ACU-T:3201 太陽放射と熱シェルのチュートリアル

このチュートリアルでは、AcuSolveHyperWorks CFDを使用した、太陽輻射と熱シェルが関与するCFDシミュレーションの設定について説明します。このチュートリアルを実行する前に、HyperWorksの入門チュートリアルであるACU-T:1000 HyperWorksユーザーインターフェースをすでに完了しHyperWorks CFDAcuSolve、およびHyperViewの基本を理解しているものとします。この解析を実行するには、ライセンス供与済みバージョンのHyperWorks CFDAcuSolveにアクセスできる必要があります。

このチュートリアルを実行する前に、HyperWorksCFD_tutorial_inputs.zip<Altair_installation_directory>\hwcfdsolvers\acusolve\win64\model_files\tutorials\AcuSolveから作業ディレクトリにコピーします。 ACU-T3201_Atrium.x_t およびSolarLoad.dat をHyperWorksCFD_tutorial_inputs.zipから取り出します。

問題の説明

ここで扱う問題を図 1に図示します。このモデルは、中心部に1つの長椅子と複数の椅子があるアトリウムで構成されています。空気は吸気口を介してアトリウムに流れ込み、排気口から出ていきます。アトリウムの前方部分は、アルミニウムフレームで支持されているガラス壁で構成されています。このアルミニウムフレームは熱シェルとしてモデル化できます。したがって、このチュートリアルでは、HyperWorks CFDで非定常太陽輻射シミュレーションと熱シェルを設定するプロセスについて説明します。


図 1.

太陽輻射パラメータ

AcuSolveは、太陽熱流束を計算するための理想的な灰色サーフェス太陽輻射モデルを使用します。流束は、光線追跡アルゴリズムと、正透過( τ s MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaeqiXdq3aaS baaSqaaiaadohaaeqaaaaa@38DF@ )、拡散透過( τ d MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaeqiXdq3aaS baaSqaaiaadsgaaeqaaaaa@38D0@ )、鏡面反射( ρ s MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaeqyWdi3aaS baaSqaaiaadohaaeqaaaaa@38DA@ )、拡散反射( ρ d MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaeqyWdi3aaS baaSqaaiaadsgaaeqaaaaa@38CB@ )、および吸収( α MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaeqySdegaaa@3795@ というサーフェスの5つの光学特性を使用して計算されます。


図 2.
正透過は、光子が方向を変えずにまっすぐサーフェスを通過する場合に生じます。拡散透過では、光子はサーフェスを貫通しますが、その放出エネルギーは、半球上で均等な立体角分布で分散され、投射先のサーフェス領域によって重み付けされます。鏡面反射の場合、反射角と入射角が一致します。拡散反射は、放出エネルギーが分散される半球が入射光子と同じ側のサーフェスにあることを除いて、拡散透過と同じです。最後に、光子はサーフェスによって吸収される場合があります。この5つの相互作用は、以下の制約を受ける5つのサーフェス特性に関連付けられます。(1) τ s ( θ ) + τ d ( θ ) + ρ s ( θ ) + ρ d ( θ ) + α ( θ ) = 1 MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaeqiXdq3aaS baaSqaaiaadohaaeqaaOGaaiikaiabeI7aXjaacMcacqGHRaWkcqaH epaDdaWgaaWcbaGaamizaaqabaGccaGGOaGaeqiUdeNaaiykaiabgU caRiabeg8aYnaaBaaaleaacaWGZbaabeaakiaacIcacqaH4oqCcaGG PaGaey4kaSIaeqyWdi3aaSbaaSqaaiaadsgaaeqaaOGaaiikaiabeI 7aXjaacMcacqGHRaWkcqaHXoqycaGGOaGaeqiUdeNaaiykaiabg2da 9iaaigdaaaa@57CD@
ここで、
τ s MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaeqiXdq3aaS baaSqaaiaadohaaeqaaaaa@38DF@
正透過
τ d MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaeqiXdq3aaS baaSqaaiaadsgaaeqaaaaa@38D0@
拡散透過
ρ s MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaeqyWdi3aaS baaSqaaiaadohaaeqaaaaa@38DA@
鏡面反射
ρ d MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaeqyWdi3aaS baaSqaaiaadsgaaeqaaaaa@38CB@
拡散反射
α MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaeqySdegaaa@3795@
吸収
θ MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaeqiUdehaaa@37AC@
入射角

