを表示します。
  2. GlobalData Tree項目を拡張表示します。
  3. Global Mesh AttributesをダブルクリックしてGlobal Mesh Attributes詳細パネルを開きます。
  4. Mesh size typeをAbsoluteに変更します。
  5. Absolute mesh sizeに0.0106mと入力します。
    このメッシュサイズを選択する目的は、主管の周縁の周りに30個以上のメッシュ要素が得られるようにするためです。
  6. Curvature refinement parametersオプションをオフにします。


    図 33.

ゾーンメッシングパラメータの設定

問題全体のメッシング特性を設定することに加えて、問題内のゾーンにメッシングパラメータを割り当て、グローバルメッシュよりも細分化されたメッシュで流れを解析できるようにします。基本形状を使用してZone Mesh refinementを作成し、その形状内のメッシュサイズを制御できます。これらのタイプのメッシュ細分化は、どの形状項目にも対応していない領域内で細分化が必要な場合に使用されます。

次の手順では、ゾーンメッシュコントロールを使用して、小さい管の周囲および主管内にまで及ぶ領域のメッシュコントロールを定義します。この細分化の対象となる領域は、小さい管を囲み、主管内にまで及んでいる円筒です。



図 34.
  1. ボリュームの表示をオフにします。
  2. Symmetryを除くすべてのサーフェスの表示をオフにします。
  3. View Managerツールバーの をクリックして、初期ビューに戻します。
  4. Data TreeでGlobal分岐の下にあるZone Mesh Attributesを右クリックして、Newをクリックします。
  5. Zone Mesh Attributes 1の名前をSmall pipe refinementに変更します。
  6. Small pipe refinementをダブルクリックして、Zone Mesh Attributes詳細パネルを開きます。
  7. Mesh zone typeをCylinderに変更します。
  8. 円筒の終端フェイスの中心点を定義することで、メッシュ細分化の場所を設定します。
    1. Open ArrayをクリックしてArray Editorダイアログを開きます。
    2. X-coordinateの1と2に0.143と入力します。
    3. Y-coordinateの1に-0.232と入力します。
    4. Y-coordinateの2に-0.025と入力します。
    5. Z-coordinateの2に0.0と入力します。
    6. OKをクリックします。


    図 35.
  9. Radiusに0.0254mと入力します。
    この半径を使用して、小さい入口より大きい円筒が定義されます。
  10. Mesh sizeに0.0053mと入力します。
    これにより得られるゾーンのメッシュサイズは、管の残り部分のメッシュサイズの半分となります。
    注: 細分化ゾーンのメッシュサイズを設定する際は、グローバルメッシュサイズを2の累乗で割った値(1/21/41/8など)を選択するのが最適な方法です。


    図 36.


    図 37.

サーフェスグループのメッシングパラメータの設定

以下の手順では、このチュートリアルで以前に作成したサーフェスグループ上のメッシュサイズを局所的に制御できるようにするメッシングパラメータを設定します。具体的には、主管と側管のサーフェスに対して垂直な境界層要素の成長を制御するローカルメッシングパラメータを設定します。

大きい管のメッシングパラメータの設定

次の手順では、大きい管の壁に対して垂直なメッシュのサイズを制御するパラメータを設定します(境界層メッシュコントロール)。
  1. Model > Surfaces > Large Pipeの順にツリー項目を拡張表示します。
  2. Surface Mesh Attributesの横にあるチェックボックスをクリックして設定を有効にし、Surface Mesh Attributes詳細パネルを開きます。
  3. Mesh size typeをNoneに変更します。
    このオプションでは、管壁のサーフェス上にメッシュを作成する際にメッシャーがグローバルメッシングパラメータを使用することを指定します。
  4. Boundary layer flagオプションを有効にします。

    このオプションを使用すると、壁に対して垂直方向のメッシングがどのように処理されるのかを定義できます。

  5. ResolveオプションをTotal Layer Heightに設定します。

    境界層のメッシュ要素がサーフェスから法線方向に成長させられることで、滑り無し壁付近の急勾配の効果的な解析が可能になります。これらの層は、いくつかのオプションを使用して指定できます。このチュートリアルでは、最初の層の高さ、後続層の延伸比(成長率)、および生成する層の合計数を指定します。AcuConsole は、ユーザーが指定した属性に基づいて層高さの合計を解析します。つまり、最初の要素の高さ、成長率、および次の数ステップで指定される層の数に基づいて、層高さの合計が計算されます。

  6. First element heightは、デフォルト値の0.001mのままにします。
  7. Growth rateに1.3と入力します。
  8. Number of layersに4と入力します。


    図 38.

