Aerospace Compositeツール

複合材で機能するAerospaceツール。

CSVからのPCOMP作成

これは、.csvファイルで定義されたデータから、HyperMeshの複合材プロパティを生成します。

必要なファイルフォーマットを以下の表に示します。1つのプロパティの各層は、1つの材料IDと板厚を共有する必要があります。他のオプションについては「 Data I/O Spreadsheetsを参照してください。

メニューバーから、航空宇宙 > 複合材 > CSVからのPCOMP作成の順にクリックします。Import file欄で該当するファイルを参照し、Createをクリックします。

表 1. ファイルフォーマット
PCOMP ID Material ID Thickness Orientation              
1 1 0.01 -45 0 45 90 90 45 0 -45
2 1 0.01 0 90 0 90        
11 5 0.02 30 0 30          

プライジオメトリのスムージング

プライジオメトリのスムージングは、通常コンセプトレベルの複合材のフリーサイズ最適化から生成される有限要素のプライ形状をスムージングし、有限要素のプライ形状からジオメトリを生成する機能を提供します。

  1. メニューバーから、航空宇宙 > 複合材 > プライジオメトリのスムージングの順にクリックします。
  2. ジオメトリ形状に変換するFEプライを選択します。
  3. ジオメトリを配置する位置を選択します。
    • 元のコンポーネント
    • プライごとに個別のコンポーネント
  4. ラインまたはサーフェスのいずれかを、STEPファイルとしてエクスポートするジオメトリとして選択します。
  5. 境界のスムージングを行わず、そのままの形状を保持する場合は、Smooth Iterationをゼロに設定します。そうでなければ、反復回数として10~20を使用します。
  6. 小さな穴をふさぐ、パッチする、またはプライから削除するように定義する場合は、小さな領域を以下のいずれかに設定します:
    • Area Ratio – 積層材の面積に対する小さな領域の面積の比率
    • Element Count – 小さな領域を定義する要素の数
  7. 入力プライが複数の個別の領域で構成される場合、新しいプライを生成するには、Split disconnected ply regions into separate new ply entitiesを選択します。
  8. Update ply element setsは以下のとおり。
    • 非選択 – 要求されたプライのジオメトリを生成しますが、入力プライに割り当てられた要素セットは変更しません。
    • 選択 – 要求されたジオメトリの生成に加え、スムージングが反映された新しい要素セットが作成され、入力プライに割り当てられます。
  9. STEPファイル名を指定します。
    ジオメトリプライが作成され、STEPファイルにエクスポートされます。


    図 1. 反復回数が0のスムージングの結果


    図 2. 反復回数が20のスムージングの結果

プライ名の自動変更

プライ名の自動変更は、割り当てられた材料、板厚、および角度が付加されるように、プライ名を変更します。

メニューバーから、航空宇宙 > 複合材 > プライ名の自動変更の順にクリックします。

以下に示すように、初期モデルにはCADからインポートされた元のプライ名が付いています。


図 3. CADシステムで定義されたままのプライ名
このユーティリティを実行し、名前を変更するプライのすべてを選択すると、以下に示すように、材料名、板厚、および角度が付加されます。


図 4. 更新されたプライ名

FE Absorb Plies

FE Absorb Pliesでは、ゾーンベースのプロパティからプライベースのモデルを生成します。

作成されるエンティティには、プライおよび積層エンティティが含まれ、オプションで (OptiStruct/Nastran ) PCOMPPを作成することができます。

作成されるエンティティは、積層、プライ、およびテンプレートプロパティです。

ゾーンベースのモデルからプライベースのモデルへの変換は、ゾーン上のグローバルなプライID / 名前の存在(PCOMPではなくPCOMPGがあるなど)により異なります。FE Absorb Pliesは、PCOMPなどのグローバルデータがないゾーンでも実行できますが、変換では、内部ロジックを使用して、ゾーン間のプライの結合方法を決定しています。


図 5.
  1. メニューバーから、航空宇宙 > 複合材 > FE Absorb プライの順にクリックします。
  2. ゾーンベースのモデルをゾーンベースのソルバープロパティでインポートします。
    これらのFEモデルには、プライや積層材はありません。ゾーンベースのソルバー特性からプライや積層材を作成することを目的としています。


    図 6. FEモデルにプライや積層材は存在しない
  3. プライベースモデルの生成に使用するゾーンベースのソルバープロパティをすべて選択します。
  4. OptiStructを使用している場合は、Update TMANUF of plyを選択して、ゾーンの層の厚みがPLYカードのTMANUF(サイジングの最適化に使用されます)にコピーされるようにします。
  5. 1つのゾーンのプライ形状に結合されていない領域が複数存在する場合、Split disconnected ply regions into separate new ply entitiesを選択することにより、結合されていない領域ごとに1つずつ、プライを生成します。
    変換が完了すると、積層材とプライが作成されます。しかし、グローバルIDや名前がプロパティで定義されていない場合、ゾーンベースのモデルからプライベースのモデルへの変換は与えられている情報だけで行うことができない場合があります。特に積層材の積み重ね順序については、多くの可能性が存在します。必要に応じて、積層材を確認し、順序を変更することを推奨します。


