HWD-0010: HyperWorks Desktopの使用環境

本チュートリアルでは、以下の項目について学習します:
  • グラフィカルインターフェース(GUI)の構成要素
  • ページとウィンドウのコントロール
  • HyperWorks Desktopのファイル群
  • 本チュートリアル内の演習は、HyperWorks Desktopインターフェースの使用法の学習と名付けられています。
HyperWorks DesktopHyperWorksソフトウェアツールセットに属しており、下記のアプリケーションで構成されています:HyperWorks Desktopの各製品のについての簡単な説明は、アプリケーション選択メニュートピックに含まれています。リスト内の各製品の詳細については、それぞれのオンラインヘルプをご参照ください。
  • HyperMesh
  • MotionView
  • HyperView
  • HyperGraph 2D
  • HyperGraph 3D
  • MediaView
  • TextView
  • TableView
  • TemplexおよびMath Reference

MotionViewではマルチボディシステムの作成と解析のセットアップを行い、その他のアプリケーションは、有限要素解析(FEA)またはマルチボディダイナミクス(MBD)ソルバーから得られたエンジニアリング結果データの可視化、プロッティング、スタディ、解析および表示を行うためのインタラクティブで使い易い環境を提供します。

本チュートリアルでは、以下の項目について学習します:
  • グラフィカルインターフェース(GUI)の構成要素
  • ページとウィンドウのコントロール
  • HyperWorks Desktopのファイル群

グラフィカルインターフェースの構成要素

HyperWorks Desktopグラフィカルインターフェースの主な構成要素は以下のとおりです。

タイトルバー
タイトルバーは、どの製品がアクティブであるかを示します。ユーザーはクライアント間を切り替えることができるため、別のウィンドウをクリックしてアクティブ化すると、タイトルバー内の情報が変わる場合もあります。タイトルバーには、その時点で読み込まれているファイルの名称も表示されます。
HyperMeshでは、読み込まれているアクティブなユーザープロファイルの名称も示されます。
メニューバー
HyperWorks Desktopの各機能およびツール群にアクセスが可能なWindowsスタイルのプルダウンメニューで、画面の最上部に配置されています。最上位のメニューの選択は、その時点のウィンドウでアクティブとなっているアプリケーションによって異なります。
ツールバー
アクティブなアプリケーションに関連したツール群を含む各パネルには、ツールバーボタンを使ってアクセスすることが可能です。パネル群にはメニューバーからもアクセスできます。各ツールバータイプについては、後述のアプリケーション選択メニューの項をご参照ください。
タブ領域
ブラウザ、ソルバーインターフェースユーザープロファイル用のユーティリティメニュー、およびパネル領域に表示されないその他の機能を含むグラフィカルユーザーインターフェース部分。タブ領域は、グラフィックス領域の左側または右側、もしくは両側に移動することができ、また、完全に非表示にすることも可能です。
グラフィックス領域
モデル、プロット、アニメーションおよびテキストはこの領域に表示されます。この領域は、複数のウィンドウに分割することが可能です。
パネル領域
ほとんどの操作は、パネルオプションを使って実行されます。
View controls(ビューコントロール)
ウィンドウ表示の方向を制御するツール群です。
パネルのツールバー領域に位置するビューコントロールでは、モデルのグラフィックス、プロットおよびビデオを視覚的に操作することが可能です。HyperWorks Desktopには、Standard Views3D View Controls2D View Controlsの3つのビューコントロールツールバーがあります。ツールバーは、Viewメニューからオンオフの切り替えが可能です。チェックマークは、ツールバーがその時点で表示されていることを示します。Toolbarsサブメニューで各アイテムをクリックすると、ステータスのオンオフが切り替わります。ツールバーボタン群と同様、ビューコントロールは、現在アクティブなアプリケーションによって異なります。
ツールバーは、ウィンドウ内の幾つかの場所に移動し、そこに固定することができます。各ツールバーにはツールバーハンドルが付いており、ツールバーをドラッグして移動または固定するために使用されます。ツールバーを移動させるには、ハンドルを希望する新しい場所にクリック&ドラッグで置きます。
下の一覧は、MotionViewHyperViewおよびHyperGraphの各ビューコントロールボタンの機能を説明するものです:
Standard Viewsツールバー


