OS-T: 2080 応力の制約条件を伴うフック

本チュートリアルでは、シェル要素で構成されるブラケットフックのトポロジー最適化を行います。

本チュートリアルの目的は、ある応力値を制約条件として、モデルで使用される材料の体積を最小化することです。最適な材料配置を求め、体積を減らすために、トポロジー最適化を行います。この最適化によって、各要素は密度に従って正規化され、密度の低い要素はユーザーが削除できます。

hook_model
図 1. 荷重と拘束条件が作用した構造モデル

構造モデルをHyperMesh Desktopに読み込みます。拘束条件、荷重、サブケースおよび材料特性は既に定義されています。HyperMeshを用いてトポロジー最適化のための設計変数と最適化問題の設定を定義し、OptiStructを用いて最適な材料配置を求めます。その後、結果をHyperView内で確認します。

最適化問題の設定は次のとおりです:
目的関数
質量の最小化
制約条件
最小部材寸法 = 1.0
フォンミーゼス応力 < 1000
設計変数
設計空間内の各要素の密度

HyperMeshの起動とOptiStructユーザープロファイルの設定

  1. HyperMeshを起動します。
    User Profilesダイアログが現れます。
  2. OptiStructを選択し、OKをクリックします。
    これで、ユーザープロファイルが読み込まれます。ユーザープロファイルには、適切なテンプレート、マクロメニュー、インポートリーダーが含まれており、OptiStructモデルの生成に関連したもののみにHyperMeshの機能を絞っています。

モデルの読み込み

  1. File > Import > Solver Deckをクリックします。
    Importタブがタブメニューに追加されます。
  2. File typeにOptiStructを選択します。
  3. Filesアイコンfiles_panelを選択します。
    Select OptiStruct Fileブラウザが開きます。
  4. 自身の作業ディレクトリに保存したhook.femファイルを開きます。モデルファイルへのアクセスをご参照ください。
  5. Open をクリックします。
  6. Import、続いてCloseをクリックし、Importタブを閉じます。

    疲労解析のセットアップの大筋は、以下のステップで得られます。

最適化のセットアップ

ビューの設定

  1. ModelブラウザComponentsを右クリックし、コンテキストメニューからIsolate Onlyをクリックします。
  2. Standard ViewsツールバーでviewAxisOrientationZYFront-24をクリックし、モデルを画面いっぱいに表示させます。
コンポーネントのみが表示されます。

トポロジー設計変数の作成

ここでは、DesignおよびBaseコンポーネント内のシェル要素を最適化して最小部材寸法が幅1.0ユニット、板厚が0とシェルの板厚の間で変化する構造部材を生成するよう、最適化問題を選択します。この最適化問題は、設計の検証に際し設計領域内のどの要素についても最大応力として1000を使用します。

  1. Analysisページからoptimizationをクリックします。
  2. topologyをクリックします。
  3. createサブパネルを選択します。
  4. desvar=欄にshellsと入力します。
  5. type:をPSHELLにセットします。
  6. プロパティセレクターを使って、Design and Baseを選択します。
  7. createをクリックします。
  8. 設計変数のパラメータを更新します。
    1. parametersサブパネルを選択します。
    2. minmemb offからmindim=に切り替え、1.0と入力します。
    3. stress constraintの下で、noneからstress=に切り替え、1000.
    4. updateをクリックします。
  9. returnをクリックします。

最適化の応答の作成

  1. Analysisページからoptimizationをクリックします。
  2. Responsesをクリックします。
  3. モデルの全体積について定義される質量の応答を作成します。
    1. responses=欄に、massと入力します。
    2. response typeの下で、massを選択します。
    3. regional selectionをtotalno regionidに設定します。
    4. createをクリックします。
  4. returnをクリックし、Optimizationパネルに戻ります。

制約条件の付与

設計変数内で応力ターゲットを設定すると、最適化されたモデル内で使用される材料の量を制限する制約条件として機能するため、追加の制約条件は必要ありません。

目的関数の定義

  1. objectiveパネルをクリックします。
  2. minが選択されていることを確認します。
  3. response=をクリックし、massを選択します。
  4. createをクリックします。
  5. returnを2回クリックし、Optimizationパネルを終了します。