    図 7. FE Absorb後、モデルにプライ、積層材およびPCOMPPが作成される

材料方向

材料方向ツールは、シェルおよびソリッド要素の場合、その材料をxの向きに割り当て、ソリッド要素の場合はオプションでzの向きに割り当てるいくつかの方法を提供します。

メニューバーから、航空宇宙 > 複合材 > 材料方向の順にクリックします。
制約事項: このツールはシェル要素にのみ適用できます。
  1. 材料の方向を割り当てるEntitiesを選択します(ElementsまたはProperties)。
  2. 材料の方向を適用した後に描かれる方向ベクトルのを設定します。
  3. 材料の方向を適用した後に描かれる方向ベクトルのスケールを設定するには、Scaling OptionをAutoまたはManualに設定します。
  4. 材料の方向を適用した後に描かれる方向ベクトルのサイズを手動で入力するには、Size欄に値を入力します。
  5. X direction methodを設定します。以下から選択します:
    • Curve – 入力カーブをxの向きに空間的にマップします。
      • Lines/Edges – 方向を定義するライン。
      • Flip direction – ライン / エッジの場合のみ。指定されたカーブが+xの向きなのか、-xの向きなのかを指定します。
      • Nodes – 方向を定義するラインのリスト。
    • System ID – 方向として割り当てられる座標系。
    • System Axis – xの向きにマップする座標系とその軸。
    • Angle – OptiStructNastranの場合のみ。要素のTHETA欄に適用される回転を直接入力します。
  6. 以下のいずれかを選択してNormalの値を設定します:
    • Element Normal – 要素のzの向きを使用します(要素が選択されている場合、2D > composites > element normalsパネルで確認できます)。一般には、このオプションを使用する必要があります。
    • Surface Normal – 材料のzの向きを空間的に選択したサーフェスに揃えます。

By Curve

カーブ / ラインを使用して材料の向きを作成します:
  1. 新しい材料角度が割り当てられる要素を選択します。
  2. 材料の向きを定義するラインまたは節点のリストを選択します。要素の中心が取り出されて最も近いライン / 節点セグメントに投影され、材料角度を割り当てるためにそのラインの接線の向きが求められます。


    図 8. 外の円ラインの向きに基づいて、円パターンの材料方向が割り当てられている

その他の材料方向ツールも使用できます。

By Node:要素の材料の向きは、2つの節点を使用して割り当てることができます。


図 9. 材料の向きに2つの節点が選択されている


図 10. 材料の向きは2つの節点と同じ向き

By System ID

選択した座標系のX軸が要素に投影され、要素の材料の向きが作成されます。


図 11. 座標系のX軸が投影に使用される

By System Axis

局所座標系と要素に投影される軸の向きを選択して、材料の向きを作成できます。


図 12. 座標系の局所軸2が投影され、材料座標系が作成される

By Angle

要素N1-N2の向きから材料の向きが回転される角度を指定できます。


図 13. 要素N1-N2の向き


図 14. N1/N2方向に対する角度で材料座標系が作成される

シェルからソリッドへの変換

シェルからソリッドへの変換ツールは、プライベースのシェルモデルからソリッド要素と材料の方向を生成するための機能を提供します。

制約事項: NastranAbaqusおよびOptiStructソルバーでのみ利用できます。
  1. メニューバーから、航空宇宙 > 複合材 > シェル > ソリッド変換の順にクリックします。
  2. Select entities欄で、変換を実行するエンティティを選択します。
    • Laminates
    • Plies
  3. Solid Elems欄で、板厚方向に生成されるソリッド要素の数を制御するオプションを選択します。
    • Create solids for each layer – 入力プライ層ごとに1つのソリッド要素を生成します。
    • Create single solids for all layers – 板厚方向に1つの積層ソリッド要素を生成します。出力は、ソルバープロファイル、要素タイプ設定(penta6およびhexa8の下の2D or 3D > elem types > 2D & 3Dパネルから変更可能)、およびテンプレートプロパティに基づいて、連続体シェルまたは積層ソリッドになります。
    • Create multiple solids using dummy ply separation – 板厚方向に複数の積層ソリッド要素を生成します。積層ソリッド要素の数は、積層材内の“ダミープライ”の数で決まります。出力は、ソルバープロファイル、要素タイプ設定(penta6およびhexa8の下の2D or 3D > elem types > 2D & 3Dパネルから変更可能)、およびテンプレートプロパティに基づいて、連続体シェルまたは積層ソリッドになります。
  4. Component欄で、変換で生成されるソリッド要素を制御する方法を選択します:
    • Create comp for each ply – 入力プライごとに新しいコンポーネントが1つ作成されます。
    • Current collector – 作成されるすべてのソリッド要素が現在のコンポーネントに配置されます。
    • Create single comp for all plies – 新しいコンポーネントが1つ作成されます。
    • Use existing shell component – ソリッド要素は、それらの生成元のシェル要素を含むコンポーネント内に配置されます。
  5. Fill gapsを選択すると、プライの減少によって作成された空孔を埋めるpyraおよびpenta要素を作成します。
  6. Delete Shellsを選択すると、ソリッド要素の作成後、プライベースのモデルのシェル要素を削除します。
  7. Create Propsを選択すると、作成したソリッド要素に割り当てられるソリッド複合材プロパティを作成します。


    図 15.


    図 16. ダミープライの分離を利用した複数ソリッドの作成のためのダミープライ