Derived Load Cases

荷重ケースツールでは、他の荷重ケースから、または他の荷重ケースとシミュレーションステップの組み合わせから合成荷重ケースを作成することができます。

注: 合成荷重スケース(線形重ね合わせによる)を作成し、HyperLifeセッションファイル内に保存することができるようになりました。
ResultsツールバーからDerived Load Steps をクリックします。
注: ResultsメニューからCreate > Derived Load Stepsを選択することも可能です。


図 1.
CreateツールからLoadcase をクリックします。


図 2.


図 3.
合成荷重スケースには以下の3つのタイプがあります:
  • Steps
  • Linear Superposition
  • Envelope

ベースの荷重ケースと合成荷重ケースから成る線形重ね合わせまたはエンベロープ荷重ケースの生成について、強化が為されています。エンベロープの最小値または最大値、もしくは線形組み合わせ荷重ケースのセットの最大値を求めることが可能になりました。

詳細については、ベースおよび合成荷重ケースのエンベロープまたは線形重ね合わせをご参照ください。

重要: Envelopeユーティリティは、TensorまたはVectorプロットと使用することを想定していません。テンソルまたはベクトルプロットと共に使用されると、HyperViewHyperLifeは単に合成荷重ステップリスト内の最後の荷重ステップを描きます。
作成したい荷重ケースを選択するには、Typeドロップダウンメニューを使用します。


図 4. Typeドロップダウンメニュー
Loadstepsセクションは、現在のセッション内に読み込まれているすべての結果ファイル、および、各結果ファイルに関連したすべての荷重ステップ / シミュレーションをツリー構造でリストします。シミュレーションステップは、マウスまたは矢印キーで選択して、荷重ステップリストから選択できます。青色の右向き / 左向き矢印 (add/removeボタン)を使用して、合成荷重ステップに対して、必要な荷重ステップ / シミュレーションを追加または削除します。さらに、リスト内のアイテムについて、キーボードショートカットとコンテキストメニューが使用可能です。
注: 複数の荷重ステップは、テーブル / リストで標準のCtrl/Shift+クリック機能を使って選択できます。
ヒント: ツリー構造の現在のビューにリストされている荷重ステップを素早く選択 / 選択解除するには、AllNoneReverseボタンを使用します。

また、View Derived Load Casesアイコンをクリックすることで、合成荷重ケースのリストを表示することができます。

合成荷重ステップは、下記のボタンを使ってコンフィギュレーションファイル(*.cfg)として保存またはインポートすることも可能です:
使用 目的
Save 現在の合成荷重ステップの定義をコンフィギュレーションファイルとして保存
Open 以前保存された合成荷重ステップコンフィギュレーションファイルをインポート / 読み出し
注: サンプル合成荷重ステップコンフィギュレーションファイルを見るには、このリンクをクリックしてください。

Steps

Stepsタイプは、他の荷重ステップから合成荷重ステップを作成するために使用されます。1つの合成荷重ステップには、1つまたは複数のシミュレーションステップを含むことが可能で、オプションとしてスケールファクターを適用できます。




図 5.
Select loadstepドロップダウンメニューを用いて、アクティブにしたい合成荷重ケースを選択します。


図 6. Select loadstepドロップダウンメニュー
荷重ステップの選択に際し、その荷重ステップ内に含まれるシミュレーションステップは、ドロップダウンメニューの下の一覧に表示されます。


図 7. 合成荷重ステップ一覧の例
一覧には以下のカテゴリーが含まれています:
Label
荷重ステップ番号と各シミュレーションステップの時刻を表示します。
この欄は編集することはできません。
Scale
各荷重ステップ / シミュレーションステップについて定義されたスケールファクターを表示します。
注: スケールファクターは、手動で変更 / 編集できます。

シミュレーションステップは、荷重ステップから削除することも可能です。

Linear Superposition

Linear Superpositionタイプは、選択されたすべての荷重ステップ / シミュレーションの重ね合わせでありスケールファクターを有する、1つのシミュレーションステップのみを含んだ合成荷重ステップを作成するために使用されます。




図 8. Create/Edit Derived Load Caseダイアログ(TypeがLinear-Superposition、View Load Casesアイコンがアクティブ)

Loadstepsセクションは、現在のセッション内に読み込まれているすべての結果ファイル、および、各結果ファイルに関連したすべての荷重ステップ / シミュレーションをツリー構造でリストします。

また、View Derived Load Casesアイコンをクリックすることで、合成荷重ケースのリストを表示することができます。





図 9. Create/Edit Derived Load Caseダイアログ(TypeがLinear-Superposition、View Derived Load Casesアイコンがアクティブ)

このセクションでは、現在選択されている入力ファイルからどの荷重ステップを線形重ね合わせ定義に追加するかを指定します。

Envelope

Envelopeタイプは、選択された全ての解析荷重ステップのなかで最も重要な荷重条件を特定するために使用されます。選択されたMin/Max/Extremeオプションに基づいてエンティティの値を比較し、指定の荷重ステップ(またはアニメーション)からの値を保管する、1つのシミュレーションステップのみを含んだ合成荷重ステップを作成します。
制約事項: エンベロープ荷重ケースについて平均化はサポートされていません。




