チュートリアル:ひずみエネルギー密度解析

共振解析を実行して、ひずみエネルギー密度結果を調べます。

モーダル法による解析を実行し、ひずみエネルギー密度結果を使用して、質量をサポートする単純なブラケットの設計を改善します。

このレッスンでは、以下を行います。

  • 質量をサポートする単純なブラケットで共振解析を実行する
  • ひずみエネルギー密度結果を調べる
  • 上記の結果に基づいてブラケットの設計を変更する(質量の追加はなし)
  • 設計を比較する
図 1. ひずみエネルギー密度解析の結果

このチュートリアルの目的は、以下の必要最低限の基本をご紹介することです。

  • 構造が変形すると、ひずみの量は領域によって異なります。この変形による構造内のエネルギーの和をひずみエネルギーといいます。
  • 固有値は、モーダル法による解析が実行される際に正規化されます。ひずみエネルギー密度結果は、構造のどの領域に最大のひずみが生じているのか、また、剛性に最も寄与している構造の領域を判別するために使用します。
  • 設計変更に向けて高いひずみエネルギー密度の領域を解析対象とすることは、モーダル法による解析で固有振動数を上げるための一般的な方法です。

モデルの検証とモーダル法による解析の実行

  1. F7キーを押してデモブラウザを開きます。
  2. 0.0_SED_tutorial.stmodファイルをダブルクリックしてモデリングウィンドウにロードします。このモデルには荷重ケースに集中質量と4つのグラウンドに固定されたボルトがあります。
  3. 単位系セレクターの表示単位がMMKS(mm kg N s)になるようにします。
  4. 解析アイコンにある解析の実行 をクリックし、解析の実行ウィンドウを開きます。
  5. 次の設定を使用して共振解析を実行します。
  6. 要素サイズ5 mmに変更します。
  7. 共振の数を3に設定し、荷重ケース2からのサポートを使用します。
  8. スピード/精度速いに設定されていることを確認します。
  9. 実行をクリックし、解析を実行します。

ひずみエネルギー密度結果を確認する

  1. 解析が終了したら、実行名をダブルクリックして結果を表示します。(または、デモブラウザにある0.1_SED_tutorial.stmodファイルを開き、結果を読み込み、表示します。)
  2. 最初のノーマルモードの変位結果をアニメーションします。共振形状ははっきりしていますが、構造のどのパートが最も重要であるかはわかり難いです。
  3. 結果タイプをひずみエネルギー密度に変更し、凡例最大を1.0e8 kg/(mm*s2)に変更します。
  4. こうすると、構造で相対ひずみが最も大きい領域が強調表示されます。これらの高ひずみ領域に材料を追加することは、通常、固有振動数を上げるために良い方法です。

高ひずみ領域に材料を追加する

  1. 形状リボンで、フェイスの移動ツールを選択します。
  2. 大きい側面カットアウトをZ方向に20 mm移動します。
  3. 大きい側面カットアウトをY方向に10 mm移動します。これで、設計の質量を変更せずに、高いひずみエネルギー密度の領域に材料が追加されます。
  4. モーダル法による解析を再実行します(または、デモブラウザにある1.0_SED_tutorial.stmodファイルを開き、解析結果を読み込みます)。最初の周波数が増えました。
  5. ブラケットの上部にある2つのスロットを10 mm外側に移動します。この変更の目的は、ブラケットの上部にある高いひずみエネルギー密度の領域の近くの曲げセクションを増やすことです。
  6. モーダル法による解析を再実行します(または、デモブラウザにある1.1_SED_tutorial.stmodファイルを開き、解析結果を読み込みます)。最初の周波数が再び大幅に増えました。

要約すると、高いひずみエネルギー密度の領域を対象にすることは、構造の剛性を高めるための強力な手段です。このチュートリアルで、最初のモードは材料を追加せずに大幅に増えました。