物理コンポーネントのモデリング

Activateでは物理システムのモデリングのための陰的ブロックが容易に使用できるようになっています。陰的ブロックは、従来の物理コンポーネントモデルにある明示的な入力と出力ではなく、モデルに拘束を定義するためのポートを備えています。

信号と物理コンポーネントのダイアグラム

動的システムのモデリングプロセスには、入力および出力ポートのネットワークを通してデータを交換するブロックの組み立てが含まれます。基本的なActivateブロックを使用して物理システムをモデリングすることは可能ですが、そのプロセスでは、物理コンポーネントの挙動を表す陰的方程式を陽的な形式に変換する必要があります。また、そこで得られるダイアグラムは、次の図に示すように、コンポーネントベースのダイアグラムとは対照的に、従来とは異なる外観になります。



図 1. コンポーネントベースのダイアグラム(左)とActivateのダイアグラム(右)

通常のブロックが物理コンポーネントのモデリングにあまり適さない根本的な理由は、コンポーネントポートはコネクターであり、(ブロックポートと異なり)入力または出力として指定する必要がないことです。コンポーネントは、ポートの信号に一般的な制約をもたらします。例えば、抵抗器はそのポート上の電流と電圧の関係を指定します。特に、流入する電流の合計はゼロであり、電圧の差は電流と比例していますが、このコンポーネントではいずれかの電流または電圧が入力または出力になる必要はありません。

陰的ブロック

物理コンポーネントのモデリングに適した方法は、ブロックの挙動が記号式で指定される陰的ブロックを使用することです。ブラックボックスとみなすことができる通常のブロックと異なり、陰的ブロックは対応するコンポーネントの陰的方程式を公開します。本ソフトウェアでは記号処理によってこれらの式を取り込み、陰的ブロックの相互接続から取得したモデルに対する効率的なコードを生成できます。陰的ブロックの挙動の記号による仕様は、Modelica言語によって行われています。結果のモデルは非常に効率的で、次の図に示すように、従来型の物理コンポーネントと非常によく似ています。


図 2. 従来のダイアグラム(左)と、陰的ブロックを使用したActivateのダイアグラム(右)

コンポーネントモデルとブロックモデルの結合

次の図に示すように、特別なインターフェースブロックを使用して、コンポーネントモデルとブロックモデルを相互接続できます。

インターフェースブロックModelica to SignalSignal to Modelicaは、インターフェースのパレットから手動で追加できますが、ほとんどの場合、これらのブロックを結合するリンクを作成すると、ブロックが自動的に追加されます。

物理コンポーネントのモデリングの詳細については、上級ユーザーのための拡張定義をご参照ください。