チュートリアル:サーフェスモデリング

サーフェスモデルを解析し、中間サーフェスツールとパッチツールを使用してサーフェスを作成し、サーフェスを最適化します。

このレッスンでは、以下のことを学習します。
  • CADからのサーフェスのインポート
  • プロパティエディターを使用したサーフェスへの板厚の割り当て
  • 単純な薄肉ソリッドと複雑な薄肉ソリッドの中間サーフェス
  • パッチツールを使用したソリッドからのサーフェスの作成
  • サーフェスの解析と最適化


概要

サーフェスモデルまたは "シェル" モデルは、正確な数値で効率的に薄壁3D構造を表示する方法です。これらのモデルは通常パートの板厚が他の標準寸法よりも大幅に薄い(約1/10以下)ときに使用します。こうしたケースでサーフェスモデルを使用すると、解析および最適化の実行時間を大幅に短縮できます。

サーフェスは一般に以下のいずれかの方法で作成します。
  • CADからサーフェスをインポートする。
  • Inspireのスケッチツールを使用する。
  • 中間サーフェスツールを、CADからまたはInspireで生成した薄肉ソリッドに適用する。
  • パッチツールを、CADからまたはInspireで生成した薄肉ソリッドに適用する。
注: 適切に実行するため、すべてのサーフェスに板厚を割り当てる必要があります。サーフェスについては、形状は常に中間サーフェスにあると定義します。

サーフェスモデルを解析する

まずは、サーフェスを使用することでどのような利点があるのかを見てみましょう。

  1. F7キーを押してデモブラウザを開きます。
  2. rhs_01.stmodファイルをダブルクリックしてモデリングウィンドウにロードします。


  3. 単位系セレクターの表示単位がMMKS(mm kg N s)になるようにします。
  4. パートを選択します。
    • モデルは、複数のサーフェスがある単一のパートで表される。
    • rhs(右側)梁は、パートエッジに荷重とサポートが適用された状態で、一方の端で制約され、もう一方の端で荷重されています。
  5. F3を押してプロパティエディターを開きます。質量プロパティで、パートに10 mmの板厚が割り当てられています。


  6. 解析アイコンにある ボタンをクリックし、次のオプションを使用して解析を設定します。


  7. 要素サイズを4 mmに、スピード/精度を速いに設定します。
  8. 実行をクリックします。実行速度をメモします。これがソリッドモデルであれば、結果で同様の精度を得るには実行時間は10倍以上増えることになります。
  9. 実行名をダブルクリックして、解析エクスプローラを開き、変位およびその他の結果を調べます。


CADをインポートして板厚を割り当てる

サーフェスの作成方法の1つは、CADモデルをInspireにインポートすることです。

すべてのサーフェスにプロパティエディターで板厚を割り当てる必要があります。板厚を割り当てないと接触が検出されないため、計算エラーになります。

  1. デモブラウザにあるsheet_metal_bracket.x_tファイルをダブルクリックして、CADモデルをInspireにインポートします。


  2. Trayパートを選択し、プロパティエディターの質量プロパティで板厚5 mmを入力します。


  3. Bossesパートにも板厚5 mmを割り当てます。
  4. 構造リボンにある接触ツールを選択して接触を検索し、モデルを回転します。


  5. 1つの接触が見つかり、共有パートの境界上に太い青線で示されます。
    Inspireでは、別々のパートにあるボス領域とメイン構造にパート対パートの接触定義を使用するため、これは予想される正常な動作です。


中間サーフェスツールを使用してサーフェスを作成する

サーフェスは中間サーフェスツールを適用して、Inspireで直接作成することもできます。このツールは薄肉ソリッドを自動的に検出し、サーフェスと置き換えることができます。

中間サーフェスにできるパートのタイプにはいくつかの制限があります。
注: 中間サーフェスツールは、一定の板厚のノンマニホールド(非分岐)パートにしか適用できません。X、Y、Tおよび他の同様のタイプのセクションはサポートされません。
  • そのため、ターゲットパートは、平面初期シートから形成または屈曲できるパートに制限されます。
  • スロット、穴、およびカットアウトは許容範囲です。
  • 押し出しなど、一定のセクションのノンマニホールドパートはサポートされます。
  • 多くの場合、中間サーフェスの作成およびそれ以降の他のパートとの結合を行う前に、パートの分割ができます。
  1. デモブラウザにあるmidsurface_examples.stmodファイルをダブルクリックします。
    このモデルには、中間サーフェスの作成要件を満たす複数の薄肉ソリッドが含まれています。


  2. 形状リボンの中間サーフェスツールを選択します。
  3. モデリングウィンドウでLパートを選択し、中間サーフェスと置き換えます。
    中間サーフェスのプレビューが表示されます。板厚は自動的に計算されてマイクロダイアログに表示されますが、編集はできません。