図 1. Standard Viewsツールバー
表 1.
アイコン 機能 詳細
Fit Model

左クリック: モデルをフィット

右クリック: すべてのモデルをフィット

Previous View  
XY Top Plane View xy面を上から見たビューに設定
XY Bottom Plane View xy面を下から見たビューに設定
XZ Left Plane View xz面を左から見たビューに設定
XZ Right Plane View xz面を右から見たビューに設定
YZ Rear Plane View yz面を後ろから見たビューに設定
YZ Front Plane View yz面を前から見たビューに設定
Isometric view 等角図法にビューを設定
Reverse View ビューを現在のビューの“逆”に設定
User views 現在記憶されているユーザービューを設定/復元
3D View Controlsツールバー
3D View Controlツールバーは、モデルを3次元で可視化する際のオプションを提供します。


図 2. 3D View Controlsツールバー
表 2.
アイコン 機能 詳細
Zoom 2の倍数でズームイン/ズームアウト
Circle/Dynamic Zoom 左クリック: サイクルズームモード、右クリック: ダイナミックズームモード
Dynamic Rotate/Spin 左クリック: ダイナミック回転モード、右クリック: ダイナミックスピンモード
Pan 左クリック: パンモード、右クリック: センターモデルモード
Rotate Left/Right 左クリック: 左に回転、右クリック: 右に回転
Rotate Up/Down 左クリック: 上方に回転、右クリック: 下方に回転
Rotate clockwise/counter-clockwise 左クリック: 時計方向に回転、右クリック: 反時計方向に回転
2D View Controlsツールバー
2D View Controlツールバーは、モデルを2次元で可視化する際のオプションを提供します。


図 3.
表 3.
アイコン 機能 詳細
Fit すべてのデータをビュー可能なグラフィックス領域いっぱいに表示
  xデータのみをビュー可能なグラフィックス領域いっぱいに表示
  yデータのみをビュー可能なグラフィックス領域いっぱいに表示
Zoom 左クリック: ズームイン、右クリック: ズームアウト
Pan horizontal 左クリック: 左方向にパン、右クリック: 右方向にパン
Pan vertical 左クリック: 上方にパン、右クリック: 下方にパン
Pan diagonal 左クリック: 左斜め上方向にパン、右クリック: 右斜め上方向にパン
Pan diagonal 左クリック: 左斜め下方向にパン、右クリック: 右斜め下方向にパン
Reverse View xデータとyデータを入れ替え
User view 現在記憶されているユーザービューを設定/復元
アプリケーション選択メニュー
このメニューでは、任意のウィンドウ内でアクティブなHyperWorks Desktopアプリケーションを切り替えることができます。各アプリケーションを選択すると、ツールバーとメニューバーの設定が変更されます。下の一覧は、各アプリケーションの用途と対応するツールバーを示しています。オプションには、HyperMeshHyperViewHyperGraph 2DHyperGraph 3DMediaViewTextViewMotionViewがあります。
HyperMesh - 高度な対話環境および可視化環境下で設計条件の解析を行います。


図 4.
HyperView - CAE結果を可視化します。有限要素およびマルチボディ解析についての変形、線形静解析、モーダルおよび時刻歴アニメーションがサポートされています。


図 5.
HyperGraph 2D - データの解析およびプロッティングを行います。


図 6.
HyperGraph 3D - 3次元プロットの作成と解析を行います。


図 7.
MotionView - 弾性体についての業界最先端の機能も含め、機構システムシミュレーションのプリ処理、ポスト処理および可視化を行います。


図 8.
MediaView - ビデオファイルを読み出します。


図 9.
TextView - テキストファイルの表示と編集を行います。このウィンドウでは、Templex言語を使って数学関数を埋め込むことができます。また、プロットウィンドウからxyデータにアクセスし、Templex関数を使ってそれらに数値処理を行うことも可能です。


図 10.
TableView - スプレッドシート機能。


図 11.
ページとウィンドウのコントロール
このツールバーボタン群では、ページおよびウィンドウレイアウトを制御できます。下記のボタン群は、すべてのHyperWorks Desktopアプリケーションについて表示され、ページの管理、ページレイアウトの変更および個々のウィンドウ操作に使用されます:


表 4.
アイコン 機能 詳細
Add Page セッションに新しいページを追加します。
Delete page セッションからページを削除します。
Page Layout 表示ページに適用可能な20のページレイアウトを含むポップアップメニューを表示します。
Expand/Reduce Window マルチウィンドウ表示内で、選択されたウィンドウを拡大または縮小します。
Swap Windows マルチウィンドウ表示内で、ウィンドウの順序を再編します。
Page counter 現在のページ番号および現在のセッション内のページ総数を画面の右上隅に表示します。ページ番号を直接入力して、そのページにアクセスすることができます。
注: Page counterは、GUIの上部右側に位置しています。
Next Page ページを順方向にブラウズします。
注: この矢印は、GUIの上部右側に位置しています。
Previous Page ページを逆方向にブラウズします。
注: この矢印は、GUIの上部右側に位置しています。
セッションファイル(MVW)
HyperWorks Desktopアプリケーションが起動されるたびに、新しいセッションが開始されます。セッションを保存すると、セッション中に行われた多くのアクションを保持するセッション(MVW)ファイルが作成されます。保存した後にセッションを閉じると、次回それらの手順をやり直すことなく再開できます。セッションファイルには、.mvw拡張子が付いています。

MVWファイルはプレーンテキストファイルで、対応するセッションの操作内で実行されたコマンドが含まれています。結果およびモデルファイルデータは、このファイルには保管されません。セッション内で使用されたデータファイルへのポイントをリンクすることは、MVWファイルのサイズを小さく保つ助けとなっています。データファイルを異なるフォルダーに移動すると、MVWファイル内のファイルパス名を変更しない限り、MVWファイルはそれらを探すことができません。したがって、MVWファイルはデータファイルを含むフォルダー内に保存することをお勧めします。MVWファイルは、テキストエディタを使って編集が可能です。

セッションをセッションファイルに保存するには、メニューバーからFile > Save Session Fileを選択します。ファイルを開くには、File > Openを選択します。

プリファレンスファイル
プリファレンスファイルは、HyperWorks Desktopアプリケーションが起動される度に読み出されるスクリプトファイルです。プリファレンスファイルは、ウィンドウタイプ、プリンター、ページレイアウト、自動保存の間隔、色が割り当てられる順序といったデフォルトのユーザー設定を指定します。

すべてのHyperWorks Desktopアプリケーション用の標準プリファレンスファイルはインストールディレクトリにあり、HyperViewが起動される度に読み出されます。ファイル名は、Windowsの場合はpreferences.mvw、UNIXの場合は.preferences.mvwです。追加のプリファレンスファイルは、ユーザーの作業ディレクトリ内に作成することができ、標準プリファレンスファイルを上書き、もしくは標準プリファレンスファイル内の既存の設定に追加します。

インストレーションには、7セットのインクルードプリファレンスファイルが含まれています。これらのファイルは、各HyperWorks Desktopアプリケーションについてカスタマイズされます。これらは、セッションの起動時に標準プリファレンスファイルからコールされ、独立してコールすることはできません。これらのファイルは、<installation directory>/hw/prefincにあります。詳細については、‟プリファレンスファイルの場所”をご参照ください。

セッションファイルのオープン

  1. Fileメニューから、Open > Sessionを選択します。
  2. ../tutorials/mv_hv_hg/animationディレクトリにあるfrontal_crash.mvwをクリックし、開くをクリックします。


    図 12. 異なるアプリケーションを示す複数のウィンドウを含んだHyperWorks Desktopページ

ページの追加とページコントロールを使ったページの移動

  1. Add Pageボタンをクリックし、注釈を追加します。
    ページカウンターへの変化を確認します。
  2. ページをもう1つ追加します。
  3. アイコンをクリックし、前後のページへ移動します。
    ページ番号欄に直接数値を入力して移動することも可能です。
  4. page 1に移動します。

セッションブラウザを使ったページの名称変更とViewメニューを使ったページ間の移動

  1. Sessionタブをクリックします。
    図 13.


  2. Force-1を右クリックし、Renameを選択します。
  3. HyperView-Classと入力してpage 1の名称を変更します。
  4. Sessionブラウザ内を右クリックし、Createを選択します。これで、4つ目のページが追加されます。
    新しいページがUntitledとして表示されます。
  5. Sessionブラウザ内でページをダブルクリックし、page 4に切り替えます。
  6. ページ上部にpage 4の名称を表示させるために、ViewメニューからPage > Titleを選択するか、Sessionブラウザ内のTitle Visibilityのチェックボックスをオンにします。


  7. page 2を表示させるために、Sessionブラウザ内のUntitled(ID "2")をダブルクリックします。

Page Layoutボタンを使った4ウィンドウレイアウトの作成

  1. Page Layoutボタンの横の矢印をクリックし、Page Layoutオプションを表示させます。
  2. 4ウィンドウレイアウトをクリックします。
    4ウィンドウのレイアウト内で左側上部のウィンドウが水色で囲まれ、アクティブなウィンドウであることを示しています。