図 10. Create/Edit Derived Load Caseダイアログ(TypeがEnvelope/Max、View Load Casesアイコンがアクティブ)

Loadstepsセクションは、現在のセッション内に読み込まれているすべての結果ファイル、および、各結果ファイルに関連したすべての荷重ステップ / シミュレーションをツリー構造でリストします。

下記のエンベロープタイプが使用できます:
Min
合成荷重ケース内で定義されている、選択された全ての荷重ステップまたはシミュレーション(適切なスケールファクターで重み付けされている)の中から最小値を求めます。
Max
合成荷重ケース内で定義されている、選択された全ての荷重ステップまたはシミュレーション(適切なスケールファクターで重み付けされている)の中から最大値を求めます。
Extreme
合成荷重ケース内で定義されている、選択された全ての荷重ステップまたはシミュレーション(適切なスケールファクターで重み付けされている)の中から最大絶対値を求めます。ただし、数値の符号は変更されません。例えば、5と10のExtremeは10、5と-10のExtremeは-10です。
Range
合成荷重ケース内で定義されている、選択された全ての荷重ステップまたはシミュレーション(適切なスケールファクターで重み付けされている)の中から最大と最小値の差を求めます。
注: このオプションを選択すると、Contourパネル内のEnvelope trace plotオプションが使用不可となります。
以下の例では、様々なEnvelopeタイプがどのように計算されるかを示しています。


図 11.

Contourパネルで特定の層が選択されると、その層についてすべての荷重ステップを巡回することでエンベロープ値が求められ、Min/Max/Rangeの値がレポートされます。層の集約がMin/Max/Extreme/Average/Rangeにセットされると、結果はEnvelope用に定義されたすべての荷重ステップを含む層すべてについて計算されます。

全体座標系でコンターを解決できます。エンティティ(要素、節点など)上の値はまず全体座標系に変換され、続いて、そのエンティティについてすべての荷重ステップを巡回することでエンベロープ値が得られます。

下の例は、層の集約モード(Contourパネル内のMin/Max/Range層)の、要素についてのEnvelopeタイプMin/Max/Rangeと、3つの層(Top、Mid、Bottom)の4つの荷重ケース(LC1、LC2、LC3、LC4)に対する関係を示すものです。


図 12.
下の図は、EnvelopeタイプがMin、Max、Rangeであるコンタープロットで、一番上の行は、4つの異なる荷重ステップからの値を示しています。


図 13.

ベースおよび合成荷重ケースのエンベロープと線形重ね合わせ

一部の使用例では、合成荷重ケースのエンベロープまたは線形重ね合わせを作成することが役に立つことがあります。線形組み合わせ荷重ケースのセットの最大値を求める、または異なるエンベロープタイプの荷重ケースの最大値を求めるような場合です。ソルバーによって提供されるベース荷重ケースから、ユーザーは2つのレベルの合成荷重ケースを作成することができます(下の画を参照):


図 14.
2つ目のレベル(Level 2)においては、1つ目のレベル(Level 1)からのベースと合成荷重ケースの任意の組み合わせが可能です。続いて合成荷重ケースの参照を可能となるよう、これらの荷重ケースがCreate/Edit Derived Load Caseダイアログでベース荷重ケースと共に表示されます。ツリー内では合成荷重ケースの名称のみが表示されます。合成荷重ケースの詳細は、View Derived Load Casesアイコンをクリックすると確認できます。また、ダイアログ中央にある左および右向きの矢印を使うと、合成荷重ケースの定義を容易に変更することが可能です。




図 15.

不適切に定義された合成荷重ケースの生成を回避するために、様々なチェックが行われます。その1つとして、荷重ケースが繰り返しでそれ自身をポイントしたり、2レベル以上の合成定義が行われた際に、繰り返しエラーが表示されます。エラーメッセージが表示されますが、アクションはとられません。また、荷重ケースについて新たに作成されたID(レベル2)は保管され、セッション / テンプレートファイルから復元される点に注意が必要です(ベース荷重ケースのIDについては必ずしもそうではない)。エンベロープ合成荷重ケースの場合、contourパネル内のトレースプロットが、合成荷重ケースIDを表示します。

複数の結果ファイルからの荷重ケースが参照される際は、合成荷重ケースを作成する前に、必要な結果ファイルをすべて含めておくことが推奨されます。結果ファイルの追加の詳細に関しては、Update Result Filesの項をご参照ください。

注: 複素データについて、別の線形組み合わせ荷重ケースのセットと線形重ね合わせとの組み合わせはサポートされていません。1つ目のレベルの組み合わせの後、複素データは抽出され、結果処理段階で実数に変換されます。そこで、後続の組み合わせ(線形の追加)が、複素数学上ではなく、実数データについて行われます。これらの場合、結果の検証を行うことが必要です。合成荷重ケースの2つ目のレベルはまた、LS-DYNAPAM-CRASH 2GRadiossなど一部の衝突解析ソルバーのファイルフォーマットでは機能しません。