ドラフト解析

射出成形を使って製造される製品を設計するときに、ドラフトを解析してアンダーカットを検知します。

ドラフトの解析

製品を金型から簡単に取り外せるかどうか、または金型を取り外しやすくするためにドラフトを修正する必要があるかどうかを確認するためにドラフトを解析します。

オブジェクトの側面が抜き方向(オブジェクトから金型を抜き取る方向)と平行にならないようにします。正しくは、平行な側面には少し傾斜をつけて、金型が変形または破損することなく、オブジェクトから簡単に抜き取れるようにする必要があります。このわずかな角度をドラフトと呼びます。金型が深いほど、大きなドラフトが必要になります。

  1. モデリングウィンドウで、1つ以上のオブジェクトを選択します。
  2. リボンで、解析タブをクリックします。
  3. ドラフト解析アイコンをクリックします。

  4. オプション: 設定を指定します。設定に対する変更はInspire Studioによって自動保存されるので、今後も使用できます。デフォルト設定に戻すには、リセットボタンをクリックします。
    オプション 説明
    参照方向 次のオプションから選択します。
    • グローバルX軸(デフォルト):全体座標系に沿ったオブジェクトの場合、金型はオブジェクトの右側から抜き取られます。
    • グローバルY軸:全体座標系に沿ったオブジェクトの場合、金型はオブジェクトの後側から抜き取られます。
    • グローバルZ軸:全体座標系に沿ったオブジェクトの場合、金型はオブジェクトの上側から抜き取られます。
    • 参照形状:オブジェクトの位置が別のオブジェクトに合っている場合、モールドは参照形状(曲線、エッジ、またはフェイス)に垂直な平面に沿って抜き取られます。
    • カスタム:モデリングビューで方向および原点の各ハンドルをクリックしてドラッグすることで、別の抜き方向を指定します。
    • 方向の反転:抜き方向を反転します。たとえば、ワールド座標系に沿ったオブジェクトの場合、グローバルZ軸と方向の反転を選択すると、金型がオブジェクトの下側から抜き取られることを示します。
    許容抜き勾配

    現在の抜き方向と同じ方向に十分なドラフトが検出された領域を示します。

    デフォルトでは、この領域は緑色で表示されますが、カラーパレットを使用して凡例の色を変更できます。

    抜き勾配

    十分なドラフトに対するトレランス値を定義します。デフォルト値は1°です。

    0°以上の値を選択します。ワーニング角度の値以上にする必要もあります。

    必要抜き勾配

    不十分なドラフトが検出された領域を示します。

    デフォルトでは、この領域は黄色で表示されますが、カラーパレットを使用して色を変更できます。

    ワーニング角度

    不十分なドラフトに対するトレランス値を定義します。デフォルト値は0°です。

    抜け勾配以下にする必要があります。

    アンダーカット抜き勾配

    現在の抜き方向と反対の方向に十分なドラフトが検出された領域を示します。

    デフォルトでは、この領域は赤色で表示されますが、カラーパレットを使用して色を変更できます。

    対称角度 抜け勾配とワーニング角度を対称にします。たとえば、抜け勾配が1°の場合、ワーニング角度は-1°です。
    分割線

    金型の両半分が交わる線を表示します。金型を取り外しやすくするため、フィーチャーは分割線に対して垂直にしてください。

    ドラフト解析ツールを閉じた後も、分割線は表示されたままになります。

  5. 結果の説明:
    • 緑色は、現在の抜き方向と同じ方向に十分なドラフトが検出された領域を示しています。
    • 黄色は不十分なドラフトが検出された領域を示します。この領域のドラフトは修正する必要があります。
    • 赤色は、現在の抜き方向とは反対の方向に十分なドラフトが検出された領域を示しています。
  6. チェックマークを右クリックして、マウスで移動して終了するか、または右ダブルクリックします。

アンダーカットの検知

製品を金型から簡単に取り外せるかどうか、または金型を取り外しやすくするために射出成形スライダーを使用する必要があるかどうかを確認するためにアンダーカットを検知します。

アンダーカットとは、1つの金型からオブジェクトを直接取り出すことを不可能にするへこみや突出です。アンダーカットには、割型と呼ばれる2つに分かれて動くスライド金型の追加が必要となる場合があります。

  1. モデリングウィンドウで、1つ以上のオブジェクトを選択します。
  2. リボンで、解析タブをクリックします。
  3. ドラフト解析アイコンをクリックします。

  4. 解析タイプで、アンダーカット解析を選択します。
  5. オプション: 設定を変更します。設定に対する変更はInspire Studioによって自動保存されるので、今後も使用できます。デフォルト設定に戻すには、リセットボタンをクリックします。
    オプション 説明
    参照方向 次のオプションから選択します。
    • グローバルX軸(デフォルト):全体座標系に沿ったオブジェクトの場合、金型はオブジェクトの右側から抜き取られます。
    • グローバルY軸:全体座標系に沿ったオブジェクトの場合、金型はオブジェクトの後側から抜き取られます。
    • グローバルZ軸:全体座標系に沿ったオブジェクトの場合、金型はオブジェクトの上側から抜き取られます。
    • 参照形状:別のオブジェクトに沿ったオブジェクトの場合、金型は参照形状(カーブ、エッジ、またはフェイス)の面法線に沿って抜き取られます。
    • カスタム:モデリングビューで方向および原点の各ハンドルをクリックしてドラッグすることで、別の抜き方向を指定します。
    • 方向の反転:抜き方向を反転します。たとえば、ワールド座標系に沿ったオブジェクトの場合、グローバルZ軸と方向の反転を選択すると、金型がオブジェクトの下側から抜き取られることを示します。
    閉塞領域

    遮蔽が検出された領域を示します。

    デフォルトでは、この領域はオレンジ色で表示されますが、カラーパレットを使用して色を変更できます。

  6. 結果の説明:
    • オレンジ色は、アンダーカットが検出された場所を示します。これらの領域での取り出しを容易にするにはスライダーを使用する必要があります。
    • (部分的に)閉塞したフェイスの数がドラフト解析パネルに表示されます。
  7. チェックマークを右クリックして、マウスで移動して終了するか、または右ダブルクリックします。