Page 2のwindows2-4内のアプリケーションを変更

  1. page 2で、右側下部のウィンドウ(window 2)をクリックしてアクティブにします。window 2は水色の枠で囲まれ、ページ上のアクティブなウィンドウであることを示しています。
  2. アプリケーション選択メニューでHyperGraph 2Dを選択し、window 2のウィンドウタイプをアニメーションからプロットに変更します。
    プロットウィンドウモードを反映するようツールバーが変更されます。
  3. window 3をアクティブにします。
  4. window 3のウィンドウタイプをHyperViewからMotionViewに変更します。
  5. window 4をクリックしてアクティブとします。
  6. window 4のウィンドウタイプをHyperViewからMediaViewに変更します。
  7. page 1に移動します。

Swap Windowsボタンを使ったPage 1のウィンドウの順序の変更

  1. ページをpage 1に切り替えます。
  2. window 2(プロットウィンドウ)をアクティブにします。
  3. Swap Windowsボタンをクリックします。
  4. ドロップダウンイメージ内でwindow 3をクリックします。
    windows 2とwindows 3の中身が入れ替わります。

    1つのページ内に2つのウィンドウしかない場合、Swap Windowsボタンをクリックすると、ウィンドウは自動的に入れ替わります。

Window 2のグラフィックス領域いっぱいの拡大

Expand/Reduce Windowボタンを使用し、HyperViewウィンドウを一時的に拡大して、グラフィックス領域いっぱいに表示させます。これによって、ウィンドウレイアウトを変更することなく、モデルの拡大されたビューが確認できます。

  1. window 1(ダミーモデル)をアクティブにします。
  2. Expand/Reduce Windowボタンをクリックします。
    Expand/Reduce Windowボタンがに変わります。このボタンは、トグルとして機能します。
  3. ボタンを再度クリックし、元の表示に戻します。
  4. タブ領域からResultsタブをクリックします。
  5. Model viewアイコンをクリックして、モデルのプロパティを表示させます。


    図 14.

ビューコントロールの使用

  1. ViewメニューからToolbars > HyperWorks > Standard Viewsまたは3D View Controlsを選択し、メニュー項目の横のボックスからチェックマークを消去してツールバー表示をオフにします。
  2. ツールバーの表示を再度オンにします。
  3. ツールバードッキングドットを選択してツールバーをドッキングし、グラフィックス領域内にドロップします。
  4. 再度バーをクリックし、ビューコントロールを表示させます。
  5. ボタンを使って、モデルをYZ Front Plane Viewで表示させます。
  6. を左クリックして時計方向、右クリックして反時計方向にモデルを回転させます。
  7. およびボタンを使って、モデルを画面の水平または垂直軸について回転させます。水平軸は画面の横方向、垂直軸は縦方向の軸です。
    マウスのクリックで、モデルは30度ずつ回転します。
  8. を使ってズームインズームアウトします。左クリックするとズームイン、右クリックでズームアウトです。
  9. ボタンを使って、モデルをウィンドウいっぱいに表示させます。
  10. をクリックし、モデルの左側のビューを表示させます。
  11. をクリックし、アイソビューに切り替えます。
  12. Resultsブラウザ内で右クリックして、Create > Viewを選択します。
    これで、将来呼び戻すことができるよう、現在のビューを保存します。
  13. モデルを新しい位置に回転させます。
  14. Resultsブラウザ内のViewsフォルダーを展開し、View 1の前にあるアイコンを選択します。
    これで、保存されていたビューが復元されます。

セッションファイルへのセッションの保存

  1. FileメニューからSave As > Sessionを選択します。
  2. MVWファイルのパスと名称practiceを指定し、保存をクリックします。
  3. これで演習は終了です。HyperViewセッションからデータを削除してかまいません(詳細についてはセッションからのデータの削除を参照)。

セッションからのデータの削除

  1. Fileメニューから、New > Sessionを選択します。
  2. "This operation will discard current session file data. Continue?"(この操作は、現在のセッションファイルデータを破棄します。続けますか?)というメッセージにはいと答えます。

セッションファイルpractice.mvwのオープン

  1. セッションファイルpractice.mvwを開きます(Step 1を参照)。
  2. セッションの内容に注目します。このファイルには、本演習内の先のステップで作成されたウィンドウレイアウトおよびページ数が含まれています。