太陽輻射熱流束を計算するには、太陽輻射サーフェスをその指定サーフェス上で定義する必要があります。

このチュートリアルでは、太陽束の負荷は、AcuSolveで使用可能なacuSfluxスクリプトを使用して生成されたデータファイルの形式で与えられます。このスクリプトを使用して、太陽束ベクトルデータ値の4列の配列でデータファイルを生成できます。このチュートリアルでは、アトリウムでの日の出から日の入りまでのパターンのエミュレートに区分線形タイプが使用されます。

たとえば、地理座標がわかっている位置の太陽負荷データファイルを生成するには、AcuSolveコマンドプロンプトで次のコマンドを入力します: acuSflux -time "dec-3-2019 11:00:00" -tinc 1800 -nts 25 -lat 42.6064 -lon -83.1498 -ndir "1,0,0" -udir "0,0,1"

ここで、
time
GMTでの開始時刻(例:“dec-3-2019 21:00:00”)
tinc
時間増分(秒単位)
nts
個々の時間ステップの数
lat
その場所の緯度(北緯、度単位)(例:45.112または-37.56(37.56 Sと同等))
lon
その場所の経度(東経、度単位)(例:86.26または-54.84(54.84 Wと同等))
ndir
モデル座標での北方向の単位ベクトル(二重引用符で囲む必要があります)(例:“0,1,0”)
udir
モデル座標での上方向の単位ベクトル(二重引用符で囲む必要があります)(例:“0,1,0”)

熱シェルのモデリング

AcuSolveの熱シェルは、サーフェス要素から物理的な厚みがゼロの体積シェル要素を作成する機能です。これは、ソリッド媒体としてモデル化するにはコンポーネントの厚みが小さすぎる場合に役立ちます。熱シェルは、それぞれ異なる厚みと材料モデルを有する複数の層を持つことができます。以下に熱シェルの概略図を示します。


図 3.

サーフェス上に熱シェルを定義する場合、境界条件のセットが2つ必要です。1つはPrimary Wall(Shell Inner)サーフェス用、もう1つはShell Outer Wallサーフェス用です。このチュートリアルでは、外側シェルサーフェスが太陽熱流束を受け取るように外側シェルサーフェスに太陽輻射サーフェスが定義され、内側シェルサーフェスはデフォルトの壁としてモデル化されます。

HyperWorks CFDの起動とHyperMeshモデルデータベースの作成

  1. Windows のスタートメニューからスタート > Altair <バージョン> > HyperWorks CFDをクリックして HyperWorks CFDを起動します。
    HyperWorks CFDが読み込まれると、Geometryリボンが表示されます(デフォルト)。
  2. 以下の方法のいずれかで新規.hmデータベースを作成します。
    • メニューバーで、File > Saveをクリックします。
    • HomeツールのFilesツールグループからSave Asツールをクリックします。


      図 4.
  3. Save File Asダイアログで、データベースを保存したいディレクトリを指定します。
  4. データベース名として Atrium_Solarを入力して、Saveをクリックします。
    このディレクトリが解析用ディレクトリになり、シミュレーションに関連するすべてのファイルがこの場所に保存されます。

形状のインポート検証

形状のインポート

  1. メニューバーからFile > Import > Geometry Modelをクリックします。
  2. Import Fileダイアログで、作業ディレクトリに移動し、 ACU-T3201_Atrium.x_tを選択してOpenをクリックします。
  3. Geometry Import Optionsダイアログで、すべてのオプションをデフォルト設定にしたままImportをクリックします。


    図 5.


    図 6.

    モデルには、前方にアルミニウムフレームで支持される窓ガラスがあるアトリウムが含まれています。空気は前方の屋根にある開口部から入り、後方の排気口から出ていきます。

形状の検証

  1. GeometryリボンからValidateツールをクリックします。


    図 7.
    Validateツールでは、モデル全体をスキャンしてサーフェスおよびソリッドのチェックを実行し、フリーエッジ、閉じたシェル、交差、重複、細長いサーフェスなど、形状内の欠陥にフラグを付けます。

    現在のモデルには、上記のような問題は存在しません。問題が見つかった場合は、ツール名の横の括弧内の数で示されます。

    Validateアイコンの左上に青色のチェックマークが表示されているのがわかります。これは、このツールでは形状モデルの問題は検出されなかったことを示しています。


    図 8.
  2. Escまたは、モデリングウィンドウで右クリックして、緑色のチェックマークの上でカーソルを右から左にスワイプしてください。
  3. データベースを保存します。