小さい管のメッシングパラメータの設定

以下の手順では、小さい管の壁付近のメッシュサイズの局所的制御を可能にするメッシングパラメータを設定します。

  1. Small Pipeツリー項目を拡張表示します。
    注: 大きい管と同じ属性を設定します。
  2. Surface Mesh Attributesの横にあるチェックボックスをクリックして設定を有効にし、Surface Mesh Attributes詳細パネルを開きます。
  3. Mesh size typeをNoneに変更します。
  4. Boundary layer flagオプションを有効にします。
  5. ResolveオプションをTotal Layer Heightに設定します。
  6. Growth rateに1.3と入力します。
  7. Number of layersに4と入力します。


    図 39.
  8. データベースを保存して設定のバックアップを作成します。

メッシュの生成

次の手順では、問題の解を計算する際に使用されるメッシュを生成します。

  1. ツールバーの をクリックしてLaunch AcuMeshSimダイアログを開きます。
  2. Okをクリックしてメッシングを開始します。

    メッシング時に、AcuTailウィンドウが開きます。メッシングの進行状況はこのウィンドウで報告されます。メッシングプロセスのサマリーで、メッシュが生成されたことが示されます。



    図 40.
  3. サーフェス上にメッシュを表示します。
    1. Data TreeでGlobalの下にあるZone Mesh Attributesを右クリックして、Display offをクリックします。
    2. Data TreeVolumesを右クリックして、Display offをクリックします。
    3. Data TreeSurfacesを右クリックして、Display onをクリックします。
    4. Data TreeSurfacesを右クリックして、Display typeを選択し、solid & wireをクリックします。
  4. ビューを回転、移動、またはズームして、メッシュを検証します。

    側管上のメッシュの詳細は、図 41に示しています。このビューは、Symmetryを除くすべてのサーフェスの表示をオフにしてから、側管が主管に結合されている部分をズームインしたものです。



    図 41. 対称面に表示された管交差位置周囲のメッシュ詳細

    グローバル設定によってサイズが決まる領域から、設定の対象がより細かいメッシュである小さい管周辺のゾーンへ移行する中で、主管内のメッシュサイズが左から右へと小さくなることに留意してください。

  5. データベースを保存して設定のバックアップを作成します。

解の計算と結果の確認

AcuSolveの実行

次の手順では、AcuSolveを起動してこのケースの解を計算します。

  1. ツールバーでをクリックしてLaunch AcuSolveダイアログを開きます。


    図 42.

    このケースでは、デフォルト値を使用します。

    これらの設定に基づき、AcuConsoleAcuSolveの入力ファイルを生成してから、ソルバーを起動します。AcuSolveは、4つのプロセッサ上で実行され、この問題の定常状態解を計算します。

  2. Okをクリックして解析プロセスを開始します。

    計算中、AcuTailウィンドウが開きます。解析の進行状況はこのウィンドウで報告されます。解析プロセスのサマリーで、実行が完了したことが示されます。

    このサマリーで提供される情報は、AcuSolveで使用されるプロセッサの数に基づいています。このチュートリアル内で示されている数と異なる数のプロセッサを使用した場合は、示されているサマリーと実行時のサマリーが少し異なる場合があります。



    図 43.
  3. AcuTailウィンドウを閉じ、データベースを保存して設定のバックアップを作成します。

AcuFieldViewでの結果の表示

計算が終了したので、AcuFieldViewを使用して流れ場を表示する準備ができました。AcuFieldViewは、AcuSolveに緊密に統合されたサードパーティ製のポスト処理ツールです。AcuFieldViewAcuConsoleから直接開始できますが、スタートメニューやコマンドラインから開始することもできます。このチュートリアルでは、AcuSolveによって解が計算された後に、AcuConsoleからAcuFieldViewを開始します。

次の手順では、AcuFieldViewの起動、モデルのビューの操作、対称面での速度コンターとベクトルの表示、および対称面での圧力コンターの表示を行います。

AcuFieldViewの起動

  1. AcuConsoleツールバーで をクリックしてLaunch AcuFieldViewダイアログを開きます。
  2. OkをクリックしてAcuFieldViewを起動します。
    AcuConsoleからAcuFieldViewを起動すると、メインウィンドウとBoundary Surfaceダイアログが表示されます。メインウィンドウは、図 44に示す6つのコンポーネントから成ります。
    • メニューバー
    • メインツールバー
    • Transform Controlsツールバー
    • Viewerツールバー
    • モデリングウィンドウ
    • サイドツールバー