データベースの保存

  1. メニューバーで、File > Save As > Modelをクリックします。
  2. Save Asダイアログでファイル名欄にfrf_response_optimization.hmと入力し、自身の作業ディレクトリに保存します。

最適化の実行

  1. AnalysisページからOptiStructをクリックします。
  2. save asをクリックします。
  3. Save Asダイアログで、OptiStructモデルファイルを書き出す場所を指定し、ファイル名としてhook_optと入力します。
    OptiStruct入力ファイルには、拡張子 .femが推奨されます。
  4. saveをクリックします。
    入力ファイル欄には、Save Asダイアログで指定されたファイル名と場所が表示されます。
  5. export optionsのトグルをallにセットします。
  6. run optionsのトグルをoptimizationにセットします。
  7. memory optionsのトグルはmemory defaultにセットします。
  8. OptiStructをクリックして最適化を実行します。
    ジョブが完了すると、ウィンドウ内に次のようなメッセージが現れます:
    OPTIMIZATION HAS CONVERGED.
    FEASIBLE DESIGN (ALL CONSTRAINTS SATISFIED).
    エラーがある場合、OptiStructはエラーメッセージも出します。エラーに関する詳細は、テキストエディタでファイル hook_opt.outを開いて確認することができます。このファイルは同じディレクトリ内に.femファイルとして書き出されます。
  9. Closeをクリックします。

結果の表示

密度結果のアイソサーフェスプロットの表示

  1. HyperWorks Solver Viewダイアログで、Resultsをクリックします。
    最適化ランの結果および対応する線形静的サブケースがHyperViewに読み込まれます。
  2. 要素密度結果のコンタープロットを確認します。
    1. ResultsツールバーでresultsContour-24をクリックし、Contourパネルを開きます。
    2. Result type:をElement Densities[s]に設定します。
    3. Applyをクリックし、密度のコンターを表示します。
    4. Resultsブラウザで、DesignIteration 26(または最終反復回数)を選択します。

    os2080_contour_plot_14
    図 2.
  3. 要素密度結果のアイソバリュープロットを確認します。
    1. ResultsツールバーでresultsIso-24をクリックし、Iso Valueパネルを開きます。
    2. Result typeをElement Densitiesに設定します。
    3. Resultsブラウザから、最後に表示される反復計算を選択します。

      os_2080_results_14
      図 3.
    4. Applyをクリックします。
    5. Current value:欄で値を変更し、密度値の変化に伴う結果を確認します。
      密度のしきい値を更新すると、モデリングウィンドウに表示されているアイソバリューもインタラクティブに更新します。このツールを使用して、OptiStructからの材料レイアウトおよび荷重のパスを見易くしてください。

    os2080_isosurface_14
    図 4. アイソバリュープロット. Current value=0.4528

要素応力結果の表示

  1. アプリケーションの上部右側でpageNext-24をクリックし、Subcase 1の線形静解析からの結果を表すページに移動します。
    このページの結果はhook_opt_s19.h3dから読み込まれ、最初のサブケースの線形静解析結果が含まれています。
  2. ResultsツールバーでresultsContour-24をクリックし、Contourパネルを開きます。
  3. Result typeをElement stresses (2D&3D)(t)およびvonMisesに設定します。
  4. Resultsブラウザから、最後に表示される反復計算を選択します。
  5. Contourパネルで、Applyをクリックします。

    os2080_results_14
    図 5. フォンミーゼス応力結果
  6. 同様にして、他のサブケースの結果も確認することができます。

応力がまだ高い領域が一部見られます。これは、トポロジー応力制約条件が、全体応力コントロールまたは全体応力ターゲットと解釈されているためです。

集中荷重または境界条件によって生じる人工的すなわち局所応力をフィルターにかけるための方法はありますが、これらの局所応力は形状最適化によって幾何形状が変更されない限り完全に除去されることはありません。
注: 部分的にまだ応力の大きい領域があるかもしれませんが、それらは部分的な形状および寸法最適化でより効率的に改善することが可能です。