流れのセットアップ

シミュレーションパラメータとソルバー設定のセットアップ

  1. FlowリボンからPhysicsツールをクリックします。


    図 9.
    Setupダイアログが開きます。
  2. Physics modelsの設定で
    1. Time marchingを Transientに設定します。
    2. Time step sizeを1に設定し、Final timeを30に設定します。
    3. Turbulenceモデルを Laminarに設定します。
    4. Heat transfer チェックボックスを有効にします。


    図 10.
  3. Solver controls設定をクリックし、Maximum stagger iterationsを3に設定します。


    図 11.
  4. ダイアログを閉じてモデルを保存します。

材料プロパティの割り当て

  1. FlowリボンからMaterialsツールをクリックします。


    図 12.
  2. 流体領域の材料として空気が割り当てられていることを確認します。
    モデリングウィンドウの左上の凡例には、現在のモデルに割り当てられているすべての材料モデルがリストされます。
    このモデルには1つのボリュームがあるだけなので、デフォルトで流体領域の材料として空気が割り当てられます。


    図 13.
  3. ガイドバーをクリックすると、コマンドが実行されてツールが終了します。

薄いソリッドの定義

このシミュレーションでは、薄いソリッドとしてアルミニウムフレームをモデル化します。

  1. FlowリボンからThinツールをクリックします。


    図 14.
  2. モデリングウィンドウで、下の画像でハイライト表示されている4つのサーフェスを選択します。


    図 15.
  3. マイクロダイアログで、Layer thicknessを0.025に、MaterialをAluminumに設定します。
  4. ガイドバーで、選択されているParent Surfacesの数が4であることを確認し、 をクリックしてコマンドを実行します。
    コマンドが実行されると、変更を反映するように適宜凡例が更新されます。
  5. モデルを保存します。

境界条件の定義

  1. FlowリボンからConstantツールをクリックします。


    図 16.
  2. モデリングウィンドウで、下の図でハイライト表示されている給気口サーフェスをクリックします。


    図 17.
  3. マイクロダイアログで、下に示されている値を入力します。


    図 18.
  4. Temperatureアイコンをクリックし、295.35Kという値を入力します。


    図 19.
  5. ガイドバー をクリックし、変更を実行します。
  6. Outletツールをクリックします。


    図 20.
  7. 下の図でハイライト表示されているサーフェスを選択し、ガイドバー をクリックします。


    図 21.
  8. No Slipツールをクリックします。


    図 22.
  9. アトリウム、屋根、前側のガラス壁の3つすべての壁サーフェスを選択します。


    図 23. モデルの前側


    図 24. モデルの後側

    全部で21のサーフェスが選択されるはずです。

  10. マイクロダイアログで、下の図に示されている値を入力します。


    図 25.
  11. をクリックします。新たに表示されたマイクロダイアログで、Nodal Output frequencyを1に設定します。


    図 26.
  12. ガイドバーをクリックすると、コマンドが実行されますが、ツールは終了しません。
  13. ガイドバーで、Surfacesの横のドロップダウンメニューをクリックし、選択エンティティをThin Solidsに変更します。
    薄いソリッドを除くすべてのサーフェスの表示が透明になります。
  14. ウィンドウ選択の手法を使用して、すべての薄いソリッドサーフェスを選択します。


    図 27.
  15. マイクロダイアログで、下の図に示されている値を入力します。


    図 28.
  16. をクリックします。新たに表示されたマイクロダイアログで、Nodal Output frequencyを1に設定します。
  17. ガイドバーで、選択されたThin Solidsの数が4であり、DirectionがAway from Parent Surfaceに設定されていることを確認して、 をクリックします。
  18. ガイドバーの選択エンティティをSurfacesに戻します。
  19. Boundaries凡例で、Default Wallを右クリックして、Isolateを選択します。


    図 29.
  20. 下の図でハイライト表示されているアルミニウムフレームを除くすべてのサーフェスを選択します。


    図 30.
  21. マイクロダイアログで、下の図に示されている値を入力します。


    図 31.
  22. をクリックします。新たに表示されたマイクロダイアログで、Nodal Output frequencyを1に設定します。
  23. Boundaries凡例で、Wall 1という名前をダブルクリックしてFloorに変更します。
  24. ガイドバー をクリックします。
    更新されたBoundaries凡例は、以下に示すようなものになるはずです。


    図 32.
  25. モデリングウィンドウを右クリックしてShow Allを選択するか、単にAキーを押すことにより、すべてのサーフェスの表示をオンにします。
  26. モデルを保存します。