  4. マイクロダイアログの抽出ボタンをクリックして、中間サーフェスを抽出します。
  5. ダブル右クリックでツールを抜け、新しく作成された中間サーフェスを選択します。


  6. プロパティエディターを確認して、中間サーフェスに板厚が割り当てられていることを確認します。


    注: 中間サーフェスツールで板厚が自動的に計算されてパートに割り当てられます。別の方法で作成した接触面は、プロパティエディターで板厚を手動で割り当てる必要があります。
  7. もう一度中間サーフェスツールを選択し、ボックス選択を使用して残りのパートを選択します。
  8. 中間サーフェスを抽出するには、ガイドバーの抽出をクリックします。
    注: 作製したブラケットアセンブリ内のパートは問題なく中間サーフェスになっていますが、必ずしも合っているとは限りません。


  9. これで、デモブラウザにあるplate.x_t fileファイルを開きます。
    これは、もっと複雑なモデルです。


  10. 形状リボンの中間サーフェスツールを選択します。
  11. モデリングウィンドウでパートを選択します。中間サーフェスのプレビューが表示されます。
    注: このパートは、穴や湾曲がありますが、一定のセクションであり、有効な薄肉ソリッドの基準を満たしています。


  12. 抽出をクリックして中間サーフェスを作成し、ダブル右クリックでツールを抜けます。


パッチツールを使用してサーフェスを作成する

サーフェスを作成するもう1つの方法は、パッチツールをソリッドに適用することです。

パッチツールは、多くの場合、形状の終了や修正に使用しますが、ソリッド上のサーフェスパッチの削除にも使用できます。パッチを削除するとソリッドはすぐにサーフェスになるため、これは非常に強力なツールです。例えば、チュートリアルの初めに紹介したRHSモデルは、ソリッド四角形ボックスの両端を削除して作成しました。

  1. デモブラウザにあるx-tubes.stmodファイルを開きます。
    これは、Inspireで作成した単純な3次元構造のモデルですが、CADからインポートすることもできました。


  2. 形状リボンのブーリアンツールを選択します。


  3. 2次リボンからツールを選択します。


    ガイドバーが表示されます。ターゲットは選択されています。
  4. モデリングウィンドウで2つのパートを選択し、ガイドバーのボタンをクリックします。
  5. チェックマークを右クリックして、マウスで移動して終了するか、または右ダブルクリックします。
    これでチューブは1つのパートになります。


  6. 形状リボンのパッチツールを選択します。


  7. 一方のチューブの端のフェイスをクリックして選択します。
    フェイスを選択するときに拡大表示する必要がある場合もあります。


  8. もう一度クリックしてフェイスを削除します。
    フェイスを削除するとすぐにソリッドパートはサーフェスになります。プロパティエディターにはボリュームではなく、面積が表示されます。


  9. 同じプロセスを使用して、残りの3つのフェイスをチューブの端から削除します。また、内側サーフェスもすべて同様に削除します。
    モデルは以下のようになります。


  10. ダブル右クリックでパッチツールを抜けます。
  11. プロパティエディターでパートを選択し、板厚5 mmを入力します。
    注: 質量は自動的に計算されます。


  12. これで、モデルは荷重とサポートを適用して解析または最適化を行う準備ができました。デモブラウザにあるx-tubes_RUN.stmodファイルを開き、解析結果でモデルをロードして表示します。

2Dサーフェスモデルを最適化する

サーフェスは、ソリッドパートの場合と同様に、設計領域に指定できます。
  1. F7キーを押してデモブラウザを開きます。
  2. デモブラウザから2dtopology_and_contact.stmodファイルを開きます。
    このモデルには形状と荷重の両方が含まれています。


  3. Trayパートを選択し、プロパティエディターの質量プロパティで板厚3 mmを入力します。


  4. 同様に、パート1とパート2に3 mm板厚を割り当てます。
  5. Trayパートを右クリックし、パートコンテキストメニューを開き、Trayパートを設計領域に指定します。


  6. 構造リボンの対称条件の追加/編集ツールを選択します。


  7. 2次リボンから面対称ツールを選択します。


  8. Trayパートを選択し、以下に示すように対称面を適用します。


  9. 最適化アイコンの ボタンをクリックし、目標質量25%最小板厚制約15 mmで最適化を設定します。


  10. 実行をクリックします。最適化が完了したら、実行名をダブルクリックして形状比較を開き、結果を調べます。
    注: シートおよびプレート構造に対するサーフェスモデルの長所が、実行時間の速さと離散的結果に示されています。
  11. 形状比較の解析ボタンをクリックし、最適化した形状の再解析を実行します。
  12. 結果を読み込んでレビューします。