乗用車/小型トラックのモデルの構築

通常のMotionViewインストールの一部としてvehicle libraryがインストールされます。

  1. モデルの構築を開始するには、ModelメニューからAssembly Wizardを選択します。
  2. 構築するモデルのタイプを選択してNextをクリックします。
    Option Description
    Front end of vehicle 5種類のフロントサスペンションのいずれかと、それに対応するサスペンションサブシステム(ショックアブソーバー、スプリング、スタビライザーバーなど)を構築します。選択したフロントサスペンションに適したステアリングシステムを選択することもできます。モデルはキネマティックの場合もあればコンプライアントの場合もあり、ライド、ロール、ステア、K&Cなどのハーフカー解析イベントをすべてサポートしています。

    右記をご参照ください; フロントマクファーソンストラット式サスペンション(1pc LCA)

    Rear end of vehicle 11種類のリアサスペンションのうち、選択した1種類を構築し、そのサスペンションに関連付けたサブシステムを構築します。モデルはキネマティックの場合もあればコンプライアントの場合もあり、ライド、ロール、ステア、K&Cなどのハーフカー解析イベントをすべてサポートします。
    Full vehicle ステアリング、フロントサスペンション、リアサスペンション、パワートレイン、ドライブトレイン、タイヤを備えたフルビークルモデルを構築します。フルビークルのオプションには、10万種類を超える組み合わせを構築可能にする広範な選択肢があります。
    Powertrain model エンジンマウントで支持された剛体エンジンを構築します。縦置き型エンジンおよび横置き型エンジンの各構成がサポートされています。標準のエンジンイベントも実行できます。これらのイベントは、エンジンのトルクに起因するエンジンの運動(パッケージングの場合)とエンジンマウントに発生する力を把握する目的で使用することが普通です。
  3. 追加するドライブラインのタイプを選択してNextをクリックします。
    ドライブトレインはフロントサスペンションまたはリアサスペンションに組み込むことができます。ドライブトレインを組み込んで、その運動を調査するとともに、そのドライブトレインを介してサスペンションに荷重を適用し、車両の真の性能をシミュレートできます。ドライブトレインには、ディファレンシャルと、システムに応じてフックジョイントまたは等速ジョイントが含まれます。前輪駆動、後輪駆動、および全輪駆動システムを表現できます。四輪駆動の減速型トランスファーケースは扱われていませんが、MotionViewのインターフェースで手動で構築できます。下の図は2つの異なるドライブトレインシステムを示しています:
    Figure 1. 左:ディファレンシャルギアと2本のハーフシャフトを備えたフロントサスペンション、右:ディファレンシャルギアと2本のアクスルシャフトを備えたソリッドアクスルドライブトレイン


  4. Primary Systems for Front end of vehicleダイアログで次の各オプションを選択します。
    Option Description
    Body fixed to ground モデルに車体部分を追加します。
    Instrumentation  
    Front Subframe 分離型のフロントサブフレームを追加します。
    フロントサスペンション 5種類の使用可能なフロントサスペンションのいずれかを選択します。
    Steering Linkages 3つのステアリングシステムのいずれかを選択します。
    Powertrain パワートレインは、エンジンボディと、ブッシュを使用してモデル化される一連のエンジンマウントで構成されます。横置き型エンジンでは、1つ以上の“ドッグボーン”型マウントがモデルに含まれる場合があります。このモデルに含まれるイベントでは、変速機のアウトプットシャフトへトルクが適用されます。このシステムは、加速や制動イベント時のエンジンの運動をシミュレートし、フルビークルモデルの一部品として動作するように設計されています。


    Figure 2. 左:縦置き型エンジン、右:横置き型エンジン
    Note: エンジンの内部メカニズムはモデル化されません。
  5. NextをクリックしてSteering Subsystemsダイアログを開き、次の各オプションを選択します。
    Option Description
    Steering column Steering column 1を選択すると、2つのユニバーサルジョイントを備えたステアリングコラムが追加されます。
    Steering boost 油圧式パワーステアリングシステムの効果が追加されます。
  6. NextをクリックしてSprings, Dampers and Stabarsダイアログを開き、次の各オプションを選択します。
    Option Description
    Front Struts ストラットのモーションを定義します。
    Front Stabilizer bars リンクを備えたスタビライザーバー:マルチビーム型スタビライザーバー

    ツーピーススタビライザーバー:バーの剛性をシミュレーションする回転スプリング

  7. NextをクリックしてJounce/Rebound Bumpersダイアログを開き、各オプションを適切に選択します。
    Note: 内部バンパーはストラットに組み込まれます。外部バンパーはストラットから分離されます。
  8. NextをクリックしてFWD Driveline Systemsダイアログを開き、各オプションを適切に選択します。
    モデルの構築を完了すると、そのモデルがmodeling windowに表示されます(各部の色は変わることがあります)。
    構築されたモデルには次の特徴があります:
    • ストラット、スタビライザーバー、ジャウンスバンパーおよびリバウンドバンパーのシステムは、サスペンションシステムの下にグループ化されています。
    • ステアリングは、サブシステムであり、ステアリングコラムを伴う個別のシステムです。
    • 個々のシステムはオンとオフを切り替えることができます。
    • 車体は剛体で、一組の円錐で示された2つの個別のジョイントで地面に固定されています。
    • モデル内のポイント名は業界用語に対応しています。ポイントのXYZ位置を変更すると、そのポイント、そのポイントに関連付けたジョイントまたはブッシュ、および該当のパートを表す形状が移動します。

    車体には論理名があります。ブラウザを使用して、それぞれのプロパティを更新します。

    モデル内のブッシュには、全6方向におけるKとCの両方のレートに対してディフォルト値が設定されています。それらを測定値または推定値で置き換えてください。

    コイルスプリングとダンパー要素には、スプリングレート、初期荷重および減衰の推定値が設定されています。

    この時点で、モデルに含めるすべてのシステムが選択されたことになります。前の手順に戻って選択を変更するか、先に進んでAttachment Wizardによるモデルの構築を終了します。