太陽放射のセットアップ

太陽輻射パラメータの設定

  1. RadiationリボンのSolar RadiationツールからPhysicsツールをクリックします。


    図 33.
  2. Solar Radiation Settingsダイアログで、Solar radiation equationをアクティブにします。
  3. をクリックし、ファイルから太陽流束入力を読み込みます。
  4. Open fileダイアログで、フィルタをDat file (.dat)に設定し、このチュートリアルの入力ファイルとともに提供するSolarLoad.datファイルを選択します。
  5. Openをクリックします。
    ダイアログ内のプロットは下の図のようになるはずです。


    図 34.
  6. ダイアログを閉じ、モデルを保存します。

太陽輻射モデルの定義

  1. RadiationリボンのSolar RadiationツールからModelツールをクリックします。


    図 35.
  2. Solar radiation model library をクリックして新しい太陽輻射モデルを追加します。
  3. Name列にBB outと入力し、SideをOutwardに設定します。
  4. 同様にして他のモデルを作成し、下の図のとおりに値を入力します。


    図 36.
  5. ダイアログを閉じ、モデルを保存します。

太陽輻射モデルの割り当て

  1. RadiationリボンからSurfaceツールをクリックします。


    図 37.
  2. 下の図でハイライト表示されている3つの壁サーフェス、給気口、および屋根サーフェスを選択します。


    図 38. モデルの前側


    図 39. モデルの後側
  3. マイクロダイアログで、Solar radiation modelをBB outに設定し、ガイドバー をクリックします。
  4. 下の図に示されているすべてのガラスサーフェスを選択し、これらにGlassモデルを割り当てて、ガイドバー をクリックします。


    図 40.
  5. モデルを回転して、床サーフェスを選択します。マイクロダイアログで、BB inモデルを割り当て、ガイドバー をクリックします。


    図 41.
  6. Solar Radiation Model凡例で、Unassignedを右クリックして、Isolateを選択します。
  7. 長椅子、テーブル、および椅子のサーフェスを選択し、これらにBB defモデルを割り当てて、ガイドバー をクリックします。


    図 42.
  8. ガイドバーで、選択エンティティをThin Solidsに変更します。
  9. ウィンドウ選択の手法を使用して、4つの薄いソリッドサーフェスを選択し、これらにBB outモデルを割り当てます。


    図 43.
  10. ガイドバーで、DirectionがAway from Parent Surfaceに設定されていることを確認し、 をクリックして変更を実行します。
  11. すべてのサーフェスの表示をオンにして、モデルを保存します。

メッシュの生成

このステップでは、メッシュコントロールを指定し、メッシュを作成します。

サーフェスメッシュコントロールの定義

  1. MeshリボンからSurfaceツールをクリックします。


    図 44.
  2. ウィンドウ選択の手法を使用して、モデル内のすべてのサーフェスを選択します。
  3. マイクロダイアログで、Average element sizeを0.15に、Mesh growth rateを1.0に設定します。


    図 45.
  4. ガイドバーをクリックすると、コマンドが実行されてツールが終了します。
  5. モデルを保存します。

メッシュの生成

  1. MeshリボンからBatchツールをクリックします。


    図 46.
  2. Meshing Operationsダイアログで、Mesh growth rateを1.1に設定し、Meshをクリックしてメッシングプロセスを開始します。
    Run Statusダイアログが開き、メッシングプロセスのステータスが示されます。
  3. メッシュが生成されたら、Run Statusダイアログを閉じ、モデルを保存します。
    注: このチュートリアルでは、シミュレーションの実行時間を考慮して、境界層のない非常に粗いメッシュが使用されています。通常は、流れ場および温度場での勾配を適切に解析するための境界層を伴う比較的細かいメッシュが使用される必要があります。

解の計算

節点出力頻度の定義

  1. SolutionリボンからFieldツールをクリックします。


    図 47.
  2. Field Outputダイアログで、Write initial conditionsのチェックボックスをアクティブにします。
  3. Time step intervalを1に設定します。


    図 48.

節点初期状態の定義と解の計算

  1. SolutionリボンからRunツールをクリックします。


    図 49.
  2. Launch AcuSolveダイアログで、Parallel processingオプションをIntel MPIに設定します。
  3. オプション: プロセッサーの数を、利用環境に合わせ、4または8に設定します。
  4. Automatically define pressure referenceオプションを無効にします。
  5. Default initial conditionsメニューを拡張表示します。
  6. Pre-compute flowオプションを無効にします。
  7. Temperatureを288.15に設定します。
  8. すべての値が下の図のとおりに設定されていることを確認します。


    図 50.
  9. Runをクリックします。
    解析プロセスが開始されると、Run Statusダイアログが表示されます。
  10. ダイアログでAcuSolve実行を右クリックし、View log fileを選択します。
    実行が完了すると、解析プロセスのサマリーがログファイルに表示されます。


    図 51.

