チュートリアル:ラティスの最適化

最適化形状でPolyNURBSを生成し、ラティス最適化を実行して確認します。

このレッスンでは、以下を行います。

  • 初期のトポロジー最適化の実行
  • 最適化形状でPolyNURBSを生成
  • 新しい設計領域の要素サイズを設定
  • ラティス最適化の実行
  • ラティス結果をレビューする


図 1. ラティス最適化結果

概要

ラティス構造は一般に異なるタイプのセルで構成されます。Altair Inspireでは、梁ごとに最適化できるため、繰返しパターンではなく、設計領域を最適化ラティス構造で満たします。ソリッドでのみ動作するため、設計領域は非設計領域と分離する必要があります。

3Dプリントにおいて、ラティス構造は設計の観点から望ましい特徴がいくつかあります。構造部材のネットワークが大規模であるため、最適化ラティス設計は、一般に安定性にも、熱挙動にも優れています。また、重量特性にも優れているため、軽量化を目標にするアプローチとしても使用されます。ラティス構造は、多孔質の構造が骨および組織の成長に適応させやすいため、インプラントなど、生物医学的用途に特に適しています。

ソリッド構造と同じ設計領域を占めるラティス構造は剛性が低く、応力はより高くなります。そのため、一般に、従来のトポロジー最適化よりも設計要件を控えめに設定する必要があります。ラティス構造では、同じ領域を占めるソリッド構造と比較して変位および応力が5〜10倍大きいことは珍しいことではありません。いつも正確な劣化の推定値が得られるとは限らないため、ラティス最適化から好ましい結果が得られるまで、さらに厳しい制約条件で最適化を開始する必要がある場合もあります。

トポロジー最適化の実行

まず、サンプルモデルの設計領域で初期トポロジー最適化を実行します。最適なトポロジーを占めるラティスには大きな応力と変位がかかるため、最終設計で好ましいとされる性能の5倍の応力制約を使用します。

  1. F7キーを押してデモブラウザを開きます。
  2. 1.0_hanger_topology.stmodファイルをダブルクリックしてモデリングウィンドウにロードします。

    荷重アプリケーションポイントで最大変位0.15 mmに設定されています。これは、次のステップで重要になります。

  3. 単位系セレクターの表示単位がMPA(mm t N s)に設定されていることを確認します。
  4. 構造リボンの最適化アイコンにある最適化実行 をクリックします。
  5. 最適化の実行ウィンドウのオプションを以下に示すように設定します。
  6. 最適化のタイプトポロジーを選択します。
  7. 最適化の目標質量の最小化を選択します。
  8. 応力制約で、最小安全係数5.0に設定します。
  9. 最小板厚制約15 mmと入力します。
  10. 実行をクリックします。
  11. 実行が終了したら、実行名をダブルクリックして結果を表示します。(または、F7キーを押して、デモブラウザにある1.1_hanger_topology_run.stmodファイルをダブルクリックして、結果を含むファイルを読み込むこともできます。)

最適化結果の解析の実行

次に、荷重ポイントでの変位が0.02 mm(最終目標の5分の1)未満になるまで、異なるしきい値で最適化結果を再解析します。

  1. 形状比較で解析ボタンをクリックします。
  2. 実行が終了したら、実行名をダブルクリックして結果を表示します。
  3. 変位結果タイプを表示します。
  4. 注釈で アイコンをクリックして、荷重ポイントに注釈を追加します。
  5. 変位が0.02 mmより大きいです。そのため、最適化結果の表示アイコンをクリックして、初期の最適化結果に戻ります。
  6. 形状比較で、トポロジースライダーを右にスライドして閾値を上げます。
  7. 解析ボタンをクリックして別の解析を実行します。
  8. 荷重ポイントの変位が0.02 mm未満になるまで、このプロセスを繰り返します。
  9. ダブル右クリックで解析エクスプローラを抜けます。

最適化結果でPolyNURBSパートを生成

PolyNURBSツールを使用して、生成されたトポロジー結果に基づいて新しい設計領域を作成します。(このステップをスキップするには、デモブラウザから2.0_hanger_lattice_PN.stmodファイルを読み込み、ステップ5に進みます。)

  1. 形状リボンでPolyNURBSを選択します。
  2. 必要に応じて、ラップツールと他のPolyNURBSツールを使用して、最適化された形状の周りにPolyNURBSパートを作成します。
  3. パートのアクティブ化ツールバーを開くには、F5キーを押します。
  4. モデルブラウザでパート1の横にあるチェックボックスをオフにして、元の設計領域をオフにします。
  5. パートのアクティブ化ツールバーを閉じるには、F5キーを押します。
  6. PolyNURBSパートを右クリックし、コンテキストメニューから設計領域を選択します。
  7. ベースライントポロジー最適化結果にフィットしたPolyNURBSパートが新しい設計領域になっています。
  8. 非設計ボスパートからの設計領域のわずかなオフセットによって、結果として出るラティスの突出を防げます。

要素サイズ自動計算をオフに設定

目標ラティス長さは一般に、非設計パートの最適な要素サイズよりも大きくなります。そのため、ラティス最適化を実行する前に、プロパティエディターで要素サイズの自動計算をオフにします。

  1. F3を押してプロパティエディターを開きます。
  2. ボスパートを選択します。
  3. プロパティエディターで要素サイズ自動計チェックボックスの選択を解除します。

ラティス最適化の設定と実行

ここで、ラティス最適化を実行します。(このステップをスキップするには、デモブラウザから3.0_lattice_hanger_PN_RUN.stmodファイルを読み込み、ステップ7に進みます。)

  1. 構造リボンの最適化アイコンにある最適化の実行 をクリックします。
  2. 最適化の実行ウィンドウのオプションを以下に示すように設定します。
  3. 最適化のタイプにラティスを選択します。
  4. 最適化の目標に質量の最小化を選択します。
  5. ラティスで、目標長さ6 mm最小直径1 mm最大直径3 mmに設定します。
  6. 空隙率100%ラティスに設定します。
  7. 応力制約で、最小安全係数1.0に設定します。
  8. 実行をクリックします。
  9. 実行が終了したら、実行名をダブルクリックして結果を表示します。

ラティス最適化の結果のレビュー

前のステップで実行したラティス最適化の結果を確認します。ラティス最適化の結果は、形状比較ではなく、解析エクスプローラに表示されます。

  1. 安全係数の結果を調べます。最小値は2.0です(目標である1.0を上回ります)。
  2. 変位結果タイプを表示します。
  3. 注釈 アイコンをクリックして、荷重ポイントに注釈を追加します。値1499 mmが制約0.15 mmの範囲内にあります。
  4. 解析エクスプローラの表示にあるアイコンをクリックして、コンターを非表示にします。
  5. アイコンをクリックし、滑らかなラティスを選択します。これで、結果として生成されたラティス構造(ラティス梁間の半径付き)の別の視覚化が表示されます。
    図 2. 滑らかなラティスオン
    図 3. 滑らかなラティスオフ
  6. さまざまなラティスパラメータを使用して実験を行います。最適化ラティス構造のさまざまな結果と総質量を比較するため、解析エクスプローラの下部にある結果の比較ボタンをクリックします。