    AcuConsoleからAcuFieldViewを起動するときには、ディスクに書き込まれた、解析の最後の時間ステップの結果が、ポスト処理のために読み込まれます。



    図 44. ミキシングエルボが読み込まれたAcuFieldViewGUI

AcuFieldViewにおけるモデルビューの操作

AcuConsoleから直接AcuFieldViewを起動すると、Boundary Surfaceダイアログが開き、 等角図法でモデルが表示されます。最初のビューは遠近法で表示され、モデルの周りにアウトラインが示されます。次の手順ではそのビューを操作し、後の手順ではBoundary Surfaceダイアログを使用してさまざまな流動特性を表示します。



図 45.
  1. 背景色を白に変更します。
    1. Viewメニューをクリックします。
    2. Background / Enviromentをクリックします。
    3. 白の色見本をクリックしてから、Closeをクリックします。


    図 46.
  2. ツールバーの をクリックすることで、モデルの周りのアウトラインの表示をオフにします。
  3. 透視図から正投影図にビューを変更します。
    1. Viewメニューをクリックします。
    2. Perspectiveをクリックしてこのオプションを無効にします。


    図 47.
  4. 正のZ方向(+Z)から表示するよう、モデルの方向を設定します。
    1. ツールバーで をクリックしてDefined Viewsダイアログを開きます。
    2. をクリックします。

      Defined Viewsダイアログでボタンをクリックするとすぐにビューが変わります。



      図 48.
    3. (オプション)Closeでダイアログを閉じます。

    AcuFieldViewではAcuConsoleと同様の方法でビューを移動、ズーム、および回転できます。AcuFieldView では、マウスボタンのアクションに対して異なるマッピングが使用されます。

    アクション マウスボタン
    移動(パン)
    回転 中央
    ズーム

対称面での速度のコンター表示

次の手順では、境界サーフェスを作成し、対称面で速度のコンターを表示します。

  1. をクリックしてBoundary Surfaceダイアログを開きます。
    注: このダイアログはすでに開かれている場合があります。この手順では、このダイアログに焦点を当てます。
  2. Show Meshオプションを無効にします。
  3. 表示するスカラー場としてvelocity_magnitudeを設定します。
    1. Scalar Functionコントロールグループ内でSelectをクリックし、Function Selectionダイアログを開きます。
    2. リストからvelocity_magnitudeを選択します。
      注: 必要に応じてリストを下にスクロールし、velocity_magnitudeを見つけてください。
    3. Calculateをクリックします。
  4. コンター表示用の場所として対称面を設定します。
    1. OSF: SymmetryをBOUNDARY TYPESのリストでクリックします。
    2. OKをクリックします。


    図 49.
    コンターは、入口での速度プロファイルを反映し、エルボにおいて、高速側の入口の流れと主管内の流れとの間に、速度の大きさの変化で表される運動量伝達があることを示します。
  5. 凡例Legendをビューに追加します。
    1. Boundary SurfaceダイアログでLegendタブをクリックします。
    2. Show Legendオプションを有効にします。
    3. Frameオプションを有効にします。
    4. Geometricの横のColorグループで、白の色見本をクリックしてから黒の色見本を選択し、凡例値の色を黒に設定します。
    5. Title欄の横にある白の色見本をクリックして、タイトルの色を黒に設定します。
    6. Shiftキーを押しながらLegendを左クリックして左側にドラッグすることにより、Legendを移動します。


    図 50.