HyperViewによる結果のポスト処理

この手順では、実行時間を通した太陽熱流束と温度のアニメーションを作成します。

HyperViewのオープンとモデルおよび結果の読み込み

  1. WindowsのスタートメニューからStart > All Programs > Altair <version> > HyperViewをクリックして、HyperViewを起動します。
    HyperViewウィンドウを読み込むと、デフォルトでLoad model and resultsパネルが開きます。このパネルが表示されない場合は、File > Open > Modelの順にクリックします。
  2. Load model and resultsパネルで、Load modelの隣にある をクリックします。
  3. Load Model Fileダイアログで、作業ディレクトリに移動して、ポスト処理する解析実行のAcuSolve .Logファイルを選択します。この例で選択するファイルは、Atrium_Solar.1.Logです。
  4. Openをクリックします。
  5. パネル領域Reader Optionsをクリックします。
  6. Reader Optionsダイアログで、ReaderをAcuSolve Result Readerに、Extended nodal outputオプションをYesに設定し、OKをクリックします。


    図 52.
  7. パネル領域Applyをクリックしてモデルと結果を読み込みます。
    読み込むと、モデルが形状で色分けされます。

温度コンターのアニメーションの作成

この手順では、まず、華氏の単位で温度値をプロットするための式を作成します。その後、床と薄いソリッド壁サーフェス上の温度のアニメーションを作成します。

  1. メニューバーから、Results > Create > Derived Resultsの順に移動します。
  2. Expression Builderダイアログで、式のラベル(名前)としてTemperature_fahrenheit と入力します。
  3. Expressionテキストボックスで、次の式を入力します:1.8*(
  4. TableオプションをTemperatureに、Resourceをmodelに設定します。Insertをクリックして、式に温度変数を追加します。
  5. 下の図に示すように式の残りの部分を入力して、式を完成させます。
    ここで‘R1.S10’という項は、ケルビン単位の温度(スカラー)変数に対応します。Tableオプションの下の必要な変数を選択してInsertをクリックすることにより、式に変数を挿入できます。スカラー変数の実際のIDは、シミュレーションとは異なる可能性があります。


    図 53.
  6. OKをクリックして変更を適用し、ダイアログを閉じます。
  7. ResultsブラウザComponentsのリストを拡張表示します。Floor - OutputThin Solid Wall - Dynamic以外のすべてのコンポーネントの表示をオフにします。


    図 54.
  8. グラフィックスウィンドウで、ガラスの壁と椅子がよく見えるようにモデルを回転します。
  9. Resultsツールバーで をクリックしてContourパネルを開きます。
  10. パネル領域でResult typeをTemperature_fahrenheit (s)に設定します。
  11. Components エンティティセレクターをクリックします。Extended Entity Selection ダイアログでDisplayedを選択します。
  12. Applyをクリックします。
  13. パネル領域のDisplayタブで、Discrete colorオプションをオフにします。


    図 55.
  14. Legendタブに移動し、つづいてEdit Legendをクリックします。
  15. Edit Legendダイアログで、TypeをDynamic scale、Numeric formatをFixedにそれぞれ変更し、OKをクリックします。
  16. Animationツールバーの をクリックし、温度アニメーションを再生します。
  17. Animation Controlsアイコン をクリックします。パネル領域で、スライダーをドラッグしてMax Frame Rateを5フレーム / 秒に設定します。


    図 56.


    図 57.

太陽熱流束のアニメーションの作成

  1. Resultsツールバーで をクリックしてContourパネルを開きます。
  2. パネルエリアで、Result typeをSolar_heat_flux (s)に設定します。
  3. Applyをクリックします。


    図 58.
  4. ImageCaptureツールバーで、Capture Graphics Area Videoアイコン をクリックします。
  5. Save Graphics Area Video Asダイアログで、アニメーションを保存するディレクトリに移動し、アニメーションに名前を付けて(例: solar heat flux animation)、Saveをクリックします。

要約

このチュートリアルでは、太陽放射を伴うCFD解析を設定して解析する方法を知ることができました。まず、形状モデルをHyperWorks CFDにインポートし、シミュレーションパラメータと境界条件を設定しました。解が計算されたら、HyperViewを使用して結果をポスト処理しました。また、得られた結果のプロットを作成できるように、HyperViewで式を作成する方法も学習しました。