チュートリアル:慣性リリーフ解析

成分を使用して荷重を定義し、慣性リリーフを使用した解析を実行します。

このレッスンでは、以下を行います。
  • 成分荷重モードを使用して荷重とモーメントを適用する
  • 慣性リリーフを使用した解析の実行

概要

慣性リリーフは、拘束がない構造を解析するのに使用される数値的解析手法です。一般的な例としては、機体全体の質量への重力によって揚力、抗力およびスラスト荷重が釣り合っている、安定飛行中の航空機などがあります。この重力による加速度は、拘束されていない構造体の加速度と等しく、逆向きとなります。

コンポーネントレベルでは、接続点における荷重が既知であるか計測可能/計算可能であり、静的平衡にある独立したパートの解析に慣性リリーフを活用することができます。

このチュートリアルでは、ショックアブソーバ、フレーム、および車軸の取り付け構造は不明であるが、接続点における荷重が提供されているオートバイのリアスイングアームについて検討します。2つのメインセクションから構成されます:
  • 荷重セットアップ
  • 慣性リリーフ法を使用
以下の表は、この演習で使用される荷重の一覧です。これらの情報は、必要に応じてこの演習内で再提示します。
  位置 Shock Pivot Axle
荷重 Fx N -2352 980 1372
  Fy N 3211 -3700 489
  Fz N -635 645 0
         
モーメント Mx N*mm 0 -104867 -278
  Mx N*mm 0 -188238 779
  Mx N*mm 0 0 -7998

ショックマウントへの成分荷重の適用

  1. F7キーを押してデモブラウザを開きます。
  2. 0.0_swingarm_IR_FEA.x_bファイルをダブルクリックしてモデリングウィンドウにロードします。
    これは、バイクのスイングアーム部品のソリッドモデルです。


  3. 単位系セレクターの表示単位がMMKS(mm kg N s)になるようにします。
  4. 構造リボンの荷重の適用ツールを選択します。


  5. クリックしてショックマウントの中心の穴に荷重を適用します。


  6. マイクロダイアログの成分荷重モードに切り替え、 シェブロンアイコンをクリックして拡張表示します。


  7. 次の値を入力します。
    • Fx: -2352 N
    • Fy: 3211 N
    • Fz: -635 N


  8. チェックマークを右クリックして、マウスで移動して終了するか、または右ダブルクリックします。

成分荷重とモーメントをスイングアームピボットに適用します。

  1. スイングアームピボット周辺にズームインします。
  2. コネクターツールを選択します。


  3. 以下の荷重を選択し、穴中心にコネクターを作成します。


  4. 荷重の適用ツールを選択し、コネクターの中央点に荷重を与えます。


  5. マイクロダイアログの成分荷重モードに切り替え、 シェブロンアイコンをクリックして拡張表示します。


  6. 次の値を入力します。
    • Fx: 980 N
    • Fy: -3700 N
    • Fz: 645 N


  7. トルクの適用ツールを選択し、コネクターの中央点にトルクを与えます。


  8. マイクロダイアログの成分トルクモードに切り替え、 シェブロンアイコンをクリックして拡張表示します。


  9. 次の値を入力します。
    • Tx: -104867 N*mm
    • Ty: -188238 N*mm
    • Tz: 0 N*mm


  10. チェックマークを右クリックして、マウスで移動して終了するか、または右ダブルクリックします。

成分荷重とモーメントを車軸の中心に適用します。

  1. 車軸の中心を拡大表示します。


  2. 荷重の適用ツールを選択し、車軸の穴の中心に荷重を与えます。


  3. マイクロダイアログの成分荷重モードに切り替え、 シェブロンアイコンをクリックして拡張表示します。


  4. 次の値を入力します。
    • Fx: 1372 N
    • Fy: 489 N
    • Fz: 0 N


  5. トルクの適用ツールを選択し、車軸の穴の中心にトルクを与えます。


  6. マイクロダイアログの成分トルクモードに切り替え、 シェブロンアイコンをクリックして拡張表示します。


  7. 次の値を入力します。
    • Tx: -278 N*mm
    • Ty: 779 N*mm
    • Tz: -7998 N*mm


  8. チェックマークを右クリックして、マウスで移動して終了するか、または右ダブルクリックします。

慣性リリーフを使用した解析の実行

  1. 解析アイコンにある解析の実行 をクリックし、解析の実行ウィンドウを開きます。


  2. 以下を設定します。


  3. 要素サイズ2 mmに変更します。
  4. スピード/精度が速いに設定されていることを確認します。
  5. 荷重ケースをクリックし、慣性リリーフ法を使用を選択します。
  6. 実行をクリックし、解析を実行します。
  7. 解析が終了したら、実行名をダブルクリックして結果を表示します。
  8. 結果タイプにフォンミーゼス応力を選択します。
  9. 最大値を200 MPaに変更します。
    注: ここでは、荷重における不均衡さが慣性力によって作用し、サポートが存在しなくても解析が実行されました。