ビューへの速度ベクトルの追加

次の手順では、新しい境界サーフェスを作成して、このサーフェス上に速度ベクトルを表示します。

  1. Boundary SurfaceダイアログのSurfaceタブで、Createをクリックします。

    新しいSurface IDは2になります。

  2. COLORINGグループのGeometricラジオボタンをクリックします。
    これにより、ベクトルの色が固定色に設定されます。デフォルトでは、この色は黒です。
  3. ベクトルオプションを設定します。
    1. Vectorsラジオボタンをクリックします。
    2. Vectorsの横にあるOptionsをクリックして、Vector Optionsダイアログを開きます。
    3. Head Scalingを有効にして、0.5に設定します。
      このオプションによって、ベクトルを基準にした矢印のサイズが決定されます。
    4. Length Scaleを2に設定します。
      この長さスケールによって、ベクトルの長さが決定されます。
    5. Skipオプションを有効にして、37.5%に設定します。
      Skipオプションによって、表示を省略するベクトルの比率が決定されます。この設定値が37.5%の場合は、62.5%のベクトルが表示されます。


      図 51.
    6. Closeでダイアログを閉じます。
  4. ベクトル表示用の場所として対称面を設定します。
    1. OSF: SymmetryをBOUNDARY TYPESリスト内でクリックします。
    2. OKをクリックします。


    図 52.
  5. 小さい入口と主管の接合部を拡大して、速度ベクトルの詳細を表示します。
    1. ツールバーの をクリックします。
    2. 2つの管の接合部を囲むようにボックスを描画します。


    図 53.
    注: この画像を取得するために速度コンター(Surface ID 1)のShow Legendオプションが無効になります。
    速度ベクトルは流れの方向を示します。速度ベクトルの長さが速度コンターと一致することに注目してください。高速領域でのベクトル(赤色)が最も長く、低速領域でのベクトル(青色)が最も短くなります。

対称面での圧力のコンター表示

次の手順では、境界サーフェスを作成し、対称面上で圧力のコンターを表示します。

  1. Boundary SurfaceダイアログのSurfaceタブで、Createをクリックします。
    新しいSurface IDは3になります。
  2. DISPLAY TYPEコントロールグループのSmoothオプションを有効にします。
  3. COLORINGコントロールグループのScalarオプションを有効にします。
  4. 表示するスカラープロパティとしてpressureを設定します。
    1. Scalar Functionコントロールグループ内でSelectをクリックし、Function Selectionダイアログを開きます。
    2. リストからpressureを選択します。
    3. Calculateをクリックします。
  5. コンター表示用の場所として対称面を設定します。
    1. OSF: SymmetryをBOUNDARY TYPESのリストでクリックします。
    2. OKをクリックします。
  6. ベクトルおよび速度コンターの表示をオフにします。
    1. Surface IDを2に変更するか、 をクリックします。
    2. Visibilityオプションを無効にして速度ベクトルを非表示にします。
    3. Surface IDを1に変更します。
    4. Visibilityオプションを無効にして速度コンターを非表示にします。
    注: Transform Controlsツールバーで をクリックし、ビューをサイズ変更して中央に配置します。


    図 54.
  7. 圧力コンターで差をわかりやすくするため、カラーマッピングを変更します。
    AcuFieldViewで圧力のスカラー関数が計算されるときには、コンター表示用のカラーマップで使用するための最小値および最大値が計算されます。圧力分布における差をわかりやすくするため、その色分けを編集できます。
    1. Boundary SurfaceダイアログでSurface IDを3に設定します。
      注: モデリングウィンドウでサーフェスをダブルクリックすることで、これを現在のサーフェスにすることもできます。
    2. Colormapタブをクリックします。
    3. Localオプションを有効にします。
    4. SCALAR COLORING値の上限として200を入力します。
    5. SCALAR COLORING値の下限として-60を入力します。
      注: 値として小数を入力すると、科学的記数法に変換されます。


      図 55.
      Localオプションを切り替えるとFunction RangeのMin:値が変わることに注意してください。

      また、このオプションが切り替わるとコンターが(小さい管の接合部付近および主管の屈曲部内側は特に)変化することにも注意してください。

  8. 凡例Legendをビューに追加します。
    1. Boundary SurfaceダイアログでLegendタブをクリックします。
    2. 必要な場合は、Surface IDを3に変更します。
    3. Show Legendオプションを有効にします。
    4. Frameオプションを有効にします。
    5. Shiftキーを押しながらLegendを左クリックして左側にドラッグすることにより、Legendを移動します。


    図 56.

要約

このチュートリアルでは、ミキシングエルボを通る流れのシミュレーションを設定する基本的なワークフローに取り組みました。ケースが設定された後、メッシュを生成し、AcuSolveを使用して解を計算しました。モデルの対称面に沿ってコンターおよびベクトルのビューを作成できるように、AcuFieldViewで結果をポスト処理しました。他のチュートリアルでは、他のモデリング機能を紹介しながら、この基本ワークフローを強化していきます。